下地内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年10月16日

(平成24年10月16日(火) 11:18~11:35  於:合同庁舎第5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

  私の方からの報告は、今日9時からパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合というのに参加をしました。防災技術をしっかりとパッケージにして海外に発信していこうというような会議でありまして、特にタイの水害の大きなプロジェクトがありますから、それを日本政府としてしっかりと官民一体となってこの事業を獲得していこうというのが1点目であります。
 2点目には、復興推進会議が行われました。この復興推進会議は、五百旗頭委員長から中間報告をいただいたということであります。それと同時に、この復興会議の会談の中では、復興予算について多くの意見が出されましたので、私の方からも、「この復興予算というのは、第三次補正予算の段階から被災地、避難をなされた方、そして全国防災というような、与野党合意の下でこの予算の位置付けがなされておりますから、全国防災という位置付けがしっかりと保たれるようにお願いしたい。特にこれからは、国民の理解を得るためにも、東海、東南海、南海を中心にして予算の配分をしていくことが重要じゃないか」というような発言をさせていただきましたので、そのことも報告をさせていただきます。総理からも、私と同じような、「この予算の趣旨は3党できちっと決めてやったんです。それで無駄なものがあったら、無駄なものはしっかりと削減をしていくというようなことをしていきたい」というような発言があったことも申し上げておきます。
 13日土曜日、静岡の視察をしてまいりました。浜岡原発、それに気象庁の施設、また静岡空港の防災拠点としての役割を担うという県の考え方、そして焼津の港というような形で視察をさせていただきました。浜岡原発については、中部電力から様々な説明をいただきまして、防護壁、防潮堤、防潮壁にも上らせていただいて見させていただきました。
 私の思いだけをお話ししますと、「今の8月27日の段階において津波高が最大19メートルが予想されておる中で、18メートルというのは社会的に理解を得られるものなのかな」というような発言をしてまいりましたけれども、川勝知事も、私と同じような発言をされておりました。それは、再稼働するかどうかとは関係なく、また私の権限でもありませんけど、一般的に見て、国の方向性として19メートルの津波が来るときに、18メートルで大丈夫だと言っても、それはなかなか理解できないだろうというふうに思っております。
 それと、静岡空港についても、防災の拠点にしたいというような話でありまして、非常におもしろい考え方なので、私どもができること、私の方からも、国際的なものも含めた防災の拠点にしたほうがいいんじゃないですかと、飛行場と新幹線がこれだけ密着しているような場所というのはありませんからというような提案をさせていただいたので、これからしっかりと相談をしながらやっていきたいというふうに思っております。
 焼津も見させていただいて、様々な防災対策をしておりますけれども、一つだけ、今日も話をしようと思っていますが、釜石を見たときに、相当な火災があったんですね。あそこの火災の最大の要因は、タンクが漁港の近くにあって、そのタンクが流れて火災が起こるというようなことになっているので、焼津の方も燃料タンクが近くにあるものですから、防災上は、このタンクを移すのが私は必要だと思っておりますので、このことも水産庁と話をしながら、防災に強い漁港という観点からしても、そのことを少し進めていきたいなということを感じさせていただきました。
 そのときも川勝知事にもお話をし、これから南海トラフの知事の皆さんが来ますけど、今日も閣議でお話をしましたように、全国防災の予算は、多くの予算を私たちは南海トラフの地域に集中をしていくというのが国民にとっては理解しやすいことになるのではないかというふうに思っていますから、そのことをしっかりと詰めていきたいというふうに思っております。
 郵政は今いろいろな方々と会談をさせていただいております。どの会談も非常に厳しい会談ではありますが、しっかりと皆さんの御意見を聞いて、これから新規事業の在り方についてまとめをしなければいけないのではないかというふうに思っています。
 それで、第一地銀も信用金庫も信用組合も、そしてメガバンクの方々と話をしても、やはり株の売却のスケジュール感というのが全く示されていないんではないかと、こういうことをおっしゃる方々が多い。それはそのとおりだと思うんですね。株の売却をせずにしてずっと国が株を持っておきながら新規事業をやっていくとなると、国の旗の下にずっと事業を進めようとしているんじゃないかと、こういう誤解が大きく生じているような気がいたしました。これは誤解だと思いますから。これは売るということをもう決めているわけですから、このスケジュール感を、できたら11月の早い時期、前半までにお示しをして第2回目の会談をしていくというのが大事なことではないかなというふうに思っていますから、これを示さないで会議、勉強会をしましょうよと言ってもなかなか理解されないと思うので、そのことをやっていきたいというふうに思っております。
 それで余談ですけど、最後になりますけれども、この前総理から、福島のお米をみんなで食べるようにというような御指示がありましたので、私の関係しているところに全部、郵政会社の方にもお願いをして、福島のお米を優先的に使用するようにというお願いをさせていただいたというペーパーを配らせていただきました。
 それで、明日は危機管理産業展2012、及び有明の丘の基幹的広域防災拠点施設、これを視察してこようというふうに思っておりますので、ここのことも御報告をしておきます。
 私からは以上です。
 それで、今日はまた会談があるものですから長くできないんですけど、40分ちょっとぐらいを目処によろしくお願いします。

2.質疑応答

(問)TBSの菅野と申しますが、今、日本郵政の株式の売却時期を11月前半に見ていたとおっしゃいましたが、大体いつぐらいというふうに大臣のお考えとしては思われているんですか。
(答)僕らが勉強会をしているときに、上場する基準みたいなものが法律であるわけなんですよね。3回の決算を経なければいけないとか、そういう基本的な考え方が法の仕組みによってあるんです。それと同時に、同じような仕事をするので、本当に3回の決算をしなければいけないのかどうなのかという論議もありました。そういうものも含めて、技術的な上場のタイミングというのがありますので、その時期は、私はこれからは、この時期からは株は売れますよ、売っていかなければいけませんよという、そういうのをしっかり示していこうと思っています。
(問)朝日新聞の赤井と申します。先程、浜岡原発の関係で、視察に行ったときに、国が方向性として19メートルを示した中で、18メートルというのはなかなか理解されないんではないかという発言を県知事としていたというお話だったんですけれども、それに対して説明する側、中部電力の側からはどんな回答というかリアクションみたいなものがあったのかというものがあれば教えていただけますか。
(答)リアクションは、中部電力にそのことを直接申し上げたわけじゃありませんので、私の感想として記者会見で申し上げさせていただきましたけど、中部電力がものすごく防災対策に力を入れてやられているということはよく感じましたので、こういう方向性を私どもの方で示すと、私たちの考え方をもって検討とか論議をしていただけるものだとは思いますけれども、今の段階では、私が考えていたのみであります。向こうの反応がどうかというのはありません。
(問)北海道新聞の小川です。全国防災のことで伺います。1兆円というのがありますけれども、この算定の根拠と、1兆円という額が妥当なものとお考えかどうか。
(答)これ19兆円も阪神大震災のことを基本にしながら、アバウトという表現がいいかどうか分かりませんけれども、それで19兆円というのを決めた。そのときにも防災対策として1兆3,000億円の防災対策をやるということになりました。それを一つの基本としながら、1兆円という数字を算出しているわけでありますので、そんなにこれまでの経過からして大きく離れた数字ではないんではないかなというふうに思っています。
(問)通信文化新報です。上場の件なんですけれども、復興財源という観点から、政府のお立場として、いつぐらいまでに上場したほうがいいとか、考えているのか、いかがでしょうか。
(答)できるだけ早く。それは、だから技術的な問題になってくるので、いろいろなそういう上場に知識のある方々が最善の策を選ぶと思いますけど、私はできるだけ早いほうを選択してくれというような努力をしたいというふうに思います。
(問)業界団体と新規事業の棲み分けの取りまとめの時期を大体どれぐらいまでに。
(答)まだ分かりませんね。もうちょっとやらなきゃいけないことがいっぱいあるような感じであります。今私の方でまたこの日にちを言うと、見切り発車と誤解を招く可能性がありますから、今そういう日にちは考えていません。もっと丁寧に話していきたい、それだけです。
(問)方向性としては、参入を認めるべきというお考えですか。
(答)参入はやらなければいけないと思いますよ。しかし、今、申請したもの全部がそのまま認められるかどうかというのは、私たちもう少し論議してみないといけないと思うんですね。
 金融庁が査定をして参入を認めるかどうかとか、そういうだけの話でなくて、西室委員長のお考えがそういうふうなものを、全体的なバランスを考えたものも非常に大事になってくると思いますから、そういう調整は私たちがやらなければいけないと思っています。
(問)共同通信の堀口といいます。全国防災費なんですけれども、来年度予算以降はかなり額を減らさざるを得ないでしょうか、それとも、今までぐらいの額を確保できるとお考えでしょうか。
(答)予算の額は、今減らせる状況かなと思っていますよ。なぜかというと、今回も防災に対して最終報告を、首都直下型においても南海トラフにおいても報告書をまとめるわけですよね。そのときに被害想定の経済的被害だとかいろいろな数値を出すということになると、同時に、恐怖感ばかりあおるんじゃなくて、ここに右のほうで減災対策も国民に示さないと、これは大変なことになりますよね。そういうふうな減災対策を示していこうと、しかも、東日本大震災の17倍だとかという数字が表に出ている以上は、この防災に対する予算が削られることがあっていいのかというと、私はあってはならないというふうに思っていますから、それはきちっと言ってあげたい。
 2点目は、防災というのは国力そのものだと思うんですね、自然災害に強い国家だというようなものでなければ、マーケットに対する発信力もないというようなこともありますから、その観点からしても、経済的観点からしても、これは予算を減らしてはならない。
 それで3点目には、この前もIMFの会合で、防災の主流化ということを世界中が今話をしているわけでありまして、今朝会議をしましたパッケージ型インフラ海外輸出の話がありましたが、これも防災に対する予算が持つ意味が世界中においてものすごく大きくなってきているわけです。その中で、我が国で成果を出さないで、それで輸出ということはあり得ないというふうに思っていますから、そういう3点からしても、予算は増えることはあっては減らすべきではないというふうに思って取り組みたいと思っています。
(問)毎日新聞の池田と申します。全国防災については、今後、南海トラフの地域に重点的に渡していけばいいんじゃないかというお考えということなんですけれど、地震の切迫性ということからすると、首都直下もそうですし、あるいは北海道の太平洋沖の地震なんかもかなり切迫性が指摘、かなり大きい地震が指摘されているところでありますが、そういう地震がいろいろと懸念されている中で南海トラフの沿岸だけというと、また他の地域からいろいろな声が出かねないんじゃないのかなと思うんですけれども、その辺りについてはどうお考えでしょうか。
(答)今言ったように、「だけ」と言っているんじゃなくて、「中心」というふうに申し上げておりますから、推定の数字をもう出してありますし、被害想定の数字も出してあるので、出した以上は減災対策をやらなければいけないと思っていますから、やります。またしかし、今お話があったように、他の地域に関してやらないというわけではありませんから、そこはまた一般的な予算と、それで今の復興予算の枠組みのパッケージでどうするかも考えていきたいというふうに思っています。
 ただ、今日も樽床大臣の方から沖縄の予算がありましたけど、ああいう予算を復興の予算で、必要性はありますよ、必要性はありますけれども、復興の予算で全国防災の予算でやるのかというと、やはり緊急性という観点からしたら、東海、東南海、南海に回したほうがいいんじゃないかと思っておりますから、そういうことは分けながらやっていかなければいけないというふうに思っています。
(問)日本テレビの中濱です。18日の四国地方とかの県知事の会議なんですが、恐らく南海トラフの特措法の要望とかを改めてすると思うんですが、中川大臣からの引き継ぎでも、特措法は早く制定したいということをおっしゃっていましたけれども、大臣、この辺の進捗状況とかは如何でしょうか。
(答)前向きに検討していきたいというふうに思っていますけど、どの時期になるかは役所の皆さんと御相談をしながら、どういう経緯でやっていくのかというのは勉強しながら、ただ必要だという認識のほうはあります。

(以上)