中塚内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年10月12日

(平成24年10月12日(金) 11:15~11:36  於:金融庁会見室)

1.発言要旨

 まず、火曜日(10月9日)ですが、仙台へ行ってまいりまして、防災セミナーでお話をしてまいりました。それから、翌日ですけれども、東日本大震災事業者再生支援機構の池田社長とお目にかかりまして、二重ローン問題解消について進捗状況や意見交換をしてまいりました。
 今日は、閣議がございました。その後、月例経済報告の関係閣僚会合がございました。

2.質疑応答

(問)今週開かれた金融審で、銀行の事業会社への出資比率の規制、いわゆる5%ルールについて、緩和の方向で見直しの議論が始まりましたけれども、この規制緩和に向けまして、大臣の御所見がございましたらお願いします。
(答)ワーキング・グループが開催をされて、金融業の更なる機能強化という視点で御議論をいただいていると聞いておりますが、5%ルールの見直しについても活発な御議論をいただいたようであります。年末には報告書を取りまとめていただけると聞いておりますので、とにかくそういう皆さん方の御意見も踏まえて、主要な論点について、金融庁としても、議論を整理をしてまいりたいと思っております。
(問)来年3月には(中小企業金融)円滑化法の期限が切れることになっていますけれども、その関連で中小企業とかそういうところの貸出を強化する必要があると思うのですけれども、その関連でこの見直しというのは、どうリンクしてくるのでしょうか。
(答)例えば、事業再生という視点からすると、DDS(デット・デット・スワップ)については、昨年、監督・検査において指針で明確化をしたと。それで、今もデット・エクイティ・スワップ(DES)などの場合は、5%を超えて議決権を取得・保有する場合は例外とされているということでありますが、ただ、金融業の機能強化という意味で、こういった方策がさらに活用できるということならば、それはそれで検討する価値はあると。ただ、関係者の間ではいろんな御意見もございますから、そういったものを丹念に聞きながら処理をしていく必要はあるだろうというふうに思っています。
(問)5%ルールの問題は、何点か論点がありまして、一つは、当然、預金として預かったお金をエクイティとして出すということになれば、銀行経営のリスクは上がるということになると思いますが、そのあたりをどう考えていらっしゃいますか。
(答)リスクという点については、そのことも含めてリスク管理というものは、ちゃんとしていただかなければいかんということだと思うのですね。他方で、5%ルールを見直すことによって、資本性資金の供給が促進をされるというメリットもあります。ですので、そのメリットと実際これをやることによって出てくる問題等、そういったものを比較衡量をして検討していくということが必要だと思います。
(問)東洋経済の浪川です。
 被災地にいらっしゃったそうですけれども、復興が進まないという実感はお持ちになりましたか。
(答)復興というのは、現実の復興ということですか。
(問)ええ。
(答)今回は仙台だけですので、仙台の市街地の中心部だけですから、そういう津波や地震の直接の被害を受けたという所には、今回、伺ってはおりません。
 お話ししたのは、東日本大震災事業者再生支援機構で、二重ローン問題の解消ということについて意見交換をしたわけです。また、現在の進捗状況についても、池田社長から御説明をいただきました。
 例えば、街のお寿司屋さんとか、美容室とか、そういったところが再生案件として挙がってきているということで、私は非常にそれは喜ばしいことだと思っています。
 他方、やはり二重ローン問題の解消を進めていく上で、いろいろ新しい課題というものも出てきているので、それについて今後よくよく話し合って方策を見つけていきたいという意見交換をさせていただきました。
(問)その二重ローン問題については、当初考えていたよりも解消が遅れている、要するに債務者の方から申請するというのも遅れていると。債務者の方々の話を聞くと、街も復興しないのに、需要も新しい事業も出来ないだろうという声が多い中で、復興予算が被災地以外にも使われてきていたわけですよね。そういうことについて、二重ローン問題の担当をなさっている大臣としての御所見はいかがでしょうか。
(答)私も被災地に副大臣時代にお邪魔して、金融機関の皆さんや中小企業団体の皆さんと意見交換をしました。今、お話にあったように、やはり二重ローン問題の解消というのは、もう一回商売を前と同じぐらいに再開したいとか、あるいは新しいビジネスに乗り出したいという、ニューマネーが必要な時にこそ、二重ローン問題の解消というのが出てくると。
 では、新しいビジネスに乗り出そうということになれば、今は中小(企業基盤整備)機構の仮設店舗に入り、グループ補助金をもらって商売再開したと。その商売再開した方の件数は非常に増えていますが、でもやっぱり本格的再開をしようとすれば、実際の復興というものを見ながらやっていきたいとお考えになっていることが多い。それは、私も直接伺いました。ですので、今後、実際の復興が進んでいくに従って、そういう事業者の二重ローン問題もそうですし、個人版の私的整理ガイドラインについても数が増えていくだろうと思っています。
 その復興予算の流用ということですが、具体的にどこにどういう予算が流用されたかという詳細は存じあげてはおりません。しかし、そのことをも含めて、行政事業レビューにより、明らかになったというふうに聞いております。ですので、そういう復興予算が直接的な復興以外に使われているということについて、私自身もいかがなものかと思わないではありません。ただ、そのことが明らかになったのも、行政事業レビューというのをやったからこそであるということも付け加えさせていただきたい。ついこの間まで、その担当の副大臣もしておりましたので。
(問)フリーランスの島田と申します。
 今の話に関連してですけれども、復興に関して地元の金融機関が個人事業主とかにお金を、復興の予算というか、貸付をしようと思っても、最近は土建屋とか復興事業に関わっていく事業体には、普通に金融機関から融資がおりるケースがあるのですけれども、個人事業主、例えば倉庫が必要な楽器店ですとか、本屋ですとか、金物店ですとか、そういう個人事業主にはなかなか融資がおりないという話を現地では聞いたりしているのですけれども、このあたり何か是正するような方策というのはあるのでしょうか。
(答)個別の話というのは、おそらくケース・バイ・ケースで様々な事情があるのだろうと思います。
 私が被災地へ行って、直接、意見交換をし、意見を伺ったところによれば、今申し上げたとおり、今はそれこそこの二重ローンの問題についても、やはり被災地の金融機関が条件変更等をしてくれているので、ニューマネーの必要性があまりないという事業者の方が多くございました。
 ただ一方で、もう一回頑張ろうと、さらには新しいこともやろうという時に、ニューマネーが必要になる。そのニューマネーが必要になる時にこそ、この二重ローン問題が解消されなければいけないということなので、現実の復興とこの二重ローン問題の解消は、密接に関係していると思っています。
 ただ、おかげさまで、池田社長も一生懸命努力していただいて、今どんどんと案件は増えておりますから、「こういう制度があるのですよ。」ということはしっかりと周知をしていきたいと思っていますし、よりたくさんの方に御活用をいただくよう努力していきたいと思っています。
(問)今日、一部報道で長野の年金基金の運用を担当していた社についての業務停止命令もという報道がありましたが、個別案件なので一般論で結構ですけれども、こうした運用を担当する会社というのはどうあるべきかということについて、一言お願いします。
(答)投資一任業者であれ何であれ、業務の適切性ということについては、検査・監督を通じて常日頃から実態把握に努めております。仮に法令違反が見つかれば、厳正に対処してまいります。
(問)先日、国際会計基準審議会の議長さんと面会されたと思うのですけれども、この会談内容を差し支えない範囲で御紹介いただければと思います。
(答)一昨日にハンス・フーガーホースト議長がお越しになられました。それで、IFRS(国際会計基準)の適用についてお話をされました。それで、我が国の現状と考え方についてお話を申し上げました。それで、私どもからお伝えをしたことについて、議長からは、「日本は、コンセンサスを大切にする社会であるということは、よく理解をしている。」といったお話がありました。
(問)先方から、IFRSの強制適用に向けての判断を早めにしてほしいというような旨の要請というようなものがあったのでしょうか。
(答)強制とかそういうことはなかったと思います。当然、そういう国際会計基準審議会の議長さんでありますから、そういった思いをお持ちになっておられるのかもしれませんが、我が国の立場というものをしっかりとお伝えをしたということです。
(問)それは、我が国の立場というのは、まさに年内を目途に判断するという、そのお言葉というふうに考えてよろしいですか。
(答)いつもこの場で皆さんにお話ししているとおりです。
(問)マガジンXの神領と申します。
 いつも伺うのですが、自賠責保険の問題です。御案内のとおり、自賠責保険というのは、来年1月に自賠審がまたあって、2年ぶりにたぶん再値上げになるだろうと言われているわけですけれども、当時の野田財務大臣と、当時の馬淵国交大臣が約束をして、積立保険金6,000億円余りが、今、一般会計に入っているわけですが、これを引き続き貸し出したままにすると。一方で、(保険料は)値上げになるわけですが、自賠責保険を所管する金融庁の立場では、本件はどのように(考えを)お持ちでしょうか。
(答)まだ、議論をされている途中でありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、あくまで一般論で申し上げれば、やっぱり保険であります。ですので、それは、保険事故の発生確率でありますとか、また再保険の状況等々を勘案して、保険商品というものは設計をされるべきであろうと思っています。
(問)再保険はやっていないですよね。再保険ではないですね。
(答)そうですね。一般論で言えば、保険というものはということですが。
(問)6,000億(円が)貸し出されている状態で(の保険料の)値上げということに対して、不合理はお感じになっていないですか。
(答)これも今、議論をされている最中でありますので、今この時点においては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)今週、グローバル・ファイナンシャル・スタビリティー・レポートで邦銀の国債保有リスクが指摘されまして、それをめぐって、今、IMF・世銀総会で多少の議論があります。この議論をどう見ていらっしゃるかということと、邦銀の国債保有リスクというのはあるのでしょうか。大臣の御所見をお伺いしたいのですが。
(答)そういった議論が行われたということは、承知はいたしております。他方で、そういうリスクがあるものの、日本の金融システムというものは、それを吸収できるように安定しているという言及があったというふうにも伺っております。
 いずれにしても、マクロ・プルーデンスの観点から、しっかりとそういう資産のリスク管理はしていただかなければならんわけでありまして、監督方針の中にも既に盛り込んであるところであります。
(問)ちょっと金融の話からはずれるのですけれども、大臣は自殺(対策)担当でもあるということで、本年の自殺数に関しては、おそらく3万人を切るだろうという流れになっていく中で、どのような自殺対策の効果があったのかということと、大臣は、自殺という問題について、これまで考えてきたことがあれば、何が問題なのか、どういう点を考えるべきなのかということを教えていただければと思います。
(答)本年は、おかげさまで自殺者の数が低位で推移をしているということでありまして、非常に喜ばしいことだと。何とか3万人を切るように努力をしたいと思っております。
 数々の施策を展開いたしてまいりました。私は、今年、自殺(者)の数が低位で推移をしているということについて、やはり今まで行政各部局で各々いろいろな対応をしてきたわけですけれども、その対応の連携がよくとれるようになってきているということが、理由の一つとしてあるであろうと思っております。
 例えば、金融庁においては多重債務の問題を扱っておりますが、その多重債務の問題で相談に来られた方に対して、そういう自殺の問題について相談する窓口を紹介をしたり、またあるいは逆もあります。そういう行政各部(局)の連携というものが、徐々に効果を現わしてきている結果ではないかと思っておりまして、今後も一層そういう関係部局の連携を強化するように努めていきたいと思っています。
(問)問題そのものについての御所見というのはありますでしょうか。自殺という行為というか、起こっていることそのものに対する御所見というのはありますか。
(答)いろいろな統計を拝見しますと、やはり若年層の死因で自殺がトップになっているということについては、本当に残念な思いでいっぱいです。これについては、いろいろな対応をとっていかなければならんと思っていますけれども、とにもかくにもそういった若い人の自殺者数が多いということについては、この問題の中で一番深刻に受け止めなければいけないと思っています。
 どうもありがとうございました。

(以上)

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