小宮山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年6月29日

(平成24年6月29日(金) 10:33~10:45  於:厚生労働省内会見室)

1.発言要旨

 今日は、冒頭私のほうから3点申し上げます。
 1つは、麻薬指定政令の閣議決定についてです。今日、4種の物質を新たに麻薬に指定する政令が閣議決定されましたので、報告します。今回麻薬として指定した物質は、指定薬物に指定された後も合法ハーブなどと称して、国内で流通していて、麻薬と同程度の有害作用が確認されたものです。今回の政令によって、こうした物質は製造、販売だけでなく、所持も使用も禁止されることになります。これは8月3日施行予定です。今回麻薬として指定した物質のように、指定薬物として指定された後も国内に流通している薬物については、今後とも麻薬と同様の有害作用が確認されたものから、速やかに麻薬として指定していきたいと考えています。
 2点目は、本日公表の雇用情勢についてです。5月の完全失業率は0.2ポイント改善し4.4%、有効求人倍率は0.02ポイント改善し0.81倍で、現在の雇用情勢は持ち直しているものの、依然として厳しい状況にあると認識しています。今後とも、被災地の雇用情勢や円高による雇用への影響について、注視していく必要があると認識しています。日本はひとつしごとプロジェクトですとか、平成24年度予算に盛り込んだ雇用対策を、迅速かつ的確に実施して、厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組んでいきたいと考えています。
 3点目は、食中毒の予防についてです。資料が配布してあると思います。あさってから7月になりますが、暑い時期には食中毒が発生しやすくなります。食中毒の予防には、原因となる菌を「付けない、増やさない、やっつける」、この3原則が重要です。ご家庭でも飲食店でも、生の肉や魚と、その他の料理の料理器具を使い分けること、冷蔵庫で保存すること、加熱をしっかり行うことなど、十分な注意をお願いしたいと思います。また、だいぶ報道もしていただいていますが、あさって7月1日から牛レバーの生食用としての販売、提供が食品衛生法に基づいて禁止されます。牛レバーの内部から重篤な食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌が検出されることがあり、現時点では、牛のレバーを安全に生で食べていただける方法はありません。こうした事実を正しくご理解をいただきまして、牛のレバーは必ず中心部まで十分加熱して召し上がっていただくようお願いします。今後は、牛のレバーを安全に生で食べることが出来るよう、厚生労働省としても知見の収集や、調査・研究の実施など積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)小沢元代表が、一体改革の関連法案を参院で採決した場合には離党も止むなしというようなことを示唆されています。民主党が分裂状態にあるというようなことになっていますが、改めて、参院での採決についてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)衆議院での採決で一致して行動が出来ない方がいたということは大変残念なことだと思っています。とにかく今のねじれ国会の中で、一つずつ一歩ずつ前に政策を進めるためには、与野党で協調して修正が出来た今回は、大きな前進だと私は思っていますので、当然それは参議院でも採決をすることになりますので、党の中のことは、党の幹部がこれから適切に処理をされると考えています。
(問)次に育児・介護の問題についてうかがいます。改正育児・介護休業法が、7月から中小企業にも適用になると思います。現実では中小企業では、まだ育休ですとか短時間労働は必ずしも十分取れる状況ではないということで、国の支援策が現状で十分とお考えか、あるいは何かもう少し支援していく可能性があるかということをお伺いします。
(答)これまでも支援はしてきていると思います。そういう意味では、中小企業の皆様の色々な事情もうかがいながら、今のあるものを色々組み合わせて使っていただくということだと思いますが、更に何か必要な事情があるかどうかはまた、実情をうかがいながら、考えていきたいと思います。原則として今は現状のものを、どうやったらうまく組み合わせて使っていただけるかということを、しっかりと説明していきたいと思います。
(問)現状、大臣としては、中小企業での介護や育児のための働き方というのはどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
(答)今若い人たちの就職状況が厳しい中で、中小企業とのマッチングということにも力を入れている訳ですから、色々な意味でやはり中小企業で働いていても大企業で働いているのと同じような、ワークライフバランスを含めたしっかりした環境整備が必要だと思っていますので、必要なことがあれば検討したいと思います。
(問)少し前の話になりますが、報告会で死因の究明を進めようという法律が2つ上がりまして、警察庁の話なのですが、法医学のお医者さんが医師の偏在が言われる中で特に足りないとか、医療面からのインフラでも求められることがあろうかと思うのですが、厚労省として死因究明の体制作りに今後の取組でお考えのこととか問題意識とかがございましたらお答えいただければと思います。
(答)死因究明の推進というのは厚労省としても公衆衛生の向上を図るという観点から重要だと考えています。今回、議員立法によって死因究明関連の2法が成立したことは大きな前進だと考えています。死因究明等推進法では、基本理念の1つとして、公衆衛生の向上に資することが挙げられています。また、死因究明等の推進に関する基本方針として、「死体の検案及び解剖の実施体制の充実」等が挙げられ、死体解剖保存法を所管する厚生労働省としても、大きな関わりがあることだと認識をしています。今後、法律に基づいて、内閣府に設置される死因究明等推進会議で、死因究明等推進計画の策定に向けた議論が行われることになりますが、公衆衛生行政を所管している厚生労働省としてもしっかりと対応していきたいと思います。
(問)他にもう1点生レバーの関係で、知見の収集を厚労省として研究ということにも言及があったのですが、具体的にお考えのことがあれば教えて下さい。
(答)牛の生レバーにつきましては、非常にいろいろな声をいただいています。現時点では、関係業界が消毒薬による殺菌について研究を実施しているほか、海外では肉への放射線照射による殺菌も行われているということです。牛の肝臓を生で食べるための実用的な方法について、安全性ですとか有効性に関する十分なデータが収集できるように、関係業界団体と協力しながら取り組んでいきたいと考えています。
(問)生レバーについてもう1点お伺いします。明後日からの正式な規制によって、裏での生レバーの提供することが危惧されていますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
(答)今回、非常に多くの声をいただいて、別に亡くなった方がいるわけでもないのに、こういう嗜好品をどうとかいう声もたくさんいただいていますけれども、これは、O157を含めて健康に害があるという物が内臓の中にあるということが分かった以上、食の安全を所管している厚労省としては、規制をするということは必要なことだと思っています。そうした中で、かなり厳しい罰則規定もありますので、そこのところはそういう法律を施行する以上、ちゃんと守られているかチェックして、そこは徹底していきたいと思います。
(問)社会保障制度改革推進法案が採決されて、国民会議が設置された場合なのですが、24年通常国会に提出ということで掲げられていた医療法の関連法案ですが、そういったものは国民会議で議論するということになるのでしょうか。
(答)それは、3党でいろいろな党の主張がある中で、ぎりぎりの修正をしたと思っています。その中に年金・医療・介護・少子化についても検討するというふうに書かれていますが、具体的に何をどう検討するかというのはこれからですので、なるべく推進法案の主旨に沿いながら必要なことをやっていきたいと思います。
(問)医療関連法案もそのなかに入っていくということですか。
(答)そこは、分からないです。何を具体的に、どの法律を中に入れてやるとかいうことは、まだ決まっていないわけです。

(以上)