川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年8月31日

(平成24年8月31日(金) 8:54~9:14  於:会見室)

1.発言要旨

  おはようございます。私の方から、ちょっと多いのですが、4件御報告をいたします。
 初めは、財務大臣から、閣議において、「9月以降の一般会計予算の執行について(素案)」(会期内に特例公債法案の成立が見込めないときに備えて)というものが示されました。この中で「地方交付税の執行抑制について、地方公共団体の円滑な財政運営に十分配慮して、検討」するというふうになっております。昨日の「国と地方の協議の場」においても、全国知事会の山田会長からも、地方の財政運営への配慮を求める発言があったところでございますが、これも踏まえて、今後、交付税の取扱いについては、地方公共団体の財政運営に支障が生じないように、財務大臣とよく相談をしたいと考えております。この、今日の財務大臣の発言を踏まえまして、例年9月初めに行っております普通交付税の9月交付については、会期末の状況如何によるが、執行抑制方針が正式に閣議決定されれば、これと同時に行うこととしたいと思っております。元々9月4日をめどにしておりました。会期末まで最大、法律を通すいろいろな努力をされるということでありますので、是非ともに、9月分が予定どおり交付できるように、この法案の成立を強く期待しているところでございます。
 2点目は、今日の閣議におきまして、いわゆる地方公務員制度改革について、現在の検討状況と今後の方針について発言をいたしました。公務員の労働基本権に関しては、国家公務員については御案内のとおり、関連四法案、提出をされていますし、今、もう本会議趣旨説明は終わっております。近々には、審議に入るのではないかということになっておりますけれども、同じ公務に携わる地方公務員についても、国家公務員と同じように、こういうふうなものに準じた公務員改革を進めることが急務であるというふうに考えております。これまでにも、総務省において、地方公務員制度改革について、地方公共団体の関係の労使の方々から御意見を伺うことも含め、検討を進めてまいりましたけれども、残念ながら、依然として地方三団体の理解が十分には得られていないというのが現状でございます。今後、関係者の御理解を深める取組をしっかり進める中で、最終的な法案の成案を得る努力を進めて、臨時国会への法案の提出を目指して全力で取り組んでまいりたいというふうに思っている旨、発言をいたしました。
 それから、3点目は、先般来この場でも御質問がありましたけれども、例のNTTドコモの、特に海外ローミングを中心として、不都合が起こりました。この一連の通信障害を、いろいろ検証・検討していただいて報告を受けたのですが、NTTドコモとNTTコミュニケーションズ、双方の部分の連携も含め、トラフィックの急増への対策として、設備を増強する際に不備があったと。両社にミスが重なったということで発生したものということを、報告を受けました。こういう事故は極めて重大な影響を与える、あってはならないことでありますので、年初来のいろいろな通信障害も含めてですね、しっかりと対応するようにということを推進してもらってきた中で起こったことは、あってはならないことだというふうに思っております。また、報告を聞くにつれですね、一連の、この電波の流れというのがあるのですけれども、NTTドコモが分担している部分と、NTTコミュニケーションズが分担している部分の、個々のつなぎ目のところで、こちらがこうだろうと思ってやったものと、こちらがこう来るだろうと思ってやったことが、ずれていたということで、せっかく4回線あるのに2回線しか使えなかったということでパンクしたという、こういうことのようであります。よく申し上げますが、何か事態を変えたときに不都合が起こりやすい。飛行機では離発着のときと同じように、そういう、変えたときということと同時に、やはりつなぎ目というのが問題になったというのが新たにクローズアップされましたので、ここに連携が十分でないという認識を、非常に私自身強く持ちました。このため、今後ですね、通信障害対策連絡会を開催して、NTT以外の他事業者にも情報を提供し、共有化するということを進めると同時に、NTTグループとして取組をどうするのか、NTT持株という立場で、ドコモ、コミュニケーションズのこの問題を含め、確認して対応するようにということを、NTT持株に要請するということをするように、事務方に指示をしたところでございます。
 それから、恒例でありますが、労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果について、閣議に報告をいたしました。既に統計局からお配りしているとおりです。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信です。本日から幹事社が変わりました、よろしくお願いします。質問させていただきます。出先機関改革の関連法案についてですが、昨日の、国と地方の協議の場でも話題になっておりましたが、今国会への提出は可能なのでしょうか。お考えをお聞かせください。
(答)日程的には国会が終わっていないという部分では、絶対できないということではないというのは、理屈上そうですけれども、既に御案内のとおり、政府間の調整をほぼ終えて、民主党に御議論をお願いをした中で、調査会長の方から、7項目のことに関して整理整頓し、更に深掘りをして、とりわけ市町村の理解をしっかり得るようにという御要請をいただきました。現在、その部分に関して整理をしているところでありますので、一定の時間は掛かるのではないかというふうに思われますので、できる限り早期に法案を提出したいという基本線でありますが、この国会には間に合わない可能性が高いというふうに思っていますし、そうなれば、次の国会には是非ともちゃんと出せるようにしたいと思います。昨日の国と地方の協議の場においても、知事会、市長会、それぞれのお立場で御発言ありましたが、いずれもですね、この方向性は大事なことであるという中で、いろいろな部分の懸念を払しょくできるように、きちんと整理をしてほしいという御要請でありましたので、その旨は、そういう基本的なスタンス自身は御理解をいただいていると思いますので、私の方からも、最終的な着地の合意が得られるように最大努力をするので、皆さんの御協力をお願いしたいと申し上げたところでございます。
(問)京都新聞の小川です。交付税の抑制のことでですね、お聞きしたいのですけれども、昨日の協議の場などでも、地方への影響が無いように工夫をしたいというふうにおっしゃっておられたのですけれども、具体的にはですね、どういうような地方への配慮というものが想定されるのでしょうか。
(答)昨日、知事会、地方を代表して山田知事会長からお話があったときもですね、特に財政基盤が弱いのは市町村であるので、市町村に関してしっかりと配慮してほしいという御要請でありました。私の方からも、そういう部分で、財政事情はそういうことで大変厳しい状況にあることは当然でありますけれども、財務省の、そういう方針のされる中で、実質的に地方の財政運営に支障を来すことがないように、やり方を含めてですね、十分に相談をさせていただきたいという旨、申し上げました。これから具体論に入っていきますので、そういうことは十分に配慮する中でやってまいりたいというふうに思っています。
(問)それは、財政力が弱いところには抑制をしないとか、そういうことも想定。
(答)そうしないと断定的に申し上げることはできませんが、いろいろな形での抑制の仕方、交付の仕方にはいろいろな、テクニカルにはいろいろあると思いますので、財政力が弱いというのが一般的である市町村という意味での市町村と申し上げたつもりであります。いずれにしても、これは、よく相談をしてまいりたいということであります、財務大臣と。地方のそういう切実な御要望があるというのは、昨日のところでも、財務大臣も同席しておりましたので、状況は御理解いただいておりますので、よく相談をしながら。
(問)すみません、NHKの山下です。先ほどの、ドコモの通信障害に関しての件なのですけれども、NTTの持株会社にグループとしての連携を再確認して、再発防止を講じろという、行政指導をするという方針のことなのですか。
(答)行政指導というよりもですね、両社の連携が十分取られているかどうかということも含めて、NTTグループとして検証してほしい。そして、それで、そのことの御報告をいただいて、確認をしたいということでありますので、要請して、我々としても確認をしたい。彼らにも確認してほしいし、我々も確認したいということでありますので、形式上どういうふうに言うのかはあれですが、何かの形で行政指導というのを、どういう定義で言うかにもよると思いますけれども、中身としてはそういうことであります。個々の会社のヒアリング、報告を受けたのですが、両方の持株、コントロールしている持株として、やはりしっかり事態を把握し、検証し、そして、対応して、どうなっているか我々に報告をしてくださいということでございます。行政指導というものの前段階ですかね。
(問)すみません、もう一問よろしいでしょうか。予算の執行の抑制に関してなのですけれども、これは非常に政局が影響してこうなったという要素が大きいと思います。当然、野党側にも責任はあると思いますけれども、政局の影響で地方に、迷惑と言いますか、掛ける状況が生まれていることについての御所見をお願いできませんでしょうか。
(答)政局という言葉は、どういうことを指しているのかは定かではありませんが、行政の立場で言えば、そのときそのときの立法府でやられたことに対しての、最大の対応をするということ、いろいろなところに、きちんと行政が、最大限その状況の中で執行できるようにということに努めるということでありますから、そういうことに至っている状況が、良いとか悪いとかいう立場ではございません。例えば、政局というのは、要するに、国会の意思が、決まったこと、決まらなかったことがあるということですから、予算が決まらなかったからという、過去に、昔で言えば、予算が決まらなかったときに、予算が決まらないときには、いろいろ暫定予算とかいうのは、この、決まらなかったことが良い悪いという話ではないので、今回も立法府のいろいろな状況の中で、決まらなかったことは極めて異例であることは事実ですけれども、我々としてはそれに対応して、可能な限り影響が少なくなるようにということで、最大努力をしていきたいと思っています。
(問)すみません、時事通信の佐藤です。さっきのドコモの件で、持株に対するですね、対応の報告期限みたいなものを一緒に求めているのかということと、あと、連絡会のスケジュール感、もし分かっていたら教えてください。
(答)期限は特に決めていませんが、できるだけ早くということになるというふうに思います。それは、ほぼそれぞれの状況は、事象は、各社では分かっているわけですから、それを持株としてどう認識して、どうこれから対応するのかということでありますから、そんなには掛からないと思っております。それなりに発生元で検証、対応が取られてない、取ってから報告していただかないとですね、いけないということでありますから、そんなに間を置くつもりはありませんが、まだ確定はしていません。
 送り元としては、偶数と奇数に分けて、分けて二つ送って、受けた方で偶数と奇数に分けるつもりだったという。偶数しか来ないのに分ける割り振りがないから、全部そちらに行ってしまったみたいな。要するに、分けた意味が何も無くですね、という、要するに、送る方と受取側で、いろいろな輻輳対策を取ったことにずれていたということで、結局、輻輳対策が何もできていなかったというふうなことだったようです、はい。
(問)共同通信の高橋です。公務員制度改革についてなのですけれども、まず、地方公務員の方は、今国会の法案提出ということで言い出されたと思うのですけれども、今国会は断念という、そこの受け止めとですね、あと、地方の三団体の理解を得ていくということですが、そこの手法ですよね、臨時国会に向けた手法、どういうふうに理解を得ていくのかという、やり方ですね。
(答)事実上この国会では、地方の労働権の問題ですから、やはり地方の側という部分の一定の理解、労使関係の元になりますから、ということでは、残念ながら、いろいろな意見書も含めてですね、今は御賛同に至っていないというのが現状でありますから、今のところその部分では、この国会は難しいという判断をしたのですけれども。いろいろ私も、それから、各政務も含め、あるいは事務方を含めていろいろ意見交換をしている中でですね、やはり、労働組合、労働運動というものに対しての認識の中で、若干の誤解もあるのではないか。あるいは国際的には位置付け、ILOのことを含めて、勧告もいろいろ出ているということも含めて、やはり共通の基礎認識の中に議論をしないと、そこがこうずれるとですね、全然違うところの話になっているというのを若干感じるので、そういう有識者の皆さんのお力もお借りしながら、地方の行政における、公務員における労働基本権というものが、世界的、あるいは世の中的にどういうものであるのか、長所も短所もですね、ということの交通整理をした議論を、ちょっとひもといた方がいいのではないかという気がしています。
 同じ労働運動でも、終戦直後のですね、ある種の、非常に先鋭的対立の労使関係というのも歴史的にはありましたし、今はそういうものが、世界的にもそういうものが薄れてきているというのもあるとか、いろいろな経過もありますから、一口に労働運動というものに対して、ところが、ここの方にとっての受け止めはまたいろいろですから、そこら辺をちょっと、共通認識に、一度整理をしたいなと思っています。やり方は、ちょっと工夫しています、今。
(問)毎日新聞の種市です。交付税の、特例公債法案との関係についてお聞きしたいのですけれども。
(答)交付税の何法案。
(問)交付税と特例公債法案、はい。4日に、交付税の9月の配分が予定されていると思うのですが、それでは、その前に、歳出抑制の閣議決定がされない場合は、従前の予定どおりに交付するということでしょうか。
(答)4日にはしません。閣議決定を受けて、どうするかというのを相談して、やるということですから。最近の例として、ここ3年ぐらい、一番初めの曜日というかね、にするというふうになっていましたが、9月ということですから、もともと普通どおりにいけば、4日、できるだけ早い方がいいだろうということで、4日を目途に準備をしてきたのですが、こういう状況でありますから、会期の最終状況を踏まえて、それまでに通っていたらもうベリーハッピーですし、そうでないときは、閣議で一定の方向が示されるというのを受けてやるということです。
(問)よろしいでしょうか。はい、それでは、終わります。ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)