川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月2日

(平成23年12月2日(金) 8:42~9:00  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 おはようございます。3点、私の方から申し上げます。
 1点目は、11月30日に、震災復興特別交付税の創設等を定めた交付税総額特例法、それから財源確保地方税法、それから修正地方税法の3法について、国会で成立させていただきました。これらの法律について、先ほどの閣議により、本日、公布されることになりました。これにより、更に復旧・復興事業が円滑に実施されるものと期待をしております。特に、震災復興特別交付税については、3月に交付をすることといたしまして、その算定方法等を地方団体に対して速やかにお知らせするために、本日、法律にあわせて算定省令を公布することとしております。あわせて、これ、相当な事務量が発生いたします。そういう意味で、震災復興特別交付税の算定等を行う体制を整えるために、自治財政局内に「復興特別交付税室」を、昨日、立ち上げました。今後とも、被災団体の負担ができる限り軽減されるように、震災復興特別交付税の算定事務を進め、的確に財源措置を進めることをしてまいりたいと思っています。これが1点。
 それから、本日の閣議で、松江市を特例市として指定する政令を決定いたしました。今後、松江市におかれては、県からの事務の引継ぎなど、来年4月からの特例市への移行に向けて準備を進めて、引き続き、適切な行政運営に努めていただきたいと思っています。
 最後の1点でありますが、ICTを活用した新たな街づくりについて、近々、懇談会を立ち上げたいと思っています。ICTは、申すまでもなく、今後、深刻化する地域的な諸課題の解決、あるいは、経済の活性化、雇用創出による新たな成長を牽引するものであります。同時に、東日本大震災からの復興においても、ICTを中心とした街づくりというのは幅広く検討されていることでありまして、災害に強く、安心して暮らせる、活力のある、雇用が広がる、産業が発展すると、こういうことの中核の要素であります。そういう意味で、街づくりのモデルのグローバル展開を通じて、国際的な競争力も含めて、しっかりと取り組むことが必要でありますので、ICTを活用した新たな街づくりの在り方、その実現に向けた推進方策等について、地域の利用者の声も聞きながら、検討を進めるということで懇談会を立ち上げます。詳細は、また事務方からお知らせをさせていただきたいと思います。
 私の方からは、以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信です。幹事社から1問、お伺いをいたします。沖縄防衛局長が、不適切とされる発言で更迭されましたけれども、沖縄あるいは野党からの反発が大変強い問題ですが、沖縄担当大臣として、どのように受け止めていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。
(答)極めて不適切な発言で、沖縄県民の皆さんの心を大きく傷つけてしまったことは、誠に遺憾でありますと同時に、担当の大臣としても、そういう皆さんに対しては、改めて申し訳ない気持ちでいっぱいでありまして、お詫びを申し上げたいと思います。担当大臣としては、引き続き、沖縄振興にしっかりと取り組んでいくということに、全力を挙げたいというふうに思っています。
(問)大臣、公務員給与について質問ですが、昨日、前原政調会長が、人勧の実施も含めて柔軟に対応する考えを示したのですけれども、改めてになりますが、人勧を実施した場合にどういった問題が起きるかというのを、お願いできますでしょうか。
(答)これ、国会でも、まだ法案は審議されていませんけれども、この課題については衆・参の委員会、予算委員会も総務委員会も含めて、いろいろな議論があります。政府としては、今、出している分がベストということで対応していますが、政党間において、これから法案をどうするかというのは、協議をされるということになったというのは伺っております。その中身については、政党間の協議でいろいろ御議論もあるのだというふうに思いますが、我々としては、人勧は民間準拠で給料を合わせるということと同時に、給与に対する措置を、今まで経過措置をやってきたものを廃止するということで、フラット化するという、二つの御提言を頂いているのですが、額において0.23%をはるかに上回る7.8%という分を、御苦労いただいている公務員の皆さんに痛みをお願いすることになりますけれども、御負担をしていただきたいということでありますので、それをやっている間は、人勧の趣旨、目的は異なりますけれども、大変な負担をお願いするということで、人勧に伴う法律を出さないということにいたしております。実際にこれから技術的な問題とかいろいろありますし、両方、0.23%だけ飲み込んだらいいのではないかという議論はよくあるのですが、実は0.23%は平均なのですが、若い人ですと、人によっては2%増える人から、中高齢者でいうと6%ぐらい減る人までおられるというので、0.23%という数字なので、これに7.8%、5%、8%、10%を乗せますと、一番少ない人だとマイナス3%で、一番多い人だと13%ぐらいということになるということで、それも役職ではなくて、個々人で全部違いますので、なかなか難しい問題、このことに対して、それぞれのお立場の、自分の仕事の経過によっての経過措置が有る無しで、負担する額が全部違うということになるという、理屈上なかなか整理のつきにくい問題も含んでいることは事実でありますが、いずれにしても、そういうことも踏まえて、政党間でいろいろ御協議されるということは、政党間の立場として、政府としては我々のがベストという立場でありますが、それは見守っていきたいというふうに思っています。
(問)大臣、よろしいですか。固定資産税について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、全国の自治体でですね、税金の取り過ぎ、課税ミスとか。一方で、税金を全然取ってないという、課税漏れみたいなね。納税者にとって、不公正感を惹起しかねないですね、事態が、結構、起きているわけですね。この点について、実態の把握とかですね、制度の改善といった、そういったお考えはありますでしょうか。
(答)私も、実は、その一部、報道番組は見ました。それでやはり、そういうことは、起こっていたということ自体は、極めて遺憾なことだというふうに思いますし、一番、事務方にそのとき言ったのは、やはり、税金は納税者に納めていただいているという立場であって、納めろという立場ではないので、やはり、正確に、制度に基づいて、きちっと対応するという一番のベースが、やはり、ちょっと弱いということではないのかなと、こういうことが起こるということは。だから、そういう意味では、一つは、徴税する人たちの研修、教育と言うのですか、貴重なお金の中から税金を頂くのだから、間違ってはいけないということのベースを改めて徹底するように、今、言っているところであります。そして、個々の事象がどういうことかというのは、これは、一回、各、それぞれのところに問い合わせをするという、実情は、ちょっと問い合わせをしてみたいというふうには思っています。実態が、そういう県が、今までどれぐらいあったのか、あるいは、指摘をされているのかというのは、ちょっと、全体が、今、把握できていないので、それは調べたいと思っています。
(問)もう一つ、混乱の背景にはですね、非常にこの課税のプロセスが複雑で細かいという。それをですね、いわゆる専門家でもない自治体の職員が対応できるのかどうかというね、こういう指摘もあるのですけれども、こういった課税システムの簡素化、プロセスの簡素化とかですね、簡略化みたいなことをですね、総務省として考えていらっしゃるのかどうか。
(答)一つは、だから、先ほど申し上げたように、気持ちの問題と同時に、そういうテクニカルなことも、しっかり研修して、その徴税事務にかかわる人は、しっかりとそういうレベルをもって、そして、意識をもってやるということは、これは徹底したいと思っておりますが、今までも、いろいろなことでは、簡素化は取り組んできたことなのですが、今、実情をちょっと見たいというのは、そういう、どういうことが実際に起こっているのかということの中での背景でありまして、同時にですね、余り簡素化すると、また納税者の不公平と言いますか、税制度でありますので、これは、実情をよく、そういう部分で、まず調べる中から、課題として見ていきたいというふうに思っています。
(問)大臣、すみません。閣議の前に、安住大臣と枝野大臣とお会いになっていらっしゃったようなのですが、何らか、御調整なさったのでしょうか。
(答)閣僚の非公式意見交換ですので、中身は、はい、意見交換です。
(問)追加で、では、すみません。先ほど、一番最初にお伺いした、沖縄の防衛局長の今回の発言なのですけれども、この問題を通じてですね、今後、沖縄振興に対して、何て言うのでしょう、信頼関係が崩れたということもありますけれども、障害になる、あるいは、難しくなったというふうな認識はございますでしょうか。
(答)と言うか、いたく沖縄の皆様の気持ちを傷つけたことは、それは間違いないことでありますが、私の立場で言えば、沖縄振興に今まで真摯に取り組み、知事さん始め、皆さんともいろいろ意見交換をしてきて、今、予算編成、最後の山場に向けて頑張っているところでありまして、引き続き、誠意を持って対応し、予算編成に向けて、あるいは、制度改革に向けて取り組むことで、そういう関係が少しでもよくなるように、頑張っていきたいと思っています。
(問)すみません、電波オークションについてなのですけれども、大臣御自身も行政刷新会議のメンバーでいらっしゃると思うのですけれども、改めて提言に対する対応というかですね、整合性などについて改めて教えてください。
(答)提言自体は、基本的には、中長期的な政策提言という中で行われたものだというふうに思いますし、そして、それが同時に、内閣として、私はメンバーの一員ですから、最大限その意図を理解し、推進していく、政策に今後生かしていくというものであることは十分認識をしております。オークションに関しても提言が出てきましたけれども、ただ、これ、昨年のちょうど今ごろにですね、この900、700に関してはどうするかという議論があり、そして、片山前大臣の下で有識者会議、専門家の御答申を頂いて、この二つに関しては引っ越し費用を伴うという新たな制度に基づいてやるということを決めて、国会に法律が提出され、内閣として出されて、そして、5月に成立して、8月31日をもって法律がスタートをし、直ちにそれにもって、二つの電波帯をどうするかということで、先行して900、3、4か月遅れで、4、5か月遅れですかね、それで、700ということでやるということで、関係者、関係する業界の皆さん、利用者の皆さん含めて、パブリックコメント等も行って、今、動いて、もうすぐゴールが来るという事態でありますので、それを提言として見直してはどうかということでありますが、これを見直そうとすると、今の作業を全部、もう2月には答えが出るという、来週には900メガヘルツに関しては、電波監理審議会に諮問をするという段階まできているという分を止めるということになりますと、政府がやっていることに対する信頼性を大きく毀損する、混乱が起こるということも、多分、出てくると同時に、やり直そうとすると新たな立法が必要になります。新たな立法をしたときの、この前の国会の審議経過を含めて、今年通った法律に基づいて動き出したところでストップして、新たな法律を提出するというときに、与党の中も、野党も含めて、国会の御理解が得られる見通しは基本的に、私の感じではありません。そうすると、このスマホの急増によって、昨年同月比で2倍という電波の逼迫状況に、一刻も早く対応しないといけないということも含めてやっている部分が、御提言を受けると、先に、いつになるか分からないという法案の成立ということを言いますと、分からないという状況になるので、将来にわたってオークションで、電波の部分をしっかりやっていくという基本方針は踏まえて、これからの法改正は、我々として真摯に取り組んでいきたいと思っていますが、今すぐの部分の対応は、現実的には諸般のそういう状況で言うと、見送らざるを得ないというふうに思っております。以上です。
(問)大臣、すみません。関連してなのですけれども、そうすると、会議でですね、仕分けの場でですね、700、900というものを議題にしたこと自体に無理があったのではないかという考えもあるのですが、どうでしょうか。
(答)だから、議題は選ばれるのは皆さんのあれですから。そして、提言されたことの議論も、私も中身の発言の要旨を見ましたから、想いとしての部分はよく分かるのですが、こうあるべきであるという話と、現実にそれがゴールになるかということと、今、動いているという部分に、私の感じではちょっとギャップはあった。おっしゃることの意味はよくよく分かるし、できれば、多分、去年の今ごろ、この議論であれば、新しい法律を作ることはやったのですが、あるいは、今、今月、政権交代したのであれば、なんですか、やはり政府としての政策の対外的な継続性というものは、急ブレーキ、急ハンドルというのは、許されることと許されないことがあるのかなというふうに、大変難しい、悩ましい判断でありましたし、出た次の日にこういう答弁をするということも、大変申し訳ない部分もあったのですけれども、これは、逆に、方向を、そういう不安定にするということは、逆に、いろいろな部分で不安と混乱を、既に起こしかけていたということでは、私の責任で判断をさせていただきました。
(問)大臣、追加でもう一つお伺いします。衆議院選挙制度改革なのですけれども、輿石さんが、今国会で一票の較差を是正する関連法案の提出は難しいという認識を示されましたけれども、これについて、どのようにお受け止めなのでしょう。
(答)選挙制度は、正に議会の根幹中の根幹でありますので、各党・各会派間で御協議して、合意を得てやっていただくというのが大前提でありますので、我々はその法律を所管はいたしますけれども、そして、区割りの作業の法的な状況もありますから、できるだけ早くにお決めいただきたいという思いはありますが、その政党間合意を経るプロセスでいろいろあることは、それは政党間にお任せせざるを得ないと思っています。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございました。
(答)はい、ありがとうございました。

(以上)