川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年10月14日

(平成23年10月14日(金) 9:31~9:50  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。遅くなりまして恐縮です。初めに私から3点、申し上げたいと思います。
 一つは、本日、閣議において、「検査検定、資格認定等に係る利用者の負担軽減に関する調査」の結果に基づく勧告を行う旨、報告をいたしました。これは、法令等に基づく検査検定制度等の利用者の負担軽減を図る観点から実施したものでありまして、勧告のポイントは、検査等を実施する機関、主に公益法人における、一つは手数料等の適正化、二つ目は会計処理の適正化、三つ目は利用者の申請手続の負担軽減等の推進、という観点から精査をした部分で、関係する所管の府省において、しっかりとやっていただくように指導して欲しいという旨の報告を出しました。資産管理の問題、あるいは受験者に講習して、資格をもらえるというふうな人に、全く使わないテキストを買ってもらうようにしているというのは不適切ではないかとかいうふうなこともありまして、詳細は別途資料で配っていると思いますので、御覧いただきたいと思います。これが1点目であります、閣議報告の1点目。
 2点目は、来週の17日から23日までの1週間実施いたします「行政相談週間」について、関係閣僚に対して協力を依頼をいたしました。この週間を中心に、各府省、地方公共団体及び民間の方々の協力を得て、全国157か所、街中の身近な場所にワンストップの「一日合同行政相談所」を開設するなど、国民の皆様の相談を受ける活動を重点的に展開します。本年は、特に東日本大震災等、大規模な自然災害の被災者、避難者からの相談が予想されるので、これらにも対応できるよう情報を整備いたしました。この機会に、国民の皆さんに是非行政相談を御利用いただきたい。ダイレクトにワンストップで、ここでできるということと同時に、いろいろな身近でお困りになっていること等が、行政相談をすればスムースにうまくいくことが多いということで、啓蒙でもありますので、その御理解と御協力をお願いする旨発言をいたしました。
 以上が、閣議の2点の私の発言でありますが、もう1点は、本日付けで、住友商事株式会社代表取締役会長の岡素之さん、それからシンクタンク・ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんのお二人を、新たに総務省顧問に任命をいたしました。私は、総務大臣就任以来、個別の政策課題を議論する審議会あるいは研究会の委員としてではなくて、総務省行政の推進について、役所の外からの視点の立場から、大所高所から様々な御意見を伺いたいということで、有識者の方々に顧問として御就任いただく必要があると考えました。そして、岡さんは我が省の政策評価・独立行政法人評価委員会委員長、藤沢さんは情報通信審議会の委員であって、他省庁同様、既に総務省の行政推進に多くの貢献を頂いている方でありますけれども、こういう個別の部分ではなくて、申し上げましたように、幅広く、岡さんは、特に経営の第一線で御活躍をされてきたお立場から、藤沢さんには、経済、経営を御専門とするお立場から、特定の政策課題だけではなくて、総務省行政全般に関して様々なアドバイスを頂くということで、いろいろな施策推進に参画し、政務三役をサポートしてほしいというふうに思っております。近日中に、この岡さん、あるいは藤沢さんとは、政務三役で、別々でありますが、お出会いをして、具体的なお話もさせていただきたいと思っております。今日、任命をいたします。
 私の方からは、以上です。

2.質疑応答

(問)幹事の毎日です。1問、お願いします。子ども手当をめぐって、地方六団体と厚生労働大臣の協議が始まっていますけれども、総務大臣として、子ども手当の地方負担について、どのように臨んでいかれるのか、伺えたらと思います。
(答)厚生労働省が今回の概算要求では、三党合意も踏まえて、今までの子ども手当の負担分はそのまま置いておいて、それに新たに乗せた子ども手当、いわゆる昔の子ども手当分は全額国でやるということの仮置きで、概算要求されたというのは承知をしております。先般、厚生労働省と地方団体の皆さんが意見交換をされて、地方団体の方からは、基本的に言えば、全額国の負担、そして、いわゆる控除増収分は地方財源だから全額自分たちで使うということの御主張があったというのは、そのように聞いておりますが。法律上は、いわゆる国と地方の協議の場において、これを協議していくということが書いてありますので、いずれかの、まだ時期は決めておりませんが、いずれかの時期には真摯な議論をさせていただきたいというのが一つと、それから、地方増収分に関しての、24年度5,050億円の取扱いは、厚生労働省としては予算編成過程で検討課題としているということで、控除から手当へという理念のもとに、一連の部分であったという背景から、こういうことで厚生労働省は様子見されている、正に予算編成過程の中で、地方との、国と地方の協議の場も含めてでありますが、これらの扱いについては、真摯な協議を進めてまいりたい。当然、一方で、三党協議もあります。そういう経過の中で、議論をしてまいりたいと思っております。
(問)子ども手当に関する国と地方の協議の場というのは、いずれのときにかということですけれども、めどとしては大体いつごろというのをお考えでしょうか。
(答)今、具体的なタイム設定をしているわけではありません。
(問)朝日新聞の今村ですが、選挙制度改革について伺います。衆議院議員選挙区画定審議会がずっと開店休業状態になっていることを、どういうふうにとらえられているかということと、政党間協議が遅れているからということなのですけれども、まず一票の格差をなくすことに重点を置いて選挙制度を変えるべきだという議論とですね、あと、比例も含めた、比例制度を含めた全体をこう変えていく必要があるのだという、二つの大きな論があると思うのですけれども、その議論の進め方について、どういうふうに進めるのが適切だというふうにお考えでしょうか。
(答)選挙制度は、正に民主主義の一番根幹にかかわる制度でありまして、かねてから政党間で議論が積み重ねられ、いろいろな制度改正が行われてきたという経過があります。そういう中で、今、実施をしている小選挙区比例代表並立制において、最高裁判決で、今、おっしゃったように、一票の格差が違憲状態にある。加えて、これは、制度上、各都道府県1名枠を与えるという制度がよくないという判決が出たというのが現状であります。国勢調査の結果を受けて、衆議院議員選挙区画定審議会(区割り審議会)において区割りを精査し、線引きの見直しをするということの作業を進めてきた過程において、制度の、いわゆる一人別枠ということにも触れた最高裁判決が出たということで、現在その作業が中断をしている。最終的には、できるだけ早い時期に区割り審議会を再開をして、結論を出さねばならないというのが総務省の責任でありますので、ただ制度をどうするかという、今、おっしゃった一票の格差と、それから制度全体を、一票の格差をなくすということが、選挙制度を今のままで一人別枠ということをクリアするというやり方なのか、選挙制度をというのはそれぞれ御意見があると思います。総務省として、私が一貫して申し上げているのは、これは、政党間で真摯に御議論を頂いて、できるだけ早くに結論を出していただきたいということを、期待をしているということを、一貫して言ってきましたし、今もそのとおりでありますので、中身に関しては、政党間の協議に委ねられておりますし、側聞いたしますところ、政党間で協議の場を作ろうという機運で動いているということは、大変、有り難いことだと思っています。
(問)NHKの瀬上です。今日の閣議で報告された行政評価局の勧告なのですけれども、中身については、その試験に関係ない不必要な教材を買わせていたとか、手数料を値下げしていなかったというようなことなのですけれども、これについての大臣の御所見をお願いします。
(答)こういう、検査検定制度、資格制度を含めては、過去にもいろいろな事例で、多分、不適切な経理状況や発注委託関係があった、あるいは、経営自身が相当ずさんであったのではないかというのと同時に、受講料の値段の適正でない部分があるということで、個々にいろいろあります。その都度いろいろやってまいりましたが、改めて、抽出検査ですけれども、いろいろなケースがあるので、やはりこれは対象となる人にとって、基本的には不利益を被っていることになりますから、改めて、抽出検査でも、いろいろな類型的な問題が出てきているので、今日の閣議では、だから、府省において、その目線でもう一度全部チェックをして、指導していただきたいというお願いでありますし、ほとんどが公益法人がやっていただいている部分ですから、やはりその法人が、その使命と責任を自覚して、しっかりやっていただきたいというのが、私の今の率直な感想であります。
(問)今日、閣議後に、官房長官に先日の沖縄訪問の成果を報告されたようなのですけれども、どんなお話になったかというのを教えていただけないでしょうか。
(答)どんなお話というのは、沖縄に行った出張報告でありますので、こういうことをやりましたということと、その中の主な意見含めて、率直な意見を皆さん言っていただいた部分の御報告と、あとは、もう私の個人的な感想を申し上げました。それだけです。
(問)京都新聞、小川です。出先機関の原則廃止のことで、ちょっとお聞きしたいのですけれども、環境省側はですね、原子力安全庁、あれをこう環境省の外局に作るというに当たってですね、環境省の出先機関を活用して、原子力規制や自治体調整をやるということが、関係閣僚間の了解で決まっているというふうな、そういうような認識があったのですけれども、そのこととですね、原則廃止ということ、これからの取組についてですね、何か影響が出てくるようなことはあったりするのでしょうか。
(答)ですから、今までの閣議決定の一定の方向、方針の下に進めていたときに、こういう大震災が起こり、災害と同時に原子力事故も起こったということで、それで、特に、環境省においては、原子力行政への安全確保の部分を担当するということでありますから、それは新たな、全く環境省としては今まで思っていなかった業務が増えたということで、それをどういうふうな形でやるか、福島の原発だけではありませんから、ということでの、地域、特に立地周辺地を含めての部分でのいろいろな行政のことを、今、検討されているようでありますので。当然、これ、いつも申し上げているのですが、大きな方向として、閣議決定し、先行して、関西広域連合と九州ブロックが先行して、特に三つの省に関して一括で移管するということを前提にして協議をしようということでしておりますが、そこに新たな要素が入ったことは間違いないということで、この前の推進会議でもその旨は環境省から意思表示がされましたし。ただですね、基本は、これは何のためにやるかと言えば、地域住民に対する行政サービスが今よりよくなるというのが目的ですから、だれがやるということは、それが目的ではありませんから、手段ですから、そこの部分で新たに原子力行政の安全確保という、国民も、今、非常に関心の高い部分が出てきた部分を、どういう仕組みでやるのが一番国民にとっていいのかという観点から、議論すべき対象になったことは事実だと思います。全面、一括と書いてあるから、それでなければならないとか、それをやったらできないから一切渡さないとか、そういうことは、私にとっては余り意味がある議論ではないと思いますので、個別の部分で。この前の議論でも、例えば、緊急災害時は国が全面的にコントロールするので、別に地方としても何の異議もないというふうな意見を言われた方もおられますし、それは要するに、最終的に、国民に対する行政サービスがいかに円滑に、今より向上するかというときに、国と地方がどういう機能分担、組織分担を持つかというのがメインですから、その中で大きな流れとして、可能な部分は国から一括して全部移すというのを基本とするという方向が出されているということですから、そこにそう書いてあるから全部だとか何か言っても、そういう意味ではなくて、今後の原子力行政はどういう形でだれが役割と責任を持ったらいいかというのが、全く新たな議論としてされるというのは、これからの議論だと思っております。
(問)時事通信の丸山です。総務省の顧問の発令についてお伺いしたいのですが、外の視点とおっしゃいましたが、特にどういう点で必要性を認識されて、また、顧問の方に期待されていらっしゃるか。また、近々お会いになるということですが、具体的にいつなど、お会いになると決まっていらっしゃったら、お伺いしたいのですが。
(答)私も、もともと民間企業にいました。それで、こういう立場で、特に鳩山内閣以降、政府という立場で仕事をさせていただく中で、やはりそれぞれに責任を持って一生懸命やっていただいているのは有り難いことなのですが、やはり感覚的にですね、いわゆる民間の目線というものが、やはり普段ありませんから、そういう部分では、何か審議会とかでこのテーマについてという御議論ではなくて、一般的な部分で、やはりそういう目はどうしても必要だというふうにずっと思っていまして、今回こういう立場になったので、そういう意味で、お二人、いろいろな方がおられるのですが、特に、こういう、岡さんは御経歴で言いますと、住友商事の社長、今、会長をされておりますけれども、正に日本のビジネスマンの最先端で、世界で活躍された方ですし、藤沢さんは、そういう意味では、女性で幅広く活躍されているという意味で、もう本意は、正に国民目線で、しかも、第一線で御苦労されながら、やはり活躍されてきた方から見て、どう思われますかというのを、折に触れて、格式張った会議ではなくて、聞きたいというのが趣旨ですので。10月末に岡さん、11月初めに藤沢さんということで、今、ちょっと調整中であります。
(問)よろしいですか。ありがとうございました。
(答)はい、ありがとうございました。

(以上)