川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年9月6日

(平成23年9月6日(火) 10:26~10:48  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方から1点だけ、御報告をいたします。本日の閣議で、私の方から、労働力調査結果及び家計調査結果について、8月30日時点の調査結果を、既にもう公表を皆さん方にされておりますけれども、閣議の関係がありましたので、そういうものが出たということを御報告いたしました。内容につきましては、統計局から既にお配りをいたしておりますので、皆さんも、御承知だと思います。
 私の方からは、以上です。

2.質疑応答

(問)幹事の朝日新聞の今村です。1問、お願いします。政治主導について伺います。政務三役、昨日、決まりまして、一方で、党の政調の機能を強化する方向も決まっています。大臣としてですね、これまでの民主党政権の政治主導への評価と、今後、どういった形で、必ずしもうまくそれがいっていたという評価ばかりではないと思いますので、今後、政治主導をどういうふうな形でうまく機能するようにしていかれるかということをお聞かせください。
(答)政治主導という言葉は、単語としては間違いなくあるのですが、どういう意味なのかというのはですね、いろいろな受け止め方もあり、これは、皆さん方の、世の中の受け止め方もあるし、正直言って、鳩山内閣以降、個々の閣僚の受け止め方にも若干のニュアンスの差はあったのかもしれないなと、私は個人的には思っていますが、私なりに申し上げますと、やはり、政治、国民の一票によって選ばれた政治家が、これを、国のこれからの形、あるべき姿を具体化するためのいろいろな政策、理念と政策、方向性を示すのが政治家の仕事。こういうことをやろうということを示した中で、それをより具体化し、肉付けして、政策としてまとめ上げる部分には、官僚の皆さんの経験と知識と知恵が要ると。そこは、目的を共有化する中で、連携してやっていくと。そして、効率性を上げ、政策として決まったことは、実行するのも、これもまた官僚の皆さんですから、できるだけ公平、公正、効率、迅速にそれを実行するというのが官僚の仕事という、それぞれの共通の目的をもって、役割分担をして、進めるという中で、こういう方向でやろうということの旗を立てる仕事は政治家の仕事。そして、やった結果において責任を取るのも政治家の仕事。その間は、両方の連携と分担というのが、私は政治主導だろうと思っています。
 ただ、総務省においても、長年の懸案というか、理念としての地域主権、そして、地域の活性化、地域が国と地方の関係において、自立的に頑張っていけるような仕組みを作るということが一番大事だと、言葉では言われてきましたけれども、民主党は、はっきり、それを大胆に進めるのだということを示した中で、例えば、地方の皆さんのいろいろな意見は、今までどちらかというと、政府は聞くということが、自民党政権では不可能だと言われた、国と地方の協議の場を法律で作ったというふうな大きな転換は、やはり、そういう方向を示して具体化した一つの現れだと思いますし、国の補助金の一括交付金化もですね、やはり、地方の自主性、ひも付きではない自主性に任せた、正に地域主権の政治をするための権限の移行、財源の移行ということの一つのスタートとして、一括交付金化というのを示してという部分もスタートすることができたと。そういう意味では、新しい政治、国の形をつくるという方向を政党として示した中で、総務省では、総務省の官僚の皆さんの知恵を出し合っていただく中で、動き出してきたという意味では、政治主導という本来のことが、私は着実に動いてきているというふうに思います。
 そういう中で、先般、初閣議の9月2日の閣議決定でも、総理の方から基本方針として、政務三役はこういう方針でやるようにというのが決まりましたが、その中の一番最後にも、本格的な政治主導の確立に向けて、政務三役と官僚は、それぞれの役割分担と責任を明確にし、相互に緊密な情報共有と意思疎通を図りつつ、それぞれが持てる力を最大限に発揮し、政府全体が一体となって政策運営に取り組むというふうに、はっきりと書かれました。一番初めの項目は、一昨年の政権交代の原点に立ち返り、国民の生活が第一との理念にのっとって、政権交代の意義を実感してもらえるよう、国民目線に立った政治の実現にまい進すると、こういうことでありますので、その理念に沿って、私も1年前は文部科学大臣を拝命いたしました。高校の無償化、35人学級の実現という大きな政策目標。財源の問題もありましたし、制度設計もありました。官僚の皆さんと連携をする中で実現できたというのは、私は政治主導ということで進んだというふうに思っております。長くなりましたが、以上です。
(問)関連で、東京新聞の安藤と申します。今の政治主導というか、今度、党の方にまた、政調と税調、その兼ね合いがどうなるのか。前、大臣でいらした時代と、リーダーシップの在り方が変わるのかという点について。
(答)政治主導という政治の主導する、まず、そのあるべき方向性の意思決定は政治がするという意味では、それを政治がするというときに、政府なのか、党なのかというと、これ実は両方で一体にやらなければいけないということなのですが、そのやり方として、スタートのときは、思いとしては、可能な限り政府の中に入り込む形の中で、政府がやると。それとは言え、やはり、政府に入れる人数は限られていますから、あれは何会議と言ったか、名前は忘れましたけれども、政策会議みたいなものをたてて入るということを言っていたけれども、やはり、党としての意思が、非常に、部門ごとに分かれてしまうということがあるので、今度は政調を作ってということだけれども、それは提言するだけであるという話。今回は、党は党で決めるというか、最終的には党がイエスと言うという形でいる。いろいろな、ある意味で、思いは一つなのだけれども、やり方としての、経験を踏まえながら変化してきているというふうに思っておりますので、過去のいろいろな、長短それぞれあるのですが、やはり、よりよい方向にというか、改善の方向で今に至ったと私は理解しています。
(問)京都新聞の小川です。広域連合の関係でちょっとお聞きしたいのですけれども、先日の代表選の中でですね、前原政調会長がですね、復興の関連でインフラをやっていくためには広域連合で新たな自治の在り方をこの機会に求めて、将来の日本の地域の自立の在り方を示すべきだというようなことを、前原さんがおっしゃっていたのですけれども、その辺り、前原さんからですね、何か広域連合と被災地の復興について、何か関連付けてやるようにというような何か指示とかですね、何かそういうお話があったのかどうか。あるいはその辺り、川端大臣として、広域連合と被災地の、何かその復興の在り方という、何かお考えがあれば教えてください。
(答)この件に関してというか、まだ前原政調会長と、政調会長になられてから一度もお会いしていませんので、お話はしていません。それと、基本的に、いわゆる地域主権を推進する中で、いろいろな権限の移譲も含めてというときに、広域的な連携で、個々にではなくてということがいろいろ議論され、九州と関西において、大枠の分で進み出しているというのは事実です。アクション・プランの議論も踏まえてですね、やはりある意味では、先行した形として進んできているのだというふうに思います。具体的には、これからの議論がいろいろたくさんありますけれども。そういうときに、その広域でやるときのメリットというのはいろいろあるのですけれども、そのときに、単独の府県でやるより、より連携した部分でやろうということのメリットの中に、当然、こういう災害が起こったときの、より有機的、機能的な連携と統一的な部分というのは当然考えられるメリットの一つだと思うのですね。そういう意味では、災害のためにやるわけではありませんが、そういう効果は十分に期待できることは事実だと思います。ただ、今回、いわゆる大震災という部分もありましたし、今、現にまだ、水害のことが、まだ深刻な事態が続いておりますので、そういう事例も検証しながらですね、また、地域の皆さんの思いもお伺いしながら、よりよい地域主権推進の形がどうあるべきかということにおいて、この事例も非常に大きな参考になるとは思っています。
(問)日経BPの松浦と申します。携帯の周波数オークションについてお伺いしたいのですが、現在、総務省の懇談会で検討が進んでいるところでありますけれども、それに対して、大臣のですね、オークションに対して積極的なのか、そうではないのかというのが一つと、もしオークションによって代金というか、何かしら収入があった場合に、その用途、例えば、復興に使えないかとかですね。それに対してどういうお考えを持っていらっしゃるか、2点教えてください。
(答)オークション問題が、最近、非常に大きな関心を呼んでいるし、今、言われたように政府内でも議論されている。そういうときに、長短あると思うのですね、ある意味では。そういう意味で、一つは専門家の皆さんの、関係者の皆さんの御議論を見守っていきたいということと同時に、一部こういうものに、対象としてやることが検討に入ってきておりますけれども、その分は、トータルとしてこの国の形の中で、電波自体は大きな国民の財産ですから、それが一番有効的に使われるようにという方向性は、私もそう思っています。それがオークションがベストかどうかという、いろいろな長短あると思います。有識者を含めた議論を見守りながら、検討してまいりたいと思います。
(問)通信文化新報の園田です。郵政株を売却して、復興の財源にするということに前向きな発言をされたというのを報道で見たのですが、その実現可能性についてということと、あと、郵政改革法案に対する見通しに対するお考えをお願いします。
(答)後段の郵政改革法案の見通しは、私の立場で言えば、できるだけ早くに御審議いただき、成立させていただきたいと。あとは、国会でお決めになることですから、それ以上のことは、期待はしているけれども、見通しは国会でやることですから、分かりません。
 それから、いわゆるもともとの郵政民営化法でですね、第7条で、新会社の株式というのは、できるだけ早期に減ずる。要するに、国が持っているものを減らすと。これの、その発行は、3分の1は超えていなければならない。それ以上の分は、できるだけ早くに減ずるというのは、要するに、売りなさいというのが、郵政民営化法では、もう法律であるのです。それにもかかわらずということで、いわゆる株式譲渡の凍結法案というのが出て、今、それが書いてあるけれども、今は売ってはいけないという凍結法が動いているという現状にあります。そういう意味では、今、我々、これはなぜかと言えば、郵政事業の経営形態がこのままで29年9月を迎えると、金融と保険の業務がユニバーサルサービスとして担保されなくなるということの懸念があるというのも含めてですね、いろいろな背景で凍結されたということですから、そのセットとして、我々は、今、郵政改革法案を出しているわけです。ここの第1条に、郵政民営化法等の廃止ということで、第1条の第4項に日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵政保険会社の株式の処分の停止等に関する法律は廃止するというふうに、だから郵政改革法案、今、出しているものには凍結を廃止するというふうにありますから。という意味で、この法律が通れば凍結は解除されますということでは、処分でき得る状態に環境が大きく前進する。そして、法律の精神から言えば、できるだけ国の所有は減らしなさいということだから、そういう意味では、国の財産として、財源としてなり得るということを解説しただけでありますので、この一つは法律がどういうふうに展開するのかということ。それから、その法律が、ただ、凍結が解除されるというふうになったときに、そのことによって株式をどういうふうに処置をするのかという政府方針、そして、そのあと、具体的にそういうふうにしようと言ったときには、実は上場を含めてですね、諸手続、証券上の、というのでは、結構、年単位の時間が掛かりますけれども、という分では、言ったらすぐにですね、何か間に合うという話ではありません。ただ、潜在的には大きな財産を持っているという、それで、資産としての計算が約10兆円と言われていますが、これは株式にして、どれぐらいの株になるか分かりませんけれども。という意味では、潜在的に兆円オーダーですね、一つの財源があるという見通しは持っていますが、今、言われたように、どういう見通しで動くかというのは、これはこれからの話です。
(問)読売新聞の早川と申します。台風12号について、2点伺います。今回、避難勧告の発令の遅れが被害拡大につながったという指摘がありますが、それについて大臣のお考えを1点伺いたいのと、もう1点は、避難勧告の問題は、これまでも度々指摘されていますが、消防庁を抱える総務省として、何らか対応を考えるかどうか、お願いします。
(答)過去に例のない大雨であったことは事実だと思います。そういう中で、特にこういう発災をした場所が広範にわたると同時に、そういう場所の可能性は非常に幅広くあるという中で、各自治体の皆さんが避難勧告を出すのと同時に、現況を把握し、そして、救助するという活動をするという部分では、いろいろ大変な困難が伴った状況にあったというふうには思っています。そういう中で、今、言われたような御指摘もありますが、詳細な状況はですね、まだ我々としては、今、とにかく総務省消防庁としては、現場の皆さんが円滑に救助活動ができるようにということの中で、広域的なヘリの調達とか、そういうこと、あるいは情報伝達とかにお手伝いできることに、今、全力を挙げている状況でありますので、今のような御指摘が一部あることは承知していますが、今少し正確な状況の分析をしたいというふうに思っています。同時に、今までもそういう避難勧告の事例というのは幾つか反省もありましたけれども、その分は、その都度含めてですね、いろいろな検討をお願いしていることもありますが、今回、特にそういう部分で正確な、もう少し、今はとにかく救援も含めた部分に、行方不明者の捜索を含めて忙殺を自治体はされておりますので、事態の正確な状況の検証をしっかりやりたい。そして、それを教訓にしてですね、今後のあるべき姿、可能な限り、被害、こういう災害、自然の災害が起こったときの災害が少なくなるようにということに関しては、また全力で取り組んでまいりたいと思っています。
(問)北海道新聞の安藤です。三次補正の関係で伺います。三次補正、今週末に要望が締め切られると思うのですが、総務省の準備状況、どういうものを要望されるかということを伺えますか。それとあと、被災地に対する使い勝手のいい交付金というお話が出ていると思うのですが、その辺りというのは三次補正に入ってくるのかどうか、その準備状況も伺えますでしょうか。
(答)前内閣から含めた準備が進んでおりまして、9日に一応締め切るということであります。今日にも政務三役でですね、最終的な詰めの段階の議論をしたいと思いますが、ちょっと中身に関しては、今はまだ検討中でありますので、御容赦ください。
(問)使い勝手のいい交付金の。
(答)それも含めて。もともと、いわゆる一括交付金も含めてですね、方向としては使い勝手のいいようにと。それと、特に震災の部分に関しては、手続とか何とかをですね、余り細かくやると、その事務だけでも大変なのだということも、その趣旨は踏まえているつもりであります。
(問)日経新聞の海野と申します。前内閣の最後のときに、国側と地方側が法律に基づいて協議する、国と地方の協議の場の社会保障と税の一体改革に関する分科会を開くということが決まりました。今の段階でどのぐらいの時期に開きたいという見通しをお持ちでしょうか。
(答)これはまだですね、ちょっと詳細、具体には、まだ、私としては承知していません。
(問)昨日、官房長官が政治資金の関係で、外国人献金の問題で、法改正の必要があると、個人的な見解だがとおっしゃっていましたけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
(答)官房長官が何をおっしゃったか、個人的なお話にはコメントできませんが、政治資金に関してはですね、政治家一人一人の行動、身分にかかわる問題でありますし、同時に国民の関心も非常に高いということで、かねてから各党各会派において、そして、国会において、いろいろ議論され、いろいろな法改正が議員立法でされてきたという経過がありますので。やはり、今回、いろいろな事象や指摘がされている状況を踏まえながら、各党で御議論いただければいいのではないかと思っています。
(問)ほか、ありますでしょうか。よろしいですか、ありがとうございます。
(答)はい、ありがとうございました。

(以上)