蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月27日

(平成23年12月27日(火) 8:56~9:09  於:合同庁舎4号館6階605会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは、まず2点御報告です。
 今日の閣僚懇で、枝野経済産業大臣から、先に行われました「提言型政策仕分け」を受けまして、経済産業省として改革の進め方を工程表を作成し公表する、それに従って改革の検討を進めていくとの極めて積極的な御報告がございました。
 正に、提言型政策仕分けの評価、その改革の方向性に向けて、各省庁がどういう形で取り組んで、どのように進めていかれるのかという途中経過を公表することは、極めて大事だと私も思っておりますので、こうした枝野大臣の取組を受けまして、閣僚懇で私からも各府省の担当大臣に前向きな御協力、工程表等の作成についても御協力をいただけるよう要請をいたしました。
 それと、これは男女共同参画担当としてでございますが、今日から平成24年1月26日まで、国民の皆様方に意見、御提案を募集したいと思っております。ワーク・ライフ・バランスを実現する上で障害となっている規制、制度、運用等について幅広い御意見を募集したいと思います。今日から1月26日まで募集。人口減少、高齢化が進んでおりますが、経済が長期にわたって低迷もしている。そうした中、全員参加型の社会を実現するためには、ワーク・ライフ・バランスの実現、これは、男性、女性も共にだと思っておりますが、これは欠かせないと思っております。そこで今回の募集では、例えば、就労による経済的自立、多様な働き方、生き方の選択、健康で豊かな生活のための時間の確保などにつきまして、御意見、御提案を募ります。
 いただいた御意見、御提案を基に、ワーク・ライフ・バランスを実現する上で障害となっている規制、制度、運用等については、改善方策の検討を進めていきたいと思っております。
 私からは以上です。何かありますか。

2.質疑応答

(問)北海道新聞の小林です。
 今の枝野大臣発言として工程表のお話がありましたが、仕分けについて、フォローアップの仕方ということで、これは経産省が独自にやられたということだと思うんですけれども、大臣からも、今、各省にもお願いしていくという話がありましたが、このやり方というのは、フォローアップの仕方として、一つ基本の形になるものなのかということと、そのほか、行政刷新としてお考えになっているフォローアップの仕方で、現段階までで方向性が見えているものがあれば、ちょっと教えていただきたいんですが。
(答)次回の行政刷新会議に御報告をさせていただこうと思っております。
 前回の親会議のときにも、このフォローアップの在り方が極めて大切だという意見を各委員からいただきましたので、今、経産大臣が自ら行っていただいた工程表は、勿論、各府省でも行っていただけるという前提ではあるんですが、実際、今日、いち早く形にしていただきましたので、改めてお願いをしている。
 これまでの事業仕分けもそうなんですけれども、終わった後には、その説明責任も含めて仕分けの評価結果に沿ったもの、あるいは、沿わないけれども、違う意味で納税者に御説明できる内容の改革が行われたものの挙証責任といいますか、説明は各府省にありました。ただ、提言型政策仕分けですと、中・長期的にも制度そのものをどういうふうに変えていくか、各府省の審議会との関係も出てまいりますので、今どの段階にあるのか、今何を行おうとしているのか、そのために例えば障害となっているものは何があるのか、法改正が要るものはどういうものかという、幾つかの工程を私たちでお示しをしようと思っています。同じフォーマットの工程を、今どこに進んでいるのかというのをインターネットを通じて、私たちのところでまとめて公表する。こういう在り方があるのではないかというのを今私の中では考えています。
 他方で、各省庁も各省庁として説明責任を負っておられますので、枝野大臣のような自ら工程表を作って説明をしていただくということも促していきたいと思っています。
(問)共同通信の関です。よろしくお願いします。幾つかお願いします。
 今の質問の関連で、そうすると、刷新会議としては、きちっと一つ大きなフォローアップをしていくためのフォーマットを作った上で、各省にも自助努力的な形で、工程表が目に見えるような形での情報公開なり説明をお願いしたいと、そこは各省してくれるものだと思っているというお話がありましたけれども、とりあえず経産省はやっていて、各省にも今後促していく。一方で、刷新会議も別途やりますという理解でいいんでしょうか。
(答)はい。そういうイメージです。
(問)分かりました。細かい話が、もう一つ、このワーク・ライフ・バランスの件は、今、規制・制度改革の分科会が進行中ですけれども、これ意見まとまった段階で、そっちの分科会の議論に載せるようなイメージでというのはあるんでしょうか。
(答)きっかけは、この間の国家戦略会議に出させていただいたとき、民間委員からも、やはり就労を促すという意味合いでも男女共同参画であるとか、あるいは、少子化であるとか、正に私の所掌における御意見をいただきました。確かにこれまでも男女共同参画の仕事で言いますと、数値目標、計画に基づいて数値目標をお示しして、今どういうところにいっている、あるいは、計画が終わった時点でどこが到達しなかったというような、評価的なものはやってまいりましたけれども、もう今や日本の置かれている経済状況ですとか、あるいは、これは特に女性なんですけれども、M字カーブに置かれている再就職の難しさを考えたときに、もっと具体的な行動を男女共同参画局もしていかなければいけないというのは、私の中の強い認識で、既に事務局に指示は出しておりますけれども、目標よりも行動というイメージで、それで実際に、今、何が規制、制度、運用で難しいのか。それはやっぱり法改正事項なのか、政省令なのか、運用なのかという部分に分類をすることによって、実際促していけることがあると思っています。
 その中で、今、指摘いただいた規制で、運用で変えられるものがあるのであれば、分科会には当然載せていきます。
(問)分かりました。あと、もう一点、これは所感、ちょっと考えをお聞かせいただきたいという質問なんですが、消費税の議論が大詰めを迎えている一方で、消費税に関しては、昨日、素案、考え方が提示できない、いわゆる反対議論が多い中で会が一旦終わった形になっていて、新聞とか、ニュースで見ると、いかにももめているような印象を国民はお持ちになるんじゃないかなというのがある一方で、整備新幹線なんかが、例えば、着工を条件付きで決まっていくような話が出たりとか、政府全体としての、あるいは、政府・与党の意思決定の仕方として、いわゆる「コンクリートから人へ」と言っていた考え方と逆行するような政策が進んでいく一方で、国民に痛みを強いるようなところは、なかなか進まないと、民主党の意思決定の仕方として、これはどうなんだろうか、国民がきちんと理解を、増税に理解してもらえるんだろうかというふうに、国民側から見ると思うんじゃないかなと率直に思ったんですが、その辺としては、大臣としてはどう御覧になっていますでしょうか。
(答)まず、社会保障と税の一体改革は、政府・与党としては、6月に既に成案で解決済みです。今、各議員からいろいろな意見が出ているのは、実際に法案を作っていく過程の文言において、どういう形をどういうふうに提案していくのか、いわゆる経済状況はどうなのか、いついつから消費税ということについての様々な意見が出ているとは承知しています。
 ただ、我々がコンクリートから人へという部分で選挙を戦ったときの理念に基づいて、社会保障をしっかりと変えてというのは、正に人を大切にする、人に優しくする。高齢者3経費だけではなくて、社会保障4経費という意味で、チルドレンファーストで、子供さんへの支援も入れていく。そのための財源もしっかりと手当していくという部分を一体的に変えていきましょうというのが、まず、私はこれは大きな改革の一括りだと思っています。
 他方で、コンクリートから人へと言いながらも、コンクリートはどうなんだ。ただ、我々コンクリートは一切合財否定しているものではなくて、全部公共事業をなくしていこうと思っているものではありませんので、長寿命化、あるいは、もう間もなくしたらいわゆる耐用年数が切れるものが一気に公共事業ではやってまいりますので、そこの峻別のあり方も含めて整理をしていく。正に仕分けをしていくことというのは、コンクリートから人なんだと思っています。どうしても作るところだけがクローズアップされがちなんですけれども、そこは、私はそんなコンクリートから人に逆行しているとは思いません。あるいは、24年度予算で言いますと、公共事業関係費は、前年比に比べたら3.2%減っています。ただ、どうしてもこれは復興予算を入れますと、新たに公共事業に注がなければいけない部分が出てくるんで、11%といってプラスにはなっていますけれども、この11%は、決してコンクリートから人に逆行するために作るべきものではないと思っています。
(問)重ねてすみません、あえてお尋ねしますけれども、それでいくと、そうは言っても、どうしても見え方の部分として、予算のタイミングはあるんで、どうしても同じタイミングになるのは仕方ないとはいえ、八ッ場ダムであるとか、整備新幹線というのがポンポンと出てきて、他方で、増税を強いると言うか、増税に関する決定も近づいてきている状況にあると。こういう国民に対する見え方、映り方というのが、果たして国民に理解を得られる形になるのかどうかというところに対して、何かどなたかがきちっと説明を丁寧していく必要があるんじゃないかなというふうには思うんですが、そこは在り方として、仕方ない部分があるとは言え、理解は得られる。あるいは、消費税に関する何らかのタイミングにしても、こういう形で出ていくことについては、理解を得られるというふうには大臣お考えでしょうか。
(答)どうしても、例えば税制改革であるとか、税の大綱をまとめたときであるとか、予算案が政府・与党としてまとまったときとか、あるいは、社会保障という大きな改革の議論をして、それの方向性が見えたときには、ある種、メディアを通じてまとめていただけるのは、分かりやすく言うと、国民の痛みがどれだけ増えるかという一つの指標があるんだと思います。恐らく随分長いこと政治というのは、この指標が、国民負担を軽減することが政治の仕事だった時代が長かったと思います。これだけ痛みを和らげて、他方で、豊かさを象徴するような高速道路や港やあるいは整備新幹線という部分で、これだけ政治が仕事したというような、何と言うんでしょうか、象徴的なものが随分長くありましたが、その結果が、対GDP比、先進諸国の中で最も突き抜けた債務残高だと思っています。
 提言型政策仕分けも含めて、これからは負担を軽くするためだけの政治ではなくて、負担を重くすることも、中身を充実するためには、言うべきところは言わなければ政治は機能しないと言うよりも、国が私は非常に危うい状況に置かれると思っています。
 今、関さん御指摘のように、国民に痛みばかりを押しつけて、増税に理解を得られるかと言いますが、丁寧な説明は、恐らく節目で総理大臣がやらなければいけないことだと思っていますが、その中身は、国民に決していいことだけを言う政治の時代ではなくなったというのは、行政刷新の立場で私は思います。
(問)分かりました。ありがとうございました。
(答)今年最後の定例の会見かもしれません。どうぞよいお年を。

(以上)