蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年11月15日

(平成23年11月15日(火) 18:24~18:35  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 すみません、長時間お疲れさまでした。
 閣僚懇で私から報告を1点させていただきました。
 総理の発言を受けてなんですが、行政刷新会議で11日に決めました「提言型政策仕分け」を20日から23日、祝日2日を挟んで4日間開かせていただきます。各大臣並びに政務三役のこれまでの資料提供、ヒアリング等への御協力への感謝と本番に向けての御協力要請をさせていただきました。
 また、これも11日の親会議で報告しましたが、行政事業レビューにおいて、過去の仕分けの評価結果が著しく損なわれているといいますか、改善策を講じていない事例というのを報告した上で、是非、各大臣にも、こちらは納税者、国民に説明ができるような改善を行っていただきたいというお願いをさせていただきました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の三輪です。
 閣僚懇の中で、総理のほうからどのように提言型政策仕分けについて発言があったんでしょうか。
(答)総理からは、11日の刷新会議のときにも冒頭でご挨拶がありましたが、今、日本が抱えている様々な大きな議論、そもそも論から始めていただきたいので、各大臣にも協力をくださいということで、やはり行政事業レビューの評価結果が順守されていないということへの問題意識が大変強うございまして、そこに対しての指摘をいただきました。
(問)共同通信の関です。
 すみません、ちょっと話題が変わって恐縮なんですが、総理がこの間までAPECに行かれて、TPPの参加交渉に向けて事前協議を進めるという表明を正式にされましたけれども、各社の世論調査等を見ていても、説明がどうかということに関しては、十分ではないという国民の意見が多くて、官房長官についても、情報が不足していることもあってなかなかうまく伝わっていないかなと思うという発言もあったと思います。
 閣僚のお一人として、この間の説明責任を果たすという意味では総理はどのように対応されているかということについて、どのように見ておられますでしょうか。
(答)まだ入り口の段階で、関係国と協議に入ると表明をして、APECでその旨を改めて公表して、正にここからいろいろな情報というものが政府として公式に入手あるいは情報収集というものが去年に比べて一歩進んでいくんだと思いますね。
 ですから、確かに大前提としてTPPについてのどういうものがあるかというのが具体的に国民の皆様方に見えていないという側面は否めないと思います。ですから、ここからの情報発信、あるいは政府としての姿勢をどういうふうに決めていくかというのは、恐らく総理は細かく対応していかれると思います。
(問)朝日新聞の三輪です。
 今週の仕分けを前に、また改めてお伺いしたいんですけれども、総理は就任以来、深化した仕分けという言い方はされていまして、より具体的に大臣に対してこういうものをやりたいという指示をしていたという、今だからこそ言えることがもしあれば教えていただきたいんですが。
(答)特段ないです。
(問)やはり深化したものということと、提言型ということについても総理はイメージとしてはそういうものだったのか、言葉はともかくとして。
(答)そうですね。提言型の政策仕分けというのは総理の思いを反映した命名です。
(問)今までのように何か対立型というか、切り捨てて結論を出すだけじゃなくて、もうちょっと中長期的なアイデアを出すというのが総理としてのイメージであったということですか。
(答)今までも対立して切り捨てるだけではなかったと思います。ただ、予算そのものを個別事業で、タイムスケジュールで幾つもの事業を見ていくというこれまでの事業仕分けとは違う、1日かけて大きな政策をそもそも論で議論していく。その上で、材料を明らかにして国民の皆様方と共有をする。その上で何ができるかを探る。探った上で作るという作業に深化したと思います。
(問)多くの国民に何ができるのかを見せるということに総理としても意欲を感じていらっしゃったんでしょうか。
(答)具体的には総理が会見をしたときに聞いていただければとは思いますけれども、ただやはり東日本大震災の発災を受けて、今の日本、あるいは野田内閣の最優先課題が発災からの復旧、そして復興、日本経済の再生ということにありますので。他方で今我々が同時に直面している課題というのが併せてどういう材料といいますか、考えなければいけないものがあるのかを、政策仕分けの場所でテーブルにしっかり乗せて、全部一律に見せていく。今までどうしても各省の審議会や会議体でばらばらになっていたものを一つきっちりまとめて、お見せをして共有していくというところに、私は情報公開、政策決定の過程の一部可視化という意味では意味があると思っています。
(問)そうすると、東日本大震災を受けて、こうした今日本が抱えている課題というのが総理の一つの問題意識としてあって、この提言型政策仕分けにつながったとも……
(答)そう推察します。
(問)TBS、岩田です。
 今までの仕分けだと、第3弾、どんどん重ねるごとに私たちにとっては内容がすごく難しくなっていくような感じがしたんですよね。議論の内容が非常に分かりにくいというか、難しいと。
 今度は、そもそも論からということなんですけれども、どれぐらい提示されていくおつもりなんでしょうか。
(答)政治は身近であると。税源収入と保険料収入を政府として歳出の配分を決めていく予算案を作っていきますから、税金が、保険料が何に使われているのか、今の日本の置かれている人口構成とか、あるいは様々な借金の問題とかを大前提とした上で、「どうして」と思えるような視点を常に持ち続けるような中身にしたいと今鋭意取り組んでいるところです。
(問)例えば原子力エネルギーだと、日本原子力開発機構とは何ぞやみたいなところを知らない人も多いと思うんですけれども。
(答)そうですよね。なるべく、ですから、そういう組織をやるときに、その組織は何をするための組織なのかというのに、司会をやるコーディネーターの方、あるいは評価者の方たちが自ら言葉というか、説明というか、そこは気をつけるように私からもお願いをしようと思っています。
(問)医療の専門誌を出しています「じほう」の栗田と申します。
 仕分けの件で、社会保障がテーマに入っているんですけれども、二つ伺いたくて。一つは、社会保障・税の一体改革が今進んでいまして、医療介護サービスの重点化とか、そのあたり、一体改革との絡みがどうなるのかという部分と、あともう一点は、生活保護で半分は医療扶助の問題だと思うんですけれども、医療扶助については大臣どのような御認識をお持ちか、可能であればお聞かせいただけないかと思います。
(答)税と社会保障の一体改革は今年6月に総理が財務大臣のときにまとめられました。あの中には、様々なメニューを実際に提言しています。年度をきっちり決めている、固めているわけではなくて、例えば2015年までにどういう方向性で発展をしていけるかという様々な選択肢を載せています。その選択肢をどういうふうに組み合わせれば、どういう形になって、例えば負担がどういう形になり、受けられる医療、介護がどういうものになるのかという国民に見える形のそもそも論を今までした場所はないと思うんですね。ですから、今回の仕分けがそういう場所になれればと一つは思っています。
 二つ目の生活保護の確かに医療の問題、あるいは視察に行ったときにも介護という新しい問題も意識としては私は今持っていますが、予断を持って当たるものではなくて、まずは担当者と国会議員の仕分け人、あるいは民間の仕分け人と、そもそも論の議論、事業も交えて議論をしていただいた上で、担当大臣にもお越しをいただきながら、どういうものができるのかは話していきたいと思っています。
(問)北海道新聞の小林です。
 仕分けの関係ですけれども、原子力政策に関してでいうと、昨日視察にも行かれました(青山)分室の廃止なんかの問題であるとか、あるいは「もんじゅ」の問題とか、個別事業の廃止なり見直しという問題と政策全体の方向性をどうされるかという問題と、以前、事業を切り口にして政策全体をというようなお話もされていたと思うんですが、最終的な提言の仕方としてですね、事業仕分けのときのように個別事業で幾つか議論の対象になったものについては廃止なり見直しというところも含めて方針が示された上でやられるものなのか、その辺ちょっと教えていただきたいんですが。
(答)例えば昨日の青山分室は分かりやすいと思うんですが、過去の事業仕分けの発想であれば、独立行政法人の保有している元々国税からの出資金で購入した不動産、あそこは旅館業法的にはホテルではございませんので、福利厚生施設ですよね。11部屋を持っていて、3,300万円の年間の運営費が本当に適正かというと、向こう側からは、いやこれは数年前に比べたら半分にして、コスト削減努力はしているという部分でこの不動産はどうしますかという話になるんでしょうけれども、今回の場合、そこは大きな政策論ですから、独法そのものをどうするか、安全庁としてどういう形で発展していくのか。そのときに保有している資産は、例えば社員の他の寮とかもありますから、そこをどういうふうに選択的に集中して使っていけるか。
 例えば青山は55年に建てられましたから、耐震構造も若干古いままで、もしあそこを東京都心の基地にしたとしても、あそこを基地に本当にするんであれば、お金を投じて売るんではなくて、耐震改造をして、あそこを新たなフロントラインじゃないんですけれども、そういうものにしていくという議論になるんだと思います。だから、全体像の中の一つ、一つから全体像を見ていくというイメージを抱いていただければと思います。
(問)最終的な提言としては、方向性は今の一つの全体の政策的なメニューは提示されるけれども、例えばあそこについてその取扱いをどうされるかということについては決定次第ということですね。
(答)あそこがあるということが明らかになりますので、国民がそれをどう思うのか。ただ、政策の大きな議論をしたときには、確かにあそこだけを売ったところで数億円、時価ですから。それを何に使うのか、それよりも他のものを売ってここに整理をして、ここをどうにかしてという議論におのずとなっていきますので、その材料を全部出していくということです。

(以上)