蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨(行政刷新会議後) 平成23年11月11日

(平成23年11月11日(金) 19:38~19:56  於:合同庁舎4号館4階408会議室)

1.発言要旨

 お疲れさまでした。
 先程6時から官邸で行政刷新会議を開きました。
 今日の議題は三つです。
 まず、一つは「提言型政策仕分け」の内容をご了解をいただきました。
 二つ目は、規制・制度改革の分科会の今後の進め方について、こちらもご了承をいただきました。
 三つ目なんですけれども、これは各省にお願いをしておった行政事業レビューについて、今回は震災があったり、あるいは各省の公開プロセスがこれまでなかった、あるいはレビューシート中間報告もなかった、あるいは概算要求の締め切りと合わせましたので、本来のレビューシートの締め切りが1か月遅れたということもあって、時間的制約の中ではございましたが、私どもがこれまで仕分けの評価結果に沿った事業になっている部分、チェックを行った結果、残念ながらこれまでの仕分けの評価が守られていないと思われる例示の事例をお示しをして、各省に再度守っていただけるようにご要請することをご了解いただきました。
 提言型政策仕分け、あるいは新仕分けでございますが、11月20日から23日にかけて、4日間に渡ってAチーム、Bチーム、2チームで行ってまいります。これが細かな何日にこの時間帯にこの事業を行うということは決めてはございませんが、大きく10個の政策テーマを取り上げることを各委員にお示しをして、ご意見をいただきながらご了承をいただきました。
 Aチームは科学技術、大学の教育、それから公共事業、中小企業、そして原子力・エネルギー等について取り上げております。
 Bチームは地方財政、情報通信、外交、農業、それと社会保障全体について取り上げることについてご了承をいただきました。
 農業においては、生産性や競争力を高めるための前向きな議論をして欲しいというご意見。あるいは中小企業においては、例えば国の中の事業においても重複がないように、都道府県レベルの施策との重複がないような見方を示してほしい。あるいは弱者救済よりも、頑張っている中小企業をいかに高めていくのかという視点も取り入れてほしい。あるいはベンチャーをしっかりと支援していくような視点も盛り込んでほしいというようなご意見をいただきました。
 また、古川国家戦略担当大臣からは、原子力・エネルギーの提言型政策仕分けの結果はエネルギー・環境会議の議長として、私どももそれは活用させていただきたいという発言がございました。
 また、行政事業レビューがこれまでの仕分け評価を守っていないという、ある種、本当に行政刷新会議の事業仕分けの延長、無駄や非効率な事業を出さないようにするための仕組みが動いていないことについて、安住財務大臣から、これはしっかりと守っていただくために、財務省としても対応していくというようなコメントがございました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)TBSの岩田と申しますが、10分野挙がっていて、どれも重要と考えていらっしゃるとは思いますけれども、特に大臣が力点を置きたい分野があれば教えてください。
(答)恐らく皆様も同じ考えだと思いますが、国民が今の時期において国政に対して最も関心をお持ちなのは、Aグループでは原子力・エネルギーだと思います。Bグループにおいては社会保障だと思います。
(問)共同通信の関です。よろしくお願いします。
 今おっしゃった原子力と社会保障、他のものも含めてなんですが、今回その10テーマ、ヒアリングの結果を受けてということだと思うんですが、これが選ばれた理由をもしあれば。なぜ選んだのかということなんですけれども。
(答)特に今、原子力・エネルギー、あるいは社会保障というのは、国民の関心がとても高いということを申し上げました。ただ、それ以外にも例えば科学技術、あるいは中小企業対策、あるいは情報通信、外交というのは、それぞれやはりご関心が高いのは全て税金で、あるいは保険料で運営をされているものだとは思っています。
 ただ、これからもう少し内容を詰めてはいきますけれども、それぞれのボリュームをどういう形にしていくのかは、現段階ではまだ決めていませんけれども、そこにおいてもう少し工夫ができればいいなとは思っております。
(問)今回、非常に政策の転換みたいなところも視野に入れた議論になると思うんですが、恐らく大臣も仕分け人として参加される場面があると思うんですけれども、どういう議論を期待されますか。
(答)基本的には、これまでの事業仕分けと違って提言型ですので、まずは外部性と公開性、中でも今回は情報公開というのを徹底したいと思っています。今まで様々に報道されている部分がありますが、政府としてどういうお金の使われ方をされていくのか、どういうふうな、そこには制度的、あるいは固定化した組織的な問題があったのかというのをそうした一つの事業を通じて、問題点や課題を浮き彫りにした上で、今後政策はどういうふうにあるべきなのかをできれば大臣も、関係の担当の方にも出ていただいて、しっかりと議論していきたいと思います。
(問)今出ました、最後3点目、こういう取り上げる事業というのはあるんですが、これは取り上げ方としては、要するに問題点を浮き彫りにするために象徴的にピックアップしていくというふうな理解でいいんでしょうか。
(答)例えば、事業をご覧いただければ、恐らく皆様方も取材していると思いますけれども、原子力だったら原子力ムラの情報は今後できるだけ全部出していく、そこにはどういう組織の問題があるのかという議論に展開していきやすいものだと思っています。
(問)医療経済新聞社の槇ヶ峠(まきがたお)です。
 社会保障のメニューの中に後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策とあるんですけれども、この場合、有効というのは医療財政上の観点から有効というような観点かというご質問がまず1点と、あとこの他にどんな論点があるかを聞きたいです。
(答)有効というのは、それは両面あると思います。医療財政的な部分もあれば、国民の正に命、安心、安全を守るという両面からの議論というのがそれぞれの立場の方たちから議論されればと思っております。どちらに寄った議論ということではなくて、あり得る様々な可能性について話ができればと思っています。
 今ご指摘の二つ目の質問ですけれども、そういう部分では絞った議論をするのではなくて、可能性であるとか、その懸念であるとか、その部分の様々な争点というのが想定されております。ただ、ここで決めるものではございません。ここでしっかりと決めて、それを厚生労働省に提言するというものではありませんので、幅を持った材料をしっかりとお渡しをしたいと思います。
(問)後発品の使用促進なんですけれども、厚労省の中医協のほうで薬価制度上の担保で推進をしていくという進められ方をされているんですけれども、ここまでも踏み込んで議論を求めるお考えでよろしいですか。
(答)今ここで断定はすることはできませんが、逆にここでご議論をいただいたこと、例えばそれまで今まで厚労省の中で議論されてきたものが必ずしも国民の皆様方全員がご関心を持って議事録を見てということではないと思うんですね。ですから、今までの議論されたことも踏まえた上で、もう一度そもそも論的なものをここで分かりやすく議論をしていこうと思っております。そこから可能性というものを探っていきたい。その探っていく方向性や課題や様々な材料を改めてもう一度厚生労働省にお渡しをしたいと思っています。
(問)日本テレビの岩隈と申します。
 この提言型仕分けに先立って、来週には行政府ではなく立法府、衆議院の決算行政監視委員会が仕分けをやります。行政府と違って、立法府がそういう仕分けをやる意味合いと、それに期待するもの等、大臣としておありになりましたら、改めてお願いしたいんですが。
(答)一国会議員として極めて歓迎します。国会において様々な質問をするときに、どうしても対立的な構造というのが政府と野党という流れ、私たちも野党時代はそうでした。ただ、そこから何を見い出すかということを考えたときに、外部性と公開性という特徴を、最大限活用していただいて、国会で指摘をしていただいて、それを行政に課題としてお渡しをいただけたら、私は最大限尊重したいと思います。
(問)朝日新聞の三輪です。
 再び今回の仕分けの対象の選定の方向なんですけれども、前回、各省庁に既に質問のメニューは投げてあって、そこから資料があって、そこから選ぶということをおっしゃっていましたけれども、もし数字として言えるのであれば、今回10分野ですけれども、もともと幾つぐらいの分野の中から選んだのかというのがあれば教えてください。
(答)それは数では数えてないですね。例えば、事業も数では数えてなくて、ヒアリングをしているうちに追加資料の要請をさせていただいて、そこはやりとりをしていますので、幾つを10に絞ったということではないとご理解ください。
(問)それで、幾つかの中で仕分け人の方々がヒアリングをしたりした中で選んだということなんですけれども、ヒアリングした上でもう一度お聞きしたいのは、どうしてこの10分野になったというふうに考えたらよろしいでしょうか。
(答)基本的には、日数の制限があって、中長期的な視野を含めるとこれ以外の課題があるということももちろん承知をしていますし、ヒアリングにおいては、これ以外の政策テーマも実際対象にしてまいりました。ただ、絞らなければいけないという物理的な制約の中で、国民の関心が高いこと、あるいはそれぞれの所管省庁の持っている会議体や審議会でご議論されてはいるけれども、なかなかそれが国民に到達していないのではないかと思える視点もあります。
 あるいは例えば重複しているものがあって、それをもうちょっと効率的な意味で整理をしながら中長期的には、どうしたらいいのかという逆に国民の皆様に一緒に考えていただきたいテーマを主立って抽出したと考えています。
(問)それと、前回の刷新会議の中で出た資料で、次選ぶ対象は、一つ視点として、過去の事業仕分けの評価結果とかが来年度の概算要求に反映されているかどうかということを挙げていたんですけれども、だから今回の仕分けの中には過去の仕分けも全部入ってますよね。
 そうすると、これまでの仕分けで乗り越えられなかった課題というのを次どういう形で乗り越えようとされているんですか。
(答)一つには、今日の行政刷新会議で、行政事業レビューで過去の仕分け、評価結果を必ずしも守っていただけていない。いわゆる看板掛けかえとか、焼け太りとか、一度廃止をしたものが名前を変えて復活しているもの、あるいは仕分け評価に沿って内容を見直したかのように見えるんだけれども、予算が増えているものというのは、しっかりといわゆる通告をして改善要請をしていきたいと考えています。
 ただ、その中でも例えば組織的に、制度的になかなか個別の事業玉だけをご要請をしても、改善をするのが難しいのではないかと思えるもの、それは例えば農業であったりとか、あるいは地方財政も若干当てはまるのかな。中小企業なんかもそうだと思います。
 ただ、そういうものがこういう制度という形で整理をして、事業を使って大きな制度や政策という議論の新仕分けを行いたいと考えています。
(問)北海道新聞、小林です。
 改めてになりますが、テーマを決められたいうことで、再度教えていただきたいんですけれども、今回は各事業ではなくて、政策そのものについての仕分けを行うということで深化させた形だと思うんですが、政策自体については、これまで原子力については、先程も出ましたが、ムラがあったりとか、社会保障について色々書いてありますが、そことの棲み分けをどう考えるかということが一つと、あえてそれを仕分けの手法を使ってやられることの意義ということについて、一言いただきたいんですが。
(答)既にそれぞれの会議体や様々な決められた行政府の中で議論をされていると言われても、それを一気にまとめて、政策を決めていく途中過程を透明化するということに私は意義が非常にあると思っております。それも最終的には担当大臣同士でそれぞれの考えをぶつけ合いながら、逆に提言をすることによって外部性、公開性で国民の皆様方が一緒に考えていただける、もっと興味を持っていただけるというきっかけにさせていただきたいというのが私の今回の提言型政策仕分けに対する最大の思い入れです。もう一つのご質問は…
(問)政策仕分けの提言として、取りまとめられましたけれども、仕分けの手法を使ってやられることの意義ということ。
(答)今答えたことと一緒なんですが、注目度を高めて、短い期間で、一つの政策テーマに時間をしっかりととって、国民の皆様にそもそも論で分かりやすい問いかけから始めていく仕分けにしたいと思っているんですね。そこに見せていくということは、例えばこれまでは専門性の非常に高い学者であるとか、あるいは専門家の方であるとか、あるいはそういうプロの方たちの議論というのは、どうしてもなかなか取っつきづらいといいますか、あるいは過去のそれまでの積み重ねの議論があるものですから、そうするとどうしてもそもそも論に戻るのが難しいという点も否めないと思うんです。
 それを全部一度ゼロに戻す形で、分かりやすい疑問点から始めて、そして次の課題としてそうした場所にお渡しをしていくものを透明性で見せるというのに私は意義があると思います。
(問)ブロガー・ライターの藤井と申します。
 2点ご質問させていただきます。
 ワーキンググループBに電波行政のあり方というふうな項目がございますが、地デジへの移行によって、アナログ放送が停波になって、ああいった周波数の問題とかございますが、こちらをどうするかというふうなことも議論に含まれるかというふうなことが1点、もう1点が行政刷新ワーキンググループの仕分け人に選ばれた議員の方々の選考された基準といいますか、理由についてお聞かせいただきたいと思います。
(答)まず、2問目の質問ですが、国会議員で指名された方は、まずこれまで仕分けに実際に携わってこられた方たち、これまでもお答えしておりますけれども、どうしても今回は新仕分けに至るまでの期間が非常に短こうございますから、そこは知見を持った方というのを優先しました。それと、あとは党とご相談をさせていただいて、テーマごとに専門性の高い議員というのを一緒に相談しながら決めさせていただきました。
 最初のテーマですが、情報通信、総務省の提言型政策仕分けは電波オークションは当然視野に入れます。

(以上)