古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年9月11日

(平成24年9月11日(火) 10:06~10:21  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
まず冒頭に、昨晩、松下大臣がお亡くなりになられました。松下大臣とは鳩山政権のときに同じ副大臣として仕事を一緒にして以来、ずっといろいろな形で仕事を一緒にし、また御指導もいただいてまいりました。大変誠実な方で、私も本当に学ぶことが非常に多かったのを覚えております。
特に、松下大臣は、昨年の震災後、ちょうど今日は震災から1年半という区切りの日でございますけれども、当時、福島担当の副大臣として福島の皆さん方と本当に熱心に向き合っておられた。福島の皆さん方の信頼も大変厚かったわけであります。松下大臣のように縁の下の力持ちでずっとこの間も副大臣、そして大臣としてこれまでの政権を支えてきた。本当にそのお人柄と誠実さを思うと、大変私は残念でなりません。御遺族の皆様方に心からお悔やみ申し上げるとともに、松下大臣の御冥福をお祈りしたいと思います。
あと一点、私から、昨日、開催いたしました休眠預金の活用にかかる意見交換会につきまして御報告を申し上げます。昨日、休眠預金をどういった分野に活用していくかについて、第2回の意見交換会を開催いたしました。会合では、制度設計の際の検討ポイントとその方向性について意見を整理していただきました。今回整理された御意見は、休眠預金の活用にかかる大枠となるものだと考えております。今後はこの大枠に沿ってそれぞれの検討ポイントを深掘りすることが必要であります。引き続き皆様方の御意見も伺いながら、仕組みの具体化に向けた作業を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)大臣、今、御言及のあった松下大臣の御不幸に接せられて、松下大臣との何か特別な思い出などがあるかどうかということと、今回は突然のことだったのですが、心当たりと言ったらおかしいのですけれども、こういうことになってしまったことはなぜなのかということ、大臣なりのお考えがあれば教えてください。
(答)まず、2点目は、私は全くそういう心当たりはありません。先週の閣議のときにも大変お元気で、私も閣議前の待ち合いの場でもお話もさせていただきました。そういった意味では、本当に驚いております。
松下大臣とは、先ほど申し上げたように、一緒にいろいろな仕事をする中で大変御教示もいただきましたけれども、私が大変印象に残っておりますのは、松下大臣は自民党時代に農林族として国会の前で座り込みをやられた。ウルグアイ・ラウンドのときにはそういうこともやられたわけなのですけれども、あのときの自分の対応というものを大変反省もしておられて、結果的に6兆円という大きなお金をウルグアイ・ラウンド対策費として使ったのだけれども、本当はあのときに日本の農業のあり方というものをやはり根本から変えていかなければいけなかった。それが結果的にそういう日本の農業の体質改善という形でお金が使われなかった。自分はずっと農政に携わってきたけれども、これまでの農政のあり方を自分自身でやってきて、自民党時代の農政はやはり間違っていると、そういう思いを強く持っておられるという話を伺いました。
そのことが農政のあり方、今、食と農林漁業の再生の基本方針、そして計画をまとめて、実行いたしているわけでありますけれども、まさにこれをまとめるに当たりましては、松下大臣御自身が自民党の農林族としてやってきたことに対する自己反省、そういったものも踏まえて、ではどうしていったらいいのかということを松下大臣から御教示いただきました。そのことが特に私は、いろんな思い出がありますけれども、松下大臣御自身の、今まで一緒にやってきた仕事の中では、この農林族議員としてやってきた、そしてそれまでのやってきた農政のあり方が間違っていたのだと、だから今変えなければいけない、そして本当に日本の農業を再生させなければいけないのだという強い思いを聞いたということが大変印象深く残っております。
(問)エネルギーのことについてお伺いいたします。
まず、今回、国民的議論やいろいろなDPなども使って画期的な手法もあったと思います。大臣、今思い返してみて、まとめるに当たってやってよかった、国民の意見を聞いてよかった、戦略をまとめる上で役に立っている、そういうふうにお思いでしょうか。
(答)従来からいつも申し上げておりますが、私たちが目指している新しいエネルギー社会は、国民の皆さん一人一人の参加が不可欠であります。従来のような一部の電力会社が集中的に電力を発電して供給していくという仕組みから、分散ネットワーク型のエネルギー構造に変えていく。そのためには、国民の皆様方も一人一人が、場合によっては自分で電気をつくったり、蓄電したり、あるいは節約する、工夫をしていただく。そうした一人一人の国民の皆さん方が参加をしていただかなければいけない。そういう新しいエネルギー社会をつくっていく、新たなエネルギー政策を考えるに当たっては、国民の皆さん方にも意識を持っていただいて、議論をしていただく、そして参加をしていただく。そういうことが重要だという思いで国民的な議論も行わせてきていただいたわけであります。そして、国民的な議論をしていただくための必要な情報なども、特設のウェブサイトもつくって提供させていただいてまいりました。
先日、横浜のあざみ野にお住まいの主婦の方々が中心となって、自分たちでエネルギー問題について考えて、勉強して、まとめられた報告書を受け取りました。そこでおいでいただいた女性の方からお話を伺いましたけれども、震災の前までは自分たちは、エネルギーの問題、電気の問題を考えたことがなかった。しかし、今回震災があって、そしてあの事故があって、自分たちは考えていかなければいけないと思って、勉強し始めた。そのときには、私どもでつくったウェブサイトの情報も大変、役に立ちましたというお話もいただきました。
このような形で、草の根でさまざまな形で国民の皆さん方がこのエネルギーの問題を議論していただいている、考えを深めていただいている、そして行動に出始めていただいている。私は大変大きなことだと思っておりますし、新しいエネルギー社会をつくるためには、こうした行動に私は大変勇気づけられております。
先週、グリーンエネルギー社会を実現するために国民の皆様方にも参加を呼びかける、そして、グリーンエネルギー革命というものがどういうものなのかを皆さんにお伝えをするために、ウェブサイトも立ち上げさせていただきました。
こうしたさまざまな取組を通じて新しい分散ネットワーク型のエネルギー社会を一日も早くつくっていくことが原発に依存しない社会を一日も早く実現をすることにもつながっていくわけであります。そういう意味では、この前行った意見聴取会や討論型世論調査などにかかわらず、いろいろな形で国民の皆さん方がこのエネルギーの問題に関心を持ち、そして自分自身の問題として行動にも出始めていただいている。私はそうした今の流れというものを大変心強く思っておりますし、こうした方向は今後とも続けていかなければいけない、そういう方向だと思っております。
(問)国民的議論は非常に大切だということを言っていただきました。ただ、現在政府の中で検討されている中で、アメリカとの原子力協定、核不拡散の問題が今非常に大きなテーマとなっていると聞いています。しかし、国民的議論の前提には、このアメリカの話は全くありませんでした。一人一人の参加が不可欠であると言いながら、なぜこれを国民の議論の前提として、大きなテーマとして言わなかったのでしょうか。大臣はそもそもこのお話があることを知らなかったのでしょうか、それとも知っていて出せなかったのでしょうか、教えてください。
(答)このエネルギー政策を転換していく過程では、当然さまざまなことに波及して、これから検討していかなければいけないということになっていくと思います。今回のエネルギー選択肢の議論というのは、もともとエネルギー基本計画をどのような形で見直していくのか、エネルギーミックスのあり方をどう見直していくのか、そうしたところから始まったところであります。まずエネルギーミックスを見直していく。新しいエネルギー構造、どういう構造がいいのか、このことを議論して、そして決めていく。その上で、そのことから当然生じてくるような議論は、次にやっていくという順番を持ってやっていくべきものだと思っております。そういった意味では、今回の議論に当たって必要な情報は、これまでも提示をしてきたと考えております。
(問)エネルギーに関連してお聞きします。
昨日、総理大臣も記者会見の中で、党の提言を踏まえて、今週中に政府としての方向性を決めたいというお話がありました。この党の提言について、今、青森県は、使用済み核燃料を受け入れている自治体ですけれども、その核燃料サイクルの見直しと関連して、党の方針に懸念を示していらっしゃいます。政府として今週中にその方向性を決めるに当たって、青森県側にどのように理解を求めていくのか、またどう説明していくのか、お伺いします。
(答)青森県を初めとする立地自治体の皆様方、これまでもいろいろな形での御意見は私どもも伺ってきたつもりではあります。同時に、今さまざまな御意見もいただいておりますから、そういうものもしっかり伺っていかなければいけないと思っています。
その上で、この戦略が決まる、決まらないは別として、青森県を初めとする原発の立地自治体の皆さん方とは、エネルギー政策全体を見直していくに当たって、昨年の事故を踏まえてやらなければいけないということでありますから、これからも丁寧にしっかりと協議をして、意見交換をしていくことが大事なことではないかと思っております。
(問)野田総理が昨日の会見でデフレ対策についても言及されたのですが、GDP改定値も公表されたのですが、今のデフレの状況についての御認識と、デフレ脱却に向けて年内にどういった取組が必要か、改めてお伺いできますでしょうか。
(答)従来から申し上げておりますように、日本経済の状況は引き続き緩やかなデフレの状況にあると考えております。このデフレから如何に脱却していくかにつきましては、関係の閣僚会議も開いて先にも点検を行ったところでありますから、その点検に基づいて、さまざまな政策パッケージで、政府がやるべきこと、そして日本銀行が金融政策でやるべきこと、お互いにしっかり連携をとって、如何にしたら一日も早くデフレから脱却できるか、そのためのあらゆる政策手段をこれから行使していきたいと考えております。

(以上)