古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年8月13日

(平成24年8月13日(月) 9:21~9:45  於:合同庁舎第4号館1階108共用会議室)

1.発言要旨

おはようございます。
まず、2012年4-6月期四半期別GDP速報につきまして申し上げます。
本日、公表しました2012年4-6月期GDP速報1次QEでは、実質成長率が前期比プラス0.3%、年率ではプラス1.4%でございます。名目成長率が、前期比マイナス0.1%、年率ではマイナス0.6%でございます。実質成長率は四半期連続のプラスとなりました。
4-6月期の実質成長率のプラスの要因といたしましては、復興需要に加え、雇用や収益環境の持ち直し等を背景に、民需の各項目が増加したこと、また、復興事業を中心とする公共投資も引き続き進捗していることなどが挙げられます。
こうしたことから、我が国の景気は、内需に牽引される形で上向きの動きが続いていると考えられます。
7-9月期以降につきましても、復興需要が景気を下支えする中で、趨勢としては、雇用や収益環境の持ち直しが続くことから緩やかな成長が続くと見込まれます。ただし、欧州政府債務危機を背景とした海外経済のさらなる下振れには留意する必要があると考えております。
また、やや長い目で経済の持続的な成長を実現していくためには、復興需要から民間需要主導の経済への円滑な移行を図っていくことが重要であります。
このような認識のもと、政府といたしましては、7月31日に閣議決定をいたしました「日本再生戦略」に基づき成長力強化のための取組を着実に進めてまいります。とりわけ、「モノ、人、お金」を動かす観点から、特に平成25年度までを念頭に、規制・制度改革、予算、税制等の政策手段を動員いたしまして、デフレ脱却に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
もう一点は、昨日の日曜日までパブリックコメントを国民の皆様にお願いさせていただいておりました国民的議論の集約についてでございます。
この間、行いました意見聴取会には約1,300人の方々に御参加をいただき、136名の皆様から意見表明をいただきました。また、討論型世論調査では約6,800人の方々に調査に御協力をいただき、286名の皆様に2日間にわたる討論に御参加をいただきました。
そして、昨日、終了いたしましたエネルギー・環境に関する選択肢のパブリックコメントにつきましては、8万を超える御意見をいただきました。
まずは、こうした国民の皆様方の積極的な参加や御協力に対しまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
今回、様々な形で国民の皆様の御意見をいただいておりまして、こうした国民の皆様からいただいた御意見、その結果につきまして、専門家の皆様方の御協力をいただきながら、お盆明けを目処といたしまして、エネルギー・環境会議の議長であります私が中心となって、検証を行っていくことといたしました。
具体的には、こうした様々な御意見、そして調査の結果、こうしたものについて、公正性、そして中立性、さらには透明性を担保する、こうした観点に立ちまして、まず、検証対象とすべき範囲や調査結果などをどのように整理することが適切かなどにつきまして、世論調査の専門家などの皆様方にお集まりをいただき、こうした皆様から御意見をいただくこととさせていただきたいと思っております。
また、この検証作業につきましては、議事の公開やインターネットによります中継を行わせていただく予定であります。さらに、パブリックコメントや意見聴取会のアンケートでいただいた御意見などにつきましては、すべて公表する方向で今作業を進めております。このような検証の過程を踏まえて、今月中を目処にいたしまして、エネルギー・環境会議におきまして、エネルギー・環境戦略を策定してまいりたいと考えております。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)QEの内容についてお聞きします。
 今期、非常に高い成長を記録した前期から成長幅が非常に小さくなりました。個人消費などの伸びがかなり鈍化したのが原因と見られるのですが、このことについて大臣の御意見と、このままいくとエコカー補助金も終わりますので、さらに成長幅が鈍くなっていくおそれもあると思うのですが、その見通しについて教えてください。
(答)今回は、前期比で比べますと確かに少し伸びが弱くなっておりますが、もともと前期がかなり高い成長を実現しておりまして、前期比で比べますと低いということは、例えば、エコカー補助金や、復興需要に伴います公共投資の押し上げ効果、そうした政策効果として、さらなる上乗せの要因にはならなかった。しかし、引き続き、高い水準が続いているという認識は持っております。
 したがいまして、今後につきましても、趨勢としては、雇用や収益環境の持ち直しが続くと考えられますから、景気は緩やかな回復を続けると考えておりますけれども、欧州債務危機を背景とした海外経済のさらなる下振れ、既にその影響も我が国経済へ少し及びつつありますので、こうしたことについては十分注意していかなければいけないと考えております。
(問)今回のGDPの結果を受けて、今後補正予算などについては、どういった対応されるのかということについてお願いします。
(答)補正予算につきましては、景気の状況や先行きのリスクを注視して、必要な場合には、柔軟かつ機動的に対応していくことが原則でありますので、現時点で予断を持ってお答えすることはできないと考えておりますけれども、やはり今、日本経済を1日も早く再生をさせなければいけない。野田内閣として最初から最重要課題として取り組んでいるところであります。
そして、先週成立しました社会保障税一体改革をきちんと進めていく。そのためにも、1日も早いデフレからの脱却、さらには今復興需要が中心となっての景気の緩やかな回復が続いておりますけれども、民需主導の景気回復につなげていくためには、日本再生に向けた施策をまとめました日本再生戦略を1日も早くできることから実行に移していくことが極めて重要であります。さらには、原発への依存度を下げていく、そして原発からグリーンへと、さきにこの日本再生戦略の中でも最重要戦略としてまとめましたグリーン成長戦略は、エネルギーの大きな構造改革を伴っていくものであります。こうしたエネルギーの大きな構造改革を伴うためには、相当思い切った今までとは違う新しいエネルギー構造に合うインフラの整備もやっていかなければいけない。
このことは、1日も早く原発の依存度を低減して、新しいエネルギー社会をつくっていくためには極めて重要なことでありまして、こうしたことをどのようなタイミングでどういう形で行っていくのかについては、補正予算も含めて検討していくことが重要であると考えております。
(問)今、お話しいただきました世論調査の専門家に意見を聞くという話は、何か検討会合のようなものを行うのかということと、行うのだとしたら何回ぐらい行うのか教えていただけますか。
(答)先程申し上げましたように、インターネット中継等も行って、きちんと公開して行っていきたいと思っていますので、そうした会合をつくっていきたいと思っています。回数については、数回程度と考えております。
(問)そうしますと、お盆明けから数回やって意見取りまとめということなのですが、今月中に、取りまとめは間に合いますか。
(答)今月中を目処にして作業を行っていくということであります。
(問)専門家会議の結論というのは、どういうものを具体的に想定されているのでしょうか。三つの異なる調査手法と、マスコミの世論調査というのもありますけど、例えば、どういうところにクローズアップするなど、論点となるポイントとどういう結果を期待されているのか、もう少し具体的に教えてください。
あと、パブリックコメント、先程8万件超と言っていましたけれども、もっと細かい数字があれば教えてください。
(答)2点目のパブリックコメントについては、昨日、最終段階で相当FAX等もたくさん来たりして、今、最終的な集計のところをやっておりますので、8万を超える数をいただいているということで、そこがはっきり分かりましたら、事務的に御報告をさせていただきます。
お集まりいただく専門家の皆様方は、エネルギー問題などに関する専門家ではございません。こうした世論調査や、あるいはパブリックコメント等をどのように見るべきなのか、あるいは分析するべきなのか、そうしたことの専門の皆様方にお集まりをいただいて、今までいただいた様々な御意見をどのような形で検証していくべきなのか、そうした御意見を皆様にいただく。そうしたものを踏まえて、私どもも皆様からいただいた御意見、様々な声を整理していきたいと思っております。
(問)意見聴取会の数字だけを見ると、0%案が多いわけですけど、多数決ではないのは分かっていますけれども、0%以外のところも、声なき声もずっとお話しされていると思いますけれども、もう少し具体的に、少しゴールが見えないので、討論型世論調査のときも、どう反映させるのか分からないという指摘が大分メディアでも出ていたと思うのですけれども、どういうところを詰めようと思っていらっしゃるのでしょうか。
(答)まだ討論型世論調査の結果についても報告を聞いておりません。またパブリックコメントについても、これから整理をしていく段階でありますので、そうした中身をもちろん検証作業の中で、先程申し上げましたように、きちんと内容については公開をして、皆様にもチェックをしていただくようにしていきたいと思っています。そういったものを踏まえて、考えていくべきものだと考えております。
(問)一部報道に民主党の党内でエネルギー・環境調査会をつくるという報道がありまして、その中で2030年度の原子力依存度について話すという報道があるのですけど、事実関係をお願いします。
(答)党で検討されているということは承知をしておりますが、具体的には私も党でどういうふうになったかということを報告は受けておりません。
(問)検討されているということは承知されているということなのですけれども、そうすると、この報道では2030年度の依存度について話したということなのですが、これをやるということは、いわゆる党でも話をして、政府でも話をして、政府も結論を8月目処にと言っているのに、二度手間の感じがするのですが、今、そういうものをつくって話す意義というのはあるのでしょうか。
(答)政府与党一体となって政策を決めていくということでありますから、しっかり党とも連携をとってまいりたいと考えております。
(問)先程の世論調査を分析するという件なのですけど、すこしよく分からなくて、例えば、今、選択肢がありますけれども、これまでに寄せられた意見をもとに、その選択肢の背景に例えばどういう考え方があるなどを、探っていくのでしょうか。
(答)選択肢は、ただ単に三つのうちどれがいいですかと、よくマスコミの皆さんがやる3択でやっているわけではなくて、意見聴取会などでも皆さんから様々な意見を書いていただいています。ただ単にこの選択肢を選ぶというだけではなくて、様々なコメント、考え方も示していただいていますので、そういったものを整理していって、最終的に0%なら0%の場合に、どういう考え方で0%なのか、0%でもいろんな考え方があります。また、15%でも、いろんな考え方があります。20%から25%の中でも考え方は違う部分はあります。そうしたところを丁寧に分析する必要がある。ですから、どういう形でいただいた御意見について、整理する、分析していけばいいのか。このことについて、こうした分析を専門としていらっしゃるような皆様方にお集まりをいただいて、皆様に御意見をいただき、またそうした皆様方から御指導をいただいて整理していきたいと思っております。
(問)今回、2030年を断面で選択肢を切っていますけれども、それに左右されず、こだわらずに判断するために、そういった調査をするということでよろしいのでしょうか。
(答)こだわらずというか、もともと私どもが今見直そうとしているエネルギー基本計画が2030年であったということもあって、今回、2030年という形で示させていただきましたが、これまでも、そもそもなぜ2030年なのかという声も多くいただきました。そういうこと踏まえて総合的に判断をしていきたいということであります。
(問)先程質問にありました民主党の調査会なのですけれども、この結論が9月以降にずれ込んだとしても、政府の結論としては、8月中目処、9月の頭にこぼれる、そこまでに決めるということでよろしいのでしょうか。
(答)そもそも民主党がどういう形で検討するかという報道は承知しておりますけれども、きちんと直接、前原政調会長などから聞いている話ではございませんし、どういう形でやるかということも承知はいたしておりませんので、しっかり党ともお話をさせていただきたいと思っております。
(問)専門家会合の設置、お盆明けというのが、ややぼんやりしているのですけれども、今週、来週にもなど、そういったタイムスケジュールについて、もう少し教えてください。
(答)お集まりいただく皆様方の予定もありますので、今、お集まりいただく皆様方にお声がけをして、皆さんの日程調整もさせていただいておりますので、その日程によって、お盆明けのできるだけ早い時期で開催をしたいと思っております。
(問)最速、今週中でしょうか。
(答)お盆明けのできるだけ早い時期ということであります。
(問)2点お伺いしたいのですが、1点目は有識者会議の有識者の方の人数がどれぐらいになるのかということと、もう一点は、こういう検証作業、国民的議論を始めるときにセットで示されているならば、分かるのですけれども、終わる段になって検証すると言われても、あと3週間ぐらいで取りまとめるのに、一体今の時期から何をしようとしているのかというのがよく見えないのですけれども、今の時期になって、こういう作業をすると決めたねらいは何でしょうか。
(答)検証について、最初に申し上げました公正、そして中立、そして透明に取りまとめ、検証は行われるか、そういう御意見をこれまでの議論の中でもいただきました。そうしたものを踏まえて、今回、先程から申し上げていますようにお集まりいただく皆さん方は、エネルギーなど、そういうものの専門家ではございません。こういう世論調査等の分析をする、今日ここにお集まりの皆様方、マスコミの関係者の中でも、こうした分野の専門の方々にも御協力をお願いできないかというお願いをさせていただいております。
中には、いろいろ社の方針もあってというようなこともあったりもするようでありますけれども、是非皆様方にも、正に国民的な議論の中で、検証作業を中立、そして透明な形で行うということが重要だと思っていますので、御協力を是非お願いしたいと思っております。
(問)有識者の人数は、何人ですか。
(答)いろいろお声がけをさせていただいておりますが、特にマスコミの関係者の皆様方は、会社と話をしなければいけないなどもあるようでございまして、回答をいただいていない方もいらっしゃいますので、そういった部分を含めて、しかるべき人数でやっていきたいと思っております。
(問)先程のエネルギー・環境会議なのですけれども、党とも連携をとって決めるということなのですが、最終的な結論というのは結局いつになるのでしょうか。そうすると、8月末というのは、必ずしもそこに最終的なものが出るということではないということなのでしょうか。
(答)8月をめどに取りまとめ作業を行っていきたいということでありますけれども、何が何でも8月31日でなければいけないなど、そういうものではない。8月をめどに取りまとめ作業を行っていきたいということであります。
(問)これから党と連携をとって決めるということなのですが、党の意見というのはあくまで参考意見みたいな形になるのか、それとも党が言ってきたものというのはしっかりと取り込まなければいけなくて、今、政府として必ずしも固まっているものがなくて、党から出てきたもの次第で大きく変わり得るものなのか、どういうふうになるのでしょうか。
(答)政府与党で一体となって決めていくことでございます。
(問)有識者会議のメンバーなのですけれども、マスコミ関係者というお話をされたのですが、具体的にマスコミ以外はどういう方々ということなのでしょうか。もう少し詳しく教えてください。
(答)世論調査等に対して見識を持っておられる学者や、民間の方にお願いをさせていただいております。

(以上)