古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年7月23日

(平成24年7月23日(月) 11:17~11:25  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告いたします。
景気の基調判断は、「依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある」と、先月と同様の判断をいたしております。これは個人消費や設備投資などの内需が引き続き上向いていること、こうした動きを反映して、企業マインドも大企業を中心に改善傾向にあることなどを踏まえたものであります。
先行きにつきましては、復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待をされます。ただし、欧州政府債務危機を巡る不確実性が依然として高いなかで、中国やアメリカなどにも減速感が広がっております。こうした海外経済の状況が金融資本市場を通じた影響も含め、我が国の景気を下押しするリスクとなっていることに注意が必要であります。
政府といたしましては、我が国経済の当面の最大の課題でありますデフレ脱却に向け、日本銀行と一体となって断固として取り組むこと、そしてデフレ脱却に向けては、適切なマクロ経済政策運営とともに、デフレを生みやすい経済構造を変革することが不可欠であり、このため政府として、平成25年度までを念頭に置きまして、「モノ」、「人」、「お金」を動かす観点から政策手段を動員すること等を図ってまいりたいと思っております。
もう1点、今月のマンスリー・トピックスは「最近の家賃の動向について」というテーマです。
このところ物価に注意をしていく視点から、担当者の方々にいろいろとミクロの物価動向をウォッチしていただいておりますが、今回もその一環でございます。その中身の一部を御紹介させていただきますと、CPIの家賃指数は長期的に下落傾向にあるが、新たに成約された家賃をベースにした賃料指数はこのところ横ばい圏内で推移している。こうした背景には、賃貸住宅の需給バランスが改善していることや、地価の下げ止まりが家賃を下支えしていることがある。また、成約ベースの家賃はCPI家賃に対して半年程度先行性を持っており、今後のCPI家賃も下落テンポが弱まることが期待される、こうした分析をいたしております。
物価のミクロ的な動向を知る意味で大変参考になるかと思いますので、御一読をいただければ幸いでございます。
私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今、大臣が言われた先行きのことなのですが、欧州あるいは中国、アメリカについてそれぞれ不安要因があり、また、特に個人消費の部分で、国内を引っ張ってきたエコカー補助金が剥落してくる。9月以降、いろいろ不安要因があるようなのですが、特に個人消費を含めた国内経済の先行きについて、どのようにお考えかお聞かせください。
(答)確かにエコカー補助金ですが、今の申請の進捗状況を見ますと、8月中にも終了するのではないかという見方があることは承知をいたしております。前回制度が終わったときのその後を振り返ってみますと、制度終了後には自動車販売や生産に反動減が生じる、そうしたことがありましたから、同じようなことが懸念されるところではあります。ただ、今回は個人消費の増加基調が幾分強くて、公共投資も顕著に推移しておりますので、こうした点では少し前回とは異なっている状況にはあるのではないかと思っております。ただ、世界経済、先程も中国やアメリカでも減速感が広がっていると申し上げましたけれども、そうした減速感の広がりや、夏季のボーナスの動向、こうしたものも含めて、今後の景気動向については十分に注意していかなければいけないと思っております。
(問)復興需要についてお伺いさせていただきたいのですが、復興庁がこの間出した復興予算の進捗状況では、4割が使い残されていることで、これが今後の景気にどういうふうに影響するとお考えかをお聞かせいただきたいということと、補正の議論についてなのですけれども、復興予算の積み増しが必要かどうか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)復興需要は、若干公共投資などが遅れて、需要の発現に少し時間がかかっている部分もあろうかと思いますが、逆にそのことで復興需要の下支えが当初想定していたよりも長く続くというところはあるのだろうと思います。そういった意味では、まず今ある予算をしっかり執行していくことが非常に大事ではないかと思っております。補正については、今の段階で予断を持って何か申し上げるという段階にはないと思っております。
(問)月例経済報告でも海外経済のことを触れていましたけれども、今日外国為替市場でスペインのことも懸念されて、円高ユーロ安ということになって、94円台になりましたけれども、この受け止めと分析、大臣のお考えをお願いいたします。
(答)引き続き欧州の状況の先行き不透明感が払拭されないことが最大の要因ではないかと思っております。欧州において、こうした不透明感を払拭するための措置が着実にとられていくことが極めて重要ではないかと考えております。

(以上)