古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年4月24日

(平成24年4月24日(火) 9:59~10:15  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
私から最初に2点申し上げたいと思います。まず、エネルギー・環境戦略につきまして、この夏の電力需給を検証する委員会を昨日立ち上げまして、第1回の委員会を開催して、需給の検証を開始いたしました。一方で、中長期の戦略の視点からは、この制約をばねにして、エネルギーフロンティアの開拓に全力を挙げ、それを日本再生の原動力とするグリーン成長戦略の策定に現在取り組んでおりますが、このグリーン成長戦略の策定の過程を強化・具体化するために、国家戦略室におきまして、グリーン成長戦略パネルという形で、国内外の有識者、実務者の皆様方の知見を広く集める枠組みを立ち上げることといたしました。これは従来の審議会や研究会のように、特定の先生方の意見を重点的に聞くというよりは、柔軟に幅広い専門的な知見をタイムリーに集めるための枠組みとして、行政のイノベーションの一環として試みたいと思っております。
具体的には国家戦略室員がマクロ経済、産業構造、エネルギーシステム、エネルギーミックス、国際情勢といった、各分野の権威の方々とネットワークを構築して、さまざまなツールも用いて意見を聴取して、論点を集約・整理をしていく。また、ソーシャルメディア等を活用して英知を集め、個別具体の政策を詰めるということをやってまいりたいと思っています。私自身もこの議論の全体をリードしていくために、直接そうした方々にお会いして、意見を伺う機会を積極的につくってまいりたいと思っております。
グリーン成長戦略につきましては、グリーン成長パネルを連休明けにも正式に立ち上げて、5月に集中的にヒアリングを行って、その結論をエネルギー・環境会議、国家戦略会議へ報告し、そこでの議論を経て年央の日本再生戦略に盛り込んでまいりたいと考えております。
もう一点でございます。今日からマイナンバーに関しまして、特に若い人たちを中心に利用が広がっているソーシャルメディアを通じて、積極的かつタイムリーな情報発信を進めるため、番号制度創設推進本部におきまして、マイナンバー公式ツイッターを開設いたしましたので、ご報告をいたします。このマイナンバー公式ツイッターでは、マイナンバーシンポジウムの案内や、各資料のウエブサイト掲載、またマイナンバーに関する制度、施策の内容などをわかりやすく発信してまいりたいと考えております。さらに、広く民間団体との連携も進めていくため、マイナンバーに関する民間団体の取組なども紹介していきたいと考えております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)先ほどの新しく立ち上げるグリーン成長戦略パネルなのですけれども、これは連休明けにも立ち上げて、再生戦略に盛り込むとなると、本当に時間がすごく短いと思うのですけれども、どの様なスケジュール感で、結果として報告書などをまとめたりする予定はあるのでしょうか。
(答)最終的には、グリーン成長戦略を夏にまとめるところに生かしていきたいと思っておりますが、先ほど申し上げたように、昨日開催した検討会のように、人に毎回集まってもらって、その人たちで議論するという従来のようなやり方ではなくて、さまざまなネットワーク、いろいろなツールも活用したりして、幅広く国内外から色々な意見等も集める。そういう新しい試みをやってまいりたいと思っております。そうしたさまざまな意見を集約する中で、グリーン成長戦略の形をつくっていきたいと思っております。
(問)特別の委員の先生がいるなど外からの人がメンバーに任命されるのでしょうか。
(答)委員の人をこの人って限るというよりも、もちろんさまざまな分野でいろいろな方をピックアップして、そういう方々の意見を聞くということはやっていきたいと思っておりますが、固定的なクローズドのメンバーというよりは、広く開かれたオープンな議論をしていきたい。特にグリーン成長の分野というのは、従来の発想にとらわれない新しい発想もないと、この分野はイノベーションを実現するためには、従来の枠にとらわれた発想だけではだめだと思いますので、そういった意味ではこれは幅広く、いろいろな方々から英知をいただいて、まとめていく努力をしていきたいと思っております。
(問)マイナンバーのツイッターなのですけれども、なぜこの時期に開設したのか、若い方とおっしゃっていますけれども、どういうことをしてもらいたいのかという狙いをお願いいたします。
(答)マイナンバーについては、先日もシンポジウムに出席したときにも言われたのですが、世論調査などでも、なかなか浸透していないのではないかというご意見もございました。世論調査の結果などを見ますと、若い世代の番号制度の認知度が低いという結果もございます。そういった意味では、こうした人たちを初め、世の中にどういう形でお伝えをしていくのか。ずっと様々な努力をしていかないといけないと考えておりまして、その一環として今、非常に若い方々に利用の広がっているソーシャルメディアの活用というものも検討してきて、こういう形であれば情報発信できるのではないかという準備が整ったので、この時点で開設をさせていただくということでございます。 先ほど申し上げましたけれども、この公式のツイッターにおきましては、マイナンバー法案や番号制度の内容、また各地で開催中のマイナンバーシンポジウムに関する情報、また各種ワーキング・グループなど、マイナンバー導入に向けた検討状況に関する情報、そのほか、番号制度創設推進本部や実務検討会の構成員、また事務局の職員が登壇する会合等の情報、そういう人たちのさまざまな情報をつぶやいていきたいと思っております。
(問)番号の関連なのですけれども、明後日にも一体改革の特別委員会が衆議院にできるということですが、自民党と公明党は番号制度法案についてはこの特別委員会とは切り離してほしいというご意見を言っておられると思いますが、こういったご意見というのは傾聴に値するとお考えでしょうか。
(答)私はもともと番号制度については、どういう社会保障制度の仕組みや、あるいは税制の仕組みを考えるに当たっても、必要となる共通の情報化時代のインフラだと思っておりますので、そういった意味では他の一体改革の法案と分けて議論するというのは、一定の合理性はあるのではないかと思っております。
(問)分けて議論したほうがいいという解釈でよろしいのですか。
(答)最終的には与野党間の国対で決めていただくことでありますけれども、分けて議論するというのも、これは一定の合理性はあるのではないかというように思っております。
(問)あともう一点なのですが、日銀の白川総裁がワシントンで何回か講演をされておられますけれども、その中でかなり金融緩和に副作用があるという趣旨のご発言を繰り返されておりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)私もすべてフォローしているわけではございませんので、その部分だけを取り上げて、正確なことを申し上げる立場にはございませんが、私が推測するには、総裁は、短期的に金融引締めをするとかいうことではなくて、当面は、消費者物価上昇率1%の一日も早い実現に向けて、強力に金融緩和を進めていくということについては、常々おっしゃっておられるわけであります。私は従来から変わっていないと思います。 ただ、前後の文脈は知りませんが、今まで総裁と私が意見交換をさせていただいた経験から拝察をすると、長期的に見たときに、世界全体で金融緩和が非常に進んでいるわけですけれども、世界全体での金融緩和、それは言ってみれば通貨量が非常に増えていって、資源価格や食料価格の高騰などにつながっている一面もあるわけであります。そういった意味では、世界的な潮流、もちろん今の時点では強力な金融緩和をしていかなければいけないというのは、どこの国もそういう状況にあると思いますけれども、中長期で見たときに、そうした金融緩和がすべていいことばかりではなくて、そういうリスクもあるという一般論を述べられたのではないかと思います。足元のところで日本において金融引締めをするような状況にはないということは、政府と認識は一致していると思っておりますし、また日銀においては、今後とも強力な金融緩和政策をとっていくことを表明しておられるわけでありますから、私も政府としても、そうした姿勢を引き続き堅持して、実行していただきたいと期待をいたしております。
(問)先ほど大臣もおっしゃった需給検証委員会ですが、連休明けに取りまとめということで、恐らく数回の開催になるかと思うのですが、昨日の会合の中でも委員から限られた回数の中でどこまでを前提にして議論したらいいのかという戸惑いの声も聞こえたかと思うのですが、もう一度この短い期間で需給を検証する意義について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)私どもとしては、需要家側の準備期間等も考えますと、できるだけ早く需給の見通しは示す必要があると思っておりますけれども、しかし昨日の中でも、様々な論点が提示もあったとお話を伺っております。これは委員会の議論に応じて論点の追加等も行ってやっていきたい。もちろん急ぎたいという思いはありますが、だからと言って何かおしりを区切るというようなことはいたしません。ここは透明性・客観性を持って、ここで出される需給の数字が理解をしていただけるような、納得をいただけるようなものを示していかなければいけないと思っております。これはコスト等検証委員会のときにも、1カ月足らずの期間でございましたけれども、相当精力的にご議論をいただいて、最終的には皆さんが納得していただけるような、各電源の数値をお示しできたのではないかと思います。今回の需給検証委員会におきましても、コスト等検証委員会と同じような形で、議論を尽くして、皆さんが納得できるような数字を示していくことが最も大事なことだと思っておりますので、できる限り急ぐということは需要家側のことを考えれば必要なことでありますが、だからと言ってお尻を切るとかということではありません。
(問)皆さんというのは国民という意味ですか。それとも委員の方々という意味ですか。
(答)まずはこの検証委員会において、様々な立場からの方々に参加をしていただいております。ここでしっかり皆さんが納得していただく数字をお示しするということが、私どもの責任だと考えております。
(問)引き続き今の需給検証委員会のことですけれども、昨日委員の中からも電力に関する政府のメッセージが混乱している場合もあって、もう少し統一したメッセージをという趣旨の発言がありましたけれども、そういったことに関して、例えば国家戦略室でリーダーシップをとってやっていくとか、そういったお考えはありますでしょうか。
(答)私は個別のコメントを聞いているわけではないので、コメントしようがありません。
(問)例えばこれまでの節電に関するメッセージとか、その辺が必ずしも統一されたものではなくて、分かりにくい部分もあったという指摘だったのですけれども。
(答)どういうご発言があったのか確認をさせていただきたいと思います。

(以上)