古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年3月23日

(平成24年3月23日(金) 8:37~8:53  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

私のほうから2点申し上げます。
一つは、知財の関連でございますが、本日、持ち回りによりまして知的財産戦略本部会合が開催されました。会合におきましては、「知的財産推進計画2011」のフォローアップ状況について報告がなされ、「知的財産推進計画2012」の骨子が策定されました。また、国際標準化戦略タスクフォースでまとめられました国際標準化戦略(アクションプラン第3弾)が報告されました。
一例として、自動車用急速充電器のコネクタ形状について、我が国はチャデモ規格を提案しているところであり、その国際標準化に向けて既に経済産業省において様々な努力をいただいておりますが、政府を挙げての取組が必要であると考えておりまして、関係府省にも御協力をお願いしているところであります。
また、これに関連いたしまして、チャデモ規格の普及に向けて産業界との連携を強化するため、26日月曜日に、チャデモ協議会の志賀会長と面談をして意見交換を行う予定であります。
もう一点は、TPPの地域シンポジウムについてであります。
共同通信社及び全国地方新聞社連合会が主催する「TPPをともに考える地域シンポジウム」は、これまで私が参加した名古屋を皮切りに全国7都市で開催されてきました。今週末の高松及び札幌で予定の9カ所を終了いたします。明日24日土曜日の高松には私が、明後日25日日曜日の札幌には牧野経済産業副大臣及び筒井農林水産副大臣が出席する予定であります。
地域シンポジウムにおいては、毎回、地域で活躍される有識者の方々や一般参加者の皆様と活発な議論をさせていただいてまいりました。高松でも地域の皆様と忌憚のない意見交換をさせていただきたいと考えております。
こうした取組を通じて得られた国民の皆様からの御意見、御指摘を真摯に受け止め、あくまで国益の視点に立ってTPPについての結論を得てまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)昨日、愛知県の大村知事と会談したということですが、瓦れきの処理についてと伺っていますけれども、その際のやりとりや、どの様な意見を表明したのかお知らせ願えますか。
(答)私の地元の愛知県の大村知事から、震災瓦れきの受け入れについて前向きなお話をいただきました。そのことは、とにかく今、国を挙げて、被災地の復興のためには一日も早い瓦れきの処理が重要だということをお願いしておりますので、私どもとしても大変感謝をいたしますし、私からも感謝を申し上げました。
 昨日は細野大臣がどうしても都合がつかないということで、横光環境副大臣に同席をいただき、知事のほうから、瓦れきを受け入れるに当たっての国への要望というお話をいただきました。
 横光環境副大臣からは、今、国としては、既存の焼却場や処分場を活用して一日も早く瓦れきの処理をしたいということで、そのお願いをさせていただいているわけでございますが、知事からは、新たに焼却場や処分場をつくって、そこで受け入れを検討しているというお話がございました。そこで若干の意見交換もありました。
 新たにつくるとなりますと、かなり時間もかかってくるものですので、もちろん大量な瓦れきでございますから、時間がかかることは止むを得ない部分もありますが、政府としてとにかく2年以内にこの瓦れき処理を完了したいということでございますので、前向きな御提案としてしっかり受け止めつつも、新しい焼却施設や処分場をつくるという動きについては、環境省でもしっかり検討させていただいて、できることは対応させていただきたいと知事にはお話を申し上げました。
 今後とも、環境省と県との間で協議をしていただいて、目的はとにかく一日も早く被災地の瓦れきを処理する、そして被災地の復興を後押ししていくということでございますので、そこに向けて私も地元選出の議員の一人として、また閣僚の一人として瓦れき処理が進むように努力をしていきたいと思っております。
(問)大村知事は全面的な支援みたいなことを言及しているようですけれども、そこはもうちょっと慎重な検討をという言い方をされたのでしょうか。
(答)そうですね、こういう受け入れの前向きな姿勢を示していただいたことは大変ありがたいと思っています。そうした思いに私どもとしても応えられることは応えていきたいと思っております。ただ、今も申し上げましたように、新設でつくるとなりますとかなり時間もかかるということもあります。今、国としては、既存の焼却場や処分場を利用できないかということをお願いさせていただいているわけでございまして、この点については、環境省と県で協議を続けさせていただいて、瓦れきのできる限り一日も早い処理という思いは共通しているわけでありますから、そこに向けていい形ができないか検討してまいりたいと思っておりますし、その旨、細野大臣にも私のほうからもお伝えすると申し上げました。
(問)TPPなのですけれども、国民の皆様から意見を聞いて結論を得ていきたいという話でしたが、今回のシンポジウムで国民の意見を聞くというのは十分だったかどうかと、その結論を得る時期をどうお考えかお願いします。
(答)シンポジウムだけでこれが終わりという話ではなくて、今様々な関係の団体等からの意見の聴取なども行っています。また、色々な形での情報提供も行っております。国民の皆様方への情報提供、理解というのは、シンポジウムに関わらずこれからもやっていかなければいけないと思っております。
 この結論を出す時期等につきましては、今、既にTPP交渉に参加している国との間で交渉参加に向けて協議に入っているわけであります。そうした協議の進み具合によって決まってくるというものであって、今の時点で特定の時点を想定しているわけではありません。
(問)水曜日の会見の時に出た話なのですけれども、消費税を増税した時の経済状況の好転をどう判断するかという時に、特定の指標で機械的に判断するものではない、指標にあらわれない様々な要素を全体的に勘案するのだと仰っていました。その際に、トレンドということを仰っていましたけれども、トレンド以外にどういう要素を様々に勘案する必要があるのか、もう少し具体的にお願いします。
(答)名目・実質の経済成長率や物価上昇率等様々な具体的な指標、あるいは、先日、私も景気ウォッチャーセミナー・全国会合にも出ましたが、地域で実際に経済活動をしていらっしゃる方々の感覚、あるいは私自身も地方にお邪魔して皆様方のお話を伺ったり、経済団体の皆様方とも意見交換をさせていただいたりいたしておりますが、具体的な数字になるものと皆様方の声も含めてトータルに考えて、総合的に判断するものだと思っております。
(問)知財戦略ですけれども、国際標準化戦略の概要に関連する資料は非公開になっていますけれども、なぜ非公開なのですか。あと、いつ頃きちんとしたものがまとまるのですか。
(答)国際標準化戦略につきましては、府省の枠を超えて、対象分野に関わる官民が連携して、分野の実情に即して個別に戦略を検討し、知的財産のオープン化、クローズ化や国際標準化へのアクションプランを定めております。このため、諸外国との競争戦略上重要な情報を含んでおり、また、対象分野におけます関係企業の経営戦略にも密接に関係しております。従いまして、個別具体的な戦略の内容を公表することは適切ではないと考えております。
 国際標準化戦略については既に今までも取り組んでおりますので、今後とも引き続き取り組んでいくということで、いつまでにという話ではなくて、随時今までも行っておりますし、今後ともこの戦略を実行していくということでございます。
(問)公開はずっとしないのですか。
(答)中身については、今申し上げたように個別具体的な戦略の内容を公開することはいたしません。
(問)国民は全然チェックできませんよね。
(答)国際標準化戦略については、7分野を今、重点分野と定めております。その分野において国際標準化を目指していく。ただ標準をとるだけではなくて、事業としてきちんと、いわば日本の成長戦略につながるような分野での標準化を目指していくということであります。
(問)イラン情勢に絡んで原油価格が最近かなり高騰しておりますが、現時点の原油価格高騰が日本経済に与える影響と、原油高騰対策を現時点で検討する考えがあるかどうか伺います。
(答)原油価格が上昇しますと、家計の実質所得やマインド、また企業収益の圧迫につながりかねないということがありますので、我が国の景気の下振れリスクとして認識はいたしております。同時に、原油価格の上昇につきましては、我が国へ直接的な影響だけではなくて、世界経済の減速を通じた間接的な影響にも留意していかなくてはいけないと思っています。特に、ガソリン消費量が大きくて、原油価格の動向はアメリカ経済に与える影響がかなりありますので、その影響についても十分注視していかなければいけないと思っております。
 今の段階で、原油価格が上がっていることに対しての対応をすぐ何かやるということを考えているわけではございませんが、原油価格の上昇が経済に与える影響については、しっかり注視して留意していきたいと思っています。
(問)それに絡んで、4月1日から、いわゆる東電の企業向けの電気料金が値上げされて、今回の原油価格高騰が加われば更なる電気料金の値上げも考えられます。企業にとって、家計も間もなく値上げが検討されてダブルパンチになるかと思うのですが、企業、家計の負担軽減をするために改めて東電等に働きかけるような考えはございませんでしょうか。
(答)東電に対しましては、私も特に中小零細企業などに与える影響という懸念からお話を伺って、東京電力にはしっかり電気料金値上げについて説明責任を徹底してもらいたいと申し入れをいたしました。
 先日の、自由料金の部分の契約期間がまだ残っている方については、別にその期間中は4月からではなくて従来の料金が適用されるが、東電の説明がきちんと尽くされていないので、あたかも文句を言わない限りは4月から上げられてしまうという非常に不親切な状況があったということについては、私のほうから枝野大臣にそういう情報をお伝えして、枝野大臣が直ぐ動いていただき、東電のほうにも指導したという形になったわけであります。こういうことを見ますと、私が申し上げた趣旨をまだ東電のほうは理解していないのかと思わざるを得ません。
 原油価格の上昇によるコストアップは、一面では止むを得ない部分があるわけですが、そういったやむを得ない部分であっても、御理解をいただくためには、きちんと説明を丁寧にやっていく。そして、私は従来から需要者の側で色々な節電努力、コストを抑制する努力ができるような料金体系もしっかり考えてもらいたいというお話も申し上げてまいりました。一面進んだ部分もあるようにも見受けますけれども、まだ私は工夫の余地はあるのではないかと思いますし、こうした説明責任、自由料金の契約期間が残っている人に対しては、その期間は従来の料金でできますということもきちんとお伝えをしないで、文句を言わない人は一方的に上げるような、こういう不信を買っていることが、結果的に料金値上げに対する需要者の皆さん方の信頼も得られないという状況につながっているのだと思います。東電がお客様、需要者の皆様の立場に立って本当に考えているという姿勢を示していくことが、電気料金の値上げ、どうしても止むを得ない部分の値上げについても理解をいただけるか、いただけないか、大きなポイントになってくると思いますので、しっかり説明責任を果たす、利用者の立場に立って考える、利用者の立場に立って、特にこうした料金の話についてはやっていただくということが重要だと思っています。
 私も、必要があればまたそういったことを申し上げていきたいと思っておりますが、これは政府として一体として取り組むということでございますので、随時、枝野大臣などともこうした問題については意見交換、情報交換もいたしておりますので、今後とも引き続き政府内で一体としてしっかりチェック、そして必要な指導をする必要があればやっていきたいと思っております。

(以上)