古川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年9月9日

(平成23年9月9日(金) 10:20~10:34  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日、閣議について私のほうから特に御報告することはございません。
 また、本日4‐6月期のGDPの2次速報値を公表いたしました。民間企業設備の下方修正等によりまして、1次速報値から実質GDP成長率のマイナス幅は拡大いたしました。しかしながら、4‐6月期中の動きを月ごとに見ていきますと、供給制約は徐々に緩和しておりまして、生産、出荷にも上向きの動きが見られ、マインドも下げ止まっているというふうに見ております。また、7月以降もサプライチェーンの立て直しが順調に進んでおりまして、景気は持ち直していると判断しております。ただし、海外景気の下振れ懸念や、為替・株価の変動など、我が国経済を取り巻く環境は厳しさを増しておりますので、景気の下振れリスクには十分注意する必要があると認識いたしております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)今日、アメリカのオバマ大統領が35兆円の景気・雇用対策というのを出されていますけれども、これについて古川大臣の評価と日本経済に与える影響についてどう考えているかをお願いします。
(答)まだ、発表されたばかりで、私も内容をこれからよく伺おうと思っておりますので、よく精査した上でお答えをさせていただきたいと思っております。
(問)やはりアメリカ経済の動向というのはかなり日本の経済にもビビッドに響いてくると思われますか。
(答)当然ですね。
(問)なでしこジャパンが五輪の進出を決めたのですけれども、何かコメントがありましたら。
(答)私も日本人の一人として大変嬉しく思っておりますし、是非金メダルを目指して頑張っていただきたいと思っています。特に、今回のなでしこジャパンは、非常に注目を浴びる中で、多分、選手の皆さん方は相当なプレッシャーの中で頑張られていたのだと思います。そういうプレッシャーをはねのけて見事、五輪行きの切符を手にしたということは、私たち内閣も是非見習っていきたいというふうに思っていますし、また、先のワールドカップでのなでしこジャパンの優勝というのは、やはり1つでも2つでも具体的に成果が出ると、これは日本全体がやれば出来るではないかという元気に繋がった。なでしこジャパンの活躍は非常に日本人全体に勇気を与えたと思います。
 なでしこジャパンもワールドカップで優勝する前は、男子に比べると少し注目度の低かった、そういう中で頑張ってきたわけであります。それと同じように、まだ私たちがあまり目が向いていない、注目をしていない部分で日本の経済には、大きな潜在力、そして力のある企業あるいは様々な技術、そうしたものがあると思います。こうしたものを具体的にこれから行っていく経済政策の中で、また成長戦略の中で、1つでも2つでも具体的に成果を出すことが出来れば、そしてそれを具体的な成功例として日本国内はもとより世界にも見せていくことができれば、日本人自身にとっての自信を回復することにもつながると思いますし、世界に対しても日本が新たな再スタートを切っている、まだまだこれから日本はやっていけるというイメージを高めることにもつながるのではないかと思います。そういった意味では、是非このなでしこジャパンの皆さん方の頑張りを、私も同じ日本人の一人として、経済の世界でも実現できるように頑張っていきたいと思っております。
(問)科学技術と宇宙の御担当でもいらっしゃるので聞かせてください。
 まず1つは、科学技術、それから宇宙について、今の行政体制を変革しようというお話が出ていますけれども、宇宙に関しては宇宙庁という声も出ていますが、それにどういうふうに取り組まれるのかということと、もう1点宇宙で、準天頂衛星ですけれども、これについてのお考えをお聞かせください。
(答)まず1点目、科学技術イノベーション政策の推進体制の強化というものにつきましては、新成長戦略や第4期の科学技術基本計画にも示されているところでありまして、優先して取り組むべき課題と認識いたしております。私が事務局長をやっていた党の科学技術イノベーション推進調査会でも7月に中間取りまとめ提言をまとめておりますので、そうしたものを踏まえてこれから検討してまいりたいと思っております。
 2点目の準天頂衛星の問題につきましては、推進派、慎重な意見、様々な御意見があります。私はこれから幅広く皆様方の御意見を伺った上で検討してまいりたいと思っております。
(問)すみません。宇宙庁のほうはいかがでしょうか。
(答)これは科学技術の推進体制、その全体の中で考えていくお話ではないかと思っております。
(問)平野国対委員長が藤村官房長官に対しまして、閣僚のテレビ出演の自粛を求めるといった発言などをめぐって色々と物議を醸しだしているのですけれども、それについて大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか。
(答)特に私は見解があるわけではありません。そこはどういう状況でどういう御発言があったのかわかりませんけれども、閣僚として必要なときには国民の皆様方に説明を行っていく。今日の記者会見もそういう場でありますけれども、そういうことを行っていきたいと思っています。
(問)党内でそういった形で、内閣の能力が不足しているのではないかということもあって、出演を見合わせるべきではないかというふうな声が宙に浮いた形で上がってきていることについてはどういうふうにお感じですか。
(答)それは報道されておりましたが、私は直接聞いておりませんので、コメントする立場にはございません。
(問)昨日のインタビューの中で、国家戦略会議に党の幹事長とか政調会長を入れるのも一案だというお考えをお話しになったという報道がありますけれども、これについて改めてお考えをお聞かせ願えますか。
(答)やはり政策決定を与党・政府一元的に行う。最終的には政府において責任を持って行う。そのことは鳩山政権以来変わっていないところであります。それをどういう形で行っていくか。その一案として、個人の考え方として、国家戦略会議のようなものを設けるのであれば、そこに党の幹部を入れるのも1つの考え方ではないかということを申し上げたわけでございまして、この件につきましては、総理とまだ十分お話し合いをいたしておりませんので、総理が少し時間がとれるところでしっかり総理と意見交換を今後させていただいた上で検討してまいりたいと思っております。
(問)あと、そういう政策決定あるいは検討の場として、今、経済財政諮問会議があるわけですけれども、これを使うお考えというのはありますか。
(答)法律上はこの諮問会議というものがあることは承知いたしておりますが、そういうものがあることも踏まえて、どういう形の政策決定のあり方をしていくのかということについては、総理と協議をした上で決めていきたいと考えております。
(問)諮問会議の活用は排除しないということなのですか。
(答)様々な条件を踏まえた上で検討はしてまいりたいと思っております。
(問)OECDが、昨日、経済成長率の見通しを発表して、日本の10‐12月期が実質で前期比年率0%になるという予測でした。今の日本の政府の見通しは、復興需要で年度後半盛り上がってくるという見通しだと思うのですが、大臣、その成長率の見通しの受けとめと、全体の今の政府の見通しを変更するつもりはないかどうか、その辺を教えてください。
(答)今回、公表されましたOECDの中間経済評価は復興需要などもあって、日本経済が年後半に持ち直していく、そのようには見ているわけであります。こうした見方については、私は日本政府と大きな見解の相違がないと考えております。ただし、数字につきましては、これは技術的なことでありますけれども、エコノミック・アウトルックとは異なって、各国の公表する経済指標を利用した簡易な機械計算に基づくもので、推計値も相当の幅を持って示されておりますので、この数字というものは、そうしたことも踏まえて考えていかなければいけないと思っております。
(問)先ほど、経済についてはマインドが下げ止まっているというお話があって、景気は持ち直しているという判断があるみたいなのですけれども、最近出た指標を見ると、例えば景気動向指数であるとかウォッチャーとかを見ても、徐々に震災の復興、持ち直しの勢いに当初より陰りが見えているのではないかとか、あるいは円高の影響みたいなものが随分散見されるように思えるのですけれども、改めて今円高がどれぐらい日本経済に影響を与えているか、どのようにお考えなのかというのをもう少し詳しくお聞きしたいのと、あと、経済の持ち直しを含めて、直近、足元を御覧になってどのようにお考えなのか、この2点をお聞かせいただければと。
(答)1点目も2点目も同じような話だと思いますが、政府としての経済に対する見通しは毎月の月例経済報告でやっておりますので、足元の為替やあるいは様々な経済指標の動きをしっかり精査をしていきながら、政府としての見通しといいますか、経済の見方については、月例経済報告のところできちんとお示しをしていきたいと思っております。
(問)今回の2次QEで見られた様々な傾向を踏まえられて、政府がこれからまとめる総合円高、産業空洞化対策の中でやるべきことが一層明確になってきたということはございますか。
(答)円高総合対策につきましては、今日、各省のからそれぞれの考えたものがこちらのほうに上がってくることになっております。そういうことを私のほうで見させていただいて、勿論今の経済状況、そして今回の数字等も踏まえて、どういう形の円高の総合対策を行っていけばいいかということを来週以降、早急に考えていきたいと思っております。
(問)ざっくりとで結構ですから、今日、その各省から上がってきたものを踏まえられて、今後の段取りはどういう感じになりますか。
(答)今申し上げたとおりでございますけれども、まずは上がってきたものをこちらのほうで精査をさせていただいて、取りまとめを行っていくということになろうかと思います。
(問)およそ時期的な目途はいかがですか。
(答)出来るだけ早くということであります。
(問)復興財源の捻出に当たって日本郵政株の売却というのを検討されているようなのですが、その検討状況とその考えについての大臣の御見解をお聞かせください。
(答)安易に増税に頼らないという点では、あらゆる財源等を選択していく、歳出削減努力は勿論でありますけれども、資産の売却等で財源が確保出来るものがないかということについては、すべてをテーブルの上に乗せて、これから議論していく問題ではないかと考えています。

(以上)