細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年9月4日

(平成24年9月4日(火) 10:35~10:52  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 私からは環境省の幹部人事につきまして、皆様に御報告します。本日の閣議におきまして、環境省幹部職員の異動のご了承をいただきましたのでご報告いたします。発令は、国会の日程もございますので、7日付けということになります。人事について、具体的に御説明を申し上げます。寺田達志地球環境審議官の勇退を認めまして、後任に谷津龍太郎大臣官房長を充てることといたします。谷津大臣官房長の後任に鈴木正規地球環境局長を充てます。鈴木地球環境局長の後任に関荘一郎大臣官房審議官を充てることといたしました。なお、寺田地球環境審議官につきましては、引き続き、環境省参与といたしまして特に水俣病被害者の救済対策、石綿による健康被害者の救済対策、この二つ、寺田地球環境審議官が取り組んできているテーマでもありますので、こうしたことに当たっていただくことにいたします。あわせて、審議官級の人事についてお伝えいたします。大臣官房審議官に平岡英治原子力安全・保安院次長を充てることといたします。平岡氏は福島県の現地対策本部に長くおりましたので、環境省がこれから福島の問題にいろいろ取り組んでいくということも踏まえて、審議官として就いていただくということになった次第でございます。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の共同通信の渡邊と申します。よろしくお願いします。まずは指定廃棄物の最終処分場の件についてお尋ねしたいと思います。昨日、栃木県の方に副大臣が行かれまして、提示をなされました。地元、所在している矢板市では市長も含めて、なかなか厳しい反応がありまして、提示がいきなりであった点も踏まえての、その反応だったのですけれど、受け止めと今後の進め方についてお尋ねしたいと思います。
(答)昨日、横光副大臣が栃木県知事、更には矢板市長とお会いをして、私どもの考え方といたしまして、栃木県における指定廃棄物の最終処分場の設置場所を今、私どもが考えている案ということで、お示しをいたしました。栃木県知事からは最終処分場の設置場所に選定をされた矢板市や周辺住民の方々に対しまして、選定の経緯や必要性につきまして、理解を得るため、国として丁寧に説明して欲しいと、そういう趣旨のお話があったと聞いております。また、矢板市長からはお断りをしたいと、今後の対応については県と相談をしたいというお話があったというふうに報告を受けております。特に、一番、この件で市民の皆さんに、いろいろな御心配をお掛けをするということになりますのは、矢板市ということになります。まずは県の考えを聞き、その上で市としての対応を考えるというふうに私どもとしては受け止めておりますので、その結果を待ちたいというふうに思います。これは率直に、県民の皆さん、そして市民の皆さんにお願いをしなければならないのは、やはり原発事故を受けまして、北関東を含む地域に指定廃棄物が発生をするという状況になっております。これは何らかの形でやはり処分をしていかなければならないという、そういう状況になっております。そういう状況の中でやはりそれぞれの都道府県の中で、処理をしていくという考え方を、特に、こういう栃木県のような場所では採っていかなければ、なかなか前に進まないという事情があるわけです。その場所となった市町村、場所として我々が提示をする市町村ということになりますと、いろいろ当然、心配の声があろうかと思いますので、これからその心配をどのように取り除いて、皆さまにお考えをいただけるかということについて、できるだけ丁寧な対応をしてまいりたいというふうに思います。必要性については、恐らくご理解をいただけるのではないかと思いますので、あとは安全性です。さらには地元の皆さんに受け止めていただけるような丁寧な説明というのを、もうこれをとにかく誠意を持ってやっていくということが必要ではないかと思っています。
(問)環境省の業務とは直接関係ないのですが、民主党の代表選についてお伺いしたいと思うのですが、前回の会見でも質問がありまして、考えていないということで、被災地対応を念頭に置かれていて、ということだったのですけど、その発言の後も党内ではかなり待望論、擁立論がだいぶ高まってきているということが現状としてあるのですが、その受け止めをお尋ねしたいと思います。
(答)先週と気持ちは変わっておりません。つまり、エネルギー問題の議論が今、まさに政府の中で佳境にさしかかっておりまして、これは原発の問題ももちろんありますけれども、再生可能エネルギーという環境大臣としてしっかりと取り組んでいかなければならない課題、そして環境省が旧来から取り組んでいる地球温暖化の問題、そうした問題がまさに中核的な議論の対象となっていますので、そこで、私としては役割をしっかりと果たしたいという、そういう思いがございます。さらには福島をはじめとした被災地の課題というのは、日々、本当に様々、出てきておりまして、それにやはり対応しなければならないということがございます。従いまして、それをしっかりとやり抜くということが私にとっては、最も重要だということです。従いまして、代表選挙につきましては考えておりません。
 今日はいろいろもしかしたら御質問をしたいという思いを持たれている方、いらっしゃるかもしれませんが、閣僚としての記者会見でございますので、代表選挙につきましては、今、私が申し上げたことに尽きますので、今後の御質問については、大臣に対しての質問ということでよろしくお願いいたします。
(問)テレビ朝日の平元です。代表選についてはここまでにして欲しいという意向でしたけれども、一点だけ確認をさせてください。前回の会見と同じように考えていないというふうに大臣、おっしゃいましたけれども、これは代表選に出ないと、野田総理を支持するという意味なのか。
(答)申し訳ないですけれども、今、お答えをしましたので、大臣に対する質問ということで、してください。
(問)不出馬を否定されていないということでよろしいでしょうか。
(答)それはもうとにかくいろいろと御質問を受け出すと閣僚会見になりませんので、大変、申し訳ないのですが、先程、お答えした通りです。
(問)フリーランスの木野ですけれども、規制委員会の人事のことでお伺いしたいのですが、8月10日の会見で大臣は欠格要件に関して、あるところで線を引いて、欠格要件としている原子力の事業者の中に入っているのは、電力会社であるとか、あるいはメーカーなどが当たるという御回答をされているのですが、これは設置法の条文の中には、そういった文言はないと思うのですが、どういった根拠でこれはそういうことになるのでしょうか。
(答)設置法の条文の中の、御質問、それでいいですか。他にもしあれば先にお願いします。
(問)関連ですが、要するに根拠が何故、電力会社であるとかメーカーだけが当たるのであって、例えば、更田さんのいるJAEAがこれ、設置法の中で明確に原子力の普及促進を目指すということを書いているわけで、何故これが欠格要件に当たらなくて、メーカーだけなのかという、その辺の線引きが、理由がよく分からないのですが、根拠がもしあれば、御説明をお願いいたします。
(答)原子力規制委員会設置法の中で書かれております、委員になれない、いわゆる、法律上の欠格要件というのは個別にどういう事業をやっているところかということを例示をする形になっています。その中には当然、電力会社で原発を運営している会社は入りますし、その他にもJAEAも入ります。さらには大学、そういったところも入ります。そういった原子力を運営している機関につきましては、規制をする側と規制をされる側が立場として重なるのはまずいということで、法律上、委員になることができないということになっているわけです。今回私どもがガイドラインによる欠格要件としておりますのは、それから更に3年間ということで、遡って、いわゆる、その電力会社のような事業者としっかりと距離を置ける人でなければならないということで、電力会社であるとか、さらにはメーカーのような事業者に席を置いた人は、これは委員になるべきではないという考え方のもとで定めたものです。ですから、私が更田氏をはじめ、JAEAも含めて当たらないと言っているのは、法律のほうを言っているのではなく、ガイドラインのほうに当たらないということで申し上げていることです。法律上は、これは現職として兼務をしなければ当たらないということになっておりますので、これは別の基準ということになります。
(問)別の基準というのがよくわからないのですけれども、そういったわからない、別の基準としている根拠というのはどういうことなのでしょうか。別々にガイドラインと法律を別々に運用するという、そういうのは、なぜそういう運用のわかりにくいことになっているのでしょうか。
(答)わかりにくくする主旨ではなくてですね。
(問)大臣がお決めになられたということなのですか、それとも、事務局サイドで別々の運用を決めた。
(答)別々の運用ではないのです。法律はこれはまさに国会で御議論いただいて作っていただいた基準ですので、それに基づいて、行政府としてはやっていくということになります。一方で、それだけでは十分ではないというふうに考えましたので、3年間という形で遡って、電力会社から距離をおける人ということで、まさにそこは、ガイドラインという形で、法律には基づきませんけれども、さらに厳しくするということで設けているのが、今回のお示しをしている基準ということです。
(問)そうすると今後も、例えば、JAEAであるとかJNES含めてですね、3年間の期間をおかなくても兼任していなければ、委員会の委員になれるというそういう考え方になるのでしょうか。
(答)JNESはそもそも検査機関でちょっと違うと思いますけど、ガイドラインは、今回の委員の人選についてお示ししたものですので、現時点ではいきているということです。
(問)その辺のわかりにくさが、今の人事のなかなか承認できないところに繋がっていると思うのですが。
(答)できるだけしっかり御説明していきたいと思っております。
(問)産経新聞の山本です。内閣総理大臣を決める民主党代表選は非常に重要な問題なので、再度、大臣に伺いたいのですが、野田総理の再選を指示するということでよろしいのでしょうか。
(答)代表選挙につきましては、一番始めの方の御質問に答えたとおりです。それ以上はお答えいたしません。
(問)日本テレビの小林と申します。エネルギー政策がまもなく決定されると思うのですけれども、原発の既存度を決める議論の中で、いわゆる核燃料サイクルとか、貯まり続ける使用済み核燃料、核のごみ、いわゆるバックエンドの問題というのが、一般的にはあまり表だって議論がされてこなかったと指摘があるのですけれども、これについての受け止めと、今後原発ゼロの政策を選ぶことになった場合、青森県の六ヶ所村とかもんじゅとかそういった施設については、今後、どういうふうになるのでしょうか。近く廃止される見込みなどはあるのでしょうか。
(答)国民的議論ということになると、どうしても発電の方に皆さんご関心があるのは、これは、日常生活に近い話ですから、これは自然なことだというふうに思うのです。一方で、いわゆるバックエンドのことについて、議論が喚起されなかったかと言えば、そうではなくて、私も私的な研究会などをつくりまして、いろいろな考え方を世に問うてきましたので、議論が行われてこなかったということではないと思うのですね。
 これからどうするかなのですけれども、これは、原発の依存度を下げていくと、原発の数が、そもそも少なくなっていくわけですし、ゼロを目指していくということになりますと、おのずと発生する使用済み燃料の分量は大きく減ります。そうなってくると核燃料サイクルそのもののあり方の見直しは避けられないし、そこはしっかりと方向性を出していくことは重要だと思います。ただ一方で、私はこの分野は若干前から本当に大事な問題だし、これは、セキュリティの問題やセーフガードの問題とも直結してますので、関心を持ってきた立場から言いますと、青森県に本当に多大な負担を強いてきたわけです、これまでは。使用済み燃料を青森に持っていくという形で、中間貯蔵していただいたり、六ヶ所の施設についていろいろ取り組んでいただいたりしてますから、その自治体のこれまでの努力というのを、これを我々は忘れてはならないと思うのです。ですから、三村知事も先日来られましたけれども、そこの信頼関係というのは、しっかり大事に考えて、どういう方向に向かうことができるのか、そこはしっかりと相談していくことが重要だというふうに思っております。ですから、それこそ、核燃料サイクル、さらには六ヶ所そして福井県のもんじゅと、それぞれ個別のパーツはありますので、今まさにそこの検討も様々しているのですが、今日の時点で、私から結論めいたことを言うのは、時期尚早だと思いますので、控えたいと思いますが、今申し上げた2つの視点は、これはもう避けては通れない大事な検討しなければならない、視点であるというふうに思っております。

(以上)