細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年5月29日

(平成24年5月29日(火) 8:40~8:54  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 私からは2件御報告申し上げます。本日の閣議におきまして、平成24年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」が決定され、国会に提出されることとなりました。今回の白書は、「震災復興と安全安心で持続可能な社会の実現に向けて」、これを主題といたしまして、東日本大震災からの復興・復旧と持続可能な地域づくりに向けた取組について詳しく記述しています。また、リオ+20のテーマにも関連する、世界をリードするグリーン成長国家実現に向け、我が国の優れた技術やシステムの国際的な貢献についても記述をしております。
 2点目といたしまして、利根川水系の取水障害の件につきましては、原因物質が明らかになったことを踏まえまして、埼玉県、高崎市、群馬県において、ヘキサメチレンテトラミンを取り扱っている事業所に対して調査を実施していると報告を受けております。早急に環境省に検討会を設置をいたしまして、制度的な対応、具体的には水質汚濁防止法及び廃棄物処理法の中でどのような制度を考えていくか、こういったことについて検討してまいりたいと考えております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社のNHKです。2点目におっしゃった利根川水系の件ですけれども、具体的にどんな分野の専門家の方が参加して、何について検討する場だとお考えでしょうか。また検討結果についてはいつ頃までにまとめたいとお考えでしょうか。
(答)問題点としては、ヘキサメチレンテトラミンが規制対象になっていなかったということですので、そういった状況の中でこの事故が発生をしたということですので、どう再発を防止していくのかということが最大のポイントになってこようかというふうに思います。また問題が発生した場合の迅速な対応のあり方、これもやはり課題になり得るのではないかと思っております。既に専門家については、だいたい目途がつきましたので、検討会はできるだけ早く立ち上げたいと思っております。その中でいつまでにということについては、まだ明確な期限を設けられるような状態ではないというふうに思っております。原因究明が道半ばですので、その推移を並行してみながら、制度的な対応としては何ができるのか、できるだけ迅速にはやりたいというふうには思っています。
(問)フジテレビの加藤と申します。中間貯蔵施設と除染関連についてお伺いしたいと思います。中間貯蔵施設の設置に関してなのですが、地元自治体と楢葉町だったり双葉町だったり、なかなか交渉が難航していると思うんですけど、政府として今後の計画について修正する考え、また、新たな対策を今後検討することがあるのか、そういうことが1点と、もう一つ、南相馬市の住民説明会などで中間貯蔵施設が決まらない段階では、仮置場の設置には同意できないという意見がかなり多くを占めたという話を聞いています。中間貯蔵施設が決まらないと今度仮置場も決まらないという難しい話、ここについてもまた打開策があるのかどうか、あと3点、最後にもう一つすみませんが、南相馬市に除染が始まるということを前提に結構、子供達が戻ってきたということを、取材とかをすると、戻って来たなという感じを受けているのですが、その母親達からは除染がなかなか進まないのではという懸念の声が聞かれています。その除染、そういう母親達を安心させるような打開策、それも含めて3点、申し訳ございませんがお願いいたします。
(答)中間貯蔵施設につきましては、除染を確実に実施をして仮置場を設置をするためにも、どうしても福島県内でお願いしていかなければならないと考えております。これは大変、申し訳ないことなのですが、現実として前へ進めるためになんとか御理解いただきたいとふうに思っております。政府としての環境省としての考え方は、具体的にお示しをしておりますが、今、修正とおっしゃいましたけれども、これはそもそも政府としての現段階での考え方ということであって、確定したものではありませんので、地元にいろいろな声がありますから、そこは柔軟に対応していければと思っております。今の質問にほぼ答える形になっていると、今の答えでほぼ尽きているというふうに思いますけれども、南相馬市のほうで、仮置場をなかなか作ることに同意をしていただけないということも、中間貯蔵施設との問題がありますので、できるだけ早く方向性を出したいとは思っておりますが、一方で、賠償の問題です。今、浜通りの皆さん、避難をされている皆さんの中で最も関心の高いテーマが、まだ目途が立っておりませんので、今ここで、この今の段階で焦ってどんどんと進めることが、良い結果を生み出すというふうにも思えないです。ですから、まずは賠償についてしっかりと方向性を出して、その後に様々な町全体の方向性を議論していく中で、この中間貯蔵施設においても御理解いただきたいというふうに思っています。除染が遅いというそういう御意見に対しては、特にお子さんをお持ちのお父さん、お母さん、心配されている方が多いですから、そういった皆さんの声に応えることができるように、できるだけ急ぎたいと思います。
(問)静岡新聞の上原です。原子力規制庁の法案が今日、審議入りするということになりましたが、5月の末、ようやく審議入りするということについてどう受け止めていらっしゃるかをお聞かせください。
(答)事故から1年以上経っている中で、原子力規制の組織、更には規制の中身も変更ができておりませんので、そこは非常に大きな危機感を持っております。国会の状況がなかなか審議というところにならなかったわけですが、今日から審議入りをしていただけるということで、国会関係者の皆さまの御努力に心より敬意を表したいというふうに思います。もちろん、与党の国会の皆さんをはじめ、大変な御努力をいただいたわけですが、いろいろとございましたけれども、野党の皆さまにも審議に出ていただけるということで、本当によかったなと思っております。あとは、審議の中でできる限り政府案のこれまで取り組んできた中身であるとか考え方を率直にご説明をさせていただいて、野党からも対案が出ておりますので、そういったことにも柔軟に耳を傾けたいと思っております。
(問)テレビ朝日の辻なのですが2点ありまして、1点目は規制庁の審議入りの件で、これは既に何回か伺ってはいるのですが、緊急事態の際に政府案と野党の自公が出している独立委員会の制度と、どちらのほうが対応がしやすいのかということと、あと、明日、鳥取で開かれる関西広域連合に行かれて大飯の再稼働について説明をされると伺っているのですが、規制をする立場で再稼働、再稼働というのは推進かなと私は感じているのですが、推進をする稼働を説明をするというのは、どういうふうに考えたらいいのかというのを教えてください。
(答)まず1点目ですけれども、今日から審議ですので、あまり個別の論点について、ここで、これから正に審議が始まりますので、詳しく今の時点での考え方というのは、特に野党案というのは若干微妙な問題もありますので、控えさせていただきたいというふうに思うのですけれども、野党案の説明も、私、聞いておりまして、非常にいろいろとお考えになった上で出していただいているというふうには思います。ですから、政府としては、特にオンサイトについては基本的には専門家に任せるものだというふうに思いながら、一方で今回のように国家の本当に有事、存亡をかけたような状況になるケースがあるわけですから、その時にその様々な状況に応じて、万万一の時に政府として対応できるような手段は残しておいた方がいいという考え方をとってきた訳ですね。それをどう国会で認められるかということが今日からスタートしますから、しっかり確認をしたいと思います。
 それと、関西広域連合なのですが、これはですね、明日鳥取県で関西広域連合の委員会が開催されるということは承知をしております。また、政府に対して新たな説明を、連合のほうから申し入れた、申し入れがあったということも承知をしております。こうしたことについて、地元の理解を得ることは重要ですので、政府全体として取り組む中で、閣僚級が参加をして説明する方向で調整と聞いております。ただ、まだ、私自身が行くかどうかということについては決まっておりませんので、今、国会中ですので、国会の情勢もありますので、そこは判断を待ちたいと思います。
 私は再稼働の説明に行くというつもりはございません。先日の関西広域連合の会合にもそういう主旨で行ったのではありません。私が説明しておりますのは、安全への取組について、これまで何をやってきたのか、そしてどういったことについて対応できるようになっているのか、その部分に特化をして説明に行っておるのです。ですから、再稼働をさせるべく例えば、需給の説明をするとか、エネルギー政策全体について考え方を説明するのか、そういったことは、その場所で全くやっておりませんので、役割分担をしていく必要があるというふうに思っております。
(問)朝日新聞の岩井です。ホルムアルデヒドの問題ですけれども、原因物質であるヘキサメチレンテトラミンですかね、物質が廃棄物処理法上、告知義務がある物質なのかどうなのか、委託するときに告知義務があるかどうかという件について、環境省の見解というものを教えていただきたいのですけれども。
(答)そういうことが義務づけられている物質ではないです。ですからそこが、先ほど冒頭でも御説明申し上げましたけれども、この物質ももちろんホルムアルデヒドになり得る物質ですけれども、このヘキサメチレンテトラミン以外にも、同じ様なホルムアルデヒドに変わるような物質があるようなんですね、そういったものも含めてトータルにどう再発防止していくのかというのが最大のポイントになってくると思います。
(問)京都新聞なのですけれども、先ほどの続きなのですけれども、明日30日、仮に関西広域連合に行かれるとして、閣僚級として何を御説明されるというのは決めておられるのですか、つまり、臨時再稼働についてですね、山田府知事あたりも少し肯定的な発言が見られるような気がするのですが、もしも、大臣が行かれるとすれば、明日の御説明内容について、今までと違う何かお考えのことはありますでしょうか。
(答)先ほど御説明しましたけれども、行く行かないということについては、まだ決まっていませんし、特に、閣僚が東京を離れる場合の日程というのは、国会というのが非常に大きな、今大事な場面でもありますので、様々な判断は国会が正にするということになっておりますので、仮にという御質問にはちょっと答えにいくものですからご理解ください。ですから、私が説明をするとすれば、あらゆる場面を見て、説明を求められれば、安全性の取り組み、3つの基準でどういった対応ができるのか、そのことについて、様々な質問も、関西広域連合だけではなくて、いろいろなところから頂いておりますので、それにできるだけ対応し得るような説明というのは必要ではないかと思っております。

(以上)