細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年11月18日

(平成23年11月18日(金) 9:51~10:11  於:環境省19階第2会議室)

1.発言要旨

 すみません。大変お待たせいたしました。会議が長引きましたので、失礼いたしました。今日、冒頭私から2点、御報告がございます。
 まず、閣議後に除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合を開催をいたしました。これは先週、総理から官房長官をヘッドにした会合を開催をし、除染廃棄物処理に関する体制関係強化を図るべきという御指示に基づいて開催をされたものでございます。冒頭、官房長官より農水省、国交省、経産省、厚労省の職員を本日付で環境省に併任の上、現地などに派遣されることになった旨、指摘されました。一定の体制の強化は既にされておりますけれども、今後とも更にこれを強化をいたしまして、人材面での一層の協力を含め、政府を挙げて全力で取り組んでいくことを官房長官からの呼び掛けをいただきました。私のほうからもそういう要請をいたしました。私のほうからは、その他に今後の除染の取組の説明をした上で、当面の体制について説明をいたしました。1月1日からは福島環境再生事務所を設置いたしまして、60名強の体制とすることとなりました。また4月1日には200名以上の規模とすることが、これはもう確定をいたしました。更に、各省の知見を省庁の知見を結集するためのプロジェクト会合を開催する旨を説明させていただきました。各閣僚の皆さんからは非常に前向きな御発言を多数いただきましたので、総力を結集してこれから除染と廃棄物処理に邁進をしてまいりたいと思っております。
 もう1点は昨日、昼前の記者会見で私のほうから皆さんに御報告とお詫びを申し上げました福島から郵送されてまいりました土壌の問題についての処分について決定をいたしましたので報告をいたします。これは昨日、横光副大臣にこの件の調査をしていただきまして、その聞き取りを昨日、私もしっかりとした上で、最終的な判断をしたものでございます。まず、前官房総務課長でございますけれども、国家公務員法に基づく戒告処分といたします。これは法に基づく処分でございますので、非常に重い処分だというふうに私自身は受け止めております。次に環境事務次官でございますけれども、こちらは環境省職員の訓告に関する規定に基づく強制措置であります厳重注意といたします。同じく官房長につきましても厳重注意といたします。次に官房総務課の課長補佐、前補佐でございますけれども、土壌の投棄自体を行った本人でございますので、こちらは同じく先ほどの規定に基づく強制措置であります訓告処分といたしました。そうした処分に鑑みまして、幹部職員については給与の返納をいたします。これ、自主的に行うことでございます。事務次官そして官房長は1ヶ月間のそれぞれの給与の1割の返納ということにいたします。副大臣、大臣政務官は2ヶ月間それぞれの給与の2割の返納という形にいたします。私でございますけれども、今回2つの理由から私自身の責任は極めて重いと思っております。1つは人事上の問題といたしまして、総務課長に現地での責任者を兼任させたという問題。総務課長は戒告処分という非常に重い処分を私自身が下すことになったわけでありますけれども、総務課長というのは役所の機関の責任者でありますから、その人間を現地の役職と兼務させたのは、この組織の長たる私に非常に大きな責任があると考えております。もう1点は今回のこの事件の背景にあるのは、除染の土の処理と除染そのものと、あと土壌の処理ということに関して、国がしっかり責任を果たしていないではないかと、もっとしっかりやるべきだという福島県民の皆さまの気持ちがやはり込められているというふうに考えております。これは今回の処分そのものの様々な、それに準じてということから離れて、我々がしっかりと責任を果たし切れていないということについての反省が必要であるというふうに考えております。以上の2点の理由で私については環境大臣、この任期中については大臣給与の全額を返納することと、自主返納することといたしました。私が在職するという中においてはこれが最も厳しい自分に対する自主的な処分ということになりますので、それを行うことをすでに決定しております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事者の時事通信です。今の処分についてお伺いします。大臣御本人の処分について確認ですが、任期中の給与の全額を国庫に返納するということでよろしいでしょうか。
(答)はい。
(問)これの処分について、福島県民というか理解は十分に得られるというお考えでしょか。
(答)そうは思っておりません。我々が福島県民の皆さんの理解を得るためには除染を推進し、そして福島の皆さんに復興をしていただくということしかありませんので、このようなことで福島県民の皆さんの理解を得られるとは考えておりません。そういう決意も含めて体制を立て直さなければならないということです。
(問)それから除染の関係閣僚会合のほうなのですけれども、先ほどあげられた各省庁から環境省のほうに来ることになった人数というのはどれくらいの規模なのでしょうか。
(答)それぞれ現地に行く皆さんと本部のほうで人を集めている部分と様々あるのですけれども、既に発令されているものに関して言うと農水省、経産省、そして国交省からそれぞれ2名ずつ現地に既に派遣をされております。本日発令されたものも含めて6名が現地に派遣。汚染廃棄物の処理関係で厚労省、農水省、経産省、国交省から合計7名に環境省の廃棄物リサイクル対策部へ来ていただくということで、既に、これ決まっておりますが、これは発令をされております。本日。
(問)あと1点、報道等で自衛隊の派遣について今日は何かあったのでしょうか。
(答)防衛大臣からはそういう御発言がございました。あとは、どこの場所に出ていただくことができるかと。防衛省が出れるかということについては、これはしっかり見極めてやっていかなければなりませんので、できるだけ早く実際に除染活動に入っていただけるように、そこは環境省で責任を持って調整をしていきたいと思っております。
(問)朝日新聞社の平井です。2点お伺いします。給与の自主返納ということですけれども、これは原子力担当大臣としての、国務大臣としての給与というのは別にあるのでしょうかということが1点。それから、御指摘されていた今回の問題が起こった背景に現地事務所と兼務をさせていたということですけれども、これは今回の現地のほうの200人体制拡充ということで一定クリアできるというふうにお考えなのか、環境省の体制について今どのようにお感じになられているのでしょうか。
(答)まず1点目ですけれども、兼務をしている場合は給与は1つしか出ませんので、ですから大臣給与のすべてということです。2点目は福島にも確かに人員増強するのですけれども、環境省が今抱えている仕事というのは、この放射性物質がらみの問題だけではなくて、廃棄物全体なんです。ですから、前官房総務課長が兼務をしていたのは仙台の方の拠点ですので、そちらの体制も相当逼迫をしておりますが、もちろん今回は総務課長と現地の対策本部長は分けますが、今の1200名程度の環境省の人員で、この除染をやり、廃棄物の処理も、それこそ何十年分と、宮城県では19年分ですか。それだけの処理をやりきらなければならないというのは相当厳しいのが実状ですね。それはもう、これだけ大きな課題があるわけですから、我々が努力をするしかありませんので、そこは何とか人事をやり、人繰りをしてですね、やりきらなければならないと思っております。
(問)フジテレビの丸山です。まず1点目に確認させていただきたいのですが、任期中の給与を全額を返納ということですか、これからの給与ということでよろしいですか。
(答)そうです、はい。
(問)もう1点、昨日の宮中晩餐会なのですけども、大臣が欠席されたと聞いておるのですが、その理由をお聞かせください。
(答)今、広域処理の問題が非常に大きくなっておりまして、私の仕事のうちのかなりの部分は、個別にそれぞれの自治体の皆さんに、なんとか引き受けていただけないかとお願いをする、その時間を使っております。昼間はなかなかそういうことはできませんので、それぞれの首長の皆さんが上京される機会をしっかりと調整をして、その中で個別になんとか、被災地を助けていただけないだろうかというお願いをしております。大変恐縮なのですが、どこの首長さんかということは話がまとまることを、まず第一に考えたいものですから、申し上げられないのですけれども、そういう機会がございましたので、そちらを優先いたしました。
(問)テレビ朝日の辻井ですけども、おはようございます。明後日から始まります政策仕分けの中で、原子力予算の無駄なども取り上げられる予定なのですけれども、これに対する大臣の問題意識と、今回の仕分けの議論に期待する部分があればお願いします。
(答)そうですね、仕分けという形で原子力関係のことをゼロベースで議論するのは、大変良いことだと思います。これから原子力政策大綱の議論も本格化をしますし、あとは、エネルギー基本計画の策定も、来夏が一つの期限になりますので、やっていくことになりますので、その前に専門家の方々も含めていろいろな意見を戦わせることは、非常に大きな意味があるというふうに思います。具体的には私は野党時代から、特別会計の在り方には大きな疑問を持ってまいりましたので、この場所でも何度か申し上げましたけれども、今はエネルギー特会という名前になってますが、その在り方そのものも議論をされるようであれば、私は、そこはしっかり、様々な踏み込んだ発言なり、判断というのができるのではないかというふうに、そこは期待をしております。
(問)朝日新聞の小林と申します。官房総務課長の処分に関するところなのですが、処分に至った理由をもう一度確認させていただけないでしょうか、どの点が責任を問われてというところなのか、明らかにしてください。
(答)そこはもう昨日説明をしたつもりなんですけどもね、ですから、郵送物の扱いは総務課がやっているわけですね、その判断において、それこそ空き地に投棄をされるという、1月1日からの法律施行されれば、それは大きな法律違反にもなるわけですから、そういったことについての責任です。
(問)上司として課員に指示があったのかどうかについてはいかがでしょうか。
(答)あの、そこは、ですから投棄をした本人と課長との間で話をして、そういう結果になったわけですから、そういう結果についての責任を、やはり問うということですね。
(問)適切な対処を課員にさせなかった監督責任というとらえ方でよろしいのですか。
(答)監督責任というとらえ方はしておりません。そこは二人での話ですので、それぞれのとらえ方があって、そういう結果になったわけですから、そのことについて一番責任があるのが官房総務課長であろうということです。
(問)終的に処分の判断をしたのは官房総務課長であったということなのでしょうか。
(答)処分の方法までについては、官房総務課長として承知をしているわけではなかったわけです。課長補佐が自分が処分をするということになった中で、非常に悩みに悩んで、捨てに行ったわけですね、そういう状況を作ったことも含めて、総務課長の責任ということです。これぐらいでいいでしょう、これだけの処分をしたんですから。
(問)状況を誘発させたという理解でよろしいですか。
(答)それぐらいでもう勘弁してください。
(問)共同通信の太田です。各省からの応援の部分なんですけれども、行革が進められている中で、各省余っている人は居ないという状態の中だとは思うのですけれども、政府全体の政策の優先順位ということを考えると、6人、7人という数字が今出てますが、それを更にもっと拡充して、各省からの人員を得て進めていくという考え方もあるのではないかと思うのですけれども、今後、更に協力を得られる見通しというのはなにかあるのでしょうか。
(答)そこは、各省今回の災害対策で相当人員をあらゆるところに出していますので、厳しいのは実情です。ただ一方で除染というのは、これまでなかった業務ですので、環境省としても新規に人材を貼り付けてやっているんですね、更には政府全体でも除染の優先順位は極めて高いというのは、共通認識として各閣僚持っていただいているというふうに思います。ですから、無理は確かに承知はしているのですけれども、必要な場合には更なる協力を求めて行きたいし、それには積極的に応じていこうという雰囲気にはなっているというふうに思います。当面の体制は整いましたので、この体制で、しっかり、まずやることを優先したいというふうに思います。

(以上)