平野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月30日

(平成23年8月30日(火) 10:29~10:42  於:合同庁舎5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

 先ほどの閣議で辞表を提出致しました。なお、慣例によりまして、次の内閣が決まるまで、引き続き職務は執行するということでございます。特に、危機管理という観点からすれば、前防災担当大臣ということでもございますので、事実上の職務については、いつ何どき、何が起こっても対応できるような心構えは引き続き持っていく必要があると考えております。
 それから、復旧・復興につきましては、仕事はまだまだ山積みでございまして、1日たりとも、あるいは1時間たりとも無駄にしてはならないということでございまして、事務方にはきちんと仕事をするよう、昨日も指示をしたところであります。
 復興担当大臣並びに防災担当大臣を約2カ月ということで極めて短い期間ではございましたけれども、私にとっては、3月11日の被災以来、今回の大震災に対しましては、その前の被災者生活支援チームの事務局長としてということの通算で考えますと、この間6カ月近くということになりますが、東日本大震災関連の仕事に関わらせていただきました。特にこの2カ月ということに限定しますと、私の感覚の中では、まだやらなければならないことがいっぱいありますので、これをやった、あれをやったなんて言えるほどの段階ではないかなというのが正直なところであります。
 ただ、あえて何をやったかというふうに聞かれるとすれば、基本方針は策定したということと、この中で事業規模、財源の道筋につきましては、必ずしもきちんとした道筋ではなかったかもしれませんが、そういったものを合わせて道筋をつけたと、方向性を示したということであります。
 瓦れきにつきましては、私はまだ鮮明に覚えておりますけれども、3月13日に釜石、3月14日に大槌を見て、あの時に大槌の応急の市役所、高台にありまして、あの上から瓦れきの山、当時瓦れきではなくて廃棄物と呼んでいたのですが、それを見たときに、復興の第一歩は何といってもこの処理をどうするかということであると肌で感じたことを覚えております。瓦れき、それから仮設住宅に一定の目途はついてきたと思います。遅いという批判はありましたけれども、自治体は本当によく対応していただいたというふうに思っています。
 それから、復興本部の主要な課題につきましては、まず作業工程を示しました。各省の、特にハード部分の事業計画及び工程表も示しまして、これを基礎にこれから本格的な復興に着手するということになると思います。
 福島県についても、協議の場を立ち上げまして、この協議の場については、福島県側から、やっと立ち上げていただき非常に感慨深いものがあるというような前向きの評価をいただいたということもございます。
 それから、防災につきましては、何といっても東日本大震災の教訓を踏まえまして、いわゆる東南海の三連動地震、それから高い確率で発生するのではないかと言われている首都直下型地震の備えというものをしっかりやらなければなりません。地震・津波対策を全般的に見直すということも必要なことでございまして、それに必要な災害対策法制、危機管理体制の見直しについても、検討を開始しようというところまで今来ておりまして、これはどなたが大臣になっても急がなければならないというふうに思います。
 全般に亘って、復旧・復興については待ったなし、防災体制の見直しについても緊急の課題だということでございまして、これらを着実に実行していくことが必要でございまして、先ほど申しましたように、どなたが新大臣になられても、この辺の課題を進めていくことが必要であると考えております。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)この2カ月を振り返ってのお話の中で、復興の財源についての道筋をつけたという話がありましたが、昨日、民主党の代表選の中で、復興増税に比較的前向きな野田さんが選出されましたけれども、これについての受けとめをお願いします。
(答)復興債をつなぎとして出すわけでありますから、復興債は何で償還するかというと、基本的には国民の税金であるということについては、変わらないわけです。問題は、どの期間で償還をするのかです。10年なのか、当初、私は5年でもいいのではないかと考えた時期もありましたけれども、円高ということもあって、景気に対する影響も考えなくてはならないという中で、あと何年間でどういう税目でやるかということについては、新しい体制の中で、多分早急に結論は出されるだろうと思います。
 野田新代表が言われたのは、あるいは野田新代表が財務大臣時代に言われたのは、基本的に、ある意味では当然のことを言っているわけでありまして、増税をしないとすると、財源はどこから捻出するんですかという話になりますから、基本的にそれは最終的には国民に負担をお願いしますよということをおっしゃったのだというふうに理解しています。
(問)関連ですが、昨日の代表選で、決選投票という結果で野田さんが新代表に選ばれましたけれども、昨日の代表選、海江田さんが1回目トップでしたけれども、党内がこれまでのような分裂と言われるような状態にならないように、今後民主党、それから政権に望むことというのはどういうことがありますか。
(答)ある意味、今回の代表選挙というのは、一つは復旧・復興がありますし、円高の問題、国際的にはEUのソブリンリスクの問題、あるいは財政危機の問題等々の中で、党内が一致して取り組むための選挙だったということでありますから、それができないということであれば、本当に今回の代表選挙の意味はなかったということにもなりかねないということでございまして、野田新代表はそれをしっかりやれる新代表だというふうに私は思っています。
(問)まさに東日本大震災から半年という一番大事なときに、担当される大臣がこれで3人目になるわけですけれども、こういうふうに一貫して復興に向かえないことの現状について、大臣もこれでお辞めになられるわけですけれども、こういったことについてはどのように御自身ではお考えになりますか。
(答)現場では、復興に向けた準備は、私は着々と進みつつあるというふうに思っています。これから公共施設については、残されている部分はまだありますので、応急復旧をしっかりやるのと、本格的な災害復旧が始まっていきますし、やはり大変なのは、繰り返し従来から何回も申し上げてきましたけれども、市町村のつくる復興計画なんですね。この復興計画の中で一番大変なのは、住民の方々がその計画に同意するという、この作業が物すごく大変だと思います。これに地元の被災市町村の首長さん、あるいは市役所の職員の皆さん、そしてそこに地元の方々も加わって何回も何回も話し合いしながら、その計画をつくっていくということだと思うのですが、もうそのプロセスに入っている市町村もあるというふうに聞いておりますので、ここに、前も言ったかと思いますけれども、本来なら時間をかけるべきなんです。時間をかけるべきなんだけれども、時間はかけられないと。そういう中で一所懸命の取り組みをされていますので、それを国も支えなければなりませんし、我々も知恵を出さなければならないということだと思いますので、新しい体制、どんな体制になったとしても、これは着実に進めるし、また進めなくてはならないというふうに思います。
(問)これまでの復興政策全般の話なんですけれども、例えば瓦れき処理法とか、汚染瓦れき処理法とか議員立法が非常に多くて、立法府のフル回転ということでいいのかもしれないですけれども、行政として引っ張っていくというのと、その。
(答)法律は、閣法で出そうが、国会法で出そうが、良い法律だったらそんなの関係ないので、それからもともと国会は立法府ですから。こういう非常に短い時間の中で重要な法律を出す必要がある場合には、私は、国会議員がやるということであれば、どんどん国会の方にお願いして議員立法でやってもらうというのが一番良いと思います。
(問)新しい体制になるわけですけれども、これから復興にいろいろな課題があるとおっしゃいましたけれども、まず、新しい体制が復興に向けてやるべきことというのはどのようなことでしょうか。
(答)まず、第3次補正です。それから、福島原発は細野前大臣が基本的にやっているんですけれども、福島全体の経済支援等について、福島県の佐藤知事からさまざまな要請をいただいていますので、そういったことに対しても恐らく第3次補正の一環になると思いますけれども、対応するということが必要だと思います。そういったことについての準備は、うちも進めておりますけれども、当然のことながら各省も事務的には進められているというふうに認識しております。

(以上)