細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月12日

(平成23年8月12日(金) 9:47~10:00  於:第4合同庁舎6階605会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日の閣議及び閣僚懇談会では、私に関する、関係するテーマは議題として上がっておりませんでした。恐らくこの後御質問が出ると思いますので、予め申し上げますと、検討してまいりました原子力安全規制に関する組織の見直しでございますけれども、今日の3時45分から関係閣僚会合を開催いたします。この問題に関係する閣僚に幅広く参加をしていただいて、しっかりと確認をする必要があると思いますので、この会合に臨みたいと思っております。
 既に報道などでも出ておりますけれども、環境省の下に原子力安全庁、これは仮称でございますけれども、それを置くという方向でほぼ集約ができましたので、恐らくこの関係閣僚会合の中で合意ができるのではないかと考えております。
 終わった後に、皆さんに、勿論正式な決定は来週の閣議ということになるわけですが、この閣僚会合の結果については終わった後に皆さんに私のほうから、これは官邸のエントランスのところでぶら下がりという形になりますが、報告をしたいと思いますので、そこでお尋ねをください。
 大変恐縮ですが、中身については終わった後にそのエントランスでのぶら下がりでお答えしたいと思いますので、朝の会合では御質問は申し訳ないんですが、御遠慮いただきますようにお願い申し上げます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)フリーランスの上出と申します。今の方向でいきますと、内閣府だったのが環境省にほぼまとまりそうだということなんですが、いろいろな方から指摘されて国会でも出ているかと思うんですが、一番問われているのは独立性ということもありましたけれども、もちろん独立性ということと、それから専門性ということがあります。今の保安院が専門的、専門性が活かされているというようなことでは皆さんかなり批判されています。そのままの形で環境省に移ったとしても、そのまま今の保安院の役割を果たすんでは意味がないという意見。
 それでもう一遍、リフレッシュして採用し直すとか民間からも採用するとか、そういう思い切った抜本的なそういう保安院の見直しをしない限りは今の果たしている政治主導と言われる掛け声からも国民の要望からも、これはなかなか実現しないんじゃないかということがございまして、その辺の御所見を聞かせていただきたいのが1点。
 もう一点、長くなりますが、昨日原子力安全委員会がございました。これ泊の3号機の問題を安全委員会が北海道から来て傍聴していた方から見たら、そのまま了承してしまったということで、いろいろな説明がありましたけれども、野次も飛んだり混乱したんですが、その一つは枝野さんあたりが二重のチェックということを安全委員会とあわせてやったために二重チェックをする役割だと思われていたので、班目さんはそうじゃなくて、あくまでも保安院が確認して、それを了承して、問題があって問われれば答えるというのに過ぎないんだという、ちょっと国民の間とのギャップがあると思うんですが、この辺について昨日の懇談のことを御存じかどうかわかりませんが、この2点について御所見をお伺いいたします。長くなって申し訳ありません。
(答)1点目は、先ほどここでは御質問は受けないと申し上げたところですので。いろいろな人材をどう登用するのかというのは、正にこの新しい組織の根幹に関わるところですので、御指摘のところも含めてしっかり考えていかなければならないし、私もこの間、そこについては様々なこれまで熟慮を重ねてまいりましたので、私なりにアイデアがありますので、また折を見て御説明を申し上げたいと思います。
 次に泊の3号機でございますが、原子力安全委員会のほうが定期検査は保安院が責任を持って合否を判断するもので、適切な判断をしてほしいという、そういうコメントをしたということを聞いております。そこは現状の制度における保安院と安全委員会の役割分担の中で、通常は定期検査の場合には原子力安全委員会は直接関与しないわけですが、こういう事態ですので、何らかの少なくともコメントを出すべきではないかという意見もあってこのコメントになったものというふうに思います。ダブルチェックの機能が果たされたかどうかというのは、これはいろいろな御意見がおありかもしれませんが、原子力安全委員会の議事の中身に政治が関与する、影響を及ぼすというのは、この八条委員会という性格上、これは慎むべきだというのが制度の趣旨でございますので、現状においてそういう安全委員会としての役割にとどまったということだと考えております。それ以上ちょっと、私も担当大臣とはいえ、逆に踏み込めないという面がありますので。
(問)読売新聞の高田です。今の質問に関連なんですけれども、班目委員長が従前ストレステストとの関与についても具体的な要請というのは受けていないという言いぶりをなさっていますし、今回の泊についても要請は受けていないという発言を会見上でされているんですが、実際のところ、担当大臣である細野大臣から安全委員会には今回の泊の件と及びストレステストへの関与について、どのような要請をなさったのか教えていただけますか。
(答)泊については、私のほうから直接的な要請はしておりません。一方でストレステストは、これはあのときは3大臣でしたね。3大臣でプロセスを決めておりますので、あのプロセスに基づいて安全委員会としても関与してもらいたいという要請というか、あれは3大臣で話をして紙で出していますから、実質的な政府全体の意思という形では伝わっていると思います。
(問)直接大臣のほうから班目委員長のほうに何か言葉で伝えるとか、紙で伝えたとかという形ではなく、間接的に委員会に対して政府全体として伝えたという形になるんでしょうか。
(答)ちょっと班目委員長がどういう文脈でおっしゃったか分からないので、中でのやりとりについては申し訳ないんですが、コメントを控えます。なかなか八条委員会と担当大臣の関係というのは難しいんですよね、非常に。これはナイーブな関係ですので。私としては、ああいう形で3大臣で文書を出しているわけですから、そういった意味では安全委員会にそういう役割を果たしてもらいたいという形で伝わっていると。どういうやりとりをしたかは詳細に説明は省きますけれども、私なりにきちっとやったつもりです。
(問)大臣おはようございます。フジテレビの羽山です。確認なんですが、来週月曜、8月15日は終戦記念日なんですが、大臣として靖国神社を参拝される予定はありますでしょうか。
(答)私は信条として、先の大戦でお亡くなりになった方に対する慰霊鎮魂の念というのは強く持っているという思いでございまして、靖国神社には私の信条として時々参拝をしております。ただ、8月15日に参拝するということに関しては、全く違う政治的な意味合いがありますので、参拝はいたしません。
(問)共同通信の大倉です。今の件に関連して、15日前後、日付をずらして参拝される御予定というのはありますでしょうか。
(答)それはありません。終戦記念日との関係の中で参拝するのではなくて、私は、それこそ大戦で亡くなられた方というのは本当にそれぞれいろいろな思いを持って亡くなった方ですので、静かな環境で私としてはしっかりと参拝をして、私なりにまたいろいろな思いもありますし、そういったものを自分の中でまた確認をするという、そういう場というふうにしております。したがいまして、喧騒の中で何か対外的にそれを見せるということについての意味は全く感じておりませんので、個人としてあくまで静かな環境で行けるときに参拝いたします。これまでもそうしてきましたし、これからもそれは変わらないと思います。
(問)西日本新聞の吉武といいます。代表選のことなんですけれども、菅政権ではいろいろ様々な原子力の見直しであったりとか、今回の安全面とか、いろいろな方向性を決めてきているわけなんですけれども、次の代表が代わることによって、こういったいろいろなことをどう担保していくのか、それからあと次の代表選に向けてどういう方が望ましいとお考えになるのか、そこについてお伺いします。
(答)エネルギー政策は私がライフワークとしてきたテーマですし、しかもこの5カ月原子力の問題、エネルギーの問題がこれだけ大きなテーマになってきたわけでありますから、次の政権でやるべきこと、やってもらいたいと思うこと、それは相当たくさんあります。ただ、私は今菅政権の閣僚ですし、私にやれることはとにかくこの内閣が存続する中で、この中でやれることを全力でやること、これに尽きると思うんですね。ですから、そこはいろいろな信条はありますけれども、それに専念しようと思います。その先のことについて無責任に私が言うことがいい結果につながるとも思えませんので、自分の与えられた職責をやり切ると、このことに専念をしたいと思います。

(以上)