蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月6日

(平成23年5月6日(金) 11:58~12:06  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。私から1点報告を申し上げます。
 腸管出血性大腸菌による集団食中毒、既に4名の方がお亡くなりになられています。心からお悔やみを申し上げたいと思っております。
 今回の集団食中毒におきまして、各県の患者の発生状況等を厚生労働省から消費者安全法に基づき重大事故として通知を受けております。5月5日現在、各県の患者数は富山県65名、うち重症が20名、亡くなられた方が3名、福井県が1名、うち亡くなられた方が1名、神奈川県が7名、うち重症が1名との報告を受けています。
 厚労省からは、この食中毒事案が発生している焼肉チェーン店では一部の店舗において27日より営業停止及びユッケの販売停止を行い、29日からは4県の計20店舗全て営業を停止しているとの報告を受けています。消費者庁としましては、加熱用の食肉がそのまま生食用として提供されたのではないかという一部の報道を受けまして、厚労省に対して5月2日、消費者安全法に基づきまして本件食中毒事案の対応に係る情報提供を求め、更にその情報は求め続けています。また、全国の消費者の皆様方に対し、「飲食店で生肉の料理を召し上がる際には本当に気を付けていただきたい。お子さん、あるいは御高齢者の方は控えていただきたい。あるいはこれは生食用の肉かどうかを消費者自らとしても店舗に御確認をしていただきたい。」とお願いをしたところでございますが、厚労省におきましては、昨日5月5日、今回の集団食中毒事件を踏まえ、生食用食肉の衛生基準について罰則を設けることも含め検討を行うとともに、生食用食肉を取り扱う営業施設に対し、5月の末までに監視指導を緊急に実施することと聞いています。また、関係営業者に対して、生食用以外の食肉を生食用として消費者に提供することがないよう徹底するように依頼をしています。消費者庁としましても、消費者の安全を守る観点から、これまではお子さんと御高齢者という形でお願いをしておりましたが、当面、規制がどのような形になるのか、消費者の安全を守る形が厚労省においてはっきりするまでは、是非生食で召し上がるのはお控えをいただきたいと思っております。
 私どもとしましても、今後関係機関と連携を図りつつ、状況を注視してまいりたいと思っております。
 また、現段階においては消費者安全法に基づいて厚労省に関連の情報の提供をお願いしておりますけれども、今後の推移次第では厚労省に対し、内閣府設置法第7条第7項に基づき、食品・食肉の衛生基準等の見直し、または制度改正等を働きかけるときに意見を述べることも含めて考えていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)TBSの杉本と言います。
 ユッケの関連なんですけれども、日本では現在加熱用の肉しか出荷がされていないというような状況ですけれども、昨日の厚労省の通知ですと飲食店が加熱用の肉を衛生的にトリミングする、つまり表面を切り落とすことなどをすれば、生で提供しても構わないということなんですけれども、この食肉処理施設での話を聞きますと、トリミングをしたとしても生で食べるのはやはり安全ではないということなんですけれども、昨日の厚労省の措置で消費者の安全は保たれるというふうに思われますか。
(答)昨日の措置だけでは不十分だと思っています。ただ、実態問題としてどのような形でこの生食用の肉が卸から流通していないにもかかわらず、店舗でそうした食品が出されていて、今回はその食を口にした方で被害が出ているわけですから、一体何が問題だったのかをまずは一義的には厚労省においてしっかりと徹底した調査並びに指導監督を行っていただきたいと思っております。その上で輸入もあると伺っておりますので、そうしたトレーサビリティーがどのようになっているのか、そこの安全性も当然担保していただかなければいけない。つまり、卸からどういう形で肉が流れて、今回の通知で、いわゆるトリミングだけで十分なのかどうなのかも含めて、全て複合的に行っていかなければなかなか消費者の安全というのは守れないと思っておりますので、5月末までまず指導監督徹底していきますから、その経過、その結果報告も含めて、どういう形で規制を強化していけばいいのか、私どもとしては意見をしっかりと伝えたいと思っています。
(問)読売新聞の金杉です。
 先ほど現段階では消費者安全法に基づく情報提供を受けているということでしたけれども、その先に更に厚労省に対して意見的なものを考えていく、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのですか。
(答)引き続き厚労省と会議は重ねていきたいと思っておりますけれども、今後厚労省としてはどのような措置をとっていくのか、現段階のいわゆる行政指導レベルにとどまるのか。あるいはそうではなくてしっかりと罰則も含めた対応に枠、スキームを変えていくのかも含めて考えていかれるんだと思いますが、私どもとしましては消費者の安全を最大限、最優先に考えたときには現段階の行政指導では不十分だと思っています。その部分で現段階のままで指導監督で十分と考える形にならないように私から意見を述べたいと思っています。
(問)共同通信の岡ですが、今まで罰則規定がなかったことについてはどう思われますか。
(答)正直、私も罰則規定の例外だとは思っていませんでした。食品衛生法をしっかり見させていただきましたが、販売の用に供する食品、これに関しては製造・加工・使用・調理、もしくは保存の方法について基準を定めている。この部分でこれに違反した場合には罰則の対象になるんですが、生食用の場合はこれの対象外で、自治事務として地方自治体において行政指導が行われている。仮に違反した場合にはペナルティーがないということも今回広く明らかになったと思いますので、逆にこれがペナルティーがないんだというところで被害が更に今後拡大しないようにしっかりと指導をしていく、あるいは規制を強化していくのは私の役割だと思っています。

(以上)