蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年4月8日

(平成23年4月8日(金) 11:18~11:37  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私から幾つか御報告をさせていただきます。
 まずは電力関係ですが、本日の閣議に先立ちまして、電力需給対策本部が開催されました。東京電力管内、東北電力管内、電力不足を需給両面の抜本対策で乗り越えるため、この夏、夏季の電力需給対策の骨格をここで決定をいたしました。
 今回の骨格のポイントは、これまで計画停電を行うということを前提に節電をお願いしてまいりましたが、これからは計画停電は基本的に行わない方針で進めていきたい、そこを目指したいと思っています。
 計画停電、大変国民の皆様方に御迷惑、御不便をおかけをしておりました。また、その上で、更なる節電の御努力を本当にいただきまして、例えば、東京電力管内の一つの例ではございますが、3月30日、この日は計画停電は実施はしておりませんけれども、昨年3月の平時の平均が4,700万キロワットであったものが、その日は3,300万キロワット、1,400万キロワット、3割減となりました。この1,400万キロワット、大体どういうものか調べましたら、中国電力が平成22年度に確保していた供給量とほぼ同等、つまり中国電力が一律最大供給できる量を1日東京電力管内の節電の御努力によって需要を抑制することができた。改めて国民の皆様方に御協力をいただいたことを心から感謝を申し上げます。
 現段階、4月から6月の平時、平年でいいますと気温が上がりますから、基本的には現段階で供給している量で需要を賄うことができると考えておりますが、やはり夏にはピーク時の需要が大きく増大いたしますので、計画停電を実施しない方針で進めるために供給量の積み増しに向けた努力を行うとともに、抜本的な需要抑制対策を講じることが必要になってまいります。改めて国民の皆様方の創意工夫を結集し、東京電力・東北電力管内の節電を国民運動としても進めていきたいと考えております。引き続き御協力をお願い申し上げます。
 次に、規制・制度改革関係です。
 本日の閣議では「規制・制度改革に係る方針」として、震災前の時点で各府省と実質的な合意が得られておりました135項目について、併せて国民の声、規制・制度改革集中受付に提出をいただいた提案等への対処方針として66項目について閣議決定をいたしました。規制・制度改革に係る方針につきましては、これらのほかにも調整が現段階で終了していないものもございますが、改革を早く一歩でも進めるために今回の閣議決定の方針となりました。残された項目についても引き続き─当面は復旧・復興の事態の推移を見守りはいたしますけれども、今後調整を行い、別途閣議決定をしたいと考えております。
 次に、行政刷新会議でございますが、昨日7日、第17回行政刷新会議を持ち回り開催をいたしました。会議では規制・制度改革関係の閣議決定についての報告のほか、東日本大震災への対応に政府一丸となって取り組んでいる状況に鑑みまして、「国まるごと仕分け」行政事業レビューにつきましては、本年は各府省における行動計画の作成、公開プロセスの実施及び行政事業レビューシートの中間報告、中間公表を要しないこと、また平成24年度予算概算要求時に行政事業レビューシートの作成・公表を行うかどうかは、当面各府省における震災への対応の状況を見ながら、5月以降に判断をすることを決定するとともに、財務省及び各省庁におきまして特別会計制度改革に向けた作業を今行っていただいておりましたが、こちらは一時停止をしまして、作業再開のタイミングにつきましては当面各府省における震災への対応の状況を見ながら、改めて検討することにいたしました。ここの点について、了承をいただいたところでございます。
 震災前に進めていた様々な行政改革の意義は、震災後においても当然変わることは全くありません。これまでの取組については、関係府省における震災への状況を見極めながら、状況が許せば再開できるような準備は適時進めてまいります。
 また、震災からの復旧・復興には相当な財源を要します。そういう意味で言いますと、不要不急な予算、事業の見直しを一層徹底することは不可欠だと考えています。こうした視点も視野に入れまして、行政事業レビューについては再開のタイミングを見極めながら、この取組を毎年実施することについての閣議決定を行えるよう準備を進めてまいりたいと考えています。
 加えて、今後、今回の震災の全体像が整備されて明らかになっていく中で、行政の対応、あるいは組織などの課題も併せて明らかになっていくものと考えています。行政刷新の取組を本格的に再開する際には、こうした課題も視野に入れて行政全般の刷新に取り組んでいくことを考えております。
 私からは以上です。何か。

2.質疑応答

(問)読売新聞の清永です。
 規制・制度改革の関係なんですけれども、震災前に合意した項目について閣議決定とあるんですけれども、例えば震災があって以降、具体的に言うと保育施設の駅ナカ設置に係る規制緩和とか、あるいは急速充電器の設置に関する規制緩和とか、震災によって耐震強度の問題とか、あるいは節電の関係でまたちょっと違った角度から議論される可能性というのは今年度中、実際の改革に向けて震災後という視点でもう一度議論する可能性というのはあるんでしょうか。
(答)2点あります。
 1点は、震災を受けて、例えば私の所管をしている消費者庁、あるいは各省庁においてもこの復旧活動に必要だと思われる規制・制度改革をそれぞれ独自に行っています。法律改正を要しないものについては適時適切に行っているものを規制・制度室の下で一括して今把握できるようにまとめる作業はしております。
 併せて、これは総理とも話をしているところなんですけれども、次の規制・制度改革のテーマは、やはり「復興」という形に添うものにしたいと私自身も考えています。復興において被災地において、あるいは被災地外において、この国の経済を立て直す、国民生活を立て直す、日本を再生するためにどのような規制・制度改革が必要なのかを早急に考えたいとは考えています。ただ、そのために、例えば分科会をもう一回開いて第3クールを短期集中的に行っていくのか、それともあるいは政府として全体的にこの国を復興するための大きな枠組みが決められた場合には、その中において規制・制度はどうあるべきかという議論を行っていくのか。この手段はまだ定めていませんけれども、まさに日本復興のための規制・制度改革は非常に大事だという認識は持っています。
(問)もう1点ですけれども、1月の中間取りまとめの段階で250項目ぐらいあったと思うんですけれども、今回135で、震災の関係で中断したものは分かるんですけれども、それ以外で今回の規制・制度改革として閣議決定を見送ったものというのはどれぐらいあるんでしょうか。
(答)見送ったもののカウントは、私は今詳細に把握はしていませんが、引き続き協議は行っていると考えてください。
(問)毎日の青木です。
 先ほど復興に関して復興に資するような規制・制度改革とおっしゃったんですけれども、具体的には例えば─ざっくり言ったら、どのようなことを考えていらっしゃるか、どのようなことが可能なのかということをお聞かせ下さい。
(答)全く一般論ではありますが、やはりなくなってしまった街を再現するといったときに、例えば海辺ではなくて高台に再生をしていく場合には、その高台が森林の場所だった場合には建築制限がかけられているというようなことも考えられると思います。まさに、ゼロからのスタートをどういう形で迅速にバックアップをしていくことができるのか、そのために必要な規制改革、各省庁でやはり考え方が違うものもあるでしょうから、政府となってどのように行っていくのが望ましいのか、その議論も併せて始めたいとは思っています。
(問)そういうことでしたら、非常に急がなければいけないと思うんですけれども、「この辺りにまとめたい」という、そういうめどはあるんでしょうか。
(答)まだ目標は決めていません。私の下で分科会という形で行っていくのか、政府として新たに設置する復興関係の会議体の下で行っていくのかもまだ決めていませんが、ただ急ぎたいとは思っています。
(問)あと被災地でやるとするとなると、また全国に当てはめるのか、それとも被災地中心に当てはめるのか、特区のようなものも考えられると思うんですが、その辺についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)特区という考え方も否定はしません。ただ、何も決めていません、現段階では。ただ、考え方としては、被災地を復興するためにどのような考え方があるのか。日本全体として、この被災地を応援する形も含めてどういう規制の改革の考え方があるのか、そこは分けて整理はしなければいけないと思っています。
(問)フリーの藤井と申します。
 3月27日より「震災に関連する悪質商法110番」が開設されたかと思います。こちら、これまでに何件のお問合せがあったのかというふうなことと、あと対象地域が、岩手、宮城、茨城に限定されていますけれども、この範囲を拡大するお考えがあるかをお聞かせください。
(答)岩手、宮城、福島でよろしいですか。
(問)福島ですね。すみません。
(答)すみません、今手元にまとめた数字は持っていませんが、ちゃんとまとめて、消費者庁のホームページ等を含めて発表できる体制はすぐ整えたいと思っています。
 地域は、今のところ限定をさせていただいております。そこに対して、例えば青森であるとか、例えば今御指摘の茨城であるとか、同じく地震で被災を受けた地域もあって、同類の相談があるという声が入っているのも承知はしておりますが、当面この3県で限定をして、まずは集中的に相談をしていきたいと考えています。
(問)もう1点お願いします。
 4月6日にインターネット上での流言飛語に関する通達が総務省より出されたかと思います。実際のチェーンメールやデマ情報というのがインターネット情報で流れているというふうなことを消費者庁の管轄している範囲内で結構なので、どれだけ把握なさっているか教えていただけますか。
(答)基本的にまずは総務省にお問合せをいただきたいと思いますが、総務省の御判断として、様々な混乱をさせるような情報がインターネット上で出回らないように関係事業者にこれまでどおり自主的に対応をしていただきたいと改めて要請をしたとは承知をしておりますが、具体的に消費者庁のほうでここにおいて何ができるかというのは、今御指摘いただいて、何ができるのかなと私も思っておりますけれども、ちょっとアンテナを伸ばしたいと思っています。
(問)これらのチェーンメールやデマ情報が流れる理由として、政府・官庁が何か情報を隠しているのではないかというふうな国民からの疑念というものが根底にあるかと思います。正しい情報の発信というのは質・量とも不足されているのではないかというふうに感じるところもあるんですけれども、いかがお考えでしょうか。
(答)基本的には枝野官房長官が連日2回、あるいは需要が高いと判断した情報においては適切に記者会見を開いて情報は公開をしていくというのが我が政権の方針でございます。基本的な情報を受けてメディアの皆様方に適切な報道をしていただいて、間違った情報が流れないように、今回はメディアの皆様方にもそこは丁寧にお願いをしたいと思っています。
(問)共同通信の岡です。
 補正予算に関してですが、財源確保に関してですが、鉄建機構の利益剰余金などを使われるかと思うのですが、国債の追加発行、これについてどう思われますか。
(答)基本的に今回の補正の財源措置等については私は携わっていませんので、また国債のことに関しては軽々に発言をすると影響が出るのが怖いので控えさせていただきたいと思います。
(問)フジテレビの羽山と申します。
 今回の節電の計画の件なんですけれども、家庭に目標として15%か20%、これ結構大変なことだと思うんですが、具体的に大型イベントの開催とかというふうには書いてありまして、節電協力の実施とか、大臣としては、どういった形で訴えていきたいというふうに考えていますか。
(答)基本的には、現段階においても震災以降、個々の御家庭の国民の皆様方の大変な御努力で節電をしていただいている。引き続きその努力は行っていただきたいと思っておりますが、特に電力需要が大幅に高まる、あるいは時間帯が広まる夏に向けてどういう取組ができるのか。あと3カ月ありますので、是非私どもも様々な情報を発信していきたいと思いますが、例えばLEDに変えていただくとか、あるいは二層式の窓への設備投資をしていただけるとか、様々な努力を補助するような家電製品等もありますので、そういう情報を発信していくことも考えていきたいとは思っておりますが、個々の意識が高まっているものを維持していただけることが大切ですので、現段階、東京電力のホームページ、あるいはヤフーのホームページ等でも現在の電力使用量というのが一目で分かるようないわゆる「電力の見える化」は行っておりますので、これを様々な街のスクリーン、モニターがあるところで、あるいはテレビ局さんの御協力も是非積極的にいただければ、電力予報という形で天気予報並みに細かく報道していただければ一人一人の方たちがスイッチを一つ切ろうとか、あるいは考えていただけるのかなと思っています。
(問)先ほどのLEDやあと複層ガラスの件なんですけれども、こういったものに補助を与える、そうしたことを考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)補助を与えていくことを私は検討すべきだと思います。
(問)分かりました。ありがとうございます。

(以上)