与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年7月19日

(平成23年7月19日(火) 8:41~8:50  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございます。特に御報告することはありません。
 1つ、私のほうから今日申し上げたいと思いましたのは、社会保障・税一体改革の検討の際には、集中検討会議の検討に資するため、社会保障・税一体改革とマクロ経済、ミクロ経済との関係等の国民の関心の高い論点について、学識経験者の見解等をリサーチペーパーにまとめていただきました。その後、様々な御議論をいただいた中で、私としては有識者の見解を整理する必要があるのではないかと感じておりまして、経済成長と財政健全化の関係について、新たなリサーチペーパーの作成を内閣府に指示をいたしました。このリサーチペーパーでは、物価上昇の財政への影響。第2に名目成長と税収の関係。特に税収の関係というのは、税収弾性値を含めた関係ですが、これらの点について有識者の学問的な検討をお願いしたいと思っております。以上です。

2.質疑応答

(問)まず1点、金曜日に復興財源に関する関係閣僚会議のキックオフが開かれましたが、その中でどういう点が決まったのか、どういう点が話し合われたのかということと、復興費用については、5年間で10から12兆円という報道もございますが、規模感はどの程度になるという見通しなのでしょうか。
(答)まず規模感は、今のところ具体的な数字を積み上げ計算でやったのは内閣府のものだけしかないというのですけれども、あれは16.9兆円で、規模感としては阪神・淡路と比較して、これをベースにやるしかないなという雰囲気です。
 それから、復興財源については復興債を出すということはあらかじめ、多分、皆の了解になっていますが、あそこで詳しく議論されませんでしたのは、復興債を出す場合の国債の償還期限。長いのがいいのか、短いのがいいのか。これは、多少議論がありましたけれども、やはり今起きた災害なので、今の世代のうちで片付けておいたほうがいいのではないかという意見が注目を浴びていたように思います。
 税目については、復興構想会議は基幹税を中心にと言っているけれども、消費税はどうなのかなと、一度社会保障で使っているよなというような意見も述べられておりまして、今日は税のところまではまだ少し早いかなというので、税目については議論は進みませんでした。
(問)最初にお話のあった改めてリサーチペーパーをまとめるというお話なのですけれども、これは改めてということについて、何か内閣の中なりでしたほうがいいという御議論があったのかということと、あといつ頃までに期限の目途としてはお考えでしょうか。
(答)これは学問的にも重大な問題であり、政治家が政策を決めるときの大事な発想の原点であるということで、例えば、4%成長するから大丈夫だよというような議論が軽く出てくる。税収の弾性値が4だと言った人がいたのではないかと思うくらい、若干、その経済成長に関する議論が混乱している。それから、税収に関する議論が混乱しているという傾向が政党や評論家の間にも見られるというので、学問的に整理しようと、そういうことです。
(問)経済の話題ではなくて恐縮なのですけれども、女子サッカーの日本代表なでしこジャパンがワールドカップで優勝しまして、国際的に久々に明るいニュースかと思うのですけれども、一言御感想を頂戴いただけますか。
(答)日本国においては女性のほうが男性より優秀だという、新たにその証明が1つつけ加わった、そういうことです。
(問)今リサーチペーパーの期限についてお答えいただけなかったので。進め方や期限について、具体的に伺えると。
(答)夏までにやります。夏というのは、8月の下旬までという意味です。
(問)今のリサーチペーパーの関係なのですけれども、与野党協議を始めるに当たって、ある程度地ならしをしておいたほうがいいというお考えがあるのでしょうか。それとも、野党と話し合う前提では、あまりこの議論というのは関係ないのか、そこら辺のお考えをお願いします。
(答)やはりこうすればこうなるという不思議な学説を唱える方があって、そういうものに対してきちんと学問的な立場から我々はこういう立場をとっていますということは申し上げなければいけないことは、度々これからあるのだろうと思います。ただ、それをきちんと今の日本の経済学者、有識者の中の本当に生真面目にやっておられる方に物事をお伺いするということは非常に大事なことで、上げ潮派とか、マネタリストとか、ネオリベラリストとか色々な意見があるので、そういう人たちに何を申し上げるのかということはとても大事だと。
(問)あともう1点、先ほどのなでしこジャパンなのですけれども、男女共同参画担当の大臣として、今後、そういう女性の活躍というのをどう評価されていくか、もう少しお願いします。
(答)More than satisfied.

(以上)