与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年6月7日

(平成23年6月7日(火) 9:55~10:12  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 まず今朝は野田税制調査会長のもとで総務大臣、私等が集まりまして、税調の今後の審議の方針について御相談がございました。結論だけ申し上げますと、税・社会保障一体改革と完全に平仄を合わせて、6月20日までに結論を出すということに決まりました。また、閣議では、総理からは与謝野大臣がやっている税・社会保障一体改革は6月中に成し遂げるというお話が最後にございました。以上です。

2.質疑応答

(問)まず、このところ非常に浮上してきた大連立の話題についてお伺いしたいんですけれども、大臣、かねてから3月の会見でも物事を早く決めていく仕組みをつくると。そのためにはベストなのは連立であるという考えを仰っていましたけれども、現在、菅総理の退陣を前提にして自民と公明などの連立構想が浮上していること、まずこの受けとめをお願いいたします。
(答)政治の世界では、誰が好きだとか嫌いだとかという話で物事が本質的に決まるわけではありません。やはりどの国でも連立をつくるときには、その連立がなすべき仕事の内容、具体的には政策的な合意というものが前提で物事が決まっていくと、そのように私は思っております。そういう意味では、連立も議論する方ももう一歩成熟した議論をされることを私は望んでおります。
(問)それで、今、自民・民主両党の幹事長からは、いわゆる連立に期限を切ることを視野に入れるような発言がされているんですけれども、テーマを政策合意をするということは前提としても、期限を切って連立を組んでいくという、こういう考え方については大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)選挙管理内閣ならともかくとして、本格的な政権をつくろうということですから、期限を切って特別なテーマだけ扱うなどという連立はなくて、やはり連立をやった結果、それがうまくいけば続ければいいし、それがうまくいかなければやめたらいいというだけの話だと思っています。
(問)この連立の構成について、公明党とか国民新党も視野に入れるべきだという岡田幹事長のお考えなんですが、では、この連立を構成する政党として、組合せとして、どのような組合せが望ましいでしょうか。
(答)それは、連立合意に合意出来る政党だけが参加するということで、連立合意をつくり出し得る政党が連立に参加すると、それが原則だと思います。
(問)菅総理の退陣についてですけれども、先週、総理が記者会見で言ったのは、冷温停止、原発の事故の冷温停止状態になるまでということが公式にアナウンスされて、それは来年の1月までかかるかもしれないというような話だったわけですけれども、その後、大臣に直接、あるいは今日の閣僚懇などで総理が自分の進退の時期について、具体的に何か言っていらっしゃるんでしょうか。
(答)全くないです。
(問)それが決まらずに連立の話が先行するという事態も相当異常な事態じゃないかと思うんですが、それについてはどうお考えですか。
(答)やはり一国の総理大臣というのは誰がやっていようが一国の総理大臣であって、やはりその総理大臣の地位というものを皆で尊重するということが一国がうまく統一される私は原点であると思っております。そういう点をよく考えた議論がなされることを私は期待しております。
(問)あと先週末にかけて、政権の中の枝野さんをはじめ、菅総理はそんな長くやらないという趣旨のことを仰ったわけですけれども、いわゆる早期に辞任するんだという内閣が一体改革について、特に増税部分も含めてこれから議論に入るのかもしれませんが、この内閣がそういう重要問題について結論を出すことにどれぐらい意味があるのかという考え方もあると思うのですが、この点についてはいかがですか。
(答)やはりやるべき仕事をやるということは非常に意味があるし、私は責任ある態度であると思っております。
(問)最初にお話しのあった今日の政府税調の大臣の会合なんですけれども、6月20日までに税調でも結論を出すというふうに仰いましたけれども、この結論というのはどういう、具体的に何までを決めるということを結論と仰っているんでしょうか。
(答)104条全部についてでございます。
(問)そうしますと、消費税を段階的に引き上げる、例えば時期とか税率の幅、またその所得税の累進の話とかも含めて、全部20日までにということなんでしょうか。
(答)多分、そうなのではないかと思います。
(問)ただ、あまり時間がないんですけれども、そういった盛り沢山のことを全部やるだけのことが本当に出来るのかどうかというふうに思うんですが。
(答)多分、税制の抜本改革については、今年度出した税法改正の中で相当の部分が実は先取り消化されているということですから、ただ、この法案はまだ国会を通っておりませんから、それを含めて恐らくきちんともう一度書き直すということだと思います。
(問)もう一点、復興のための増税というのも今後議論の対象になると思うんですけれども、そこの議論がまだ始まっていない段階で、抜本改革の枠組みというのを相当詳しく決めてしまうということが出来るんでしょうか。
(答)出来ます。
(問)それは、後で増税ばかりになって時期が重なるということはないですか。
(答)復興財源は、復興財源として独立して議論をされると思います。ただし、どのぐらいの再度の借金が出来るかというのは、市場の動向をよく見なければいけませんし、社会保障改革、社会保障・税一体改革の考え方が違ってくれば、市場の見方も新発債については変わってくると思いますので、まずは社会保障・税一体改革の政府としてきちんと成案を得るということだと思います。成案を得れば、3党合意にありますように可及的速やかにかつ明確に案を出せという条件を満たすことになりますから、政局とは関係なく3党合意に付し得る案が出来るということです。
(問)引き続き今朝の税調の3大臣の会合についての確認なんですけれども、前回の集中検討会議等々では片山総務大臣から早々地方に対する配慮についての激論が交わされたと思うんですが、今朝ほどの会議では、その点について何らか片山大臣とやりとりはあったんでしょうか。
(答)何もありません。
(問)地方の意見を聞く場というのも設定されたかと思うんですけれども、それを踏まえて20日に向けて、今の原案の書きぶりから何らか修正が行われるというふうに大臣はお考えでしょうか。
(答)まず総務省と財務省の間で、仮に消費税が5%上げることが出来たら、国と地方の関係はどうするかという問題を議論していただくことになっておりますし、地方の御意見は13日に正式にお伺いするということです。
(問)今日は税調の議論のことで検討を進めることになったと思うんですが、成案決定会合については、まだ具体的に進み方が見えていないのですが、現在、政府でこういう状況がある中で、現在のスピード感と今後残された期間内にどのように進めたいとお考えでしょうか。
(答)今週2回やろうと思ったのですが、党のほうも色々御参加いただく方がお忙しいので、今週は1回にいたします。党のほうも既に相当問題をこなしておりますので、党と集中検討会議がつくった案に大きな乖離があるというふうには考えておりませんで、むしろ一致することが多いので、大きな争点というものは一応私の考える段階ではもう整理済みだと思っております。
(問)直接の所掌ではない案件なのでちょっと恐縮なんですけれども、今朝発表されました外貨準備高、フォーリン・リザーブ。外貨準備が過去最高を更新しまして、日本の財源不足がずっと言われる中で、外貨準備を活用出来るのか出来ないのかという議論も一方でずっとありますけれども、財務省は健全性の観点からそれは出来ないというスタンスを続けていますが、大臣はこの外貨準備を財源に転用するということについて、もしお考えがあればお聞かせをいただけませんか。
(答)日本の外貨準備というのは、いわゆる純資産ではないということでして、外貨準備に対応する短期国債がなされているということですから、いわば借りているお金にすぎないということで、外貨準備を使うということは出来ないと思っています。ただし、受取利息が幾らかたまっていますから、それを使おうという議論はあるのですが、過去にも使ったことがありますが、やはり円が80円のときには外貨取得原価と80円の差の差損というものが既に発生しておりますから、果実を使っていいかどうかということは、余程よく考えないと間違いを起こすと思っております。

(以上)