与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月20日

(平成23年5月20日(金) 8:54~9:16  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおり行われまして、特段御報告すべきことはございません。

2.質疑応答

(問)今日、東京電力が決算とリストラ計画の発表をしますけれども、最終赤字も予想される中で、かなり厳しい決算になると思われますけれども、その内容は後ほど発表されるにしても、今後東京電力の経営のあり方とか原発への対応について課題となってくること、大事だと思われること、大臣のお考えをお願いします。
(答)電力の供給というのは、地域独占という形態が生まれましたのは、同じ東京で電信柱が2本立っていて、片方は東京電燈、片方は大同電力というような時代があって、やはり地域は1社にしようという経験による知恵が生まれて、地域独占という形になっています。いずれにしても、東電がなくなればもう一つ東電が必要になるということで、産業としては電力というのは非常に特殊な位置付けにあると私は思っております。
 東電の決算については、厳しいことは厳しいわけですが、賠償スキームの中でいわれているように、上場企業としてやってもらうと、また債務超過にはさせないというような幾つかの原則が述べられておりますし、また賠償についても、額の大小を問わず何回でも援助を行うということも書いてありますから、今年の、今日発表される決算の良し悪しにかかわらず、上場企業としての責任を果たしていくという体制、とれる体制は既に出来ているというふうに考えております。したがいまして、決算上、費用あるいは将来費用に計上しなければいけないものは沢山あると思いますから、それは決算の内容は厳しいということになると思いますけれども、会社の存在とか上場とか債務超過とか、そんなことは心配の外にあると思っております。
(問)東京電力のあり方にも絡むんですけれども、現在、発電部門と送電部門を分離するという案が浮上していまして、そのメリットとしては、競争の促進によって料金を引き下げる効果があるとか、様々なことが言われているんですけれども、この発送電分離論について大臣のお考えをお願いします。
(答)戦前の国家総動員法の後、沢山林立をしていた発電会社等を全部まとめて、日本発送電という会社をつくりました。戦時態勢の下での発送電をやっていて、その下に、例えば東京電力に相当する関東配電、関西電力に相当する関西配電ということがあったわけですが、戦後、発送電、配電同一にしたほうが効率がいいのではないかというので、九つの地域に分けてやったと。今までは成功してきたと私は思っております。
 ただ、日本の電力事業は、歴史的に50と60のサイクルの違うところがあって、周波数変換の容量というのが今100万キロ程度しかないということで、東西の電力の融通というのが出来ない、ここはやはり解決しなければいけないことだと思っています。ただし、地域独占といっても、もっと独立した電力の卸売業者等々はエンカレッジされてもいいのではないかと私は思っております。
 このような水平分離で理論上うまくいくと思って失敗した例というのは、イギリスの鉄道会社の分離があって、鉄道会社の経営を能率よくするために、レールを持っている会社、客車を持っている会社、運転をする会社と三つに分けましたが、事故が相次ぎ、また各社とも設備の更新に投資することを抑制しながらやっていたので、鉄道全体としては非常に効率の悪いものになってしまったというので、そういう発想をすることは結構ですけれども、よほど効果とデメリットを考えながら物事は考えられたらいいかと思っています。現時点では、そういう視点はあまり私の視野には入っていないということです。
(問)話題は変わるんですが、最近、参院の西岡武夫議長が菅総理の退陣を求めるような発言なり、報道機関に対しての取材に応じたりということで、立法府の長が時の総理に対して退陣を求めるというのは非常に異例なことだと思うんですけれども、あのような西岡さんの言動について、大臣はどのように御覧になっていますでしょうか。
(答)異例なことだと思いますけれども、何らコメントはありません。
(問)東電の関連で追加でお伺いいたします。巨額の赤字、1兆円を超える赤字だという各紙報道が朝出ていますけれども、東電の決算についてですね、その資金ショートを防ぐために、この間スキームを決定したかと思うんですが、その法案の提出についてかなり、今国会で出すべきか、あるいはもっと時間がかかるのではないかと、色々な見通しが出ていますけれども、まず法案提出の時期について急ぐべきかどうか、大臣のお考えがあればお聞かせください。
(答)恐らくあのスキームは、東電が要請して、政府がこうやりますというふうに応えた形になっておりますけれども、事実上、東電と政府の合意事項でございますから、政府は法案を提出して成立させる、スキームが実際のものになるという作業は、やはり急がなければいけないと思っておりますが、官邸のほうで調整しているので、どういう次第になっているか私は承知をしておりません。
(問)もう一点、そのスキームをめぐって、最近、枝野官房長官が貸し手側責任、銀行に債権放棄を迫る発言を繰り返しされていますけれども、こういう異例の事故が起きた中でのこういう経営問題についての、大臣の、その貸し手側の責任と併せて株主の責任について、お考えをお聞かせください。
(答)この福島の事故は誰が起こしたかといえば、やはり神様の仕業としか説明が出来ないことであるわけです。貸し手責任というのは、元来、金融の概念としては存在しないと私は考えています。貸し手責任が発生するような場合というのは、相手が返済能力がないということが分かっているにもかかわらず、そこに貸し込むと。例えばその典型は、数年前に起きたサブプライムローンのような、相手が家を買う能力がないと思いながら貸し込んでいくという、それは貸し手の責任というのはありますけれども、電力事業のように堅実な公益性を持った事業に必要なお金を貸すということに貸し手責任が発生するなどということは、理論上あり得ないことだと私は思います。
(問)それにも関連するかもしれないですけれども、この前、大臣は、東電の責任については、原賠法の3条但し書きを適用して免責をすべきだというお話を主張されたようですけれども、そうすると東電の責任はなくて、また国もきちんと安全チェックをやっていたということになると、基本的には責任をとる人は今回の事故ではいなくなるんじゃないかと思うんですが、そういうことになるんですか。
(答)それでも助けに行くという部分があるので、それをきちんと解釈すれば、国の責任というのは当然発生するということが自然な解釈だと思っています。
(問)それは原賠法に書いてあるんですか。
(答)書いてあります。
(問)考え方としては、地震で被害を受けた人とか津波で被害を受けた人というのと同じような形で、国が救済をするという基本的な考え方になるということなんですか。
(答)損害賠償責任を負う人がいなくなるというのは、いわば法の不備であって、東電に責任があるかどうかということは多分関係ない話だと思っていました。
(問)税と社会保障の件で、一部の報道で消費税を2015年までに10%上げを盛り込むということで報道されていて、中身でいうと、10兆円分が社会保障の機能強化とか高齢者の自然増とか基礎年金分で、残りは増税に伴う政府支出分というような考え方だという報道のようです。今、社会保障案の検討中ということなので、段階としてちょっと早いのかなと思うんですが、例えば財政試算の前提とか、政府案の一つとして有力な考えなのかどうかということも含めて、ちょっと解釈を教えていただけますか。
(答)そういう議論は、実は私はしていないので、そういうふうにしたいという人がフライング気味でそういう情報を、あたかもそういう方針であるかのごとく意図的に流したのではないかと思いますが、あれが特ダネにならないように注意してやります。
(問)関連してもう一点、一般論としての話なんですが、2015年は一つターゲットになっていると思うんですが、その段階では、震災前にあった財政運営戦略のプライマリーバランスの赤字を半分にするという目標、ここと整合的にやるべきだと考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
(答)2015年のプライマリーバランス半減というのは堅持したいと思ってやっています。
(問)大臣、先ほどのお話ですけれども、法の不備であって東電に責任があるかどうかというのはまた別の問題であるという話ですけれども、それは原賠法に法の不備があるという意味ですか。
(答)結局、不備というのは足りないところがあるという意味です。
(問)そういう足りないようなスキームで、こういう危険なものを重要な発電源として利用すること自体、やっぱり問題になるんじゃないですか。
(答)法案の立法経過をご研究になるとよく分かるのですが、諸外国では電力業者の責任を無限なものにはしなかったというケースが多かったように私は思います。国が最後は面倒を見るから原子力をやれと言ったのは国なので、そこのところはやはり立法のスタートから、国が原子力の事故に関しては大半の責任を負わなければいけないという立法の背景が私はあったと思っております。
(問)神様の仕業だというふうに大臣は仰いましたけれども、福島第一原発以外の、隣の第二原発とか女川原発ではああいうことにはなっていないわけですよね。そうすると、本当に神様の仕業と言えるのかどうか。本当に予想もつかないような形で、沿岸にある原発が全部おかしなことになるというぐらいのことであってみればそうなのかもしれないですけれども、そうはなっていないと。それで異常な天災と言えるのかという考え方もあると思うんですが、それはいかがですか。
(答)福島は、元々10メートルの高台にあって、なおかつ7~8メートルの津波用のフェンスがあって、それを乗り越えるような津波は発生しないという想定をたてたのは、人間の知恵としては最高の知恵を働かせたのだろうと私は思っていますが、その人間の予想とか知恵をはるかに超える津波が発生したというのは神様の仕業と言ったのは、自然現象であって、あたかも原子力事業者がその事故の発生原因までも責任を負わなければいけないというような言動がなされているのは、私はおかしなことだと思っております。
(問)先ほどの西岡議長の菅総理の退陣論についてなんですけれども、ということは西岡さんはちょっと先走ったということで認識してもよろしいんでしょうか、それとも先走っていないのか、発言自体に対して。
(答)参議院議長というのは、我々は接触する機会がないので何ともコメントしようがないですし、また私が直接伺った話でもないので、コメント出来ないということです。

(以上)

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