与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年3月18日

(平成23年3月18日(金) 10:02~10:21  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございました。以上です。

2.質疑応答

(問)まず1点目、今朝のG7の電話会議で、日本からの要請もあって、為替に対して協調介入するということで、先ほどG7の協調介入が行われたということです。2円ほど円戻していますけれども、このG7の取り組みについて、改めて評価をお願いいたします。
(答)G7は、極めて適切な時期に適切なことを決めていただいたと思っております。天災という大変不幸な時期に、為替・株等に過度の投機的な動きがあるということについては不穏当であるというのがG7各国の一致した考え方であると私は思います。
 当然、為替相場も株式市場も、市場でございますから、値は動くということは当然であるにしても、過度な動きや過度な投機的な動きというものは抑制されなければならないと。しかも、市場が開き次第、各国とも介入を始めるということで、今回は国際的に円の安定が大事だということが広く認められ、それについて各国が実際に行動するということが合意出来たということは、日本にとって大変な時期を迎えている今、各国の協力に感謝を申し上げたいと思っております。
(問)昨日、仙谷元官房長官を官房副長官に任命し、原発対応と、それから他の災害支援を分けて担当を置きました。当面はこれでもいいのかもしれませんが、政権基盤が極めて弱いことには変わりはないと思うんですね。長期的にどのような枠組みがあるべきであるか、大臣がお考えになるところがあれば教えてください。
(答)大事なことは、災害関係だけではなく、一般的案件についてもやはり国会で合意が形成できるという仕組みをつくるということは、災害がなくとも必要だったわけでございます。災害が起きた今、その必要性は更に私は増しているのだと思っております。
(問)それは、大臣が前1回だけ仰った大連立ということも選択肢になるということでしょうか。
(答)この場で言ったかどうか覚えていないのですが。
(問)世界各国が80km圏内を目途にして避難勧告の範囲を定めることになってきていすが、我が国はまだ20km、屋内退避は30km、これは非常にちょっと対応としてまずいのではないかという声が上がってきているんですが、その件について閣議で議論はあったのでしょうか。
(答)ありません。
(問)先ほどの政権の枠組みといいますか、それに関連してなんですが、民主党内からも、野党から、災害のために災害特命相という形で入閣をしてもらって、与野党で情報共有したり連携してはどうかというような案が出ているようなんですが、大臣はその案についてどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
(答)否定する何物もありません。
(問)昨日なんですけれども、西岡参議院議長が、これだけマーケットが振られると、異常事態ですので、一時閉鎖することも視野に入れるべきだというような御発言をされましたけれども、大臣、このマーケットを閉めるというようなお考えに対してはどのような御所見をお持ちでしょうか。
(答)これは、仮定の仮定の話なのでうまく答えられませんが、マーケットが閉まった過去の例というのは、9.11の後のニューヨーク市場とか、そういう例がありますけれども、日本は、マーケットは、値動きは激しいのですが、混乱している状況では全くないと思います。
(問)みずほ銀行のシステムトラブル、14日の夜から発覚して、今日の段階でもまだ収まる気配がなくて、復旧の目途も事実上立たない状態ですが、メガバンクの決済機能がこれだけ揺らいでいるということが日本経済にとってどのような影響があるか、現状をどう見ていらっしゃるか、それぞれお願いします。
(答)不便をする方は沢山出てまいりますけれども、全体のマクロの経済にはほんの僅かな影響しかないと思っています。
(問)福島原発ですけれども、昨日放水が行われましたけれども、あまり放射能のレベルは下がっていないみたいな状況ですけれども、非常に難航している厳しい状況にあると思うんですが、これをどういうふうに御覧になっていますか。
(答)今止めようとしている部分は、原子炉プールの中に入っている使用済み燃料の冷却の状況、やはり暫く放置しておいたので水位が下がってしまっているわけです。これは水さえ注入すればダメージコントロールが十分できるということで、技術的には難度の高い問題ではないのですが、実際、建屋の近くあるいは中というのはレベルが従業員の許容線量を超えているということで、慎重にやっていますけれども、やはりこれはあらゆる機材を動員して徹底的に水の供給ということをやらないと、放射性物質の大気中への放出という懸念もありますから、そのことはいわば命懸けの作業なのですけれども、国民のために、ぎりぎり許される限界で作業をやっていただきたいと思っております。
(問)福島原発の件に絡んでなんですけれども、東京電力の対応の遅さや情報開示の不十分さに対する批判も高まっていますけれども、それについては大臣どういうふうに御覧になっているのかというのが1点と、もう1点、総理が東電に乗り込んで、東電の幹部を叱責したということに対して賛否がありますけれども、それについては適切な対応だったか、それともちょっとまずかったんじゃないか、どのように大臣お考えでしょうか。
(答)こういう事故が起きたときには、色々なことが起きます。どこの場所でも起きますけれども、そういうことの総合的な反省というのは全部物事が収まった後、一つ一つの行動の適切さというものは検証されるべきであって、今、何とか事故現場を収まりをつかせようという段階では、今そういうことを行うのは、まだ他にもやることがあるという状況なので、事故の修復のほうに政府も東電も全力を挙げてほしいと思っています。
(問)一部報道で、震災復興国債を発行して、日銀に直接引き受けてもらうという報道がありましたが、日銀に直接国債を引き受けてもらうというような案について、どのようにお考えでしょうか。
(答)そもそも日銀は既発債を市場から拾うことはできますけれども、国債を直接引き受けることは法的に出来ないことになっています。日本の経済、家計も企業の手元流動性も潤沢でございますので、言われているような数字というものの調達に何ら困難もないわけですから、日銀が特別なことをやるということはないと断言してもいいのではないかと思います。
(問)月例経済報告についてお伺いしたいんですが、当初は今日、関係閣僚会議を開く予定でいらっしゃったかと思うんですが、来週以降に延期ということになると思いますが、まずはその延期された理由と、あと、現在こういう状況では、政府の景気認識、月例経済報告を出すこと自体、今月は取り止めてもいいのではないかという声もあるようなんですが、その点についてどうでしょうか。
(答)齋藤統括官に申し上げたのは、毎月やっている月例経済報告はこういう時期にはほとんど意味を持たないと。したがって、この震災が日本経済にどういう影響を与え得るかということをある程度の見通しを持って経済報告としなければならないということを申し上げておりましたが、奇しくも同じ頃、官邸から少し時期を延ばしてほしいということなので、今は役所では、この災害の経済に対する影響、月例経済報告というのは過去の数字の分析等でしたけれども、今、日本経済に必要なのは、将来どうなるのかということのほうなので、そちらを重点に報告をさせたいと思っております。
(問)ちょっと話が前後してしまって恐縮なんですけれども、介入の件なんですけれども、介入の効果で今日、日経平均も200円、300円ぐらい上昇しているようです。声明が出ましたので、暫くこれに基づいて当面は介入が続くと思いますけれども、為替介入をして為替相場を止めること及びそれによる心理的な波及ということによって、日本経済全体にどのような影響というのを与え得るものでしょうか。
(答)経済は、実体経済によって実は決まるのですけれども、せっかく実体経済が動こうとしているときに、為替が過度に変動したり、株式市場が過度に変動したりというのは、投資家のマインド、消費者のマインド、最後には消費者のマインドにマイナスの影響を与えるということで、株式市場も為替市場も予測し得る一定の範囲の変動にとどめるというのが介入の意味だと思っております。
 所詮は、為替というのは、落ち着くところは、日本のファンダメンタルズを反映したものにならざるを得ないのですけれども、その間、根拠のないボラティリティというものが発生するというのは好ましくないというのは各国共通の考え方であると思っております。
(問)今日の閣議で原発事故の話、特に現在の作業状況とか収束の見通しなどについての議論はあったんでしょうか。
(答)収束の見通しについては、まだ作業中ということであって、特に原発を中心に閣議で議論されたわけではありません。

(以上)