与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年3月8日

(平成23年3月8日(火) 8:31~8:48  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございます。
 それから、皆様方に御報告があります。地方団体からの要望を踏まえ、全国知事会、全国市長会、全国町村会の3団体から、社会保障のあるべき姿について、集中検討会議の場でプレゼンテーションをしていただく方向で、事務的に調整させることといたしました。多分、まだ見通しですけれども、3月19日になると思います。

2.質疑応答

(問)前原外務大臣が辞任されまして、この辞任についての受けとめと、それからポスト菅と言われていた民主党の看板であった彼が辞められたことに対して、一つの政権運営の厳しさを示していると思うのですけれども、今後の政権運営にどのくらいのどのような影響を与えるかということについて、意見を伺えたらと思います。
(答)前原さんが辞められたのは、非常に残念なことだと思っております。しばらくの間、雌伏をして、次に備えていただきたいと思っております。
 代わりの方が外務大臣になれば、政権としては、仕事は進んでいくと思っております。
(問)その関連ですが、前原さんの献金の問題を受けてというか、今、ネット上の献金などの議論が超党派でも進んでいく中で、より本人確認が難しくなっていくことが予想されて、それでもなお在日の外国人に対して、少額の献金といえども認めないのかと、全く外国人の献金を認めないのかという議論も出ているのですが、この点について、大臣、何か御見識があればお伺いできますか。
(答)これは、実は昔から問題があって、政治資金規正法上では匿名性の献金は認めないというのがいわば原則であったのですが、平成4年のときに、例えば社会党などが演説会などをやると、みんなで箱を回して、お金を入れてくださいというので、1,000円までの匿名性は認めてもよいのではないかということがありました。
 ネット上の献金も、そういう意味では、少額の部分は匿名性で何ら差し支えないと私は思っておりますけれども、寄附を受けたほうが相手方をすべてチェックするというのは不可能だということで、ネット上の献金が増えてきたとしたら、そういうことに注意を払いながらやっていただくということが、ドネーションする側も、ドネーションを受ける側も法律を守る、その上に立ってネット上の献金をすると、これはすべからく個人の自覚の問題だろうと思っています。制度として何か手当てができるという問題ではないと思っています。
(問)今の話とも関連しますけれども、前原大臣が辞任しましたけれども、献金の中身とか法律の趣旨からいって、直ちに大臣を辞めなければいけないような重大な、悪質なものではないような気もするのですけれども、そういう問題でこんなに簡単に大臣の職を辞めてよいのかという気も僕はするのですが、大臣はいかがですか。
(答)12歳からの知り合いのお店の好意ある方が寄附した。しかも、年5万円だというので、それ自体は悪質性も故意性もないと私は思っています。
(問)そういう問題でいっても、やはり大臣が辞めるというのは妥当なのですか。
(答)その判断は、我々がすることではなくて、前原大臣御自身がされたということだと思っています。実は、この問題は、私はほとんど関心がなくて、新聞の記事などもあまり読んでいなかった。
(問)19日に予定されている地方三団体からの意見聴取ですけれども、改めてどんな議論になることを期待しているかというのを。地方から聞くという集中検討会議です。
(答)地方は、例えば国民健康保険を運営しているとか、介護保険を運営しているとか、いわばその他の社会福祉制度と言われるものを現場で運営し、その運営を通じて数々の経験を持っておられるので、そういう方の意見を聞くというのは非常に有効だと思っていました。
 したがって、財源とか税の話ではなくて、19日は、専ら社会保障を現場で運営していく上での色々な困難、問題点、改善すべき点等をしっかり御指摘いただきたいと思っています。
(問)細川厚労大臣の件ですけれども、要するに第3号被保険者の主婦の年金の問題で、今、国会が凄く混沌としているのですけれども、この件、総理は昔からあった問題であるというふうに仰って、これを、法律を出して国会で解決策を見出すことが国民の利益になるというふうに仰っていますが、大臣は、これについてはどういう解決策を、一体改革との絡みがあるのかないのかも含めて、どういうふうにお考えになっているか教えていただけますか。
(答)一体改革の問題とは直接関係ないと思っていますけれども、これだけ世間が注目する問題になったので、通達ではなくて法令、政令、省令等、やはりルールをきちんとして世に問うべきだと、今、思っています。
(問)昨日、景気動向指数が発表されました、内閣府の経済指標ですけれども。過去3番目の上げ幅で、過去最高水準を記録して、15カ月ぶりに景気判断も上方修正という内容で、記者レクの最中も、あまりにも実感と違うという質問が結構多かったのですけれども、大臣の受け止めはいかがでしょうか。
(答)瞬間的に改善しているのだろうと思いますけれども、これからは原油の値段を中心に世界経済は、第1次石油ショック、イラン革命の第2次ショック、サダム・フセインの戦争で第3次ショックと、色々経験してきたのですが、石油を使っているのは日本だけではなくて、中国も新興経済国も使っているわけですから、やはりこんなに高くなってしまうと、じわじわと世界経済をむしばんでいくという可能性があって、日本もその点は相当注意してやっていかないといけないと思っています。
(問)今の関連なのですけれども、今、金の価格、ゴールドの価格も上昇しているのですが、昨日、経団連の会長は、要するに今の中東のいわゆる動乱というか、あれだけではなくて、世界中の余剰資金が、色々なそういう投機資金が回っているせいではないかと。もっと各国ごとに監視するべきではないかというような発言をされていたのですが、大臣の御所見を伺います。
(答)まず、こういう説があります。各中央銀行が金融を緩めたと。だけれども、国内では投資先がないというので、外国の株式相場、例えばニューヨークの市場に向かうとか、シカゴの穀物相場に向かうとか、ロンドンのメタル・エクスチェンジに向かうとかということもあったし、それから新興経済国の市場にも入っていって投機的な動きがあるのだと。アメリカ中央銀行などは、そういうことはないということを言っておられるので、本当のことは分かりませんけれども、やはり日本の抱えている、内閣府が発表している文章で、下振れリスクという言葉が何気なく書いてあるのですけれども、あの部分が実は大変重要で、コモディティの価格の上昇とか、それから中国のインフレとか、バブルの問題とか、そういう色々な沢山のリスクを発生させ得る要素というのが私はあると思っています。そういうものを、きちんと物事を知っていて、それに対して対処するというのが、これからの日本経済の安定のためには極めて重要なことだと思っています。

(以上)