与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年2月25日

(平成23年2月25日(金) 7:43~7:58  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、菅さんが国会の答弁で、子ども手当について、当時、代表代行だったと思うのですが、そのときに2万6,000円に、小沢代表が増額した際に、びっくりしたというふうな感想を持たれているようです。かなり正直な感想だという受け止めもあるのですが、発言は若干、麻生総理の時代の、郵政民営化には実は反対だったというような発言にも何か似ているような気もするのですけれども、大臣の御所見があれば教えていただきたいと思います。
(答)あのマニフェストの作成者というのはよく分からない。自民党ですと政調会でつくって、政審、総務会というのを通しているのですけれども、そういう意味では事務局を入れたほんの数人でつくって、もうこれは最終版というつくり方をしたのではないかと思うのです。
 そんな言い訳をしてもしようがないので、非常に正直で立派なことだと思いますよ、そう仰るのは。
(問)今日、これから予算委員会分科会ということで、予算案本体については着々と、もう採決に向けた手続を進められているのですが、一方の関連法案は、今日も午後、財金委員会も並行してあるわけですけれども、全く目途が立たない状況が続いていると。むしろ、厳しさを増しているのかなという見方もありますが、こういう状況についてはどういうふうに受け止められますか。
(答)まず、これは菅さんが総理であるかないかということとは全く関係ない話で、実は、衆議院で民主党が過半数と、参議院で野党が過半数と、ですから、言ってみれば予算と条約以外はスクエアな関係なので、誰が政権をとっても同じ状況が出てくるということで、やはり民主主義にとって一番不幸なことは、やはり物が決まらないで漂流するということだと思うのですよ。谷垣さんのところも、優秀な人材が沢山いるのですから、やはり半分の責任は自民党にあるし、物を決める半分の権利は自民党にあるということを考えれば、やはり自分たちが物を決められる立場にあるということを、深く自覚していただくということが大事なのではないかなと思っています。
(問)先週19日の集中検討会議の後の会見で、大臣は年金の一元化問題と最低保障年金について、今回の改革では無理だというような趣旨の発言をされて、民主党では相当反発があると思うのですが、それについてはいかがですか。
(答)一元化というのは、方向としてやっていかなければいけないと私は思っています。共済と厚生年金は比較的易しいのですが、そこから先に進もうとすると、やはり番号制度が定着している必要があると私は思っていますので、今度の改革で一元化と決めて、翌年出来るような易しい問題ではない。だけれども、一歩ずつその方向に向かって進んでいくということで、そういうものを担保するシステムというのは一体どういうものがあるのかというのを、今、研究しているところです。
(問)最低保障年金はいかがですか。
(答)あのときも申し上げましたけれども、極めて年金が色々な事情で低い方というのはあるわけですから、最低保障年金と呼ぶかどうかは別にして、生活出来るだけの年金水準をどう確保していくのかという意味では、最低保障年金とか、そういう名前は別にして、低年金者にどういう措置をしていくかというのは、まだ意見は聞いていませんけれども、大事なテーマだと思っていますよ。ですから、それを最低保障年金と呼んでいただいて結構なのです。
(問)議論が始まったばかりで、そのまとめ役の大臣があまりにも先取りした、結論めいたことを言うという、そのこと自体に腹を立てている人も結構いるのではないかと思うのですが。
(答)そんなにいないです。
(問)自民党は、昨日、予算の組み替え動議の案を出されています。まだ見られていなければ結構なのですけれども、もし見られているようであれば、あの動議に対する御感想をいただければと思います。
(答)まず第1には、子ども手当とか、4Kはやめると言われているのですけれども、項目を見ると相当大きな尻尾が残っているというので、4Kを完全に排除したということは言えない。高速道路だけですね。例えば、高校の無償化だと、教育費の何とかというので2,000億円残っているとか、戸別所得補償制度については、日本式の農家補償のあり方と書いてあって、額も500億円しか違わないという。
 ばらまきを全部取りやめるのだというのですけれども、あのばらまきという言葉は、野菜の種などを蒔くときの蒔き方というのは3種類あって、1つは、点まきといって、点でまいていく。あとは、筋蒔きといって、筋を切って種を入れていく。あとは、ミレーの絵に出ているように、ぱっとばらまくという、いずれも植物の特徴に応じて、そういうまき方をするのですけれども、子ども手当がばらまきかというと、子どものいる家庭に渡すわけですから、ばらまきというよりは点まきだと私は思っていますよ。でも、我々も自民党政権のときには、民主党から、ばらまきだ、ばらまきだと言われましたから、おあいこだと思っています。
 ただ、問題は、公務員の人件費削減1兆5,000億円という、これは、まず問題点の1は、地方公務員が入っているということです。国会で地方公務員の給料を下げることができるかというのは、地方分権の時代からしてというより、地方自治の制度は、地方の公務員の給与水準というのは地方自治体の議会が決めるのであって、政府が決めても通じないし、どうにもならないという問題あるのだけれども、そうすると、あれはもともと国家公務員の給与でないと国会はコントロールできない話。5兆1,000億円しかない国家公務員の給与を1兆5,000億円も切ってしまうというのは、これは労働基本権のない公務員にとっては、恐らく憲法違反にもなり得る数字だと思うのです。
 多分、彼らの発想は、240万人の地方公務員と30万人の国家公務員を足して270万人。その1割の27万人の給料を減らしてみると1兆5,000億円だと。やり方を教えてくだされば幾らでもやれるのですが、なかなか地方議会のところまでは、国会や政府の力が及ばないということはわかっていただかなければいけない。
 奇妙なのは、仮にそれが正当だとしても、地方公務員の給与を1兆円減らして公共事業を同額以上やる。ですから、地方交付税のところは16兆8,000億円で固定されているというので、誰が書いたのだと昨日電話したら、本当の担当者は知りませんと言っていましたよ。野党になると、とかく情報不足に陥るというのは、民主党にも当てはまったし、今回の自民党にも当てはまったと。

(以上)