玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月23日

(平成23年8月23日(火) 10:30~10:48  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議において、総理大臣、財務大臣、官房長官から、平成24年度の予算編成を行うに当たり、必要となる準備作業としての作業手順について、話がありました。概算要求に係る基準、その後の概算要求につきましては、当然、新しい体制でつくることになります。具体的なメリハリ、重点配分の在り方等々について、新しい体制でつくることは、当然のことだと考えておりますが、誰がなっても予算編成作業が、年を越すようなことがあってはなりませんので、間違いのない土台だけはつくっておかなくてはいけないということで、本日、暫定的、機械的な作業手順というものを財務大臣が各省大臣に発出をするという話がありました。事前に政調会長である私にも何度か相談がありましたけれども、私としてもやむを得ないだろうと考えております。
 ただ、大切なことは、新しい体制が政治主導で予算の在り方について決めていく、その邪魔になってはいけない。あくまで機械的、事務的な作業手順にとどめるようにということを強く申し上げておきました。
 特に、昨年の予算編成について、例えば、特別枠をつくって政策コンテストなどを行ったわけですが、そういった在り方も含めて、これからよく考える必要があると思います。
 したがって、例えば、予算編成に関する閣僚委員会などを通してゼロベースでフリーディスカッションをしっかり行って、各分野別のメリハリを決めるといった政権発足当初の政治主導の思いを、今度の予算編成でしっかりと確立していくのも一つではないかと私自身は考えております。いずれにしても、これは新しい政権、新しい総理が考えていくことだと思います。予算編成が年を越すことがないように、事務的、機械的な作業に入ることについて、党の政調会長としては了解をしたことを冒頭申し上げておきます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今朝の閣僚懇談会で、総理から内閣の総辞職の時期について触れられたという話がありましたけれども、総理の御発言を御紹介いただけますでしょうか。
(答)総辞職の時期に触れられましたが、正確なところをメモしておりませんので、あくまで法案がしっかりと通過した後に詰めるべき話だろうと私自身は理解をしています。
(問)民主党の代表選についてですが、各種報道で前原前外務大臣が出馬の意向を固めたと出ていますけれども、この受け止めと、それが代表選に与える影響をどのように大臣はお考えでしょうか。
(答)これはまだ報道ベースですので、私自身が前原前外務大臣から直接伺ったわけではありません。御本人から何か話があれば、どのように考えるかということだと思っております。いずれにしても、今日、勉強会に私も出席をいたしますので、仲間と相談して、代表選挙についての対応、判断をしていきたいと考えております。
(問)大臣の判断は、いつごろまでに決めたいとお考えでしょうか。
(答)まだ決めていません。ただ、数合わせではなくて、骨太な政策論争が展開できるようにしないといけないと強く感じています。こういう局面でありますので、身を捨てる覚悟は当然だと思いますけれども、政策的、精神的、肉体的備えがあるのかどうか、そして、何より党内も野党も国民の皆さんからも尊敬と信頼が得られるかどうか。更には、被災地にどれだけ本気で寄り添うことができるのか。福島の復興は世界から注目をされているわけで、特に、国の総力を挙げて除染に取り組む気持ちをどれだけ強く持っているのかどうか、大切なメッセージをこれからどのように出されるのか、出していくのかなどを、きちんと見極めながら、判断をしていくことになると思います。
(問)今、いろいろ条件をお挙げになられましたけれども、今回、前原前外務大臣を含めると6~7人、7~8人でしょうか、相当の方々が立っていらっしゃいますが、これだけ立っていることについてと、その中で、大臣が挙げられた条件を現時点で満たしている方はいらっしゃるのかどうかをお聞きします。
(答)そういうことも含めて、勉強会の仲間とよく相談したいと思っております。
(問)多少関連して、この6~7人がどうしてもカテゴリー的に、例えば、前原前外務大臣、野田財務大臣であると小沢元代表とちょっと距離があるとか、他の方々は小沢元代表に近いとか、どうしても親小沢、反小沢のような枠でとらわれやすいのですが、こういう傾向をどうお考えでしょうか。
(答)率直に申し上げて、そろそろ、そういうことは卒業をしないといけないと思います。
 どうしても、党員資格停止の件が話題になりがちですが、一言で申し上げれば、時間をかけて丁寧に出した結論だと私自身は考えております。また、小沢元代表も、そのような小さな話を一々問題にされる器の方ではないと考えております。
(問)福島の放射能の件ですけれども、警戒区域の中で相当長期間、住民の方が帰ることが難しくなる地域が出てくることについて、今週末にも総理が現地に赴かれて説明をされるそうですが、それに関して、そういった地域に対してどういう手当てがあり得るのか、重い課題だと思いますが、現時点での大臣のお考えをお聞かせください。
(答)非常に重い課題だと思います。大切なことは、モニタリングを精緻にやること。そして、並行しながら、除染作業を行うこと。丁寧に手順を踏みながら対応していくことが大切だと思います。仮に、精緻なモニタリング、事実上、一定程度のモニタリングを行った結果として、そういった可能性についての言及があったと理解しておりますけれども、そうすると、現在の、既存の技術でどこまで除染が可能なのかということも根拠を示していかないと、納得感が得られないと思います。どうしても、一定程度時間がかかるということになれば、その期間に対して、そういった方々に、賠償を含めてどういう対応がされるのかということも、手順を踏みながら丁寧に説明していくことが極めて大切だと思います。この丁寧さを欠いてしまうとミスコミュニケーションになってしまい、どうしても信頼感が損なわれることになります。
 多くの方々は、どんな状況になろうと、帰りたいという気持ちを持っておられます。しかし一方で、もし難しいなら、早くその結論を出してほしいという方々、特に若い方々がいらっしゃるのも、私自身は直接聞いております。特に、今、話題になっているのは、3キロ圏内の一部の方々なのか、少なくともモニタリングをした結果、放射線量が高かった地域の方々でしょうが、そういった方々に対して、何が一番寄り添う形として望ましい結果をもたらすのかということを、相手の立場に立って、避難している方々とか、どうしても長期間帰れない方々がいらっしゃるとすれば、そういった方々の立場に立って対応することが大切ではないかと思います。
 先ほど、少し触れましたけれども、チェルノブイリのようにはしない、日本人の誠実さと最先端技術で、奇跡を起こすくらいの取組が一方で必要だと考えておりますので、そのあたりの技術との折り合いをどうつけていくかだと思います。
(問)関連しますが、代表選で、本格的な政策論争にはなっておりませんけれども、増税に言及されている方はいらっしゃるかと思いますが、復興について触れられる方はほとんどいないと思います。被災地出身の大臣として、この現状をどう受けとめていますか。
(答)被災地へのメッセージが今のところ聞こえてこないと私自身も考えており、そういったことも総合的に見極めて、私が代表選にどういう対応をするかに関して申し上げれば、最低でも、被災地へどれだけ寄り添えるかということは、最大のポイントの一つと申し上げても過言ではありません。
(問)先ほど、チェルノブイリのようにはしないという発言がありましたけれども、これはチェルノブイリのように長期間にわたらないように、今の技術を結集して除染なりをしていくという意味でおっしゃったのでしょうか。
(答)私は、除染に関しては、事実上、チェルノブイリはほぼ放置されたという認識です。除染作業を本格化させることが、今の日本にとって、国の総力を挙げることこそ、極めて大切な作業だと思っております。
 ただ、線量は非常に程度の差があります。どこからどういう手順で、どういうタイムスパンで除染作業を行うのかということも極めて大切になります。いずれにしても、チェルノブイリにできなかったことを日本人の手で、その誠実さと最先端技術でやり遂げるということが、世界から日本が改めて尊敬をかち得る近道であると考えています。
(問)代表選ではどういった投票をされるのでしょうか。
(答)投票云々よりも、すべてにおける対応は、これから勉強会の仲間と相談をしたいと考えています。
(問)現時点で大臣ご自身が出馬することも選択肢にはまだあるということでしょうか。
(答)基本的に総理というポストを、私はそんなに甘いものだと考えてはおりません。

(以上)