玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月24日

(平成23年5月24日(火) 9:45~10:00  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議で、東京電力福島原子力発電所における事故調査検証委員会を開催することが決定されました。
 その後、総理から、これから外交日程が立て込んでいるけれども、先般の日中韓首脳会談は非常に成果があったと思うという御発言がありました。
 私も被災地の出身ということもあり、中国、韓国の首脳が福島に入って、福島の農産物を楽しんでいただき、召し上がっていただいたことは、根拠なき風評被害を食い止めるという意味で効果があったのではないかと思います。また、国家戦略担当大臣の立場で言えば、日中韓の経済連携について、年内に共同研究終了、来年のサミットで交渉開始を目指すというのは一つの成果ではないかと考えているところでございます。
 さらに、政調会長という立場で申し上げれば、復興基本法について、昨晩、自民党の石破政調会長に修正協議の申入れを正式に行ったところでございます。また、今朝、公明党の石井政調会長にも同じように修正協議に入らせていただきたいという要請をさせていただいたところでございます。私といたしましては、この復興基本法につきましては、自民党、公明党を始め、できるだけ多くの政党と共同作業でまとめ上げるということが極めて大切と考えております。特に大切なことは、いつも申し上げてまいりましたけれども、スピード感を持って対応するということです。したがって、名称は何でもいいのですけれども、まず組織を立ち上げて、復興の基本方針をしっかりと示すことが何よりも大切なことだと思います。
 その上で、ある段階で、その基本方針あるいは基本計画を強力に推し進めることができるような体制ができ上がるのが望ましいということを私自身これまでも申し上げてまいりましたけれども、仮称でありますが、復興庁の権限につきましては、企画・立案、調整に加えて、実施も含めてもよいのでないかと考えているところでございます。ただ、その際、権限の切り分けが極めて大切になってくるのではないでしょうか。そこはしっかりと検討した上で、実施まで含めた復興庁をある段階でつくり上げていくということで、これから復興基本法の修正協議に入っていきたいと考えているところでございます。
 また、今日は公務員給与の話も片山大臣からございました。内容については、新聞報道どおりだと思います。私もかつて公務員制度改革担当を2~3カ月やらせていただいたこともあり、また政調会長という立場なので、この公務員人件費の話には当然関与してきたわけでありますけれども、今回、まさに異例の措置とも言うべき10%カットということを連合系の組合にのんでいただいたというのは、画期的なことではないかと思いまして、心から敬意を表したいと思いますし、労働基本権の問題もまとまって、法案が出せるということになったという御報告をいただいたところでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)復興基本法ですけれども、今おっしゃった、企画・立案に加えて実施までという点については、これは附則ではなくて、本則で書き込むという形を想定しておられるのでしょうか。
(答)これから、復興基本法を審議している特別委員会の両筆頭理事及び実務者間で御協議いただくことになるのではないかと思います。自民党には昨晩、公明党には今朝正式に要請しましたから、今日それを受け入れるかどうか、自民党内あるいは公明党内で、恐らく御議論があるのではないかと思いますけれども、これから両筆頭を始め、実務者でしっかり協議をいただくということではないかと思います。復興庁につきましては、私個人の考え方を申し上げれば、附則ではなく、本則で結構ではないかと思います。
(問)関連ですけれども、今おっしゃった、企画・立案に加えて実施というところまでというお考えは、昨日、石破政調会長にもお伝えになったということでよろしいのでしょうか。
(答)そのとおりです。それで、権限の切り分けで大切なことは、昨日の議論でも出ましたが、一つの眼目は、被災地がワンストップで復興の事業に当たれるようにするということです。結局、権限の切り分けは事業で切り分けるということでやっていかなければならないと思います。自治体が実施主体になる補助事業については、やはり復興庁の権限にしていかないとワンストップにならないと思います。
 問題は直轄事業ではないかと思っていまして、その直轄事業につきましては、いわゆる復興事業と通常の事業とをどう切り分けるのか。仮に切り分けたとしても、復興事業と一般の事業、通常の事業の地域間調整が必要になると思われます。目的規定、理念規定、責務規定といったことについても、両筆頭を始め、実務者の方々でしっかりと御協議いただくということがよいのではないかと考えております。
(問)確認ですけれども、実施まで含めた復興庁をある段階でつくるというのは、政府・与党の方針として一致しているということでよろしいのですか。
(答)もちろん私としては官邸と調整をした上で、石破政調会長と昨晩お会いをしております。現時点でまだ正式に各党間の協議が調ったというわけではありませんが、基本的には当然、政府と与党については、私が政調会長と閣僚を兼務という形でつないでいるわけでありますので、官邸と意思疎通をした上で臨んでいるとお考えいただいて結構でございます。
(問)東京電力の賠償スキーム法案ですけれども、閣内では、海江田経済産業大臣が今国会へ提出をした方がよいのではないかという見解を示されておるようですが、大臣の現時点でのお考え、またその場合、会期延長も必要になってくるかと思うのですが、そういったことも含めて御見解をお願いいたします。
(答)私としては、スキームの話は、いつも申し上げているとおり、法案の確定作業が終えた段階で判断するという考えです。いずれにしても会期の問題も当然そのときになって判断するということですが、その際に一番大切なことは、被災者、被災地を第一に考えるということに尽きるのではないかと考えております。
(問)民主党で、エネルギー・環境政策については、新成長戦略に絡むPTで、直嶋座長と近藤事務局長がやられるということですが、こちらの方々を起用された狙いといいますか、原子力政策の見直しという観点から適切な人事かということを含めて、一言お願いします。
(答)それぞれの関係者が役員に入っていただいています。例えば環境関連の方々であるとか、そういった方々が入っていただいておりますし、政府の方は今、政府の中でそれぞれどういう役割分担を果たすのかということについて調整を始めましたけれども、いつも申し上げておりますが、国家戦略室が基本的な方針を打ち立てないといけないと思いますので、そういう意味でしっかり私と直嶋座長でよく意思疎通をし、話し合いをし、結論を出していくことが大切だと思っております。
(問)復興基本法について協議を始めようということは確認したのですが、その一方で、税法あるいは特例公債法については協議が進んでいないようですけれども、今回の件はその辺りも進めていけるきっかけになりそうでしょうか。
(答)ええ、進めていきたいと思っておりますし、それは私なりに考えがありますが、今の時点では表に出ていないとお考えいただければと思います。

(以上)