玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年3月22日

(平成23年3月22日(火) 9:46~9:57  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は閣議がございましたけれども、皆様に御報告するようなことは特にございません。
 また、先だっての記者会見でも申し上げましたけれども、いわゆる原発事故対応とか被災者支援、それぞれに対する対応について体制が整って、かなり多くのことが回り始めていると私自身は感じております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)与謝野大臣が閣議後の会見で、「震災が起きるとなおさら国の意思決定の迅速性や的確性が求められる。意思決定の速度を速める仕組みをつくるには大連立がベスト。」と発言されたそうなのですが、それについてはどうお考えになりますか。
(答)先般、総理が谷垣総裁に対して入閣を求めたということは報道で知りました。事前に知っていたわけではありません。ただ、今年の早々から申し上げてきましたけれども、今の日本の危機的状況、さらに今回の東日本の大震災によって、東日本だけではなくて「復興」という言葉を超えた「新しい日本をつくる」という大きな発想で物を考えなければならない状況の中で強い政権が必要だとは常々感じておりますし、なお一層感じているということは申し上げたいと思います。
(問)大連立についてはいかがでしょうか。
(答)強い政権が必要だと考えております。
(問)今回の震災の対応で、今、予備費で主に対応していると思うのですが、当然、これから補正予算という話も出てくるかと思うのですが、政府内には複数回補正予算を編成して提出するという案もあるようですけれども、このあたりのスケジュール感、内容について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)これは、いわゆる応急的なもの、例えば仮設住宅をつくる、あるいは瓦れきの除去・撤去といった問題がまずあります。その後、復旧・復興、この復興という概念を超えたものが必要になってきます。さらに言えば、震災については徐々に収束しておりますけれども、原発事故については事態が進行中です。阪神・淡路大震災については震災だけでありますから、いわゆる被害の全貌が早い段階で明らかになった。今回は、原発事故が進行中であるということと、以前も申し上げましたけれども、被害が広範囲に及び、さらに阪神・淡路大震災の何倍もの被害であるということから考えると、阪神・淡路大震災のようなスピードでは物事が進まないということが予想されます。
 幹事長あるいは国会対策委員長が報道ベースでありますけれども、2回の補正予算が必要だと発言されておりますが、私は、恐らく2回では足りないのではないかと考えております。1回、2回、そして3回、4回となるかもしれない震災であると考えないといけません。
(問)2回で足らないということですが。
(答)2回では足りない可能性が高いのではないかと思います。
(問)具体的にその話を進めているのでしょうか。
(答)まずは、本予算をきちんと通さないといけません。もちろん内々で全く検討していないかと言えばそれは嘘になりますので、先ほど申し上げたような理由によって被害の全貌が早い段階で明らかになれば、それで補正予算の対応は終わりということになりますけれども、残念ながらそうはなっていないし、これは簡単にならないわけです。そう考えたら、私は当然2回で済むのかという話になってくるのではないかと容易に想像できる話だと思っております。
(問)大連立について、谷垣総裁に閣僚を打診したという話ですが、今日の閣議ではお話はあったのでしょうか。
(答)全くありません。
(問)閣僚に対してそういう説明も全くありませんでしたか。
(答)全くありません。
(問)閣僚を3人増員するということについては、玄葉大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)これは与野党の各党・政府震災対策合同会議で提案されたことでございますし、私自身もその場におりましたので、それについては必要なことだと思います。もっと言うと、閣僚だけではなくて、以前から申し上げている副大臣、政務官、総理補佐官等々も必要だと思います。
(問)まだ原発事故が進行中なので多少先の話になるかもしれませんが、今後、福島第一原発の事故を受けて、原子力政策全般の見直しが必要になるのではないかという声が野党からも上がっていますが、大臣のその点についてのお考えをお伺いいたします。
(答)今回の東日本の大震災を受け、かつ原発事故を受けて、やはり日本の青写真、グランドデザインを描き直さないといけないと思っております。したがって、エネルギー基本政策のみならず、当然ながら財政運営戦略、成長戦略を含めてどのように考えていくのかということを、しっかり検討する必要があります。もちろん、そのベースを変えるかと言えば、ベースは変わらないにしてもさまざまな付加が必要になってきます。そういう意味では、地球温暖化の問題もそうですけれども、まさに日本国全体としてどういう青写真を描き切るのかということが極めて大切な課題になってくると思います。オールジャパンで被災地を支援するとともに、オールジャパンで日本の国土、日本国そのものをどうするのかということを考えていかなければならないと思います。
(問)関連して、そうなってくると6月に菅内閣がスケジュールを設定していた社会保障と税の一体改革やTPPの交渉参加入りの決定については震災対応を受けて青写真を書き直した上で、先送りの可能性は出てくるということでしょうか。
(答)結局、原発事故はまだ対応中、事態は進行中でありますけれども、今後の話について、大切な視点は単に元に戻すという視点ではありません。「新しい日本をつくる」という視点が必要だと思います。TPPにしても、社会保障と税の一体改革にしても、その全体の青写真の中でしっかりとした位置付けを行っていくことが大切だと思います。
 ただ、その全体の青写真の中で大切なことは、やはり超少子高齢化、人口減少、2047年には1億人を切るという事態は全く変わっていないということです。もっと言えば、さらにそれに追い打ちをかけた震災でありますから、当然成長は必要になるわけでありまして、その成長をおろそかに考えるわけにはいかないと思います。
 その成長の中からさまざまな財源捻出が可能になると考えていかないと、どんどん縮小、均衡の道をたどり、日本の衰退は確実になるということでありますので、そういうわけにはいかないということで、やはり全体のグランドデザインをしっかり書き直して、与野党は当然のこと、国民的なコンセンサスを得て、しっかりと前へ向かって日本人が国家目標を定めて進んでいくということが、極めて大切なことになると思います。

(以上)