玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年2月15日

(平成23年2月15日(火) 10:25~10:42  於:内閣府本府5階522記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは、本日の閣議について、皆様に御報告する案件はございません。

2.質疑応答

(問)昨日から、社民党と民主党の正式な政策協議が始まりましたけれども、今のところ、民主党に対して6項目の要求が突きつけられている状況ですが、今後の見通しについて大臣のお考えをお願いします。
(答)昨日、夕方でございましたけれども、社民党の又市副党首、そして阿部政審会長と、私と城島政調会長代理で協議をいたしたところでございます。予算案と予算関連法案に対する社民党の問題意識を具体的に話していただきましたけれども、私としては、なかなかそれぞれの項目について、厳しいという見通しを持っているところでございます。ただ、引き続き努力したいという状況でございます。
(問)引き続き努力をされるということですが、具体的に言いますと、どのような形で努力を重ねられるお考えでしょうか。
(答)社民党から要望のあるテーマについては、それぞれ厳しいです。私たちとして、言うまでもなくベストの案だということでそもそも提示している予算案、そして関連法案であるわけですから、当然そういうことになるわけでありますけれども、ただ、その中でも絶対私たちが譲れないものというのがございますし、中には一部努力の余地があるものがあるかもしれないということで、今後、検討してみたいという状況でございます。
(問)今、奇しくもおっしゃった絶対に譲れないものというのは、6項目の中で、具体的にどれになるのでしょうか。
(答)現時点では、あまり申し上げるのは適当ではないと思います。想像にお任せしたいと思います。
 ただ、いずれにしても、それぞれなかなか厳しいなというのが、私の率直な感想です。
(問)予算関連法案を、いわゆる分割処理する案が与党内で出てきていますが、こうした分割処理や、いわゆるつなぎ法案といった手法を駆使していくべきかどうか、大臣の御所見をお尋ねします。
(答)これは、国対がまず第一義的に考えていただくことだと思っております。まだ私自身がこの段階でそういったことに言及するのは早いと思っておりますが、それぞれの党との協議の状況とか、あるいは賛否の具合を見計らいながら、そういったことを考えていくということはあり得るかもしれないということではないでしょうか。
(問)今、TPP交渉参加について、慎重や反対とする意見書が39都道府県で採択されているのですけれども、そのうちの29道府県で民主系会派も同調するという形になっているのですけれども、これについてお考えをお聞かせください。
(答)TPPに限らず、昨年11月に決めた包括的経済連携に関する基本方針等も含めて、でき得るだけの情報提供をそれぞれの自治体にもするようにということを、実は昨日の夕方、事務方に私から指示したところでございます。恐らく、情報がないというのが、そういったことにつながっている一番の原因なのではないかと私は推測をしております。ですから、客観的かつ正確な情報で、日本としての、あるいはそれぞれの地域としての、ベターな、できればベストな解を国民的な合意の下で見つけていくという作業を、まさにこれから始めるところでございます。
(問)採択された時期は、主に地方議会の開かれていた昨年12月ぐらいかと思うのですけれども、そこから2カ月ぐらい経った今、指示を出されたというのは、その間に何があったのでしょうか。
(答)そもそもTPPの情報収集、そして協議というのは、11月に決めたのです。それから情報収集に入っているわけです。本当は、交渉に参加して初めて中身の濃い情報というのは得られるのですけれども、その一歩手前の状況の中での情報収集です。
 したがって、そういった状況の中で情報収集が一定程度し得るというのは先の話で、恐らく12月には十分できなかったというのが率直なところだと思います。ですから、現時点で収集できた部分についての情報を提供するのが適当ということで、少しずつ揃ってはきましたので、同時に、出せるもの、出せないものが当然あるでしょうけれども、でき得る限り情報提供して、国民の皆さんの理解の深まりの具合というものを我々も判断材料の一つにしているわけですから、そのようにさせていただこうということでございます。
(問)大臣の地元でも、慎重という意見書が出ているわけですね。この間も、ちょっと戻られたと思うのですけれども、そういった声というのはあったということでよろしいでしょうか。
(答)私も、1月に入って2回、地元に帰りました。4カ所、それぞれ平均すると700~800人レベルの会合が3カ所、約100名の会合が1カ所あり、農業関係者も非常に多かったですけれども、率直に申し上げて、私に直接はおっしゃりません。また同時に、いつも申し上げていますけれども、私は唯一、民主党の国会議員400人の中でJAの推薦をいただいている議員でもありますけれども、まずはこの国が今よりも開かれなければならない、アジア35億人、アジア・太平洋40億人の成長というものを取り込んでいかなければならない、日本は、地政学的にも、また日本人の特性としても、通商国家として生きる宿命というものをそもそも持っているというのが、まず一つの認識でございます。
 同時に、経済連携のある、なしにかかわらず、農業は非常に壊滅的な状況であります。もちろん、立派に農業経営をされている方々もおられます。私は、世界一優秀な農家経営者が日本人だとさえ思っています。そういう中で、これまでの日本政府ではできなかった方針を11月に決めたわけです。つまりは、ローレベルのEPAではなくて、ハイレベルEPAを推進する、加速するということを決めたわけです。ですから、これを奇貨として、農業の強化に取り組んでいく。同時に、国民全体で支える農業をつくり上げていかなければ、若い人たちが夢を持って農業に参入することができないのではないか。多くの有力な認定農業者も、同じような危機感を持っています。
 ですから、私は、どこの場所に行っても同じ説明をしています。農協の幹部の皆さんの前でも、あるいは経済界の方々の前でも、全く同じ説明をいたしておりまして、そういう意味では産業対農業の二項対立にせずに、むしろ、アジアの富裕層の胃袋を日本の食材で満たすという戦略をつくり上げて、守りだけではなくて攻めの農業も、この機会につくり上げて、魅力あるものにしていくことが必要だと思っています。私の会合では、そういった私の考え方を申し上げて、私は全員、握手して回りますけれども、「とにかく任せたよ」と言う人がほとんどでありまして、私自身も農村の豊かさは日本の懐の深さだと思っておりますので、そういったことをきちんと両立するための戦略を、自分なりに持って進めているところであります。
 これは交渉でありますので、つまびらかにそういったことをあちこちですることはできません。ただ、そういったことを踏まえながら、最終的な判断、あるいは結論を導いていきたいと考えております。
(問)小沢元代表の問題についてなのですが、昨日の役員会で党員資格停止という処分を発議することを決めましたけれども、まずこの処分の内容について、大臣の御所見があればお願いします。
(答)結論だけ申し上げれば、党としての一つのけじめということだと思います。これで党内がまとまらないといけないと思います。そして、この問題についての一つの終止符を打って、予算案、そして関連法案、社会保障・税、そして平成の開国、こういった大きな課題に全員一致して向かっていかないといけないと思います。
(問)小沢元代表の問題に関連して、先週の小沢元代表の発言で、2・26事件を引き合いに出しまして、「国民の生活第一」という政治の本初を守らなかったことがあの事件を招いたのだという趣旨の発言がありました。現政権をそれでもって牽制しているとも受けとめられるのですけれども、その発言について、内容と受けとめをお願いします。
(答)すべての発言を聞いたわけではありませんので、正確にコメントできません。ただ、2・26事件を引き合いに出すというのは、不穏当だなという思いがございます。
(問)小沢元代表の処分の関連で、今日、閣議・閣僚懇で総理から何か発言はあったかどうか、もう少し聞きかせください。
(答)特にありませんでした。
(問)小沢元代表を支持するグループの中には、関連法案などに造反とまで言ってよいのかどうかわからないですけれども、造反という牽制するような動きも一部あると思うのですけれども、そういう動きについてはどうお考えでしょうか。
(答)すべてのことを含めて、役員会として総合的な判断をしたということでございますので、先ほども申し上げましたけれども、この決定で党がまとまっていかなければいけないと思います。
(問)先週末、各社世論調査は内閣支持率が20%前後で、内閣改造でやや上がったものをほぼ打ち消してしまったような感じになっているのですが、この背景にあるものを大臣なりにどう分析していらっしゃいますか。
(答)十二分に私自身が分析しているわけではございませんけれども、一つ一つ着実に、やるべきことをやらねばならないということではないかと思います。今回の小沢元代表の問題しかり、予算、予算関連法案の対応しかり、マニフェストの検証しかり、社会保障・税の問題しかり、包括的経済連携の問題しかり、非常に広範なテーマにわたるわけでありますけれども、それぞれの問題にしっかり向き合っていくしかないと思います。
(問)確認なのですが、先ほどのTPPのところでのお答えの中で、各自治体にも情報提供するように指示を出されたということなのですが。
(答)事務方にです。まだ私のスタッフどまりになっていますが、これから国家戦略室でよく検討していただいて、どのような資料が流せるのかとか、そういったことを考えてもらって、情報提供したいと思います。
(問)国家戦略室から、全国の各自治体に対してということですか。
(答)基本的には国家戦略室が要になっていますので、国家戦略室でどういったところにどういった資料を流すのが適当なのかということを検討していただいて、適切な時期に情報提供したいと考えております。

(以上)