片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月12日

(平成23年8月12日(金) 9:45~10:10  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、閣議、閣僚懇談会がありまして、閣議後の懇談会で、総理の方から、今国会が8月31日までであるということ、それをにらんで、内閣として最後までやるべき任務を果たさなければいけないので、閣僚の皆さんは、最後まで所掌の事務に責任を持って当たって欲しいという指示がありました。
 それから、今日、郵政改革特別委員会で、これは郵政改革特別委員会を設置して初めて開かれるわけですけれども、自見郵政改革担当大臣と私が出席をしまして、所信と言いますか、所信的あいさつと言いますか、それをすることになりました。大きな第一歩だと思います。引き続いて、是非、法案の、今、国会に掛かっております法案の審議に入っていただいて、かつ、その審議を経た上で、できるだけ早く改革法案が成立をする運びとなるよう、御協力をお願いしたいと思っております。
 それから、先般の新潟・福島を中心にした集中豪雨に関連して、普通交付税の繰上げ交付を行うことにしました。これは後で、資料の配布があると思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社からお願いいたします。昨日でですね、東日本大震災の発生から5か月が経過いたしました。それでですね、今後の取組について、特に、三次補正に向けて準備なども進められていると思うのですけれども、こちらについて、総務省としてどういう準備を進めているか、お聞かせいただけますでしょうか。
(答)三次補正の方は、まだ正式には財政当局の方からスケジュールなどが示されているわけではありませんけれども、もう、早晩、これは政府として予算案を取りまとめることになりますので、今、準備をしております。三次補正というのは、先般、7月の29日だったでしょうか、策定された基本方針に基づいて三次補正をやるということになっていますから、この基本方針をにらみながら、総務省として必要な取り組むべき事項を、今、検討しているところです。いろいろなものがありますけれども、例えば、自治体関係でありますと、津波で洗われてしまった自治体の庁舎、これはもう壊滅的、津波で洗われて壊滅的な被害を受けた庁舎の建て替えなどについて、その三次補正に盛り込もうと、要求の中に盛り込もうと思っております。あと、情報通信関係でも、これ、今後のこととも関連しますけれども、ああいった大災害のときに、通信手段を確保するために必要な施策に取り組むとかですね。いろいろなことがありますけれども、今、まとめているところであります。それから、三次補正には、一次補正で盛り込んだ項目のうち、額が不足するものがありますので、それらについて盛り込む項目もあります。例えば、消防の賞じゅつ金などは、一次補正を編成する段階で判明していた亡くなられた方の数を前提にして組んでおりますので、その後、犠牲になった方も増えておりますので、それに応じて増額補正が必要になりますので、そういうものも盛り込まなければいけないと思っておりますが、まだ、整理している段階です。
(問)北海道新聞の安藤です。合併特例債のことでちょっと伺いたいと思います。昨日、被災地に5年間延長するという法案、衆院を通りましたが、被災地以外の自治体からも延長を求める声が上がっています。決議でも、特例の措置を講ずべきだというふうな決議がなされましたが、今後、省としてどういうふうに対応していこうとお考えでしょうか。
(答)昨日、今、お話がありましたように、議員立法で、この合併特例債について、被災地を対象に延長を5年間認めるという、そういう法案が衆議院で可決されております。それで、その際の決議において、この被災地5年間という、その5年間というものがいいのかどうか、これ、政府においてよく検討してもらいたいということ。それから、被災地以外の自治体について、類似の措置をする必要がないかどうか。これを検討してもらいたいという、そういう決議が付いておりますので、それを受けて、私の方からあえて発言を申し上げまして、検討事項として指摘された二つの点、すなわち、被災地の延長期間が5年でいいのかどうかということと、被災地以外の自治体についても、類似の適用をする必要がないのかどうかということをよく検討してまいります、ということを申し上げました。既に検討しておりまして、いずれ近いうちに総務省としての考え方をまとめたいと思っておりますが、現段階で確定的なことは申し上げられませんけれども、少なくとも被災地以外のところで、やはり、延長できるような仕組みを作らなければいけないのではないかという認識を、私は持っております。例えばですね、先般、高知県の知事さんとか来られたのですけれども、その際に伺いましたら、合併特例債で施設の設置計画をしていたと。そういうときに今回の大震災があって、津波のことをより一層重視するとすれば、今の合併特例債を用いて施設を造ろうとするその計画が、やはり見直しを余儀なくされると。高知も津波の被害にかつて遭っていますので、今後も同様の津波が来るとすれば、今の施設のレイアウトではリスクが高いのではないか。そうすると、この際、やはり、いい機会だから、地域の津波に対する防災計画を見直す中で合併特例債を活用する施設の整備計画についても、この際、見直しをしたいと。したがって、できれば延長させてもらえないかと、こういう趣旨だったのですけれどもね。それはなるほど、そういう考え方になるのもむべなるかなと、私も話を伺って思いましたので、そういうことも含めてですね、被災地以外の自治体についてどうするかということは、これから早急に検討していきたいと思っております。
(問)早急にということですが、秋の臨時国会ということも、視野には入っているのでしょうか。
(答)そうです。今国会というわけにはいきませんので、できれば秋の臨時国会ということになります。
(問)共同通信の多田と申します。今日、閣議の前にですね、社会保障と税の一体改革で関係の閣僚会議があったと聞いているのですが、その内容と、そこでもし大臣が御発言されたことがあれば、お願いいたします。
(答)今日、閣議の前に、社会保障と税の一体改革がありまして、これは官房長官が音頭を取って集まったのですが、財務大臣、それから、与謝野担当大臣、細川厚生労働大臣と私とであります。院内の官房長官室で開きました。これは、社会保障と税の一体改革が先般来の議論を経て、本格的に作業を進めるということになりましたので、それぞれの要素ごとに、例えば、年金の問題であるとか、それから子育て支援システムであるとか、それから医療保険であるとか、それから例の地方の社会福祉に関する単独事業の精査の問題であるとか、いろいろな問題がありますから、その要素ごとに、今後の工程表を作りました。かなり要素が多いものですから、盛りだくさんの内容になっておりますけれども、その要素ごとに作った工程表に従って、それぞれの部局と言いますか、組織で作業を進めていこうということを、今日、申合せをした次第であります。と言っても、大半は厚生労働省の所管になりますので、私から申し上げたのは、やはり厚生労働省、大変ですけれども、国民にとって非常に重要なことですから頑張ってくださいねということを、細川厚生労働大臣に申し上げました。特に、他の大臣からも発言があったのですけれども、非正規雇用の問題というのをもっとやはり真剣にとらまえて、改善とか、問題の解決にやはり当たっていこうと。これだけ非正規雇用が多くなったこの実態を踏まえて、できるだけ正規雇用の方に移行するような仕組み作りが必要だということがもちろんありますし、同時に、そうは言っても、一斉にみんなが非正規から正規に変われるわけでもありませんから、非正規の皆さんの処遇の改善、これ究極的には、同一労働同一賃金ということになりますけれどもね。そういうことを念頭に置いた処遇の改善ということが必要になるので、それはやはり、いい機会ですから、今回の点検の中で改善策を講じていく、そういう努力をしようという話をしました。それについて、細川さんの方から、年金加入の問題で制度改正をしたら、200万人ぐらいとおっしゃったでしょうか、もう、あっという間に加入が増えたので、これはかなり非正規の皆さんにとっては朗報だったのではないかと。こういうことも一つの足掛かりにしながら、非正規雇用の問題を、非正規雇用の労働者の皆さんの処遇の改善というものを図っていこうというようなことを、私からも申し上げましたし、他の閣僚からも同趣旨の発言がありました。
(問)日経新聞の山本です。先日、菅直人総理が、近い退陣を、2法案が成立したらという条件付きですが、明言されました。これについて、早ければですね、月内にも新代表の選出、新総理の選出という運びになる見通しですが、閣僚としての御感想とですね、ポスト菅についてはどのような人物がふさわしいと考えるか、お考えがあればお聞かせください。
(答)総理が、6月2日の民主党の代議士会で、御承知のような発言をされて以後、総理の去就に、非常に関心が集まって今日に至ってきたわけでありますけれども、ごく最近の、総理の国会での発言などを伺っていますと、6月2日に言われたことの中で、途中、いろいろ、マスコミを通じたいろいろな報道がありましたけれどもね、6月2日から昨日までの総理の考え方というのは、今にして思えば、私としては、一貫性があって今日になっているなという印象を受けております。それを踏まえて、今日、閣議後の懇談会で、あえて、いついつどうするということはね、もちろんおっしゃいませんでしたけれども、いずれ内閣の任期と言いますか、終期というのはあるけれども、それまでは1秒たりとも任務をおろそかにできないから、最後の最後まで、閣僚は任務を全うして欲しいと、こういう話になったのだと思います。今日の総理の発言を、私は非常に重く受け止めて、本当にそのとおりだと思いますのでね。いつまでになるか分かりませんけれども、最後まで、私も閣僚の一人として全力を尽くしたいと思っております。
 その後のことはですね、これは私がとやかく申し上げる問題ではありませんので、与党の中で一番ふさわしい人を選ぶ。その作業を、できるだけ透明性の高い環境の中で、かつ、活発な意見が戦わされる中で行われるのがふさわしいと、個人的には思っております。その上で、どんな方がということですけれども、いろいろな見方とか、いろいろな要素はあると思いますけれどもね。今の民主党政権の置かれた環境から言いますとね、国民に対して、今、国が抱えている課題、解決しなければならない課題、それから、これからの日本の国是と言いますか、進むべき道、みんなで力を合わせて進まなければならない道、そういう問題について、できるだけ分かりやすく、きちっと、臆せず語り掛けるという、そういうことが必要だろうと思います。とかく、かつて官僚主導と言われましたけれどもね、官僚主導の環境の中では、あまりそういう国民に対してオープンに語り掛けるということがなくて、どちらかというと、こそこそこそこそと、物事を内密に決めていくというようなことがありましたけれどもね。民主党政権の下で、国民の皆さんに対して、官僚主導から政治主導へということを約束してきているわけですから、その政治主導の一番の神髄というのは、やはり、国民から選ばれた代表の皆さんが、国民に近いところで物事を、近い位置、ポジションで、国民の視点に立って物事を決めていくということですから、国民の皆さんにできるだけ分かりやすく説明をして、国民の意見に、考え方に耳を傾けるという、そういう姿勢というものが必要だろうと思いますので、これはどなたになられようとですね、そういう姿勢というものを持って政治に当たっていただければと思っています。
(問)日経新聞の海野と申します。各地で行われている地方選挙のことでお伺いしたいと思います。先日の埼玉県知事選をはじめとして、その後も各地で行われている地方選挙ですね、過去最低の投票率を記録しています。これは何によるのか、その原因についてのお考えをお聞かせください。これは、地方自治、民主主義の根幹にもかかわる問題だと思うので、どう対処していけばいいのかということを、もし大臣としてお考えがあれば。
(答)これも、いろいろな要素が私はあると思いますね。一つは、総じて選択肢が少ないということなのですよね。これは、マーケットになぞらえて言えばね、供給が非常に限られていると。商品の数、品揃えが少ないということで、ということは、マーケットに活気がないということですね。もっとマーケットに活気をやはり呼び起こす工夫が必要だろうと思います。それは、一つは選挙制度に問題がある、問題と言うか、選挙制度に起因することはあるかもしれません。これはやはり、選挙制度というものを所管している総務大臣としては非常に関心の深いところで、やはり現行の選挙制度というもの、特に、地方の首長さんとか、議会の議員の皆さんの選挙制度というものを、現行のままでいいのかどうかというのは、常に光を当てて点検しなければいけないと思います。それから、やはり今の政治というのは、一昔前と違って、政党中心の政治が営まれるという、そういう環境になっております。これは、政治資金規正法を見ても、寄附金というのは、政治資金の寄附というのは、政党中心に受け入れるということになっていますように、政党中心に政治が営まれる、選挙が行われるということですね。そうしますと、地方の選挙で、マーケットに活気がないと、さっき申しましたけれどもね、もしその見方が正しいとすればね、供給側である政党が、もう少し奮起しなければいけない、地方レベルにおいて。そういう意味で言いますとね、どなたが唱えられているとか、善しあしは別にして、やはり相乗りはどうかとかですね、いいとか悪いとかという議論に、それは自ずからなるだろうと思いますね。一概に私は、相乗りは悪いとは言いませんけれども、共産党以外みんな相乗りするというのは、やはり健全ではないと、これ個人的には思いますけれどもね。そういう供給側の問題がありますね。それから、受け手の問題として、やはり有権者の皆さんが、本当に通り一遍の表現にしかならないのですけれども、やはり身近な選挙、身近な政治というものに関心をもっと持つべきだと思います。もちろん選択肢が少ないとか、だれがやっても同じではないかとかね、諦め、てい観のようなものがありますけれどもね。政治というのは、そんなに一朝一夕に、くるっと一変するとかね、だれかを選んだら全く理想的な絵柄になるとかね、そんなものではありませんので、画を描くのと違いますから。やはり一歩一歩だと思うのですね。よく政治学で言われるのは、レッサー・イーブルと言いますけれども、イーブルがレッサーを選んでいくと。より悪くない者を選んでいくということなのですね。ですから、理想的な姿を常に描いている人からすればね、非常に、何と言うのでしょうか、妥協的というか、あまり受け入れられないかもしれませんけれども、所詮政治というのはそういう本質がありますから、ですから、今よりも多少なりともよくなるという、そういう政治選択を常にしていくという。それを何回か繰り返すと、ふと気が付いたら非常に前よりもよくなっているという。そういうものだというふうに認識をして、少ない選択の中でもよりいい方を選んでいく。そういう、マーケットで言えば、消費者の方の商品を選ぶ目というものを養うことが必要だろうと思いますね。そういう商品を選ぶ目が肥えてくると、供給側の方も、多様な商品を供給するようになるというのが、マーケットの常でありますから、政治の世界でもそういう面はあると思いますので、有権者の皆さんも、もっと政治に関心を持っていただきたい。先般の埼玉県が24%、4分の1の方しか参加しないというのはね、それは制度上、だからどうだということではありませんけれどもね。制度ではなくて、状況としての政治を鳥かん図的に鳥かんした場合にはね、かなり私は空洞化が進んでいる。政治の空洞化が進むということは、民主主義にとっては非常に危ういことでありますから、今、私が申し上げたような、これは個人的な考え方ですけれどもね。こんなことも少し頭に留めていただいて、供給側、それから有権者の側、それぞれがちょっとでも改善する、そういう政治行動をとっていただければなと思います。
(問)共同通信の田井です。閣僚の皆さんに夏場はいつも聞いている質問なのですけれども、靖国参拝について、参拝されるかどうかということと、お立場についてお伺いできますか。
(答)私についてですか。
(問)はい。
(答)特に決めていませんが、特定の日を決めて、そこに行くということを予定していることはありません。ただ私、たまたまですね、靖国神社のすぐそばに住んでいるものですから、今までも何回か個人的に参拝には行っております。そういう状況です。それから、特定の日に行くかどうかはともかくとして、やはり、過去、日本の歴史を振り返った場合に、日本の国の歴史の中のある一局面で、国のために犠牲になったという人の霊を弔うという、思い起こすという、そういうことは、私は必要だろうと思っております。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうこざいました。
(答)はい。

(以上)