片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年6月24日

(平成23年6月24日(金) 9:37~10:16  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、閣議がありまして、総務省からの懸案はなかったのですけれども、私の方から閣議後の懇談会で、各閣僚にお願いしたことがあります。それは、一つは一括交付金の件でありまして、昨日、知事会、市長会、町村会と、この一括交付金をめぐって意見交換をやったのですけれども、そのときのことを紹介しまして、この一括交付金というものを、都道府県分については、更に対象範囲を拡大したい、これは知事会からの要望でもあります。それから、自由度をもっと高めてほしいという要請がありました。これを是非、来年度は更に前進をさせたいので、関係省の御協力をお願い申し上げたいということ。それから、この一括交付金の都道府県分について、先般、沖縄県の知事、それから、市長会長、町村会長と政府側との協議の場がありまして、その中で、仲井眞知事の方から、沖縄県分について特に自由度を高めてほしいという要請がありまして、沖縄担当大臣の枝野官房長官と私とで、その後、相談をいたしまして、これは是非、沖縄県側の要請に応えるように改善をしたいという、そういう合意ができましたので、今日、改めてこれについても、沖縄県分について一層の改善をしたいと。これは当然、全国都道府県分の改善ももちろんするわけですけれども、それよりも更に一歩先に進んだ改善をしたいということを、今日申し上げておきました。それから、市町村分について、市長会、町村会から昨日意見がありましたのは、県と違って、市町村の場合には、国庫補助金の年度間の変動が大きいので、よく留意してほしいと。ある事業を一つやるときには、非常に補助金の額が膨らむ、例えば下水道なんかですね、終わると減るという。こういう特性がありますので、なかなか都道府県分のようにこう平準化が難しい面があるので、その辺をよく留意をしながらやってほしいということがありまして、それはもう当然そうなのですね。そういう認識をしておりますので、よく注意をしたいと思っておりますけれども、そういう留保条件はよく踏まえつつ、市町村分について、都道府県分から市町村分について拡大をしたいということですので、そういうことを申し上げて、関係閣僚の協力を求めました。
 それから併せて、地方出先機関改革について、昨年の12月にアクション・プランを作って、それに基づいて作業を始めていたところ大震災がありまして少し中断しておりましたけれども、改めて、先般から作業を再開いたしました。当面、九州広域行政機構と、それから関西広域連合を対象にして、かつ、移譲を受けたいという機関は当面3機関、地方環境事務所、それから整備局、それから経産局の3機関ですけれども、この3機関を対象としてやるということで、今、作業を進めておりますけども。事務レベルの折衝の話を聞きますと、かなりネガティブな反応が、この3機関の所管省のみならず、当面、関係のない省からも、まるでこうスクラムを組んでいるようなネガティブな反応が出てきているという報告を受けていますので、そうあってはいけない。政府で決めたことで閣議決定をして、地方側とも協議をした上で進んでいる、進行させている、これはプロジェクトですので、是非、足を引っ張ることのないように閣僚の皆さんから事務方を督励してほしいということを申し上げておきました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から2点お願いします。1点目が、与野党が対立したまま70日間の国会延長が決まったわけですけれども、既に、大臣が提出されている法案なり、これから提出されようとしている法案の中で、この国会で是非ともこう成立させたいとお考えの、優先度の高いものはどういうものかというのをお伺いします。
(答)それはですね、まず、おかげさまで、多くの法案は成立させていただきました。総務省の法案、それから、私が兼務しております内閣府の地域活性化とか、それから地域主権改革の分野での法案、かなりの打率で成立させていただきまして、これ大変有り難いと思っております。一方では、提案した法案が、まだ未処理のまま残っているものがあります。これらは、もう是非すべてですね、成立させていただきたいと願っております。一つは郵政の見直し関連ですね。郵政改革関連ですけれども、もうこの政権が変わって1年9か月、10か月になるわけで、郵政改革についての見直しについて方針を打ち出して、それに基づいた人事も民主党政権の下でやってきたわけですね。あと法的基盤だけが宙ぶらりんになっているわけで、これを早く決めてあげないと、会社側の方はなかなか経営の将来像を描いて、それに向かって邁進するということがやりにくいと思うのですね。ですから、いろいろな異論、反論、御意見がお有りなことは承知しておりますけれども、早く、経営陣と社員の皆さんが将来に向かって、確信を持って経営方針を定められるようにしてあげることは、これ政治の努めだと思いますので、これを是非成立させていただきたいと思います。今日、閣議後の閣僚懇談会の場で、自見郵政改革担当大臣からも、是非これは、国民新党という立場でとおっしゃっていましたけれども、この延長国会の中で処理をしていただきたいと、処理をするように努力をしていただきたいというお話がありまして、私も基本的には同感でありました。これが一つですね。
 あとですね、余り話題になっていませんけれども、第二次の義務付け・枠付けの見直し法案というのを出しているわけです。第一次の方は、これは、昨年から継続審議になっていたものは、今国会で成立をしております。それに続いて第二弾を出しているわけですね。これは、自公政権のときの分権改革推進委員会の勧告を基にした部分がかなりありますし、それから、昨年9月に、私が総務大臣、それから内閣府の特命担当大臣に就任して新たに付け加えたものも入っているわけです。特に私が思い入れというかこだわりがありますのは、自省関係の義務付け・枠付けの見直しが、従前からほとんど手付かずだったものですから、それではいけないので、やはり総務省関係の義務付け・枠付けもちゃんとイーブンな姿勢で見直さなければいけないということで、見直し作業をやりまして、それを法案に盛り込んでいるわけです。それが一つは、地方債の第一段階の見直し、地方債関与の見直しでありまして、今までの事業1件ごとに、こと細かく関与しているというのを、通常の場合には、民間資金については、もう枠の管理にすると、一定の枠の範囲は自由に起債をして、届け出てもらえばいいというふうな自由化ですね、これを入れております。これが実現すると、自治体の事務は、繁雑な事務は相当簡素化されます。翻って、総務省や、それから都道府県の市町村担当課や、それから財務省の財務局の起債に関与している人たちの仕事も相当軽減されますので、大きな行政改革になると思います。ほかにもですね、自治体の国に対する寄付に対する関与の見直しとか入れていますので、是非これは、第二弾の義務付け・枠付けの見直し法案というのは、早く成立させていただきたいと思っております。
 あと、昨年来、本当に私を含めてですけれども、全力で取り組んできました国家公務員の給与の引下げの法案。これは公務員の皆さんにとっては、非常に面白くない法案かもしれませんけれどもね。これ国民の皆さんにとって、国家の財政危機をいささかなりともですね、いささかなりとも改善する一助になればということで、取り組んでいる法案でありますので、これを是非通していただきたい。併せて、これは担当大臣が別途おられますけれども、国家公務員の制度改革、これ一連のものでありますので、これ是非、今国会で成立をさせていただきたい。
 それから、まだ提案していないものとしてはですね、以前もちょっと触れたことがあると思いますけれども、福島県の原発被災自治体の住民の皆さんの、これからの行政サービスをちゃんと受けられるための、また、ふるさととの絆を維持していくための特例法案というものを準備しておりますので、 これをできるだけ早く国会で提案したいと思いますので、これも早急に審議をしていただいて、成立させていただきたいと思います。併せて、原発被災地の固定資産税、自動車税の課税免除などの特例法案を、今、作成中でありますので、これも地元の自治体の皆さん、それから被災された住民の皆さんにとっては非常に重要な法律になりますので、これも是非、成立をさせていただきたいと思っております。ほかにもありますけれども、かいつまんで言えばそういうところです。
(問)もう1問、地デジ完全移行まで、いよいよ残り1か月となりましたが、特にどういう点が課題だとこの段階でお考えかと意気込みを改めてお願いします。
(答)これは本当に最後の追い込みで約1月になりました。これまで決めております、最後の1月の追い込みの対応に全力を尽くすということです。併せてですね、先般も申し上げましたけれども、是非ですね、未対応の世帯、これ家庭だけではありませんけれども、未対応の世帯や、事業所においてはですね、是非、早めにと言っても、もうかなり遅いですけれども、もう1日も早くですね、所定のコールセンターなりデジサポセンターなりに連絡を取っていただきたい。1月はあっという間に経ちますから、1月経って、何も見えなくなって、大慌てをされるということではなくてですね、1日も早く連絡を取っていただいて、解決の処方箋を相談していただきたいと思います。テレビの、アナログテレビの下に字幕が流れて連絡先を常時お知らせしていると思いますから、是非、それに対してレスポンスをしていただきたい。そのことを願うばかりであります。私がちょくちょく行く、昼食に行くところなんかもですね、今だにアナログテレビで、どうなるのだろうなと思って、いささか心配しておりますけれども、意外に公的な機関などでもまだ対応していないところが散見されますので、そういうところはもちろんですけれども、各家庭におかれても是非、早め早めの対応をお願いすることが、今は一番効果的な対応策ではないかと思います。
(問)北海道新聞の中村です。先ほど、冒頭に一括交付金の話で、沖縄分は特に自由度を高めてとおっしゃっていましたけれども、これは確か、仲井眞知事が内閣府で担当している2,300億円分を一括交付金化してほしいというふうに以前、お願いしていたかと思うのですけれども、大体その線で対応するというふうに考えてよろしいのか、また、ほかの地域についても、この沖縄の事例を踏まえて、順次導入していかれるようなお考えがお有りなのかをお願いします。
(答)昨年、トータルで5,120億円の都道府県分のハード関係補助金を一括化したわけですね。その中に沖縄県分も含まれているわけで、その沖縄県分について、その他の46都道府県分よりは一層の自由度拡大を図ってほしいというのが当面の課題です。ですから、それはやっていこうと思います。もちろんですね、全国的に、これまでの各省から供出をしてもらったと言いますか、協力をしてもらった対象事業というのがありますので、これを全国的に拡大していきたいと。また各省にお願いをして、残っている補助金についても、この一括化の中に、隊列に加わってほしいという作業をこれからやりますけれども、それができれば、もちろん沖縄県に適用されますけれども、沖縄県にも対象範囲の拡大が適用されますけれども、それ以上に沖縄県分については何らかの自由度の拡大を図ってほしいということでしたので、それについてどういうことができるかということを、今、内々に検討しているわけで、それを是非、実現したいと思っています。
(問)すみません、別件なのですけれども、今回、国会70日の延長が決まりましたけれども、一部には、通年化するべきという声があって、通年化した際に、現行の不信任決議などの一事不再議原則について齟齬が出てくる可能性がありますけれども、現状も踏まえて大臣は見直しの必要性についてはどのようにお考えなのかお願いします。
(答)何の見直しですか。
(問)一事不再議原則ですね。通年化した場合とかは、若干齟齬が出てくる可能性もあるので。
(答)これはですね、別に、何かの憲法の条項に基づいて決まっていることではないのですね。一事不再議というのは慣例で出来上がっている運用上の仕組みでしょうから、それは当事者の皆さん方が国会においてですね、どういう取扱いにするのがいいのかということを相談されるのがいいと思いますけれども。そうですね、一つはですね、みだりに1回決めたものをね、1回決めたものをまた蒸し返してやり出すと、これは不信任の議決だけではなくてですね、その他の法案の処理にしてもそうなのですけれども、一旦決めたものをまた蒸し返して同じ国会の中で反対の議決をするということになると、これは安定性とか信頼性を欠きますので、やはりおのずから節度があるのだろうと思いますね。それで、今は、国も地方議会もそうです、国会も地方議会もそうですけれども、一つの会期では1回議決したものは二度と蒸し返さないという、これが一事不再議で、これはこれで合理性があると思いますね。ただ、例外的にはですね、事情変更の原則というのはあるだろうと思いますから、それをどの程度まで考えるかということですね。例えば、一つ法案を作りましたと、その後、大地震があって、先に議決をした法案をもう一回変えなければいけないなんていうことになるとですね、厳密な意味での一事不再議の否定になるかどうかということは議論があるかもしれませんけれども、同じことを2回決を採るということはあり得るのだろうと思いますから、だから、事情変更の原則というものがどこまで許容されるかという、そういう議論を検討されたらいいのではないでしょうかね。それから、もう一つは、もっとさかのぼってですね、会期制をどう考えるかということもあるのですね。例えば、地方議会のレベルで言うと、世界の多くの国、私も全部知っているわけではありませんけれども、多くの国を見ると会期がない国が多いのですよね。任期はあるけれども、会期がない。だから4年の任期で選出されたらば4年間ずっと、議会はずっと開かれているというところがあるのですね。そうなりますとね、一事不再議の原則というのは、これはあり得ないですよね。1回決めたら4年間全然変えられないということは、これはまた合理的ではありませんからね。だから、一事不再議というのは会期制といわばセットになっているわけで、会期制をやめれば、一事不再議の原則というのはおのずから消失するわけですね。そうすると、さっき言われた通年議会にした場合、通年国会にした場合はどうかと言いますとですね、会期をやめたのと似たようなものですから、通年国会というのは、そうすると、一事不再議のこれまでの会期と不即不離の、会期制と不即不離の間柄にある一事不再議というのも意義が薄れる、見直されてしかるべきと、こういうことになるのだと思いますね。
(問)京都新聞の小川です。先ほどのですね、冒頭の出先機関のやつでですね、各省からネガティブな声があるということなのですけれども、差し支えない限りでですね、具体的にどういうところについてこれはいかん、難しいというふうに言われてきているのかというのを教えてほしいのが1点と、あと、もう1点、ちょっと別なのですけれども、先日、京都府とですね、府内の全市町村が原発の対策について、国に、関電がメインだったのですけれども、国にもですね、要望をしておりまして、その中で、電源立地地域対策交付金などですね、迷惑料的なものを地元立地自治体だけではなくて、その隣接市町村にも同程度のものを出すべきだ、あるいは支援制度についても同程度のものを考えるべきだというような意見をですね、出しているのですが、その点について御意見をお聞かせください。
(答)最初の方はですね、これは、公開を前提としていない場で事務方がやりとりしていますのでね、それを報告を受けていますので、それをあからさまにするということは、ちょっと差し控えたいと思います。ちょっと役所の中での信頼感が揺らぐ可能性もありますから。総括して言いますとね、やはり、感想を言いますとね、今、当面、三つしか対象になっていませんけれども、そこを先途に、どっと、いずれ自分のところにもくるかもしれないから、今のうちにやはり反対するなり遅らせたりすることが、その人たちの理にかなっているのではないかという、対応ではないかという印象を私なりに受けているということで、それはいけませんのでね、そこはちゃんと改めるようにしてくださいということを、今日、閣僚の皆さんにお願いしたのです。
 それから、電源立地交付金についてはですね、これはよく議論したらいいと思いますけれども、いろいろな考え方があると思いますね。これまでは、例えば、そんな広範な被害、拡大しないのだという前提、その前に原子力発電所の事故は起こらないのだと。メルトダウンなんか起こらないのだという前提でしたから、その迷惑料というか、事故は起こらないのだけれども、すぐ近くにそういう潜在的には危険性をはらんだものがあるという、その程度のことの意味合いで立地した所に、ごく狭く配っていたのだろうと思いますけれども。今回、非常に広範な被害が及ぶということになったので、それなら自分のところも及ぶかもしれないから電源立地交付金をくれたらいいのではないかということかもしれませんけれどもね。それよりも、被害が、やはり出ないようにするということの方が私は重要だと思いますね。被害が出るかもしれないからくださいというのも何か変でしょう。被害が出たら困るわけですよね。だから、二度とああいう東電の福島第一原子力発電所のような事故を起こしてはいけないわけで、そちらの方に全力を注ぐということだろうと思いますね。それを前提として、今の電源立地交付金を現状のままでいいのか、それとももっと理解と協力を求めるために、もう少し範囲を拡大した方がいいのかというのは、これはもう選択の問題ですから、よく議論したらいいと思いますし、それから、主張すべきことがある地域の皆さんは主張されたらいいと思いますね。最後は政策判断ですから、そういう議論を経て決めればいいと思います。私がですね、鳥取県で知事をやっていましたけれども、鳥取県には原発はありませんでして、島根県の松江市に島根原発があるわけですね。それで、その際に考えたことは、とにかく安全対策をちゃんとやってくださいよというのを中国電力に再三申し上げました。ときどき、軽い事故などがありましたり、情報伝達に問題があったりしましてね、よく申し入れをしました。それは、第一義的には、とにかく絶対安全にしてくださいよという、万全の体制を取ってくださいよということ、情報公開を徹底してくださいよという、隠し事のないようにしてくださいよということ、一つやりました。もう一つは、当時、10キロ圏で安全対策を講じればいいということで、その10キロ圏を守るとすれば、鳥取県はかからないのです。ですから作っていませんでしたけれども、避難計画だとか安全対策というのは。それでは必ずしも十分ではないだろうということで県議会で議論をして、結局、鳥取県内の西の方ですけれども、島根県に近い方は一定の安全対策を講じると。それは防護服だとか、線量計もあったと思いますけれども、そういうものを使えるように備えておくとかですね、そんなことを、ちょっと記憶は定かではありませんけれども、そういう原子力防災計画の見直しをやったりしましたけれどもね。そんなことを一生懸命やりました。その際に、電源立地交付金を鳥取県の方にもくれとは言わなかったですね。むしろ、それよりも安全を徹底してもらいたいのと、それから、いざというときに、何かあったときに、こちら側で避難計画だとか、何とかを作って準備しておくということの方に力を入れました。だからどうだということではありませんけれども、私の経験を、少しお話をした次第です。
(問)すみません、2点、確認させてください。さっき話のあった出先機関改革なのですけれども、各省庁がかなり抵抗している、その抵抗を押し返すためにも、総理のリーダーシップと言うのですか、そこがかなり重要な部分になるのだろうと思うのですが、現実、今回の国会をめぐる一連のごたごたで菅総理の求心力がかなり低下しているというふうに言われています。それがですね、出先機関改革を進めるに当たって影響していることはないかという点が1点と、あと、国会が延長したことに関連して、先ほどもいろいろ法案のこともお話されたのですが、今国会で地方自治法改正を提案されるお考えというのは今のところどうなのでしょう、以前も何か難しいというお話をされていたと思うのですが、もう一度その辺を確認させてください。
(答)出先機関改革などを進めるにはですね、やはり政治のリーダーシップが欠かせません、これは。役所の改革ですから、お役人に任せておくと、やはり現状維持派が多いですから、圧倒的に。ですから、政治のリーダーシップがもう必然的に不可欠になります。その際、総理のリーダーシップは非常に重要な要素になりますが、これはもう総理だけではなくて、各閣僚のリーダーシップが必要になるわけですね。もっと言えば、政権与党のもともと掲げた重要政策ですから、政権与党の問題でもあるわけです。ですから、菅総理1人の問題ではないということが一つであります。もう一つは、今日、総理からも閣僚懇談会の後で特に発言があったのですけれども、70日の国会延長されたので、各閣僚は当面する課題、これは震災対応の課題が多いわけですけれども、それ以外の課題も含めて全力で当たってほしいと。いろいろ、ごたごたがあるからとはおっしゃられませんでしたけれども、いろいろなことがあるけれども、各閣僚は全力で当たってほしいと。自分もこの延長国会に臨むに当たって、もう本当に燃え尽きるまで全力でやりたいと、こうおっしゃっていました。ですから、そういう総理自身の全力で事に当たるということと、それから、私も含めた各閣僚が、それぞれの所掌の役所においてリーダーシップを発揮するということで、これは乗り切れると思います。
 それから、地方自治法の改正ですけれども、これは、さっき申しませんでしたのは、まだ法案提出のめどが必ずしも立っていませんので申し上げませんでしたけれども、これは、是非、地方自治法の改正も今国会に出したいと思っております。何回か申し上げたと思いますけれども、3月の中旬に最後の詰めを六団体とやろうということで日程調整をしていたところ、大地震が来ましたので、そこで頓挫をして、相当期間経過したわけですね。改めて知事会の方の新しい会長も決まりましたし、改めて六団体との間で調整をしながらということなのですけれども、この間、法律が改正されて、法律が成立して国と地方の協議の場ができたということが一つありますのと、それから、もう一つは、今国会で、この問題だけではないのですけれども、何度かですね、地方制度調査会はどうなっているのだという議論がやはり出ました。地方行財政検討会議という場で、この地方自治法の改正案というものを議論してきたのですけれども、地方団体側からは、地方制度調査会というのは地方自治法なんかを論ずる正規の場ではないのかという、そういうクレームも実は出てきていたのですね。それは、私もかつて地方制度調査会の副会長をやっていましたからと言うわけでもないのですけれども、それは一理あると私も常々思っておりました。そうこうしたところに、今国会で、何人かの方から、地方制度調査会についてどうするのだという話もありましてですね、この間、私も考えておりまして、それならば、地方制度調査会について、今、休眠状態になっていますけれども、立ち上げることも検討したらどうかという、そういう答弁もしてきたのですけれども、もし、地方制度調査会が立ち上がることになれば、そこで改めて一からということではないと思いますけれども、これまで検討してきた案を地方制度調査会で検討してもらうというのも、一つの選択肢ではないかと、今、思っておりまして、その辺ちょっと、今、思案中なのです。いずれにしてもですね、地方自治法の改正案というのは、出したいと思っていまして、その最後の仕上げのところ、六団体との調整でありますとか、それから、地方自治法の改正をするに当たって、国会に出すに当たっては、やはりそれなりの検証と言いますか、オーソライズとかですね、そういう作業をどういう場でやるのかということもありまして、ちょっと、今、思案投首はしていませんけれども、思案をしているところです。
(問)共同通信の今井です。原発事故の被災者への行政サービスの確保のための特例法案なのですけれども、やはりこういうことを運用ではなく、法制化する理由というのは、大臣として、この避難生活というのが相当期間長期化するのではないかという見通しを持っていらっしゃるから、こういう手当をするのでしょうか。
(答)これはですね、幾つか理由があるのですけれども、一つは、今、おっしゃった期間の問題ですけれども、これは今のところよく分かりません。先般、工程表というものを、プラントの封じ込めの工程表を作られましたよね、東電が。それが、ちょっとこう手戻りがあったりしながら、まあまあ進んでいますよね。これが本当に、工程表と大体ひょうそくが合って事態が進むのか、それとも、例えば年末ぐらいになってどういうことになっているのかというのは、今、分かりませんよね。確たることは申し上げられませんが、少なくともすべての地域が早期に帰還できるということはないと思います。すべての地域が早期に帰還できるということは、なかなか残念ながら想定しづらいのではないか。早く戻れるところももちろんあると思います。そうあってほしいと思いますけれども、例えばプラントのすぐ近くとかですね、そういうところは、なかなかそれは難しい。ですから、そういうこともよくにらんでおかなければいけないということが一つあります。それは期間の問題というのも一つないわけではありません。1番の理由はですね、今回の場合に、住民票が無くてもちゃんとした、移転先でちゃんとした行政サービスを受けられるようにしてくださいねというのは、これは恐らく綿密な運用上の取扱い、特例を各省で考えていただければできないことはないと思いますけれども、やはりそれは運用上の特例であってですね、法的な裏付けのないものですから、おのずから限度があると思います。ですから、解釈とかですね、運用上の取扱いで、幅を広げてもですね、どんなに広げてもやはり良質のゴムひもでも広げ過ぎたら切れますから、だから、おのずから限度がありますからね。そこはやはり法的な整備をしておいた方が明快だろうということがあります。それから、もう一つは、仮に住民票を出された、住民票を移転された人は、もう移転先で市民としてちゃんとした行政サービスを法律上も受けられるわけですけれども、そういう方も、元いた場所との絆をやはり何らかの形で維持しておきたい。単にふるさととかですね、元の居住地という歴史的な事実を持っておくだけではなくて、法的にも何かその絆を保っておきたいということがありまして、それは、今、ないわけですよね。しかも、元いたからといって、何かそこに何らかの形の政治参画の機会なんていうのは、一切提供されないわけですよね。だけれども、今回の場合は、飯舘の村長さんなんかが特におっしゃるのですけれども、仮に、本当は皆さん出ていってほしくないのだけれども、住民票を出してほしくないのだけれども、もし仮に出ていった方とも、ちゅうたいと言うか、絆は保っておきたい。それで、それを法的にもちゃんと保障されたようなポジションというか、そういうものを作ってほしいということがありまして、これはもう法律を作らないとできないですね。どう言うのでしょうか、名誉村民だとか、名誉町民だとか、ふるさと会員だとかね、いろいろ事実上はやっておられるところはありますけれども、そういう事実上の問題ではなくて、法的に、何か、何らかの確証が得られるものがやはりほしいと。最初は二重市民権という話を言われていましたけれども、それは選挙権も含めて二重というわけにはいきませんので、それこそ補正予算ではないのですけれども、1.5次市民権のような形で法的に担保できるような仕組みができないかということもありまして、これはもう、これが最大の理由ですね。これは法律を作らないとできませんのでね。それで、できれば、仮に住所を移された方であっても、飯舘なら飯舘の準村民として、何らかの、議会ではない形の、何らかの政治参画機会が与えられるとかね。そんなことができないかなということを、今、考えているわけです。でも、基本は、基本はやはり、もう双葉郡の町村長さんも、飯舘の村長さんも、それから、南相馬市、田村市、川俣町の皆さんも、もう帰れるまではやはり住民票は置いておいてもらいたいというのが基本なのですね。だから、基本は、そういう住民票を移さないでも、外に出てちゃんと市民サービスが受けられる、しかも肩身が狭くなく、仮に長期間になっても市民サービスがちゃんと受けられるという、これを確保したいということです。
(問)よろしいでしょうか。では、どうもありがとうございます。
(答)いいですか。はい。

(以上)