片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年6月3日

(平成23年6月3日(金) 10:35~10:57  於:官邸)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、朝から幾つか会議があって、さっきまで閣議がありましたけれども、総務省の関係では、国家公務員の給与の引下げについて、今日、閣議決定を行いました。併せて関係の必要な法案について、閣議で決定をしました。
 それから、関連する事項で、国家公務員の労働基本権回復の問題で、これは中野担当大臣の方が所管されておりますけれども、関係閣僚会議で方針を決めて、必要な法案を閣議で決定をいたしました。
 それから、来年度の国家公務員の採用について、もうこれから採用試験がどんどん始まって、それぞれI種、II種、III種と採用の手続をやっていきますけれども、昨年度と言いますか、今年度ですけれども、23年度と同様に厳しい抑制基調で臨みたいということを、今日、閣議後の閣僚懇談会で申し上げました。もちろん、大震災の対応で、省によっては、非常に出先機関中心に繁忙を極めているというところもありますので、その事情については、よく、これから該当の省からは話を、事情を伺いたい。その上で各省ごとの来年の採用枠というものを、調整した上で決めたいと思います。そのことについて、方針を話をして、各大臣の協力を求めました。
 それから、地方出先機関改革について、昨年、アクション・プランを12月に決めましたけれども、その後、作業を進めておりましたら、3月11日に震災があって、しばらくその作業が中断しておりましたけれども、先般来、九州広域行政機構、それから関西広域連合の関係の皆さんと、できるだけ早急にこの作業をまた立ち上げて進めていこうということにしておりますけれども。先般、九州と関西から、それぞれ三つの出先機関について、このアクション・プランにしたがって、アクション・プランのスキームにしたがって移譲を受けたいという話がありました。それは、経済産業省の経産局と、それから国土交通省の整備局と、環境省の地方環境事務所、この三つに当面、取りあえず、この三つに絞って移譲を受けたいという話がありましたので、これから、そのための作業を、アクション・プランの手順に従ってやっていこうということになりますけれども、今日はいい機会ですから、関係の、該当の大臣はもちろんですけれども、閣僚の皆さんに、出先機関改革についてこれから進めていくので協力をお願いしたいという話を申し上げました。
 おおむね、そんなところです。

2.質疑応答

(問)幹事社から、昨日の不信任案の否決について。昨日、本会議の採決直前に総理が退任の意向を表明されたこともあって、大差で不信任案が否決されたのですが、まずはそれをどのように受け止めているか、御所見をお願いします。
(答)私は、この会見の場でも以前申し上げたことがあるかと思うのですけれども、同じ党内のことですから、仮にごたごたとかですね、異論、反論いろいろな意見の食い違いがあったとしても、それはあるのは当然なのですね、政治家の集まりですから。それは、いろいろな、場合によっては対立とかですね、意見の違いとか、党の運営の在り方についての見解の相違とか、マニフェストとか、政権運営とか、あると思いますけれどもね。同じ党ですから、まずはよく話し合っていただくことが必要なのではないかということをかねがね思っていましたし、以前もお話ししたことがあると思いますけれども。そういう意味で言うと、総理と鳩山前総理が話し合いをされたとかね、裏でもいろいろ、水面下でいろいろな動きがあったようですけれども。それから、与党の国民新党の代表も一定の役割を果たされたとか、いろいろなことで、今回話し合いが行われたというのはよかったと思います。その結果、ああいう形になったのだろうと思います。今後は、もう是非ですね、雨降って地固まるではありませんけれどもね、これを機に、また党の結束力というものを強めて、政権運営に与党として御協力を頂ければと思っております。私のように閣僚を務めておりますとね、やはり政権をちゃんとこれから運営していこうと思いますとね、やはり与党の結束力とか、強い協力とか、これがもう欠かせませんのでね、それを是非お願いしたいと思います。
(問)今の質問に関連してなのですけれども、不信任案は否決したとはいえ、総理の退任時期を巡って党内の対立は依然続いていますし、野党側も、もう辞める総理の下では法案とか予算とかの審議に応じないと、一段と対決姿勢を強めていますが、必要な予算、法案が全く通らなくなると、政治空白が続くという事態も想定されるのですけれども、それを乗り越えるためには、総理や政権はどのように取り組むべきだとお考えか、お伺いします。
(答)昨日作られたのだと思いますけれども、確認文書というのがありますよね。総理も今日の閣議で、あれがすべてというのです。あれと、それから代議士会での発言がすべてなので、それに尽きるという話を、今日、されていましたけれどもね。あの確認文書に書いてあることをきちっとやることだと思います。ですから、当面、東日本大震災への対応というものを政府を挙げて、これまでやってきましたけれども、これまで以上にですね、力を尽くすということだと思います。それがもう第一ですね。これから、野党との関係とか、それから与党の内部でも多少不協和音がまだ残っていますけれどもね、そういうことを乗り越えて、大震災への復旧、復興、これにやはり全力を挙げるべきだと思います。
 今日もですね、閣議のときに総理から話がありましたけれども、国会については、是非、これは大幅な延長をしたいと。もちろん、これは所定の手続が国会でありますから、その上でということになりますけれどもね。自身としては、事実上、通年国会になることも視野に入れて、国会は大幅に延長することが必要であるということがありましたし、それを前提にして、これまで、6月22日までだったら、とても出しても通らないなと思われていたような法案とかがあるとすればね、それはもう、延長を前提に、できるだけ早く延長国会の中に出せるように、各省、もう馬力を上げて検討をして、早く出してもらいたいということがありました。併せて、補正予算についてもね、できるだけ早くその編成作業に入りたい。何が必要かということを各省それぞれよく検討してもらいたいということがありましたのでね、そういうことを一生懸命やるということで、それを政府としてはやりますし、それが国会に出た段階では、法案についても予算についても与野党を挙げてですね、被災地、被災者の皆さんに必要なことは、もう対立とか不協和音を乗り越えて、必要なものは国会で通していくという、こういうことが求められると思いますね。
(問)総理の発言によるとですね、冷温停止状態になるまでというようなお話なのですけれども、東電の工程表によると、来年、年明けぐらいまで冷温停止にはかかるということなのですが、大臣は、総理がお辞めになる時期について、いつの時点でお辞めになるべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)これは分かりません。これは、さっきも言いましたようにね、昨日の確認文書に書かれていること、それから、総理が昨日の昼の代議士会で、民主党の代議士の皆さんに発言されたこと、これがすべてだということですから、それを素直に解釈するということだと思います。それ以上のことはちょっと私にも分かりません。
(問)大臣、すみません、税と社会保障についてなのですけれども、先日、消費税10%を視野に入れた案が示されました。知事会をはじめ地方六団体は、地方の意見を取入れた上でということをかねてから要求されていたかと思うのですけれども、今後ですね、地方の意見を言える余地というかですね、調整するような考え、またそういう手法というのはあるのでしょうか。
(答)それはね、もう地方の意見をちゃんと聞いて、聞いてあげて、それで、その意見ができるだけ反映するような、そういう作業をしなければいけません。昨日、私はいい機会でしたので、集中検討会議の場でですね、そのことを強調しておきました。もともと、この社会保障と税の一体改革を検討するという構想が出たときに、地方団体側は、ちゃんと自分たちの代表も委員として入れてくれという強い要請をしたわけです。それに対しては、当面は、最初は社会保障の在り方について議論するから、その後、財源論になった段階ではね、これは非常に国と地方との関係が微妙なこともあるので、その段階で入ってもらいますげなことをね、地方側にはメッセージとして、担当大臣なりその組織からですね、伝えられていたという印象なのですね。地方側もそういうふうに理解していたわけですね。それで、社会保障の在り方について、かなり長い間、何回も議論をしてきて、それが一応、もう、まとめに入って、さあこれから財源論ということになったら、とたんに1、2回やったら店じまいというので、地方団体は、その問題について意見を述べる機会はない、なかったわけですよね。一度、何か呼ばれて、社会保障の在り方について、考え方を述べたということはあるのですけれども、そのときはですね、まだ社会保障の在り方についての場だからというので、財源論については自己抑制していたわけです。これは、私は立派な態度だったと思うのですね。もう、従来のようにこの種の話があるとすぐに地方消費税、地方消費税と言う地方団体の従来の対応からしますとね、そうではなくて、きちっと社会保障の在り方を、現場で社会保障を担っている自治体として考え方を述べたというのは、非常に私は評価しているのです。その上で、今後、引き続いて財源論になったら、では、自分たちのやはり財政の運営について、非常に、これ重要なことですから、考え方を政府に言おうと、こういう話で準備していたと思うのですけれどもね。あっという間にこう店じまいということになったので、これでは幾ら何でもね、地方の意見を聞いたことにはなりません。それで、私は昨日ですね、これで政府の、政府が主催する集中検討会議が結論を出すということだとね、一種の政府の考え方の表明になりますからね、それは幾ら何でもおかしいのではないかと。地域主権というものを標榜するこの現政権で、非常に地方にとって重要な問題について、ほとんど意見を聞くか聞かずか、財源論については何も聞かないで店じまいをしてしまうという、それで成案を出したということになると、地域主権というスローガンが名ばかりで、画に描いた餅であったり、場合によっては羊頭狗肉という、そういう批判を受けますよと。もし、私が、私は今、こういう立場ですけれども、全国知事会の一員で、かつてのように一員であったとすれば、私だったら羊頭を抱えて狗肉すら売っていないということになりますよと、こんなことでは駄目ですよと、昨日、話をしました。したがって、これはあくまでもたたき台だと。それをこれから、政治のプロセスで与党、政府の合同の検討の場、政治のプロセスでこれを更に純化、進化させていくのだということになりました。最後に総理が引き取られて、先般、知事会にも出席をして、この問題について山田会長から地方の意見をよく聞いてくれという話も承ったと、聞いたと、したがって、今後の検討の中で、地方の意見をよく聞かなければいけないということを総理もおっしゃっておられました。その上で、国と地方の協議の場というのが、先般の国会で法律が成立しましたのでね、最初のこの国と地方の協議の場において、一つは震災復興への自治体側の協力、もう一つはこの社会保障と税の一体改革について、国と地方の協議の場でこれを協議するということも、昨日決めました。恐らく、今月の10日過ぎにはそういう場が持てると思いますけれどもね。そういう中でよく地方の側の意見を汲み取る、聞いて汲み取るという、こういう姿勢と態度が必要だろうと思います。
(問)大臣、すみません。給与カットの問題で、人事院総裁が、公務員法制の点で問題があると遺憾の意を表明していますけれども、今日は、大臣、反論はされたのですか。あるいは、どう思われましたか。
(答)それは、今の現行の仕組みというのは、国家公務員の労働基本権が制約されている中で、その代償措置として人事院というものがあって、人事院の勧告があるということは、それはそのとおりなのですね。ですから、今回の給与の引下げは、そのプロセスではなくて、臨時、異例の措置として、労使が話し合って決めるという、そういう手法をとりましたのでね。人事院としてはね、遺憾であるというのは、それはそうだろうと思います。率直なお気持ちだろうと思いますね。それはもう了解の上で、承知の上で、今回は、臨時、異例として、労使で協議をしながら決めていくというプロセスをとったわけですね。これは、今日、併せて閣議決定しましたけれども、国家公務員の労働基本権の回復ということを、これからいよいよ具体的に、もう法案として決めましたから国会で議論になりますけれどもね。言わば、そこでそれが決まったら、それぞれ労使で決めることになるのですけれどもね。それを、言わば先取りした形で今回やるということですからね、人事院からそういう、遺憾の意が出てくるというのは、言わば織り込み済み、それは承知の上で、それを乗り越えてやるということであります。
(問)今日は、議論はしていない。
(答)していないです。私の方からはね、これは、朝、労働基本権の回復の関係閣僚会議の前に、給与の引下げに関連して、官房長官の部屋で関係大臣が集まったのですけれども、その中で、今回の給与の引下げの措置というのは、臨時、異例で、言わば労働基本権を回復させるということを法案として出す。それを先取りした形なので、したがって、今回の給与の引下げの法案と、それから、労働基本権の回復の関係法案というのは、言わば表裏一体のものであるので、是非、これはひょうそくを合わせて、国会への提出も同日になりますけれども、できるだけ仕上がりの方もね、一緒になるように努力をしましょうと、これは国会の取扱いになりますからね、私の方で決めるわけにはいきませんけれども、気持ちとしてはね、両方がひょうそくを合わせて成立させていただくように、私自身も中野大臣と一緒に頑張りますけれども、関係大臣もよろしくお願いしますと、今日、申し上げたというのも、そういう背景があるからです。
(問)大臣、先ほどですね、鈴木克昌副大臣が総理の慰留を受けて辞表を撤回されました。辞表を提出された5人のうち、内山大臣政務官だけですね、欠席されたかと思うのですが、まだ官邸から呼ばれていないということなのですけれども、取扱いについてどのようなお話を官邸側とされているのでしょうか。
(答)今日、鈴木副大臣が他の3人の方と一緒に官邸に呼ばれて、それで一応、官邸側で預かっていた辞表をお返しをしたと、今日、総理がおっしゃっていました。快く引き続き副大臣の仕事を勤めてもらうということになったということを、私も総理から直接伺いまして、非常によかったなと思います。鈴木さんからも先ほど電話がありまして、こういうことになったので引き続き総務副大臣として頑張りたいからよろしくお願いしますということがありまして、いや、本当に私としても助かりますということを申し上げておきました。鈴木さんも、それから、内山さんも、本当に、総務省の仕事を私などと一緒に、本当によくやっていただいていましたのでね。鈴木さんが復帰、復帰でもないのですね、従来どおり仕事をしていただくというのは大変よかったと思います。内山さんについてもね、本当に、この給与の交渉についても、実は内々又は前面に出て、この間精力的にやっていただきました。これ、本当に、私は内山さんにも感謝しています。それから、皆さん御記憶があると思いますけれども、例の年金の3号問題、これについても年金監視委員会でこの問題を取り上げて、いろいろ厚生労働省に意見を申し上げたりしたのですけれどもね、その担当は内山大臣政務官だったのです。本当によくやっていただいて、失礼ですけれども、厚生労働省の方でいささかいい加減にやっていたものをちゃんと白日の下に出して、本来のやり方に改めるという、こういうきっかけとその間の提案と、内山提案がそのままほぼ法案になるわけですから、そういう努力をしていただいたので、私としては感謝しておりますし、もう是非ですね、引き続き、この大臣政務官の仕事をやっていただきたいと思っています。今日、総理にも、党の方の事情が許せばね、是非、復帰というか、引き続きということをお願いしたいということを、今日、閣議の席で申し上げておきました。党の事情としては、欠席、欠席と言いますか、投票を棄権したということで、この取扱いは党の方でまだ決まってないそうでありまして、ほかの方もおられて。したがって、その党の方の取扱いの結果次第ですと、しばらく静観しておいてくださいということは総理からありました。私の方からは、そういう他の事情が許せば、是非、引き続き、大臣政務官としての仕事をしていただけるようにお願いをしますということを申し上げておきました。
(問)共同通信です。総理が退陣を表明しましたけれども、時期がはっきりしていないということで、菅内閣は、事実上、レームダックと呼べるような状態になっていると思うのですけれども、それで果たして政策がですね、推進できるのかどうか、その点について何かお考えがあればお聞かせください。
(答)決してレームダックになっていると思いませんね。昨日、不信任案を否決する衆議院の本会議終了後、閣議を行いました、開きました。その中で、確認事項に書いてあること、すなわち東日本大震災に対する対応をしっかりやっていくということ、これが現内閣の一番重要な目下の使命ですから、それをみんなでやっていこうということがありまして、今日の閣議でさっき御紹介しましたように、総理から国会を延長するので、必要な法案、予算案というものを早く、早期に検討して、これを成立させて、必要な施策を講じていこうということで、申し合わせというか、意思統一がありましたのでね、それに全力を注ぐというのが、私を含めた閣僚の皆さんの責務だと思いますので、何か昨日のようなことがあったので、ちょっと、こう様子を見ながら、こういう施策の、新しい施策の検討はやめておこうかとかですね、打ち出すのをちょっと控えておこうかということは、一切ありませんので、そういう心配は、私はないと思います。
(問)終わります。どうもありがとうございました。
(答)よろしいですか。はい。

(以上)