片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月24日

(平成23年5月24日(火) 8:44~8:57  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、閣議に先立ちまして、沖縄県の知事さん、それから市長会長さん、町村会長さんが来られまして、沖縄振興に関する会議が開かれました。沖縄の知事さんから、幾つかの要望、指摘がありまして、特に私の印象に残った項目と言いますか、私の仕事に関係する分野で言いますと、今年度から始まりました一括交付金について、知事の方からは、もっと自由度を更に高めてもらいたいという要請がありました。それから、出先機関改革について、沖縄総合事務局ですけれども、これについて、昨年の地方出先機関改革のアクションプランに賛同するので、これを進めてもらいたいということがありました。
 あと、閣議がありまして、私の方から、国家公務員の給与の引下げについての組合側との交渉経過について、途中段階でありますけれども、一応、昨日、連合系の国家公務員の職員団体の代表との間で合意ができましたので、その旨、中間報告を今日、閣僚の皆さん、総理にしておきました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から2問お願いします。昨日の社会保障改革に関する集中検討会議で、大臣、意見表明をされまして、地方単独事業も改革の検討対象に含めるべきだという主張をされたかと思うのですが、それに対して、委員の中から全国一律の政策に議論の対象を限るべきだという意見も一部あったと聞いていますけれども、単独事業を盛り込むべきだという必要性を改めて伺いたいのと、検討対象になるかどうか見通しはどういう感じに受け止めていらっしゃるか、お願いします。
(答)国の方でこの政策論議とか、それに伴う財源の論議をするとき、どうしてもですね、自分たちがかかわっている、直接かかわっている、金を出しているというそういう分野に、往々にして限られるのですね。それは致し方ない面もあるのですけれども、しかし、この社会保障制度の改革の目的は何だろうかと言いますと、それは、住民の皆さん、国民の皆さんにとって質の高い、そして効率性のいい、そして持続可能的である仕組みをどうやって作っていくのかということなのですね。あくまでも国民の視点でなければいけない。国民の視点から見るとですね、国が携わっている社会保障のサービスに限られないわけで、自治体が地方単独事業という形でやっている各種の施策も含めて、国民は日々、福祉サービスを受けているわけですね。そうすると、そういう単独事業も含めた全体像が議論されて、それに対して、ちゃんと持続可能的に財源が、見通しが立ちますねということでなければならないと思うのです。ですから、だれの視点に立つかということで、国民の視点に立つのであれば、全体像を把握して提示しなければいけない。国の立場、厚生労働省だけの立場とかですね、特に、それから財政当局だけの立場に立てばね、地方が独自にやっているものは関係ないという話になるのですけれどもね。どちらの立場に立つのでしょうかということで、それは明らかに国民のための制度改革なのだから、その視点に立てば、全体像を把握して提示すべきではないかということを申し上げたわけです。一部に、それをやり出すと、なかなか把握が困難で、きりがないというような発言もあったと思いますけれども、もう一つの論点で私が申し上げたのは、全国一律の非常に細かいことまで全部国が決めるという仕組みは改善した方がいいということを申し上げました。それは自治体ごとにいろいろな事情が違って、いろいろな創意工夫をやっているわけで、そういう創意工夫の余地、改善の余地がやはり現場にないと、携わるスタッフたちも、なかなか考える力を養おうということにならないのですね。やはり改善の余地があれば、どうすればもっと質がよくなるかとか、もっと効率性を高めることができるかということを考えるわけで、そのことが改善につながるわけで、いろいろな自治体での一つ一つの経験が改善につながれば、それが全国のシステムに応用できることもあるわけで、そういう柔軟で、自主性が発揮できて、改善の余地のある仕組みにしなければいけないということを申し上げたのですね。そうなるとですね、やはり全体像を提示しなければいけないということに、勢いなるわけなのです。国庫補助金の付いたものだけを議論しましょうというと、もう改善、工夫の余地が無いわけで、ということを、そんな議論をしました。
 あとは、国民健康保険の持続可能性ということが非常に危惧されています。私も危惧しています。問題は二つあって、国民健康保険ができてから、今日までの間に、随分国民健康保険をめぐる状況が変わってきました。例えば、加入者が非常に高齢化してきているとかですね、無職の方とか、要するに所得の無い方の割合が非常に増えているとかですね、非正規の方が非常に増えているとかですね。ですから、国保の持続可能性については、不利な条件がどんどん重なってきているわけです。そうすると、今までとは違った、今までもだんだん改善してきていますけれどもね、今までとは違った国と自治体との役割分担というものをやはり考えなければいけないということが一つと。もう一つは、国民健康保険は市町村を単位にやっていますけれども、保険の単位としては、市町村はやはり小さい。指定都市みたいなところは別にしましてね、多くの自治体では保険の単位としては小さい。やはりもっと広域化すべきで、それならば、都道府県単位がいいのではないかというのが私の持論でありまして、そのことを申し上げておきました。これは別に、全国知事会とそういうことで協議をして合意に達したということではありません、現段階では。私の個人的な現場での経験も踏まえて、そういう方向がいいだろうということで、昨日、提言を申し上げておきました。次回以降また、議論が進められますのでね、今申し上げたようなことを基調に、私もそういうスタンスで臨みたいと思っています。いろいろ異論とか、別の考え方も出てくるでしょうけれども、そこはよく議論をしたいと思っています。
(問)もう一点、地デジ放送の完全移行まで残り2か月となりますけれども、対策は順調に進んでいるのかどうかと、あと、完全移行に向けての見通し、決意というものを改めて伺いたいのですが。
(答)この間ずっと努力をしてきていまして、大震災がありましたので、大きな被災をされた3県についてはね、ちょっと事情が今までと違ってきましたので、これについては、しばらく延期をすると、停波を延期するという法案を出しました。他の地域については、おおむね順調ということでありまして、まだ、もちろん残っているところがありますけれどもね、これを最後の残された2か月間、最大限の努力をしたい。解決に努めたいと思っています。
(問)大臣、すみません。昨日の国家公務員の給与の引下げについてなのですけれども、組合側と、地方公務員の影響については遮断するということで、大臣からお話があったというふうに聞いております。ただ地方公務員の給与は国家公務員の給与に、こう準拠するというとですね、影響がある程度あると思うのですけれども、では具体的にどのように遮断するようなお考えがあるのか、お願いします。
(答)国家公務員の給与について、今、議論をして、交渉してきているわけですけれども、地方公務員の給与というのは国が決めるのではなくて、それぞれの自治体ごとに条例で決めるわけですね。もちろん、その決め方については、地方公務員法に基本的な考え方が書いてあって、生計費、それから他の自治体の公務員の給与の水準、それから民間給与の水準、それから国家公務員の給与の水準、これらを勘案して決めるということになっていますからね。ですから、それぞれの自治体で、今、どういう給与の水準にあるのかということを踏まえた上でよく労使で話し合って、あと、議会で議論して、条例で決めていくという、この手続きにしたがってやっていただくということです。国が一律に、国がこうしたから一律にああしろ、こうしろということをダイレクトに言うものではないということが一つですね。もう一つは、これは組合側も言っていましたし、私もそう思いますけれども、財政面で、事実上、国と同じような取扱いが行われるよう、財政面で追い込んでいくということをするとですね、結果的には、国と同じことを一律に強制したのと同じことになりますから、それはすべきではない。あくまでも自治体の自主的な取組、それは当然、それぞれの自治体の住民とか納税者の皆さんの理解と納得が得られるような、そういう処遇でなければいけませんからね。そういうことを自主的に取り組んでいくということが、これが原則であります。
(問)あと、すみません。関連してですね、国家公務員の特別職なのですけれども、自衛官を中心に防衛大臣と調整されるということでしたけれども、昨日の合意内容を基にですね、調整が進められているというふうに理解してよろしいのでしょうか。
(答)これは総理からもですね、今回の正式な組合側との協議、交渉に入る前に、総理の方から、特別職である自衛官については、よく実態も踏まえた上で、防衛大臣とよく協議してもらいたいという話が私の方に指示がありまして、それに従って、今、協議をしております。もちろん、一般職について、どういう取扱いをするかということが基本になりますけれどもね。そこに自衛官の特殊性などを加味してどうするかということを、今、最終的には調整しているところです。
(問)大臣、すみません。それに関連してですけれども、全労連系のですね、組合との交渉が、平行線が続いているわけですけれども、国会の会期末が近づくにつれてですね、交渉のデッドラインというのはどこかで考えなければいけないというふうにお考えでしょうか。また、労働基本権が認められていない中でですね、片方の組合とだけ合意があればですね、それで、人事院勧告がなくてもですね、それは引下げを行っても違法ではないという認識でいらっしゃいますでしょうか。
(答)これは、今回の給与の引下げについてはですね、従来の人事院勧告によらない異例のことということで、もう承知の上で進めてきているわけです。最終的には、これは法律で決めます。しかし、異例のことですから、さっき言いましたように異例のことですから、できるだけ、組合側、職員の皆さん、それを代表する組合側の理解と納得と協力を得られるようにするということ、これは必要だろうと思います。したがって、今日まで内々のことも含めてですね、誠実に交渉をしてきております。ですから、いついつまでにということは、今、決めておりませんけれどもね。できるだけ、理解が得られるように引き続き努力をしていきたい。ただ、いつまでもというわけにはいきませんのでね。やはり国会の会期のこともにらみながら、どこかで判断をしなければいけない時期は来ると思います。思いますけれども、現段階では、連合系の組合と一応合意ができましたので、引き続きもう一方の組合側とも、理解が得られるように交渉を進めていきたいという考えです。
(問)すみません、共同通信です。今、政府が検討している原発事故の調査委員会の話というのは、今日の閣議の中で何か出ましたでしょうか。
(答)出ました。設置するということは出ました。これは担当大臣の方に聞いていただければと思います。
(問)人選についても出ましたか。
(答)いいえ、特にそれはなかったと思います。
(問)よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。
(答)はい。

(以上)