片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月25日

(平成23年1月25日(火) 11:22~11:55  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は閣議がありまして、幾つか案件がありましたが、閣議後の閣僚懇談会で私の方から、地デジの完全実施、いよいよ半年後に期限が迫りましたので、いい機会でありますから、閣僚の皆さん方に、それぞれ自分の関与している、関係している、その庁舎等についての地デジ化を進めてもらいたい、残っているところが若干有りますから、ということと、それから、庁舎などが難視聴を起こしているというか、電波障害を起こしているという、原因者になっている面もありますので、そこのところについては、原因者としてちゃんと対応してくださいということをお願いを申し上げておきました。
 あと、閣議が終わりましてから、総理のところに関係大臣と伺って、公務員制度の問題でありますとか、それから、地域主権改革などについて若干の打ち合わせをして、それで帰ってまいったような次第であります。以上です。

2.質疑応答

(問)共同通信の藤田です。閣議の後ですね、総理と関係大臣が集まられてということなのですけれども、これは、中野公務員制度改革担当大臣、玄葉国家戦略担当大臣と、総理、片山大臣ということですか、メンバーは。
(答)官房長官がおられました。
(問)公務員制度改革についてはですね、国家公務員の総人件費2割削減という話が出たかと思うのですけれども、これは総理の方からどういう御発言があったのでしょうか。
(答)今日はですね、私が総人件費2割削減担当大臣であります。それから、国家公務員の労働基本権の問題については中野大臣が担当であります。それから、玄葉大臣は党の政調会長という立場、官房長官はいろいろ、種々取りまとめということもありますものですから、改造があって、改めてこの総人件費2割削減とか、それから、国家公務員の労働基本権の見直しの問題とかですね、そういうものをもう一回、これまでの経緯とか、当面する課題とかですね、これを再確認したということでありまして、総理の方からは、2割削減についても、労働基本権の見直しの問題についても、しっかりとこれまでの方針を進めてもらいたいという御指示がありました。
(問)昨日の施政方針演説でも述べられましたけれども、これまでの方針に沿って、しっかり進めてほしい。そういう指示だったのですね。
(答)はい。
(問)分かりました。
(問)北海道新聞の中村です。今、やはり同じく冒頭で、公務員制度改革と、あと、地域主権改革についても打ち合わせをしたということだったのですけれども、地域主権改革については、具体的にどのようなお話があったのでしょうか。
(答)これは、地域主権戦略会議が今日開かれますので、それについてこんな内容で話をしたいということを、私の方から申し上げました。
(問)すみません、ちょっと別の話なのですけれども、子ども手当について伺います。川崎市、横浜市はじめ、全国の市町村でですね、地方負担を拒否する動きが広がっています。こうした状況について、大臣はどのように受け止められておられるのか、お願いします。
(答)これは各自治体の予算の編成の仕方なのですね。それで、一部の自治体で子ども手当の財源について、国が今、予算案として国会に提出をした内容とは違った財源構成で自治体が予算を編成しようとしているという、こういうことだと思うのですね。それで、国の方の想定した財源構成とは違った予算編成をされていても、結局は、最後、歳入に穴が空きますから、各自治体で、年度中とか、年度末に、その穴の空いた部分を手当てしなければいけませんから、ですから、最初から制度が想定している財源構成にされた方がよろしかろうと思いますけれどもね、それぞれ自治体のお考えがあるのでしょうから。それからもう一つは、予算で、自治体の予算というのは、これ国も一緒ですけれども、歳入というのはちゃんと着実に見込むべきものですから、そういう、ちゃんと歳入が見込まれているかどうかということを、議会が審議の過程でチェックされるはずですから、それぞれの自治体で議会がどういうチェックをされるのかということも、これからの関心事項だと思いますね。
(問)今の時点では、国として何らかの指導をしたりとかですね、そういう考えは無いということですか。
(答)特にありません。一般論で言いますとね、なんて言うのでしょうかね。特定財源の過大見積もりというのが、無いわけでは無いのですよね。意図的であるか、意図的でないかはともかくとしてね。意図的と言うか、自覚的であるか、自覚的でないかは別にしましてね。国からこれだけ補助金が来るだろうと見込んで予算を組んでいて、結局、見込みほど来ませんでしたと。結果的に穴が空きましたと。それは、しようがないから一般財源で、最後は決算のときに一般財源と振り替えますということはよくやるのですよ。それを自覚的にやるかどうかはともかくとしてですね。歳入欠陥執行と、テクニカルタームでは言いますけれども、無いわけでは無いです。例えばですね、私はそれを知事のときにやったことはありませんけれども、例えば、年度当初に一般財源がどうしても、予算編成に十分な一般財源が無いので、直轄事業負担金を半年分しか計上しないとかですね、そういう自治体も無いわけでは無かったのですよ。年度がずっと進んでいくと、交付税の額が決まったりして、何とかかんとか賄えるなというので、9月の補正なんかで残りの半分を計上するとかですね。そういうことも無いわけでは無いので、それぞれ自治体でよく考えられたらいいと思いますけれどもね。ただね、やはり一般論と言いますかね、私も地方自治体を経営した者から言いますとね、歳入というのはちゃんと確実に見込まれるものを計上するというのが基本原則ですから、もともと、この国の予算が決まれば、児童手当分については地方費を想定した制度になっていますからね。そこまでも地方費を消してしまって国費で計上するというのは、見込みの無いものを計上したことになりますからね。予算編成の基本原則にはもとることになるということが言えると思います。そこはよく自覚された方がいいだろうと思います。それから、首長さんにはそれなりの考え方があるのでしょうけれども、議会が最後、予算を決められるわけですから、議会がどれほどの見識を示されるか。地方財政法にのっとってちゃんと予算をチェックして、本来のあるべき予算に修正なり何なりを施されるかどうかという、その辺がこれからの焦点だと思いますけれどもね。
(問)フリーの岩上です。先ほど冒頭で、公務員の総人件費の話がありました、2割削減。これまでどおりの方針を確認してしっかりと進めていこうということを、関係大臣と確認したというお話がありましたけれども、一部で、この2割削減を先延ばしするという方針であるという報道も散見されました。これはですね、どちらが正しいのか。それについて1点。それから、もう1点がですね、郵政改革法案。これ今国会で原案どおり出されると聞いておりますが、そのとおりでよろしいのかどうか。また、その成立、可決の見込みは、大臣はどのようにお考えなのか、この2点お願いしたいと思います。
(答)総人件費の話はですね、昨日、私が、ぶら下がりだったでしょうか、一部の報道の皆さんから質問を受けて、それにお答えしたことがああいう記事になったのではないかと思うのですけれどもね。総人件費を2割削減するといった場合に、幾つか要素があるわけです。それは、単価の問題と、それから、人数の問題があるわけですね。単価は、例えば何%か切り下げれば、それは、すぐ翌年度から削減効果が出てきます。それから、人数の場合はですね、何人減らすと、こう決めたときに、その分だけ、例えば退職者が出て、それですっきり減らしたことになりますというのだったら問題無いのですけれども、退職者がなかなか年度によってはそんなに出なくて、ならば生首を切ってしまってですね、それでその削減計画に合わせることができれば問題無いのですけれども、さっき言ったように、当面退職者があまり出ないので、数年経ったら退職者が出て、それに新規補充をあまりしなければ、定数削減が出ますので、そうすると、生首を切らないということになると、定数削減計画を決めたときに、やはり、多少、こう時間的には幅ができる可能性もあるのではないかということを申し上げたのですね。そのことを多分、先送りだと書かれたのだと思いますけれども、本当の意味はそういう意味です。だから、全体を先送りしようとかという意味ではなくて、生首を切れないということになると、多少、期間的には幅が出るかもしれない。一例として申し上げたのです。
(問)その総人件費2割削減の方法論として2種類あると。単価を下げるということだったらうまくいくというお話があって。
(答)2種類あるということではなくて。
(問)確実だということですか。
(答)組み合わせをどうするかということですよね。だから、要素として単価を切り下げても、例えば、単価だけで2割切り下げれば、それでできますよね。だけど、それはちょっと、幾ら何でもということもあるでしょうから、そうすると、単価で何%切り下げて、それから、定数で何%か切り下げて、単価には、給与もあれば、退職手当とか、共済の負担金とかもありますけれどもね。いずれにしても、プライスと、それから、クオンティティという、これをどういうふうに組み合わせるかということですから。量的な問題で言うと、決めたから直ちにそこでばさっと減らす、人件費を減らすことができるかどうかというのは、これは必ずしもそうはいかないケースもあると。数年掛かって、減りましたねということになるかもしれないということです。
(問)その方針は方針だけれども、効果が現れるには数年掛かると。こういうふうなまとめ方でよろしいですか。
(答)いやいや、かもしれないと。これからどういうやり方をするかというのは、これからまとめて提示しますのでね。その際に、定数でどれだけ減らせるのかなんていうのも、これから案を作るわけです。そのときに、それと、それから向こう数年間の職員の退職者の数とかをにらんでみた場合に、ひょっとしたら、そういう幅を持たせることが必要なケースも出てくるかもしれないという一般論を申し上げたわけで、今、何か案を全部固めてですね、単価何%、定数何%、そうすると何年掛かるとか、ということを決めたわけではないのです。やりようによって、そういうことも想定されますねということを申し上げたのです。それが一つ。
 それから、郵政の見直し法案というのは、これは、既にもう先の臨時国会で提出していまして、これが継続審議になっているのですね。ですから、通常国会で改めて出し直すということではありません。臨時国会に出したものがそのまま審議されると。その審議は、今度、国会の場に移りますから、私どもはできるだけ早く審議をしていただいて、できれば案のとおりに通していただきたいということで出しているわけですから、その方針で臨みます。ただ、それを審議するのは国会で、決めるのも国会ですから、どういうふうに審議になって、そのまま通していただけるのか、それとも、修正などの話が出てくるのか、これは、もう国会の審議の過程によって、過程に応じて決まってくるのだろうと思います。
(問)大臣御自身の見通しは、どういうふうに見通しを考えられていますか。
(答)とにかく、もう、私は、自見大臣が直接の担当で、私も共管と言いますか、共同で所管していますから、原案でできるだけ通していただきたいと、こう思っておりますけれども、これから国会の中でどうなるのかということですね。
(問)朝日新聞の稲垣です。国会が始まりましたけれども、この段階で、参院で野党が多数を握っている関係で、政権与党の幹部の方の、一部の方が、野党との協議の上で予算案修正を示唆するような御発言をされています。編成して間もなくの発言としては異例というか、議論もあるところだと思うのですけれども、大臣は、こういう動きがあることについて、いかがお考えでしょうか。
(答)予算案というのは政府が当面、ベストと言えるかどうか分かりませんけれどもね、これが当面よしということで出しているわけですから、できる限りこれをそのまま通していただきたいというのが、これが基本方針だろうと思いますね。ただ、国会でですね、予算以外に予算関連法案もありますので、参議院が必ずしも与党が多数を占めていませんのでね、いろいろな審議の過程で、いろいろな考え方が出てくる可能性はあります。そのときにどう対応するかというのは、それは、そのときの状況によると思いますね。予断を持って、最初から全く修正しないとか、それから、柔軟に修正しますというようなことを、最初から決めることではないと思います。できるだけ原案を通していただきたいということで、基本方針で臨んで、あと、応用問題が必要かどうかということだと思います。
(問)日経新聞の中村と言います。消費税についてお伺いします。交付税の法定率分も含めると、消費税収全体で44%ぐらいは地方に財源としてまわっていると思うのですけれども、今後消費税率の引き上げをにらんだ議論をする中で、地方への配分の在り方について何か御意見があればお願いします。
(答)これから社会保障の、まず、社会保障の在り方を議論するわけですね。その中で、どういう社会保障の将来像というのが描けるのかということが当面の課題です。その際に、社会保障のかなりの部分というのは自治体が担っていますから、国と自治体との役割分担とか、それから、費用負担の在り方とかが当然論議されるでしょうから、それに応じて消費税についての議論が始まったときに、それが反映されるべきだという話に多分なるのだろうと思いますね。だから、最初から、今の段階でどうこうということでは、私は無いのだろうと思っています。
(問)ジャーナリストの寺澤有です。昨年、厚生労働省の文書偽造事件で無罪が確定した村木厚子さんなんですけれども、昨年の27日に、不当に逮捕、起訴されて損害を受けたということで、損害賠償請求を起こしたんですね。これは国と一緒にですね、大阪地検特捜部長だった大坪弘道さんと、あと、主任検事だった前田恒彦さん、それと、取り調べを担当した国井弘樹さんという個人も訴えられているのですが、こういう国賠訴訟が起きるとですね、違法行為をした公務員個人に対しても、こういう請求がよくされるんですけれども、なかなか認められないということがあります。昨年、私が取材していた警視庁警察官に暴行を受けたという、それで訴訟になっていた事件は年末に最高裁で確定しましたけれども、東京都の責任は、損害賠償は認められましたが、警察官個人に対する損害賠償は認められませんでした。今、消費税の話も出ていましたけれども、こういう公務員がですね、違法行為を行っても、一切自分では何の責任も負わない、損害賠償責任を負わないということだと、なかなか国民の理解も得られませんし、被害者側としてもですね、なんで私に直接違法行為をした者が何の責任も負わないんだという、納得いかない面もありますし、公務員の方としてもですね、それは自分がですね、違法行為をしても役所が全部責任を取ってくれるというのであれば、モラルハザードも起きているのではないかと思うんですが、大臣はどういうお考えですか。
(答)それは、訴訟は法律に基づいて行われるものですから、法律に基づいて行われた裁判で仮にそういう結果が出れば、それはそれとして受け止めないといけないのではないですか。
(問)公務員個人が責任を負わないことについてなんですが。
(答)だからそれは、公務員個人、公務員が何でも責任を負えというわけではなくて、公務員個人が責任を負うべきケースであれば、そういうふうに判定されれば当然負うことになるでしょうし、裁判を通じてでも公務員の個人責任が追及されないということであれば、それはそれで受け止めなければいけないのではないですか。
(問)ではですね、なんでそういうふうに公務員個人が責任を負わないかということになっているかというと、一応、国家賠償法で公務員個人に、そういう故意とかですね、重大な過失があった場合は国とか地方公共団体が求償権を行使するということになっているんですよね。しかしこれは、求償権を行使しているというのはですね、私、ちょっと調べたところ1割にも満たないんですね。これはちょっと、あまりにも低すぎるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうか。
(答)それは、それぞれの任命権者が、その国賠法に照らして、そのケースが求償権を行使するケースかどうかということを見ているのでしょうから、ちょっと私がここで厚生労働省のこととかを一概に言うことは差し控えたいと思います。
(問)地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会というのが、少し前まで総務省にあったんですね。こちらのですね、その研究会のテーマの一つにですね、民間委託先が不法行為をしてしまったと。それによって、第三者に損害を与えたときにですね、国家賠償法でやはり地方公共団体も訴えられると。その場合に、この求償権を民間委託先に行使、確実にできるにはどうしたらいいかということを延々と議論してるんですね。で、自分のところの公務員に対してはですね、そういった求償権を行使しないのに、民間委託先にはどうして求償権を確実に行使できるのかということを、こちらの総務省でずっと研究されていてですね、あまりにもアンバランスではないかと思うのですが、どうなんでしょう。
(答)ちょっとよく、そこまで詳しく分かりませんけれどもね。いずれにしても、国賠法で求償権を行使するケースに該当すれば、それは自治体であっても、各省であっても、行使をされるべきでしょうね。
(問)ですから、その件数が非常に少ないのが問題ではないかと言っているんですけど。
(答)それは分かりません。件数が少ないから問題だというのは一概に言えない。個々のケースがどうだったかということなのでしょうね。
(問)例えば、この総務省の、先ほど言いましたこの研究会ですと、民間委託先は公務員ではないから、国賠法ですと、故意または重大な過失があったときに求償権を当該公務員に行使するとなっているんですが、民間委託先は公務員じゃないから、軽微な過失でも行使していいんじゃないか、みたいなことまで言ってるので、明らかにこれ、官尊民卑というか、そういう認識で、これ役所の研究をしてるんじゃないかと、私、思ったんですけど、読んでいて。それはどうでしょう。
(答)それはだから、研究会でそういう発言が出たというのは、私にはよく分かりませんから、その方に聞いてみたらいいんじゃないですか。
(問)これ、だけど、総務省でまとめているものですよ。
(答)ちょっとよく分かりませんけれどもね。一般論としてはね、公務員については国賠法でもって、その要件に該当すれば求償権を行使するということです。それから、民間の場合だったら、これは多分民事の話になるでしょうから、民事で、例えば、不法行為だとか、そういうことがあれば、民法とか、その契約に基づいて損害賠償を求めるということなのでしょうね。そういう整理をしているのではないですか。ちょっと経緯がよく分かりませんけれども。それから、厚生労働省で求償権を行使しないことに問題があるというなら、厚生労働省に聞いてみてください。ちょっと私に聞かれても分かりません。
(問)京都新聞の小川です。広域連合の関係なのですけれども、京都市がですね、昨日、権限移譲がされるのであればですね、政令市としても広域連合に参加するというような立場を表明したのですけれども、権限を移譲する側として、政令市がそういう受け皿に入ってくることについて、どのように受け止められるか、教えてください。
(答)それは、広域連合を通じて国の事務を受けたいといった場合に、それを、府で受ける。整理しますとね、事務を受けるというのは、広域連合にそのまますとんと移すということではなくて、これ分解しますとね、まず、国の事務は自治体に移すわけで、したがって、京都府なら京都府に移す、大阪府に移す。それを持ち寄って広域連合を作るという、そういうロジックになるのですよね。だから、国の事務を京都府の管轄区域、京都府の区域内で国の事務を受けるときに、府も市も受けるということは、理論的にはあまり想定されないのですよね。分けて、ある部分は府に下ろして、ある部分は市に下ろす、市と府に分けるということはあり得るかもしれませんけれどもね。その辺はどういうお考えなのでしょうかね。府も市も国の事務を分割して受けたいということなのですかね。ちょっとよく分かりませんけれどもね。府が入っておられれば、国の事務を府に下ろして、それで府が広域連合を作っているのであれば、それで問題は解決するのではないかなという気がしますけれどもね。ちょっと、個別のケースは、よく聞いてみないと分かりませんね。
(問)そうすると国としては、広域連合ですね、今、政令市が参加していないという今の現状については、特に問題も無いと。受け皿としては、府さえ入っていればですね、問題無いと。そういう立場ということでしょうか。
(答)だから、政令指定都市でなければ下ろせないと、府県では下ろせないという事務があるのかどうかですけれどもね。多分、それ、無いのではないでしょうかね。国がやっている事務を府県に移せれば、それで済むのではないでしょうかね。むしろ、私、前にも言いましたけれども、奈良県が入っていないのに、近畿圏全体のブロック機関を関西広域連合に移してくれということは、ちょっとこれは無理がありますよということを申し上げているのですね。政令市が入っていないから、何かブロック機関の移管に致命的な障害があるというのは、ちょっと今の段階で、私は想定できませんけれどもね。もし何かあったら教えていただければと思いますけれどもね。広域連合というのはですね、全く、どう言うのでしょうか。独立した機関として、国の受け皿になるということではなくて、あくまでも自治体に移管して、それをみんなで持ち寄ったものという、そういうイメージなのですよね。だから、奈良県が入っていないのに、奈良県の事務まで、奈良以外の自治体に移管する、移譲するということは、これはあり得ないわけなのですよね。兵庫の知事さんが、奈良県が入っていなくても、おれらが受けたらいいのだと言われたと聞きましたけれども、日本記者クラブで講演されたって。私、翌日行って講演したのですけれども。それならばね、兵庫県が入っていない、何か広域連合を勝手に作ってね、他の府県が。兵庫県の区域もおれたちによこせと言ったら、井戸知事も、ようござんすとは言わないでしょう。だから、そういうふうに相手の立場になってみればね、理解していただけるのではないかと思いますけれどもね。だから、是非ね、この間、橋下知事とも大阪でお会いしたのですけれども、是非、奈良県にも入っていただくようなね、そういう努力を皆さんでされたらいいのではないかと思いますけれどもね。
(問)すみません、あともう1点。全然話が変わるのですけれども、今国会にですね、地方自治法の改正を出されると思うのですけれども、改めてですね、今回改正することで、どう住民自治、変わってほしいのか。議会、首長、住民、どのように変わってほしいという思いで出されるのかということを、改めて教えてください。
(答)地方自治法の改正、幾つかポイントがありましてね。前からよく申し上げていますけれども、団体自治を強化をすることと、住民自治を強化することというのが、これが地域主権改革の二つの大きな要素なのですね。従来から進めてきているのは、もっぱら団体自治を強化するということで、これはこれで必要なことです。もう一つは、住民自治を強化するということを、私は年来考えておりまして、今、担当大臣になりましたので、これを盛り込みたいということ。今、最終的な調整をしていますけれども、それは、例えばですね、住民自治を強化するといった場合、もっと平たく言えばどういうことかと言うと、住民の皆さんのいろいろな考え方が、自治体の行政に反映しやすくするということなのですよね。団体自治の強化というのは、国から独立した自治体の権能を強くする、財源を豊かにするということですよね。住民自治の強化というのは、その国から独立して強くなる、団体の中で、そこに住民の皆さんの意向がより反映しやすくするという、そういう分野ですよね。そういう意味で言うと、議会がより機能を発揮するようにならなければいけないということがあります。昨今、議会と首長とがぎくしゃくしたりして、こんなことは想定されなかったのですけれども、議会を開かないというような首長さんも出てこられたりしたものですから、議会がちゃんと開けるようにするというような、当たり前の改正ですけれども、こんなことが一つありますよね。それからあとは、住民自治の中で、住民の皆さんの政治参画機会がもっと増えてもいい。普段は代議政治というか、間接民主制で議会が中心になって物事を決めていきますけれども、ときと場合によっては、もっと住民の皆さんの政治参画機会が増えてもいい。もちろん選挙はありますけれども、それ以外に機会があってもいいということで、一つは既存の直接請求制度がありますから、これがもう少し使い勝手がよくなる。使い勝手が悪いという面も無きにしもあらずですから、ですから、これをもうちょっと使い勝手をよくする。それは有効署名の数、大都市ではかなり、今の現行の規定というのはなかなか困難です。ですから、もう少しその基準を合理的にしたらいいのではないかと。これで住民の直接請求の機会が増えるだろうということ。それから、住民投票というのも一つの考え方で、これはごく限定的に、本当に重要な物事については、住民が直接判断をするという機会があってもいいのではないかということで、その限定される範囲はどこまでにするか、今、ちょっと研究していますけれども、例えば、夕張市の財政破綻の失敗にかんがみて、大きな箱物をつくったりする場合には、その計画段階、あるいは予算の段階、それに至るまでのどこかの段階で、住民投票で、住民の皆さんの意思を確認する。そのことによって財政破綻を防ぐというか、箱物建設なんかに住民の皆さんの合意を、ちゃんと、事実上得るという、こういうことがあってもいいのではないかという、こんなことですけれどもね。要するに、いろいろあるから一口ではまとめられませんけれども、特に私が大臣になってから付け加えたテーマとしては、住民の皆さんの政治参画機会、政治参画の機会をもう少し増やしてもいいのではないかと。それによって、住民の皆さんの意向がより反映しやすくなるということであってほしいと思っております。
(問)日本インターネット新聞社の田中龍作と申します。子ども手当のことについてお伺いいたします。子ども手当の地方負担分をめぐって、拒否したり、一旦は払うけれども後で返還請求をするという自治体が、今、幾つか出てきていますが、地方を所管する大臣としては、お考えはいかがでしょうか。
(答)先ほどお答えしたつもりだったのですけれども、中村さんの御質問に。要するに、予算編成の仕方の問題なのですね。自治体が予算を組みますから。その際に、失礼ですけれども、当てのない国費を入れ込んだ予算を組まれようとしているのではないかということですよね。ですから、これはいずれにしても、自治体の予算というのは議会で審議を経て、議会で決めますから、それぞれの自治体の議会でどういう議論がなされるのかということに、私は関心があります。
(問)重なっちゃってすみませんでした。
(答)いいえ。
(問)よろしいですかね。どうもありがとうございました。
(答)はい。

(以上)