片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月24日

(平成22年12月24日(金) 11:02~11:30  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。先ほど閣議がありまして、その後で地球温暖化問題に関する閣僚委員会がありました。
 今日、閣議では、私の内閣府の担当大臣としての管轄ですけれども、出先機関改革に関するアクション・プランというものを、今日の閣議で決定をいたしました。
 それから、これは総務省の方で調査をいたしました、国の関係の、検査検定、資格認定等に係る利用者の負担軽減に関する調査というものを行いました。これは、外郭団体と言いますか、公益法人などが行っている資格認定とか、それから、検査とか、検定とかですね、そういう業務について点検をしたわけであります。これは、またおって、詳細な調査結果というものを、まとまった段階で出しますけれども、中間的な報告をしまして、各省にそれを投げ掛けることにしました。まず、現段階でも、問題点の指摘を受けて、自主的な改革をしてもらいたいということです。どんなことかと言いますと、例えば、不要な書類を一杯要求するとか、資格試験とかですね、検査とか、認定について、不要と思われるような書類を要求するとか、それから、検査の手数料などの積算が必ずしも合理的でないとか、それから、検査とか検定の際に必要でないと思われる書類とか本とか、そういうものを抱き合わせ販売と言うのでしょうか、購入を条件とするとかですね。そういうことが見受けられますので、そういうことはもうやめてもらいたいと。自主的に、見直しをまずしてもらいたい。自主的に見直しをしていただければそれで結構だし、そうでなければ最終的な調査結果の際に取りまとめをして、何らかの要請をするということになります。ということで、一般的な問題点を、整理して、指摘を今回しますので、中間的な段階で、各省でよく点検をしていただきたいということを各閣僚にお願いしておきました。事柄としては細かいことかもしれませんけれども、そういうところに国民に対して、不当な、不要な要求をするとか、負担をかけているところがありますので、それを各閣僚がよく自分の目で見て点検をしていただきたいということを要請しておきました。以上です。

2.質疑応答

(問)おはようございます。共同通信の藤田です。東京中日新聞、テレビ朝日、毎日放送、河北新報、山陽新聞とともに、2月まで幹事を務めさせていただきます。よろしくお願いします。早速なのですけれども、閣議決定されました出先機関のアクション・プランですけれども、ハローワークにつきましてですね、構造改革特区も含めて地方の提案に対して誠実に対応されるという一文が入っておりますけれども、これについての意図するところと言いますか、ねらいをまずお聞かせください。
(答)これは、前々回の地域主権戦略会議の際に、ハローワークについては、大ざっぱに言うと、当面、2、3年、国と自治体で、国と県とで共同して、利用者の便宜になるように改善を図ろうと。地域ごとによく相談をして、どういう共同の場にするのかということを検討しましょうという、そういう案を示したわけですね。それは、どういうことかと言いますと、この問題については全国一律というよりは、県によってこの問題に対する取組の、意欲の、意欲のと言うと失礼になるかもしれませんけれども、取組の意欲の濃淡がありますので、地域ごとに協力できるような仕組みを創意工夫して改善しましょうと、こういうことにしたのですね。そうしましたら、大阪の橋下知事、それから埼玉の上田知事から、例えば構造改革特区というものを利用して、例えば、一つのハローワークについて、もっと進んで、一歩踏み出して、より大幅な権限の移譲、一つのハローワークについて、より大幅な権限の移譲などが考えられないかという提案がありましたので、その提案を踏まえて、それでは特区ということも、当然、今の制度であるわけですから、申請内容によって特区もあり得ますよということを、そのことを書いたわけです。ですから、地域主権戦略会議の議論の中で、出てきた意見を、提案を、その中に反映させたということです。
(問)ハローワークの全面移管についてはですね、長期的に見て、大臣としては念頭に入っているのか、やはり困難というふうにお考えになるのか、その辺りはいかがでしょうか。
(答)私は自分で知事をやっていましたけれども、そのときに、ハローワークというのは都道府県に移管されれば、自分としては非常に都合がいいなと思っていました。それはですね、もちろん国がやっているから駄目ということではないのですけれども、例えば、私がそういう問題意識を持ったのは、障害者自立支援法ができまして、この法律自体の問題点については、いろいろな角度から指摘されていますけれども、私は障害者自立支援法の中で、二つの柱があって、一つは措置から契約へという政策の変更ですよね。もう一つは、障がい者の皆さんの就労支援というのがあるわけですよね。これは非常に重要だと思って、その就労支援というのは自治体の仕事になっていますから、これは是非進めたいということで、県でも態勢を整えたわけです。その際に、就労支援といったときにですね、本来であれば、やはりハローワークが一番就労支援の主体になるはずなのですけれども、障害者自立支援法の制度では、自治体の方に仕事の多くが来ているわけですね。それはそれでいいのです。で、いろいろなことをやるのですけれども、やはり本来の一般的な就労支援をするハローワークが県の管理下にあった方が、仕事がやりやすいなということを思ったのですね。だから、基本的には。ま、それだけではありません。あと、DV被害者の皆さんの自立支援、その中での就労支援というのも非常に重要なのですけれども、これは非常に特別な取り計らいが必要なわけですね。一般的なハローワークの窓口を訪ねて、求職、求人のマッチングをするということに、なかなかなじみがたいものがあるわけです。ですから、それも自治体でやるのが私はいいと思うのですけれども、そういう際にでも、膨大なデータベースとかですね、そういうものがハローワークにあるわけですから、そういうものを一括して利用できるようになればいいなと、そんなことを考えて、ハローワークというのは都道府県にあった方がいいと、そのときは思いました。それは今でも、その分野では思っています。ただ、この問題をですね、全面的に移管するかどうかという、この議論をしてみますとですね、やはり知事をしていたときに経験したことだけでは律しきれないものがあるという認識を、今、持っています。それは、例えば、全国的なネットワークをどうやって保障するのかということで、これは、理念的には、各都道府県が、各都道府県にハローワークを全面移管しても、都道府県が自主的、自立的にネットワークを作ればいいということになるのですけれども、それがどうやって担保されるのだろうかという問題、法的にどうやって担保されるのだろうかという問題が、現時点では、まだ、得心のいく解決策は見出していない、見つかっていないということが一つあります。もう一つは、雇用保険との関係で、職業紹介と雇用保険というのは、不即不離の関係にあって、この雇用保険を国が管理、運営しているわけです。その財政的なリスクも含めて。これを全部ハローワークの移管とともに、雇用保険を分割、移管できますかと言うと、ちょっといささか無理があるという認識を現状では持っています。もちろん事務だけを、窓口事務と言いますか、国民との接点だけを都道府県がやるということは、それは可能ですけれども、全体の制度の管理、運用、リスクの処理、これをどうしますかと言ったときに、リスクだけ国で見なさいというのは、これはいささかやはり無理があると思うのですね。では、全部を移管して、雇用保険に関して都道府県が全部リスク管理しますかというと、これは都道府県の望むところではありませんので。そんな問題がやはりあるのですね。こういう問題が全く解決できないかというと、必ずしもそうでないと思うのですけれども、現時点では、やはり双方が得心がいく解決方法が見出されていないという問題があります。そんなこともあって、もう一つは、移管するかしないかということが一番の問題では、実はこの問題ではないのですね。マスコミでは、移管するのか、しないのかということに大きく焦点が当たっていましたけれども、要は、国民の皆さん、特に該当の皆さんにとって、より満足度の高い職業紹介、求人、求職のマッチングの機能が充足されることが目的でありますから、とりあえずそのことを数年やってみようと、共同作業で。その間に、よく状況を点検して、それでもうまくいかないというのなら、次のステップを考えるということを書いているわけですし、その間に、雇用保険の問題だとか、ネットワークの問題だとかを、もっと詰めた議論をしてみてはいかがかと、こういうことであります。
(問)北海道新聞の中村です。今の出先機関に関連してですね、27日に出先機関も含めて地域主権改革の主要課題について、一定の方向を全部決められました。これら全体の決定について、大臣はどのように評価されておられるのか。また、来年からですね、具体的な実施に入っていきますけれども、そこでの課題というのはどのようにお考えなのか。そして、地方との協議がですね、地域主権戦略会議の下で、政治主導で大臣もお入りになってというようなお話を戦略会議でされていましたけれども、具体的にどのような形態で、いつぐらいからというふうな計画、御自身でお考えなのか、お願いします。
(答)一連の地域主権改革の、今日まで出来上がったことに対する感想ですけれども、私は途中から加わりまして、3か月余りこの作業をやったのですけれども、幾つか感想はありますけれども、一番大きな私の感想は、関係の閣僚の皆さんが非常に大きな役割を果たされたと思います。非常に不遜な言い方かもしれませんけれどもね。関係閣僚の皆さんが大きな力を果たされたというのは、当たり前のことですから、不遜な言い方かもしれませんけれども、本当に、該当する役所の、省の大臣は、一括交付金化にしても、それから地方出先機関改革の内容の詰めにしても、非常に強い、力強いリーダーシップを発揮されたと思います。それはですね、どういうことかと言いますと、本来ならば、本来ならばと言うか、以前ならば、もっとお役所の抵抗が激しかったと思うのです。それで、役所の中の内輪もめみたいなこととか、それから、私が音頭を取る大臣ですから、私及び私の部下の人たちの集団対該当の役所の人たちとの間に、あつれきがあったり、対立があったり、そのことが新聞紙上をにぎわすなんていうことは、多分以前だったら、当然予想されたと思うのですね。今回、恐らく皆さん方のところにですね、そういう政府内の内輪もめとかですね、各省における政務三役対官僚組織の対立なんていうのは、多分、皆無かどうか分かりませんけれども、ほとんどそういう話は伝わらなかったと思うのですね。それはどういうことかと言うと、さっき言いましたように、閣僚の皆さん、閣僚と政務三役の皆さんがきちっと役所の中を統率されたということなのですね。そのことに、私は、以前の霞が関と永田町の関係と言いますか、以前の霞が関の状況を知っている者としては、精通していた者としてはですね、非常な驚きを持っています。やはり政治主導というのは、いろいろ評価があるかもしれませんけれども、私が携わったこの分野については、非常に良質な政治主導が実現していると思いました。自分のことを言うのも何ですけれども、私もそれなりに閣僚の皆さんと打ち合わせをよくやりました。臨時国会をやっていましたので、なかなか特別に時間を取って会うということは難しかったのですけれども、たまたま予算委員会で、いつも馬淵大臣が隣でありましたし、すぐ御近所には鹿野農水大臣もおられましたし、他の関係大臣もおられましたので、そういうときに必要なことは打ち合わせをさせていただきました。その上でまた、各閣僚の皆さんは役所に戻られたときに、事務方を指導したりリードしたりするという、こういうことをされたのですね。そういう政治主導が、私は一番、今回の、ここまでこぎ着けたと私は思っているのですけれども、その成果につながったと思いますのが一つです。もう一つは、そういう、私を含めて、各閣僚の皆さん方に、菅総理が常に叱咤激励してくださったことが非常に有り難かったです。必ずしもですね、右向け右でですね、各閣僚の皆さんが事務方をリードしたというわけでもないのです。詳しく言えば、いろいろな山あり谷あり有ったのですけれどもね。そのたびに各閣僚の皆さんからも意見が出たり、それから、苦衷が多少出たり、胸のうちが出たりしましたけれどもね。そういうときに、総理が、これは内閣の非常に重要な課題なのだから、最重要の課題の一つなのだから、しっかりやってくれという檄を飛ばしていただいて、ですから、私も、関係閣僚の皆さんも、そのことによって大きな力を得たと思います。両者合わせて政治主導のたまものだと、私は思います。
 それから、二つ目はですね、一つは法案の策定とか、それから、法案を国会で審議してもらって通すという、通してもらうという作業がありますから、それに全力を挙げますけれども、並行して作業を進められることも、もちろんあるのです。いずれにしてもですね、大勢の皆さんが参加してこの作業をしますので、これから特に事務的な作業に入りますと、官僚組織をやはり駆使してやることになります。そういう中でですね、これは地域主権戦略会議で昨日もどなたかが御懸念を示されていましたけれども、またいつの間にか後退するのではないかとか、骨抜きになるのではないか、という御懸念がありましたよね。そうならないようにしなればいけない。これは、やはり政務三役、私も含めた政務三役、閣僚の皆さん方の務めだろうと思います。昨日も、仙谷官房長官が、そういう、知らない間に官僚組織の中で後退する懸念が全く無いわけではない。そこはよく注意しなければいけないと。最後はボードで決めるのだと。ボードというのは地域主権戦略会議のことでしてね、このボードで決めるのだということを、昨日、確認しましたけれどもね。そういう姿勢が必要だろうと思います。それから、そのこととも関連するのですけれども、これがきちっと国と地方との間で協議がなされて、それで、何か協議が整わないままうやむやになるということがあってはなりません。特に、例えば出先機関の権限移譲なんかになりますと、直轄事業の移譲なんかになりますと、出先と県とで協議することに、従来のやり方ですとなるのですけれども、そうなると、国の出先機関の方に必ずしも権限があるわけではありません。特に、財源の付与とかですね、財源の確保のようなことになりますと、出先機関では処理できませんので、当然、これは、協議の途中なのか、最初なのかは、これからちょっと詰めますけれども、タイミングのいいときには、きちっと中央レベルに上げてこれを協議しなければいけない。それも政治主導でやらなければいけない。そのために、地域主権戦略会議の下に、協議を整えるための仕組みを作るということにしております。これを、随時、本会議と言いますか、先ほどのボードにあげて、確認をしながら決定していくと、こういうことをしたいと思っています。ですから、地域主権戦略会議というのは、今まで大綱を作って、それから、今日一括交付金と地方出先機関の、今のところの成果をまとめましたけれども、これでお役が終わったわけではなくて、これから更にこれを進めるための牽引車にもならなければいけないということだと思います。
(問)毎日新聞の笈田です。今日、仙谷官房長官がですね、政務三役会議に事務次官と官房長が出席するようにと、訓示の中でおっしゃったということなのですけれども、その辺に関して、これまで政治主導として、当初、官僚を排除というか、事務次官会議の廃止などをやった中で、これは民主党政権の変質というか、変化とですね、事務次官を政務三役会議に出席させることそのものに関する、大臣の受け止めを。
(答)それは正確ではありません。仙谷官房長官が今日おっしゃったのは、一つは、御自身が閣議の前に各省の事務次官等を集めて訓示をしたと。要は、きちんと政務三役を補佐して、必要な情報を適時適切にあげるように、ということを訓示したということを紹介がありました。それが一つ。もう一つは、政務三役と官僚組織との間の関係として、省によっては政務三役会議に官僚を全く排除している省があると。それはそれなりの一応の見識に基づいてやっておられるのだろうけれども、官僚を排除するのではなくて、官僚を協力させる。一緒になって仕事をして、その実を上げるということの方がいいのではないか。よく検討してもらいたいと、こういうことでありまして、特定の役職を挙げて政務三役会議に加えるようにということでは無かったと、私は受け止めております。そういう意味では、総務省の場合には、政務三役会議にいろいろな官僚の人が入っていますから、仙谷官房長官が心配されていたのは、政務三役だけでやったときに、全く排除されている官僚たちは指示待ちになってしまっているきらいは無いか、よく点検してくれという話だったのですけれども、だれも官僚が入っていないから政務三役会議の結論を指示待ちということでは、当省は無いと思って聞いておりました。
(問)NHKの太田です。年が明けますと、テレビ放送の完全デジタル化まで半年余りということになります。準備が間に合うのかという心配がある中で、この残りの半年間ですね、何に力を入れて取り組もうと思われますでしょうか。国民へのメッセージも有れば、併せてお願いします。
(答)地デジへの対応は、9月の時点での調査で9割を超えたということで、ほぼ予定どおり進んでいると思います。それから、それ以後、例のエコポイントで11月末が一つの制度の変わり目でしたから、そこでテレビの購入が殺到したということも伺っておりますので、その時点で調査結果は出ていませんけれども、9月の 9割を更に超えているのだろうと思います。残された課題というのは既に整理されていまして、例えば高齢者の世帯でありますとか、所得の低い方の世帯でありますとか、それから、ビル陰とか、難視聴に属する地区とかですね、いろいろなところがありますから、それはそれぞれ対応するように手配をしているところです。それが、一つは先の臨時国会で成立した補正予算にも、必要な予算は計上しておりますし、それから、当初予算の中にも盛り込んでおりますので、当初予算も通していただくことによって、来年から用意した施策が講じられる。それから、補正予算で、これはもう通りましたので、それは既に実施に着手をしている。それぞれの残された、類型の世帯、地域に対して、計画どおりにやっていきたい、全力を尽くしたいと思っております。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。消防法の絡みなのですけれども、2013年までにガソリンスタンドの貯油施設のメンテナンス規制がありまして、それで、現在、地方都市などではガソリンスタンドが後継者不足などで廃業が進んでおりまして、更にこの規制でお金がペイできないということで、廃業した方が引きが合うという業者が多くてですね、今、ガソリンスタンド過疎地という問題が地方で大分進んでおりまして、ガソリンスタンドというのは自動車の燃料だけではなくて、農作業用の軽油ですとか、あと、暖房関連などの灯油などもありまして、かなり地方では生活インフラだというふうな認識が強いのですけれども、それで地方の生活が成り立たないということがあるのですが、その点に関して、消防法を所管している大臣としてはどういうふうにお受け止めになっていますか。
(答)ちょっと私、詳細を存じませんので、自分なりに問題の所在を把握して点検してみます。もし必要でしたら、消防庁の幹部から現状なりですね、制度なり、問題の把握なりを聞いていただければと思いますけれども。
(問)フリーランスの畠山理仁です。昨日ですね、民主党の岡田幹事長が民主党政権15か月の成果という文書を発表しました。この中で一番目に掲げられた政治主導という項目の中に、記者会見のオープン化を推進という文言がありました。確かに今年3月にですね、鳩山前首相が官邸での会見をオープンにしたりしましたけれども、菅政権になってからですね、フリーランスの記者が参加できる環境省の一般会見というのが一度も開かれなくなったりですね、首相官邸での会見のいすの数が10近く減ったりとですね、むしろ後退しているように思えるのですけれども、例えば、原口前大臣のときに行われた、各府省の記者会見のオープン化度合い調査というのを再度行って、この成果を検証するというおつもりはございませんでしょうか。もしおつもりが無いということでしたら、その理由もあわせてお答えいただければと思います。
(答)これは、それぞれのね、各省の記者クラブが主催しているところが大半だと思うのですね。中には省がやっているところも一部あると聞いていますけれどもね。それぞれ流儀も違いますから、それぞれの省において、主催者を中心にして、説明責任を果たすということがふさわしいのではないかと私は思います。あと、岡田幹事長の所見については、これは私よく分かりませんので、幹事長に直接聞かれるのがよろしいのではないかと思います。
(問)ということは、調査というのはされないということですか。
(答)特にその予定はありません。
(問)分かりました。
(問)朝日新聞の稲垣です。アクション・プランに戻るのですが、このスケジュールについて確認させてほしいのですが、平成24年通常国会に法案を提出して、平成26年度中に移管を目指すというこのスケジュール感について、大臣は、これは広域についての話だということで御説明されていますが、であるからして、すぐに受け皿、体制の整備が実現できないと。それでは、それより先に実現できなくてはならないはずの直轄道路や河川についてですね、アクション・プラン上では時期が明記されていないで、積極的に取り組んでいくという、やや抽象的表現にとどまっているのはなぜなのでしょうか。
(答)これはすぐできるからです。今回のは、広域のブロック単位で移譲するものというのを最初に書いているのですね。それから、広域単位ではなくて、今の47の都道府県のユニットでやっているもので、移譲できるものをどうするかということを、次に書いているわけです。広域のものというのは、今、一番ブロック単位での、ごっそり移管するということが、可能性があるのは九州の構想なのですね。九州広域行政機構というのを、今、構想があって、九州の知事会でありますとか議長会の皆さんが意思統一をされて、整備機構というものをつくっていきたいと。それを、九州にあるブロック単位の国の機関をごっそり移譲を受けたいと、こういう構想なのですね。その際に、既存の広域行政の仕組みである広域連合では無いやり方をしたいと、九州の皆さんはおっしゃっているのです。それは何かというと、広域連合というのは意思決定のプロセスが、やはりガバナンスとの関係で言えば必ずしも明確でないということ。それから、チェックシステムが、一応議会はありますけれども、住民の皆さんに説明責任を果たせるような、チェック機能を果たすようなものではないという、そういう認識が九州の皆さんにあって、自分たちの広域行政機構というのは、今の地方自治法の広域連合とは違った、より一体感の強いものにしたいと。ついては法的整備をしてもらたいというのがあるわけです。それで、その上で、自分たちはごっそり受けたい。そのことを考えると、これから法整備を検討して、必要な国会での手続を経てということになると、そこに書いているようなスケジュールになりますよということなのです。それが平成24年、平成26年ということなのですね。残余のものは、これ今でもできるものがありますから、事務の移譲、権限の移譲というのはできますから、それは手挙げ方式で、自分のところは、例えば鳥取県でもしあるとすれば、一級河川の何とか川の管理について移管を受けたいということで協議が始まって、そうすると、財源はどうしますか、ということになって、協議が現地で整えばいいですけれども、整わなければさっき言った地域主権戦略会議の下にできる調整の仕組みの中で解決をしていくということですから、すぐにスタートできるわけです。それから、ハローワークにしても、特区の申請というのはもうすぐにでもするという人がおられたようですけれども、そういうことをしていただければ、特区の仕組みというのは今あるわけですから、法的な仕組みが。その中で処理をしていくということだから、何も、何年にどうするこうするということをそれに書かなくてもいいということで、書いていないわけです。
(問)そうしますと、すぐにできるということは、来年からもうやれるものはやるという。
(答)やれるものはやる。
(問)この資料、当然、それは、これに含意されているということでよろしいですか。
(答)ただ、恐らくですね、例えば年が明けて1月、2月に何かまとまったから、4月から移管しますというのは、これは多分無理だろうと思いますね。予算の関係がありますから、それから人員の関係もありますから。だから、年度が開けてすぐに移管が行われるということは、これは多分、事実上、物理的に無理だろうと思いますね。ですから、通常は平成23年度から、そういう成果が出てくるということが推定されます。ひょっとしたら予算の変更なんか伴わないものがあれば、年度内にも、できるものがあるかもしれません。それは具体的に、地方からどういう手が挙がって、というその内容を見てからになると思いますね。
(問)すみません。今、平成23年度から変化が出てくると。平成24年度ですか。今、平成23年度から変化が出てくると、最後におっしゃったと思うのですけれども。
(答)ごめんなさい、平成24年度です。
(問)平成24年度から、予算。
(答)そうです。1年間、間違えていました。平成23年、年が明けてから平成23年中に、いろいろな協議が行われて、整って、それが通常のパターンで言うと平成 24年度から表れる。中には、予算とか人員の変更を伴わないようなものがあれば、それより先にあり得べしということだと思います。ごめんなさい、1年、間違えました。
(問)京都新聞の小川ですけれども、先ほどの広域連合と、広域行政機構の話の点で、大臣のお考えとして、広域連合というのはですね、やはり議会機能とかがちょっと弱いですし、その辺り、チェック機能としては、地方に任せる上ではですね、かなり難のある組織かなというふうにお思いでしょうか。
(答)広域連合というのは、それなりにワークして、機能しているのですね。例えば、消防とかごみ処理とか、そういうものはやっています、自治体が。自分たちの事務を共同で持ち寄ってやっているわけですね。主として自治事務の処理が多いと思います。その地域の事務を地域でやっていまして、通常は、県の中の一部の地域でやられているわけで、住民の目もよく届くし、市町村長さんが何人かおられて、適宜集まられてということで、そういう組合方式なのですね。今度ですね、国の出先機関をごそっと移すとなりますと、何万人の職員を雇用するわけです。任命権者になるわけです。そうすると、自分たちがどういう人の任命権の下に置かれるのかというのは、やはり公務員労働者としても非常に気になるところですよね。私は、今の広域連合が、何万人もの、今の国の地方出先機関で働いている職員を引き受けるだけの法的な、法的力量ですね、法的な力量があるかどうかと言われますとね、いささか自信を持って大丈夫だと、なかなか言いにくい面があります。やはりそこはきちんとしてあげなければいけない。先般、国家公務員の労働組合の皆さんが、代表の皆さんが私のところに来られまして、九州などを念頭に置いてのことなのですけれどもね、いろいろ問題はあるけれども、あえてこれは反対しませんと。ただ、何万人もの生身の人間が移るのだから、きちっとそれは体制を整備してもらいたいと。責任ある、ガバナンスの利いた体制にしてもらいたい。途中で構成員がけんか別れして、もうやめたとか、うちは外れたとかっていうことにならないようにしてください。それから、財源問題をきちっと処理してくださいというようなことを言いに来られました。あとは、自分たちの現場の職員の意見もちゃんと聞いてくださいよという話があったので、それはもう当然ですと。よく皆さんの意見を聞きながら、この作業を進めましょうということにしたのですけれどもね。そういう国家公務員、何万人もの職員が移るということを考えますとね、今の地方自治法の便宜的な広域連合、これ広域連合と言っても一部事務組合の延長なのですね。一部事務組合をちょっとカスタマイズしたものなのですけれども、それではやはり不十分だろうと私も思います。全くできないかというと、そんなことはありませんけれどもね。運用としてはできないことではないけれども、外部の人から見たら必ずしも担保がないと。きちっとやってくれるだけの担保が無い。それは当事者の努力とか、誠実さにかかっている面が多少あるものですから、そこのところは制度的にきちっと、途中抜けできないようにするとか、そういうことが必要なのではないかということ。あと、関西広域連合ができまして、これは大きな前進だと思って私も評価しています。この関西広域連合で引き受けたいという事務について、これから協議が恐らく始まるだろうと思います。ただ、九州で想定しているようなブロック単位のものをごっそりというのは、ちょっとなかなか難しい。それは一部の県が入っていませんから、ブロックごとに全部持って行くというわけにはいかないので、その辺が、九州との違いと言いますか、先に先行して法人組織ができていますけれども、実質的な熟度の違いがあるのかなと思っています。
(問)もし財源等もですね、移すということになれば、税金を広域連合が徴収することになるのでしょうけれども、その場合、今の広域連合の議会の組織では弱いかなというか、担保するという上では、説明責任とかですね、そういったことを考えれば、その辺りのところを、議会の機能では不安かなというような感じでしょうか。
(答)これも、多分に運用の問題でもあるのですけれどもね。例えば、全国に47の広域連合を作って、後期高齢者医療というのを処理しているわけですよね。これを聞いてみますと、例えば、議会は構成団体の議員さんが選ばれているというのはあるんですけれども、選ばれているというか、住民から選ばれるのではなくて、議会から選ばれて出てくるのですけれど、年に何回やっているのですかというと、例えば二回とか、一日を二回とかね、一回とかね。そうしますと、それが本当にチェック機能を果たしているのですかという、やはり疑問はわきますよね。それでも済む仕組みなのです、今の仕組みは。だけれど、それをきちっとやりましょうと言えば、やれないことはないけれども、それは必ずしも制度的に担保されていないという、そういうレベルの問題です。あと、広域連合が税を直接徴収するかどうかというのは、そこまで今はまだ考えていません。税源移譲するにしても、各構成県である47の都道府県の地方税が増えて、九州はそれをみんなで持ち寄ると、こういうパターンかなと思いますけれどもね。もちろん、もっともっと進んで、共同で課税事務をやるなんてことになるかもしれませんけれども、それは随分先の話だろうと思いますね。
 よろしいでしょうか。
(問)どうもありがとうございました。
(答)はい。

(以上)