片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年11月2日

(平成22年11月2日(火) 10:09~10:32  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は閣議で、11月22日に全国知事会議を首相官邸で開くことが決まりましたので、それを皆さんに御報告をしています。
 あと、閣議後の閣僚懇談会で私の方から発言をしまして、10月30日と31日に、沖縄県の名護市でAPECの一環として、電気通信・情報産業担当大臣会合を開きました。もちろん日本が主催国でありますので、私と経済産業省の松下副大臣が議長を務めました。そこでは、これからの域内、これをその会合では、単位をエコノミーと、こう言っておりますけれども、各国、各地域、エコノミーですね。各エコノミーで、ブロードバンドの情報環境を整備していこうということと、それから、それの利活用、特に、教育でありますとか、医療でありますとか、それから、防災でありますとか、そういうものを中心にして利活用を大いに進めていこうと。それを、域内と言いますか、エコノミーの成長戦略の一環に位置付けようと。そのためには、各エコノミー、各国・各地域のエコノミーがよく協力・連携を取りましょうということを申し合わせをしました。これを沖縄宣言ということで合意に達しました。あと、私は時間を見て、幾つかの国と二国間の会談を行いました。インドネシアとの間では、これから包括的に様々な協力を、この分野でやっていこうということの合意に達しましたので、その合意書に調印をしたりしました。あと、幾つかの国と二国間会談を行いました。来年はアメリカで開かれますので、アメリカの代表チームとも二国間の会談をしたところであります。それから、いい機会でありましたので、名護の、沖縄県名護市でしたけれども、会場に展示コーナーを設けまして、かなりスペースを取って展示コーナーを設けまして、そこで日本の関係企業の最先端の技術を紹介するコーナーを設けたり、沖縄にも関連の産業がありますので、現地の沖縄の企業にも出展をしていただいたりしました。各国の代表は、そういうものを見たり、それから、会合の終了後、東京に来られて、それぞれ自分の関心のある企業を訪問されたりしたところも多かったと思います。日本の企業の持っているパワー、潜在力とか、技術とか、そういうものを知っていただくいい機会になったのではないかと思います。先ほど沖縄宣言で、この分野でのインフラ整備とか利活用について、連携・協力という話をしましたけれども、最終的には日本だけではありませんけれども、先行する国、地域、エコノミーの技術、そういうものが利活用されればいいわけで、それが先方のインフラ整備とか利活用の促進につながりますし、のみならず、企業のビジネスチャンスにもなりますので、域内全体として成長戦略にも資するだろうと思います。非常に、参加した各エコノミーの代表からは高い評価を受けまして、これ手前味噌になりますけれども、主催国として非常に感謝をされましたし、それ以上に私がうれしかったのは、沖縄県の皆さんが、これは県庁とか、それから名護市もそうなのですけれども、この開催について非常に協力していただきました。その地元の皆さんのホスピタリティに対しても深い感謝、敬意が、域内各エコノミーの代表から口々に話が出ておりまして、それは私は大変うれしく思いました。併せて、沖縄のリゾートとしての魅力が、随分皆さん方には伝わったのではないかと思います。ということがありましたので、御報告をしておきます。今日、閣議終了後の懇談会では、こんなに長くは申しませんけれど、かいつまんでその会合の様子を、閣僚の皆さんに御報告申し上げたところであります。以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社の毎日新聞です。よろしくお願いします。先週の金曜日の事業仕分けでですね、交付税特会に関して、制度の抜本的見直しと、負債の在り方の、これもまた抜本的見直しと、あと、交通安全対策特別交付金勘定に関しては廃止して一般会計に統合するように。この事業仕分けの結果の受け止めと、今後の対応についてどのようにお考えでしょうか。
(答)これは、事業仕分けでいろいろな意見が出て、それを取りまとめた仕分けの結果も出ましたので、これは、まず、とりあえずは真摯に受け止めて、所管官庁としては真剣に検討したいと思います。特会の仕分けでありまして、着眼としては、例えば、特会の中に埋蔵金があるのではないかとか、それから、特会をやめて一般会計の方に合流できないのかという、そういう観点があったと思いますが、交付税特会の場合は必ずしもそういう視点からとらえても、なかなかいい成果を得られないのではないかと私は思いますけれども、その指摘の中には、耳を傾けなければいけないものが多かったと思います。例えば、交付税の透明化を図るべきだとか、それから、政策誘導的なことはやめるべきではないかとか。その他、借金も含めていささか不明朗と言いますか、明朗会計でないようなところも無いわけでは無いので、そういうところを指摘されたのだと思いますので、それを受け止めて、早急に点検作業をして回答を出したいと思います。交通安全対策特別交付金についても、指摘を受けていますので、これも関係官庁もありますけれども、よく相談をしながら対応を決めていきたいと思います。率直な感想を申しますとですね、例えば突拍子のない仕分けを頂いたとか、仕分け結果を頂いたとか、そんなことはありません。耳を傾けるべきものが多い仕分け結果だったと思います。
(問)フリーランスの上出と申します。ほかの閣僚の方とはお立場が違うかと思うのですが、民主党が企業献金の復活を決めているということで、これは民主党にとっての自殺行為ではないかと思いますが、国民からもそういう批判が出ていると思うのですが、大臣としては、この辺どう考え、また、対応の仕方があるのか、そういうことをしないような対応の仕方があるのかどうか、もし反対であれば。
(答)大臣としてということになりますとね、政治資金規正法を所管する大臣としては、特段違法なことでもありませんから、大臣として申し上げることはありません。ただ、民主党が従来主張していたこととの間の関連性とか整合性ということについては、これは民主党自体の問題として、民主党において説明責任を果たされるべき問題だと思います。政治資金規正法上の問題として取り上げるべきことはありません。
(問)すみません、北海道新聞の中村です。2点、よろしいでしょうか。まず1点目、冒頭でも知事会議が開かれるというお話がありましたけれども、今日、全国知事会が義務付け・枠付けがなかなか進まないことへの対抗策として、特区を一斉申請するということを決めます。このことへの受け止めをお願いします。
(答)義務付け・枠付けが進まないではなくて、義務付け・枠付けの見直しが進まないということですね。
(問)すみません。
(答)これは、知事会でそういうことが決められるのであれば、それを受け取ってと言いますか、よく伺って、それに対してどういう対応をするかというのは考えたいと思います。いずれにしても特区の担当でもありますので、受け止めて、よく検討したいと思います。
(問)すみません、もう1点。全然違う話なのですけれども、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土に上陸しました。このことについての受け止めと、また、政府はどのような対処をすべきだとお考えなのか、お願いいたします。
(答)菅総理が昨日の予算委員会で、大変遺憾に思うと、きっぱり言われましたけれども、私も率直なところはそういう感想であります。ほかにも幾つか感想はありますけれどもね。例えば、ロシアにはロシアなりの思惑があったのだと思いますけれども、私は今回の北方領土への立ち入りということによって、日本国内の対ロ感情というものを、かなり変えることになったのではないか。それはいい方に変わるわけはありませんから、悪い方に変えることになったのではないかと思いますので、果たしてそれがロシアにとって得策だったのかどうなのかというような感想を持っています。あとは、今後の外交の中でね、これは外交上の措置などについては、事前にぺらぺらしゃべるものではありませんから、もちろん私もその直接の省に当たっていませんからね、お話しする材料を持ち合わせておりませんけれども、これが日本の外交として、対応を誤らないように考えていくべき問題だと思います。
(問)共同通信の今井ですけれども、出先機関改革なのですが、再検討の期限が10月末だったと思いますが、何らかの上積みはあったのでしょうか。
(答)まだ全部まとまっておりませんので、ちょっと督促をしたいと思っています。今日11月2日ですけれども、土日があったこともあって、宿題の提出がまだできていないところもありますので、それを待ってから論評をしたいと思います。
(問)朝日新聞の堀口です。環境自動車税についてお尋ねしたいのですけれども、総務省としては、環境自動車税を推進していくというスタンスだと聞いているのですけれども、自動車関連団体は、かなりこれに対して反対していると。あと、考え方の内容を聞いても、環境と銘打っているけれども、実際はこれまで国税だったものを地方税にするとかですね、別に環境関連で使われるというわけでもどうもなさそうで、あと、軽自動車についてはこれまで、普通小型車よりも負担が軽かったという事情はあるのでしょうけれども、その軽自動車ユーザーにとっては増税になるのではないかとか、そういう懸念もあると思うのですけれども。あと、取得段階でやはり税金がかかっているとか、そこら辺も全体で見直さなければいけない問題ではあると思うのですけれども、環境自動車税に関しての大臣の御所見をですね。
(答)幾つかのポイントがあると思いますね。この間の税制、特に自動車の保有をめぐる税制についてはいろいろ環境の変化もあったと思います。例えば道路特定財源であったものが、道路特定財源目的税的なものを外したという。自動車重量税なんかがそうですね。それから、かねてあるのは、保有課税に対して税が輻そうしていると。自動車税と、それから、これは保有課税と言っているわけではないのですけれども、事実上保有課税的な色彩を持っている自動車重量税とですね。そういうものは整理する必要があるのではないかとか、いろいろなことがあったことに対する一つの回答案だと思います。ですから、これをこのたびの政府税制調査会に、案として、一つの案として、たたき台として出して、これに対しては、おっしゃったようにいろいろな業界とか、関係のところから、異論、反論もありますし、また、環境税制ということをめぐっては、他の役所からもいろいろな提案がなされますので、そういう中で、よく議論をして調整していけばいいと思います。一つの、自動車税を所管している、自動車に対する保有課税を所管している省庁としての、一つの見識というとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、一つの考え方を示したということでありますので、これからよく議論をしていきたいし、していただきたいと思っています。
(問)京都新聞の小川と申しますけれども、昨日、広域連合の申請がございましたけれども、特に知事会さんの方は、国の出先機関の受け皿機関となるということで、すごく鼻息が荒いですが、その辺りどのように受け止めていらっしゃるか。また、実際に受けたあと、法律上はなり得ても、実際問題としてなり得るのか、もし課題があれば教えてください。
(答)一般論としてですね、複数の都道府県、道はちょっと考えにくいから、複数の府県でですね、一つの広域協議体というか、広域連合のようなものをつくられるというのは、私はこれをポジティブに受け止めています。と言いますのは、今の政権の方針としては、道州制というものを直接正面にとらえて政策課題としないで、基礎的自治体を中心にしながら、それを補完する47のユニットの都道府県体制でやっていこうということなのですね。私もそれは、個人的にもそれが当面は正しい政策選択だと思っております。ただ、そうなると、47のユニットですから、そこを超えるような行政課題もあるわけですよね。そういうものの解決のために、広域行政体、広域連合とか、それに準ずるような協議体をつくるというのは、47のユニットで分かれていることのデメリットとか制約を、それをまた補完するという意味で有効だろうと思っていますから、今回の関西広域連合も、その一般論の中で評価をしています。そこで、それが地方出先機関改革とどう結び付くのかということになりますと、素直に結び付けられる部分と、必ずしもそうでない部分が関西の場合にはあると思います。それは例えば、一県単位で今の出先機関の業務を受けられるものは、これは今の、47のユニットで受けられるわけですよね。で、複数の県をまたがるような業務で、どうやって受けられるのかと言いますと、今回の、奈良とか三重が入っていない領域で受けられるものは、今回の広域連合がその受け皿になり得ると思います。ただ、関西全域で受け止めなければいけないというのは、そういう分野については少し領域が異なりますので、その辺は少し障害の面があるのかなと思いますので、ケースバイケースだろうと思います。しかし、少なくとも、幾つかのケースについては今回整理した広域連合体で、広域連合で受け止められますので、それは大きな前進だと思っています。
(問)具体的には、こういうケースでは、奈良、三重が外れていると難しいとか、そういうのはどうですか。
(答)例えばね、例えば、ある省のある出先機関をすっぽり全部受け止めようと。そういうことになりましたら、ちょっと無理ですよね。奈良とか三重だけのために国が別途用意しなければいけないということになりますから、そうなると、簡素化とかという面だと、なかなか難しいかもしれません。ただ、ある特定の業務で、特定の業務で、つまり1個、2個に限りませんけれどね、多くてもいいのですけれども、特定の業務で奈良、三重が無くても、その他のところで受け止められるという業務があれば、それは広域連合ですっぽり、その業務は受け入れることができる。複数の県にまたがっていても。ということだと思いますね。
(問)その辺で、各省庁にですね、その辺、できるところはやっていくようにと、今後、指示を出していくようなことはあるのでしょうか。
(答)それは、これからのことですから、アクションプランの作成に向けて、今おっしゃったようなことも念頭に入れながら、これから関係省庁と話をしていくということになると思いますけれども、まだ昨日の今日なものですから、具体的に関西広域連合に対して、これとこれとこれということの具体案はまだ持っていません。これからです。
(問)中国新聞の荒木と申します。関連で、片山さんが以前知事を務めた鳥取県も、関西の枠組みにこのたび入りまして、ただ、中国地方の一員でもあることから、地元ではなんで関西なのだろうかなというような懸念もあったりするのですけれども、前知事として、もし受け止めというか感想があればお願いします。
(答)私はですね、鳥取県の知事をやっていましたときに、鳥取県のことばかり言って恐縮ですけれども、鳥取県の置かれた地政学上とか経済的な環境から見ますと、近畿圏との関連が非常に強いのです。例えば、農産物の市場というのはおおむね近畿圏、大阪や神戸の市場ですし、それから、観光の面で言うと、関西圏からの客が一番多いわけですね。何事につけですね、経済面では関西との結び付きが非常に強いという中で、関西圏との連携というのはやはり私の時代も模索していました。だから、鳥取県がそういう関心で関西の広域連合のメンバーと言いますか、それに参画することは、それはそれで鳥取県にとっては意義があるのだろうと思います。ただ、さっきの方がおっしゃったように、国の出先機関改革との関連で広域連合というのもとらえたときには、いささかちぐはぐする面が出てくると思います。今、鳥取県は、行政、国の行政で言いますと、中国地方でまとまっていますので。ものによっては中四国でまとまっているものがあるのですけれども、農政局なんかは中四国。その他は、大体広島に拠点のある中国5県なのですね。そうしますと、その観点からは、鳥取県が関西の広域連合に入っているということは、この辺をどう整理するのかという問題が当然生じてくると思いますね。いささかこうもり的なことになってもいけませんのでね、その辺はよく整理されたらいいと思います。だから、広域連合に加わっているのは、どういう分野、どういう関心の観点からか、ということを明確にされたらいいのではないかと思います。
(問)よろしいですか。では、大臣、ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)