片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月26日

(平成22年10月26日(火) 12:44~13:15  於:会見室)

1.発言要旨

 今日は閣議の後、官邸で一つ会議がありまして、その後すぐに9時から衆議院の総務委員会がありましたので、今までありましたので、この時間になってしまいました。
 今日、閣議で補正予算を決定いたしました。幾つか総務省に関係するものがありますが、特に私の方から強調したい点がありまして、それは、地域活性化などの自治体向けの交付金というものが3,500億円、補正予算の中に盛り込まれております。そのうちの2,500億円分は、従来型というとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、従来から地域活性化ということであったものの似たようなものなのですが、ハードにもソフトにも使えると。それで、それぞれ地域で知恵を絞って活性化に取り組んでいただきたいということなのですが、それとは別に1,000億円分を、住民生活に光をそそぐ交付金という名前を付けておりますけれども、新しい試みとして、自治体が本来住民の皆さんにとって非常に重要な行政分野なのですけれども、なかなか今まで光が当たっていないという分野があります。これは、もう私も知事をやっておりましたときに力を入れたような分野なのですけれども、よその自治体を見ると必ずしも光が当たっていないなという分野がありました。是非そういう分野に改めて光を当てていただきたい。と言いますのは、住民の皆さんのニーズがいっぱいありますので、そういうものに光を当てて対応することによって、実はそこに雇用も発生するということも期待しているわけです。そういうことで、住民生活に光をそそぐ交付金という新しい枠を設けました。それは、例えばどんなことに使ってもらいたいかと言いますと、例えば、消費者相談、消費生活センターなどの経費、これには当然人件費なんかも含みます。それから、DV被害者対策。これは行政でやっている自治体もありますし、それから、鳥取県なんかは民間のNPOとか、民間のグループなどが非常に質の高い支援をやっておられますので、それを専ら支援してきたのですけれども、そういう支援に使っていただいたらいいというものです。それから、自殺予防対策でありますとか、児童虐待でありますとか、そういう、専ら立場の弱い方とか、声の小さい方々に対する行政について、これまで以上に力を是非入れていただきたい。それについて自由に使えるということです。それから、もう一つの、この1,000億円の使い道なのですけれども、もう一つのカテゴリーと言いますか、対象として、これも今まで重要だけれども、あまり光が当たっていなかったと認識しているのですけれども、例えば試験研究機関でありますとか、これは、地域の振興を図るときに、今までの公共事業とか箱物によって景気振興を図るということの陰で、少し忘れられていたような知的社会を、知に基づく地域づくりをしていただく基礎となります試験研究の分野でありますとか、自治体にはいろいろ試験研究機関がありますから、そういう分野に力を入れていただきたいとか。それから、図書館とかですね。そういうところにも使えるということで、弱者とか、声の小さい方々のための施策。それから、地域を知的に振興していこうという分野、そういうところに使えるお金を盛り込んでおります。是非自治体の方ではこれを活用していただいて、今までとは違った地域振興策とか、雇用の増に結び付けていただければと思っております。ただ、これは補正で単年度の措置ですから、線香花火みたいになってしまったら継続的な雇用に結び付きませんから、これは来年度の地方交付税の中で、そういう必要な雇用などが、自治体における雇用と言いますか、自治体におけるスタッフの充実だとか、そういうことができやすいような仕組みを交付税の中で考えていきたいと思っておりますけれども、これはまた次のステップの話で、当面はこの補正予算について盛り込んでおりますので、こういうものが盛り込まれた補正予算が、是非、一日も早く国会で成立することを願っていますし、そのために、私も閣僚の一人として努力をしたいと思っております。以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社の産経新聞の赤地と申します。幹事社から1問。人事院勧告の取扱いについてお聞きします。恐らく10月をめどとされていたのだと思うのですけど、もう今週限りという状況の中で、結論をいつまでにお出しになる考えかと、昨日、蓮舫大臣、玄葉大臣ともお会いしていたようですけれども、現在の検討状況を、併せてお聞かせ願えたら。
(答)検討状況、検討途上にあることという状態は変わっておりません。ただ、おっしゃったように、もう日限が迫ってきておりますのでね、そんなにもう余裕は無いということは、よく認識しております。ただ、成案を得るにはまだ至っていないと。今後、早急に詰めていきたいと思っております。
(問)一応めどとしては月内にもという感じなのでしょうか。
(答)というか、時期を失しないようにということです。ですから、国会のスケジュールをにらみながら、それから逆算したところがめどになるということです。
(問)北海道新聞の中村です。同じく、大臣が先日ですね、10月、今月中に再検討をお願いしたいと、各閣僚にお願いしていた指針をお出しになった、国の出先機関改革について、これは、今後どのような方針で、あの指針をもとに、どのような方針で、どういうふうに具体的に制度設計に当たられるのか。また、先日勉強会でも話題になりました一括交付金化についても、多分お尻があることなので、これもどのように制度設計に当たられるのか、お願いいたします。
(答)両方とも新しい内閣ができました後に、総理の方から閣僚の皆さん方に、私も含めた閣僚に対して、この政府の大方針を実現させるように全力を尽くすようにと、協力するようにという督励がありました。それを受けて各府省で検討してもらって、今、意見交換でありますとか、そんなことをやったり、これからやるという途上でありまして、今の段階で、具体的にどこをどうするこうするということなども含めた詳細をお示しする段階ではありません。これも、でも、一つは補助金の問題は、予算に関することですから、おのずから日限がありますし、それから、出先機関改革については、これも法律事項でありますから、当然通常国会までには目鼻を付けなければいけないということですから、そのことをにらみながら、今、内部で調整をしているという段階です。
(問)中国新聞の荒木と申します。一括交付金の関係で、関連してお伺いします。国土交通省の馬淵大臣が、社会資本整備総合交付金というのを例にですね、国交省としたら、もう一括交付金は措置済みなのだというような説明をされていますけれども、片山大臣としてはどういうふうにとらえておられますか。
(答)それは、いつごろの説明をされたのですか。
(問)先週の記者会見の場で説明されておられました。
(答)国交省は、従来からそういう考え方を持っておられる方も多いと思いますが、これは、政府の方針として、総理の所信表明にもあったと思いますけれども、府省の枠を超えて自由度の高い交付金にするということですから、国交省が進めてきた、これは大きな前進だと思いますけれどもね、国交省の中で一括化したというのは、従来に比べたら大きな前進だと思いますが、今、内閣の大方針である補助金の一括交付金化という定義には当てはまらないと思いますし、そのことは馬淵大臣にも直接お話をいたしました。
(問)時事通信の金友です。天下り問題についてなのですが、現在行われている国会審議の中でも幾つかやり取りがあったと思うのですが、改めて、大臣の天下り問題に関する所見と、あと、6月に閣議決定された退職管理基本方針に関する考え方を教えていただけますでしょうか。
(答)退職管理基本方針について、具体的にどういう部分についての考え方でしょうか。
(問)現役出向に関して、野党側からは形を変えた天下りだというような批判もありますが。
(答)天下りについては、今日も実は総務委員会で議論がありまして、私も率直なところを申し上げてきたのですけれども、それをお聞きになっていた方はちょっと重複するかもしれませんが、私は何年ぶりかでこの役所に入りまして、随分変わったなという印象を受けています。変わったなというのは、天下りというものが無いということになりましたので、政権交代後。ですから、従来のように天下り先に執着するような気風というものが、全く無くなったというわけではありませんけれども、昔に比べたら随分変わってきたなという印象です。それぞれの職員が、将来はやはり、定年になったら自分で自分の道を切り開かなければいけないという自覚が相当芽生えてきていると思います。これは、政権交代に伴う政策方針転換の大きな成果だろうと思います。ただ、そのことによって何が起きているかというと、当面は、内部が非常に膨らむという問題が出てきます。なぜならば、従来は早期退職でどこかに役所があっせんした天下りをしていた人が、それができなくなって、もちろん今年から採用人数を減らしていますから、入りの方も減らしているのですけれども、でも、出る方が止まって、入りの方を狭めても、やはり内部は膨れてきますから、その膨れたものをどうするかということが、今、各役所、これ総務省だけではなくて、各役所の大きな悩みの種だろうと思うのですね。今日もそこで、国会の議論があったのですが、これ1年や2年でそれが解消する問題でもありませんから、質問された議員は、やはり10年ぐらいのタームでものを考えて、平準化というか、正常化していくべきではないかというお話でしたけど、私も、10年がいいのかどうか分かりませんけれども、ある程度の期間は、過渡期というか暫定期間で、正常な姿に持って行く、そういう移行期間だろうと思うのですね。そのつもりで、この天下り問題というか、国家公務員の退職管理問題というのを考えたらどうかと思っております。そうなりますと、当面どうするかという問題が出てくるわけです。この膨れる組織をどうするかということで。そこで、苦肉の策として現役出向なども、そういう文脈でとらえられるのではないか。現役出向がよく、OBの天下りと何が違うのだということでありますが、それは、私は違うと思いますのは、まず、大臣というか、政務三役の管理下において行われるということで、従前のOBの場合のように、もう役所を離れて、全く人事権とか管理権が及ばないという状態ではありませんから、政務三役の管理下で行われるということ。それから、さっき言いましたように過渡期ですから、それが縄張りとして、現役出向が縄張りとして、これから未来永劫続く、だからそこを死守しようなんてことではないわけです。過渡期の、水膨れになったときの、一種の苦肉の策だと思いますから、徐々に解消していくべきものですから、その対象になった人もそういう意識でいてほしいし、そういう意識でなければいけない。併せて、災い転じて福となすということでもありませんけれども、行った人には、私は、少なくとも総務省の人で、これから現役出向が出てくれば、自分の目で独立行政法人なんかを見て、業務改善とか、それから、業務のスリム化とかできるものがきっとあるはずですから、そういうものをきちっと見て、独立行政法人の中の行政改革をやるのが、行く人の仕事だというミッションを与えようと思っておりますので、そういうプラス面での働きをしてもらいたい。こんなふうに思っています。そういうふうにとらえれば、この問題も、多少時間はかかりますけれども、いずれ解決できるめどが立つのではないかと思っています。
(問)京都新聞の小川と申します。2点、お願いします。法人税の減税に伴って、地方税もですね、大体2,400億円から3,600億円ほど減ると、そういうようなお話があったのですけれども、これまで知事をされた経験としてですね、この地方財源の死守に向けた意気込みというかですね、それをどういうふうに考えていらっしゃるのかというのが、それが1点。それともう1点ですね、そもそも不安定な法人二税を地方財源にするのはどうなのかというような、そういう議論もあると思うのですが、今後、地方税の中での法人税の扱いというのは、どういうふうにすべきなのか、何かその方向性とか、そういったものを教えてください。
(答)法人税の実効税率の引下げということで、具体的には、国税の法人税の減税ということが一つの課題になっております。これはどうなるか分かりませんけれども、これが行われるということになりますと、幾つかの影響が地方に出てきます。もちろんそれは、改正の仕方によって影響の出方も違います。単純に税率を引き下げる、今の税率を引き下げるということになりますと、地方税の方をいじらなければ、地方の法人所得課税である法人住民税とか、そういうものに関係してくる可能性があります。それから、法人税が減税されれば、交付税への跳ね返りがあります。ですから、その減収分を、これは当然国策として減税するわけですから、何らかの補てん措置が必要だろうというのは、これは従来からあることです。それから、法人税の減税をする際に、税率の引下げをする際に、例えば課税ベースを拡大して、今までよりも課税標準が増えるとか、特例が無くなるとかによって、税率は下がるけれども、課税ベースの拡大によって減収があまり出てこない、ほとんど出てこないということであれば、それは恐らく、地方税の減収とか、それから交付税への跳ね返りというのは、多分そんなに深刻ではないだろうと思いますね。ですから、法人税のいじり方いかんによると思います。もう一つはですね、国税も下げるから地方税も下げろという話は、これ国税当局はよく出てくるのですね。これはこれでかなり深刻な問題になるわけです。と言いますのは、今の国税の実効税率というのは、国の法人税と、大口で言うと、国の法人税と、都道府県の事業税でできていますから、あと、その他法人住民税になるわけですけれども、その法人事業税を下げるという話になりますと、これは地方が減収になるということももちろんありますし、その場合どうやってこれを回復するのかというと、今までの通常のやり方だと、外形標準課税の部分の割合を高めようという話になる可能性もあるわけですね。そうなると、これは端的に言うと、赤字法人課税、中小企業の赤字法人課税という話に結び付きかねないので、これはまた新たな論点を、この分野に提示することになりかねない。こんなことを私は想定、想定というか、あり得る事態の外縁だと思っていますので、できるだけ地方税への影響が少ないような、波乱を起こさないような、そういうやり方での法人税の実効税率の問題の検討を進めていただければと思っているところです。
(問)もう1点、地方税の中に不安定な法人二税が。
(答)失礼、ごめんなさい。それで、そういう国税に引きずられる、現実として国税に引きずられてきた歴史もあるわけですけれども、そういう国税に引きずられたり、それからもっと言えば、景気の変動によって、大きく税収が変動しますから、そういうものが地方税に馴染むのかというのは、これは昔からある問題なのです。本当で言えば、税体系、地方税の税体系を、望ましい税体系を考えれば、安定的であって、国の景気対策とか、国の国策からできるだけ遮断されたような、そういう税体系が望ましいと思います。もともとは、シャウプ税制のときには、市町村税は固定資産税中心にやると。現実には、固定資産税と個人住民税ですね。道府県税は、実は付加価値税を中心にやるということでスタートしたのですけれども、結果的にはそれが事業税になっていて、しかも、その事業税の課税方式が、従来ずっと所得課税できているわけです。そういう経緯があってですね、途中で外形標準課税を導入しましたけれども、今、そういう状態にありますので、本来の望ましい姿としてスタートしたときとは違うと思うのですね。だから、常に望ましいのは何かというのは念頭に置いておかなければいけないと思いますが、今、今すぐにこれをどう変えるかと。他の税制としてどういうふうに仕組むのかというはなかなか難しい問題がありますから、当面、今すぐにですね、法人所得課税をどうするというのは、これは難しいと思います。少し長期的な課題として、税制の抜本改革などがいずれあるかもしれませんから、あると思いますけれども、そのときに向けて検討しておくべき課題だろうと思います。そのときには、所得、景気の変動の影響をあまり受けない税制、国の租税政策の影響をあまり受けない税制、そういうものが望ましいと思います。
(問)朝日新聞の稲垣と申します。冒頭で大臣がおっしゃられた、補正の1,000億円のことなのですが、2点ありまして、この趣旨を含めた、この1,000億円を設けたいきさつですね。菅総理の指示、雇用をうたっている菅総理の指示によるものなのか、細かな内容については片山大臣の発想に基づくものなのか。それが1点目と、あと、様々例示されましたけれども、行政、立場の弱い人への。これ、自治体の方で自由に使途が使えるということになると、逆に言うと、これはハードにも使えるのでしょうか。となると、自治体自身のそういう縛りがないのならば、それなら自治体自身のある程度発想も求められてくると思うのですけれども、その辺のお考えというか、御意見をお伺いします。
(答)今回の補正について、どういういきさつでこれが盛り込まれたのかということでありますけれども、そもそも総理の所信をまた見ていただきたいと思うのですが、所信表明の中に幾つか、従来とは違った表現が出てきているのです。これ、私は菅内閣の一つの、らしさと言いますかね、菅内閣らしさだろうと思うのですけれども、その一つは、生産者重視から消費者の目線に立ったという表現が出てくるのです。とかく景気対策とかですね、経済振興という話になると、生産者の方に目を向けて、どうやれば生産者の活力が出るかということをやっている。それはそれで私は非常に重要だと思うのですけれども、生産と加工、消費とあって、消費の方が刺激されて、生産が誘発されるということですから、消費の方を、やはりよく、これまで以上に光を当てなければいけない。そうすると、消費の世界に目を向けてみると、いっぱい問題があるわけです。消費者相談なんかのところには、弱い立場の人なんかが、いろんな相談を寄せているわけですよね。そうだったら、そういうところに、もっと自治体に力を入れてもらいたいという発想が、そこから生まれてきたわけです。それから、もう一つ所信表明の中に、強者の論理ではなく、弱者に寄り添う政治行政。強者の論理ではなく、弱者に寄り添うという表現も出てくるのです。これも私は、非常に菅内閣らしさだと思います。もっと言えば民主党らしさと言ってもいいかもしれません。今、格差社会が進行して、声の小さい人とか、弱い立場の人が、相対的には随分増えています。やはり、そういうところに光を当てる行政でなければいけない、政治でなければいけないという。私は全く同感でありまして、そういう総理のというか、菅内閣の、これまでとはちょっとひと味違ったアクセントに呼応して、自治体として、では何ができるだろうかということを、所管大臣として考えたわけです。そうすると、私も経験がありますけれども、やはり自治体自身も声の大きい人のところにどうしても施策が偏るとか、そんなことはありがちですから、この際、声の小さい人とか、弱い立場の人とか、知的社会をつくる、それを担う人たちに光が当たる、そういう政策があってもいいのではないか。今までは、地域振興、自治体ということになると、必ずもう公共事業、箱物、単独事業という、こういう文脈でしたけれどもね、やはりちょっと違った今の民主党内閣らしさがあってもいいのではないかというのが、1,000億円ということです。これは、そういう分野であれば何に使ってもいいということですから、ハードでも構いません。ただ、そんなに巨額な金がいくわけではありませんから、私の目分量で、大体こういうものが1,000億円付くと、鳥取県で幾らかなと、大体そろばんが弾けるのですけど、そんなにハード事業がばんばんできるようなものではありません。むしろ、きめ細かいソフト事業をやりやすい仕組みになっているのではないかなと思います。ただ、ハード事業が必要だというところもあるかもしれません。例えば、図書館の増築をするとかですね。そういうのがあるかもしれないし、DV 被害者の支援、DV被害者の皆さんに対する支援の拠点を整備するとかですね。そんなことがあるかもしれませんから、それはそれぞれの自治体で、創意工夫と、できれば見識を付け加えて活用していただきたいと願っています。
(問)朝日新聞の和氣と申します。2点お願いします。今週末にAPECの情報通信大臣会合がありますが、それに向けてですね、大臣として、その課題と、これに取り組みたいと思う問題を教えてください。
(答)これ、幾つかのテーマで話し合われますけれども、私もまず、就任したばかりなものですから、各国の、同じ仕事をしている大臣方とよく連携できるような、そういう会に、まずはしたいと思っております。その中で、当然情報通信の分野でいろいろなことが話し合われると思いますから、日本の実情を話したり、海外の実情も伺ったりして、できるだけ海外の取組なんかで参考にできることは採り入れたいと思っています。
(問)日本の実例で、特にこれをというのはありますか。
(答)これは、例えばハードの整備も重要ですし、それから、いかに利活用して産業とか生活の質を高めていくのか、地域社会を高度化していくのかという、そういうことに関心がありますので、そんな観点で各国の皆さんのお話などを聞いてみたいなと思っています。
(問)もう1点なのですが、昨日、ソフトバンクの孫社長の方から、光の道についてですね、新提案が直接大臣の方に持ち込まれたと聞いているのですが、その受け止めと、今後の省内での取扱いについて教えてください。
(答)これは、昨日孫社長が来られまして、2回目ですがお会いしました。孫さんが光の道を推進する上で、こういうやり方がいいのではないかということで、こういうやり方がいいのではないかというのは、自分の提案で取り組めば、税金を投入しなくても光網が整備できるという、非常に有効ではないかという提案をされて、それに対して、関連のNTTがいささか反論されていて、それに対して再反論ということで持ってこられたのですね。私はそういう、科学的知見に基づいて政策を論ずるというのは、非常に良いことだと思うのです。今回の反論に対する反論、再反論を技術的に実証して、それが受入可能なものなのかどうか、これをよく点検して見てもらいたいと思っています。私は直ちに、それを点検して、その是非を論ずるだけの知見がありませんので、この分野については専門家に点検してもらいたい。特にNTTにはですね、当事者の可能性が高いところですから、よく点検して、またNTTの意見も出していただければ。だから、改めて、孫さん側の提案をきちんと検証できる場でありますとか、NTTのそれに対する考え方を表明できる場を用意していくのが総務省の役割かなと思っています。
(問)タスクフォースが今日も夕方ありますが、それとは別の場になりますか。
(答)いや、多分そういう場だと思います。
(問)共同通信の藤田です。人事院勧告の関係でですね、党内では、深掘りを求める議員とか、あるいは国会審議の中で出ているのですけれども、今回の人勧の、いわゆる深掘りが無ければ、民主党マニフェストの国家公務員総人件費2割削減、これはおぼつかないのではないかという指摘が出ているのですけれども、大臣御自身は、今回の人勧に対して深掘りをしなければ、2割削減というのは現実問題として難しいというお立場に立たれるのかどうか、ここを確認したいのですが。
(答)深掘りしたら2割ができる、達成できる、深掘りしなかったら2割が達成できないというような、単純な問題ではないと思います。深掘りするかしないかということ、今回の人事院勧告をどう扱うかということは、総人件費の問題に大きく関わってきます。それは確かですけれども、今回の処理だけで、何か物事が、先行きが決まるということではないと思います。何度もよく言っていますけれども、結局は、総量×単価の話ですから、総人員×単価の話ですから、今、単価の部分の、今年度の人勧の部分を議論しているわけですよね。それ以外に単価の問題であったら、例えば、通常国会に提案を政府としてはしたい、できないかと思っている労働基本権の回復の問題。それができた段階で、今度新たな労使の交渉による給与の決定ということになりますから、そういうところでどうなるのかという話もありますし、それから、退職手当だとか、各種の手当、これをどうするかというのも単価の問題ですよね。総量の問題は、私、かねがね申し上げていますように、とにかく無駄な仕事を省いて、そのことによって人員を生み出すということ。それから、補助金改革などを通じて、補助金分配業の業務の負担を減らすとか、地方移管、地方出先機関の地方移管などでスリム化ができる。いろいろなことがあるわけであります。そのほかにも、例えば退職勧奨、退職しやすいような仕組みをつくるなんていうのも検討課題になってくると思いますけれどもね。そんなことを組み合わせながら、総量×単価でその目標に近づけていくという作業だろうと思います。しかも、それは去年から起算して4年間で実現すべきということがマニフェストに書いていますから、そういう視野を持って取り組みたいと思っています。
 ほかにはいかがですか。
(問)ありがとうございます。
(答)いいですか。はい。それでは、どうも。

(以上)