岡崎内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月10日

(平成22年12月10日(金) 10:40~11:04  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 まず、12月8日に沖縄県を訪問しまして、認可外保育所、そして幼稚園及び沖縄県の県民生活センターを視察してまいりました。
 沖縄県では、歴史的な経緯がございまして、公立幼稚園の隣に小学校が併設されているということで、5歳児が1年間保育をされて、翌年小学校に入学するという、幼・小連携が大変進んでいます。その一方で、全国的に見まして、待機児童が大変多くて、そのほとんどを認可外保育所が担っているという状況でございました。
 現場の皆さんからは、こうした待機児童の解消にせよ、子ども・子育て新システムにせよ、地域の特性が活かせるような仕組みをつくってもらいたいという要望がございました。大事な視点ですから、今後の子ども・子育ての支援の仕組みをつくりますときには、こうしたことをしっかり活かして取り組んでいきたいと考えております。
 また、県民生活センターでは、相談員の方と意見交換を行いまして、大変貴重な体験についてお話をしていただきました。今後とも地方消費者行政の充実・強化に取り組んでまいりたいということを思っております。
 それから、先般、独立行政法人の事務・事業の見直しに関して閣議決定がされたところですが、国民生活センターの在り方の見直しにつきまして、消費者行政にとって大変重要な課題でございまして、その当事者たる消費者庁と国民生活センターが協力をしまして、消費者行政、その機能を強化するという観点から真摯に検討を重ねてまいりたいと思っております。
 このために、消費者庁と国民生活センターによるタクスフォースを年内に立ち上げることといたしました。タスクフォースでは、基本方針で示された考え方を踏まえまして、情報収集、そして分析、それに公表、それをしっかりと提案していく、提供していくということと、相談体制ですとか、研修、商品テストといった国民生活センターが持っている機能のそれぞれ一つ一つに対しまして、まずは消費者庁へ一元化が可能であるか、民間への移行は可能であるか、消費者庁への一元化や民間への移行が可能でないとすれば、その機能の在り方やふさわしい担い手は何か、その上で、行政刷新会議におけます独立行政法人の制度の検討の動向も見定めつつ、国民生活センターの法人としての在り方等について丁寧に検討を進めてまいりたいと思っております。
 その際、基本方針で配慮するとされております雇用問題ですけれども、私もこれは重要な課題だと認識をいたしております。
 検討に当たりましては、随時、有識者等としっかりと意見交換を行うこと、そして、また公開ヒアリングを実施するなど、広く国民の外部の皆様からの意見を伺ってまいりたいと思っております。
 議事につきましては、傍聴可能な形で検討を進めてまいりたいと思っております。
 来年夏を目途に、タスクフォースとしての最終取りまとめを行いまして、消費者庁長官、次長、そして国民生活センターの理事長陪席のもと、私たち政務二役の会議において方針を決定してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)国民生活センターは、一部事業の廃止ということも指摘されていましたが、今回の検討会では、廃止というのも念頭に置かれているのでしょうか。
 また、消費者庁にもできずに、民間にもできないものに関しては、新しい組織の立ち上げというのも念頭にあるのでしょうか。
(答)まずは、私たちが今回の検討に当たりましては、消費者庁と国民生活センターが持っております機能、ここがこれからの消費者行政において大変大事なものですから、機能を強化されるという観点からしっかりと相談をしてまいりたいと考えておりまして、廃止ありきとか、そういうことではなくて、機能充実のために、消費者行政のために、どうあるべきかという観点から一つ一つ検討してまいりたいと思っております。
 先ほど3つにまとめて、1つには消費者庁への一元化が可能なのか、民間への移行が可能なのか、その両方とも可能でない場合の新しいものに関して担い手はどうしていくのかという検討も、タスクフォースの中でお互いに意見を出し合いながら決定されていくものと考えております。
(問)検討の結果、結論として、国民生活センターの一部機能が廃止となることもあり得るのですか。
(答)検討の結果ですから、予断を持って、今、私が何かいろいろなことを申し上げるのは適切ではないかもしれませんけれども、そういうことが導き出される可能性については、今、私が事前にいろいろ言うべきではないかなと思っております。
(問)タスクフォースなのですが、人員はどのくらいになるのでしょうか。
(答)およそ10人程度です。
(問)行政刷新会議の基本方針に書かれてきた内容がどうしてああいうふうになったのかというのが、水面下の議論がすごく不透明な部分があって、内々で幹部と消費者庁の幹部が合意したという話も、あれは合意なのかと、直接相談の現行のというところがどうもみそのようなのですが、しぶしぶ認めざるを得なかったというような御発言もいろんなところで聞かれています。
 やはり、その背景からすると、消費者庁とセンターの幹部というのではなくて、やはり現場の声を吸い上げるようなものであるとか、ほかの消費者団体の意見であるとか、いろんな声が入るような検討体制が必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)第三者委員会を立ち上げて、やるべきではないかというようなお考えでしょうか。
(問)検討体制が余りに過去の不透明さから考えると、同じようなメンバーでやってしまうことはどうなのかと思います。
(答)一つ一つ大変膨大な内容であるということと、短期間、半年ぐらいの期間の間に、一つ一つについて検討していかなければいけないというところから、よく承知している、内容をよく把握している、そういう人たちの間で検討されることが大事なのではないかという、そういう議論の前提となっているところがございました。
 そして、当然一つ一つの機能について、有識者の皆さんから、あるいは、消費者目線を持っている皆さんたちから御意見を伺うという、そういうこともしていきますし、あるいは、中間整理が行われた後では、公開ヒアリングを行って、広く外部の皆さんからの声も聞いていきたいというふうな、そういう仕組みが私たちは最適ではないかと考えたところでございました。
(問)地方支援がメーン、いろんな事業を持っていますが、地方の支援は一番大きなものでやっているので、せめて地方の声が、現場の声が反映されるような仕組みは、最低限でも必要だと私は考えます。いかがでしょうか。
(答)それは有識者の皆さんの中にも、そういう方々が入って、地方消費者行政に精通されている方から、しっかりお話も伺っていくようにしていきたいと思っております。
(問)現場の相談員さんとか、現場の地方消費者行政に携わっている市町村や県の職員さんとか、そういう方々の意見はやっぱり一番重要なのではないかと思うのですが。
(答)ですから、一番最初に申し上げた、例えば、消費者庁に一元化できるのか、その次に申し上げました民間に移行が可能かというときに、地方自治体に可能かというのは、行政刷新会議のほうでもたびたび独立行政法人の在り方に関して、いろんな方法を検討するという中に、このことが含まれているというふうに私は承知しております。
(問)検討の中で、消費者庁を一元化する機能とか、民間に移行可能な機能とありますけれども、それは例えばどういうものが考えられるのでしょうか。
(答)これは、タスクフォースの中で、お互いにこの仕事はどうしていくのかという一つ一つについての検討がこれからなされていくと考えておりますが、国民生活センターが持っている重要な機能としての相談体制の問題もございますし、商品テストの問題もありますので、民間からのお話なども伺っていきながら、しかし、これまで国民生活センターが担ってきたことというのは、大変重要な課題で、そして、多くの皆さんたちにすばらしい成果を示してきた内容でございますので、そういう内容は非常に大事にして、そして検討がされていくと考えております。
 いずれにしましても、地方消費者行政、そして全国全体、国全体の消費者行政を機能強化するという観点から、お互いに協力し合って、そして一定の答えを出していくとに考えております。
(問)タスクフォースについて引き続きなんですが、先ほど大臣、メンバーのほかにも有識者を招いたり、公開ヒアリングを行うというのは、わかったんですが、基本的なメンバーは、消費者庁の方と国民生活センターの方だけということになるんですよね。
(答)基本的なタスクフォースのメンバーはそうです。
(問)それに関しては、例えば、行政刷新会議も民間の仕分け人を入れたり、あるいは、民主党政権になって、鳩山政権以来新しい公共という考えを進めていたり、そういう流れとは、ちょっと違うと思います。要するに、消費者庁と国民生活センターの方だけでメンバーを構成するということに、若干、私は違和感を覚えるんですが、ヒアリングをしても、例えば、従来から消費者行政にかかわっておられた方だけのヒアリングにならないか、幅広な本当の意味の消費者の意見を聞くようなチャンスがあるのかどうか、と思います。それについて、このメンバーを消費者庁の方と国民生活センターの方だけに限った理由について、ちょっと教えていただけませんか。
(答)先ほど、ちょっと触れましたけれども、独立行政法人の法人の在り方ということについて、検討項目が大変に膨大であるというところから、人員の配置の問題ですとか、あるいは、機能の問題ですとか、その問題についてよく知っている人たちの間で検討がされることが基本的には大事ではないか。しかし、もちろんそれだけではありませんので、有識者のほうでは、もちろん消費者団体の代表の方から、あるいは、消費者目線をしっかり持っている方から、機能ごとにどういうふうな在り方がいいのかということについては、御意見がしっかり伺える。そういう体制になっていると思います。
(問)確認をさせていただきたいのですが、現行の直接相談の廃止についてなのですが、あれについて、今の0999で直接受けることについては見直す必要があるということについては、国民生活センターもそのように受けとっているようなのですが、大臣は現行の直接相談については、現時点でどのように行政刷新会議のほうでは書かれていると御認識されているのでしょうか。
 基本方針の中で、国民生活センターの直接相談についてどこまでが決まっていると御理解されているのでしょうか。
(答)直接相談については、例えば一つは廃止の方向となっていましたよね。
 現行の直接相談については廃止すると書いてありまして、それ以外の土曜日、日曜日、祝日相談とか、経由相談については、法人の在り方を検討する中で、法人の事業としての廃止を含めて検討を行って、平成23年夏まで結論を得るとなっております。
(問)ということは、直接相談の廃止については検討していくのは係るのでしょうか。廃止を検討するのでしょうか。廃止は決まっているのでしょうか。
 それとも現行のというのは、どういう意味でしょうか。
(答)今の国民生活センターのセンサー機能については、必ずしも現行の直接相談がなければ維持できないとは考えていないということでございます。
(問)センサー機能、直接消費者の声を聞いてあっせんをしたりすることが、それがないと経由相談もできないとか、そういう過去の歴史もあって、一応、1回廃止になったものが復活しているところがありまして、その辺の必要性については、中で皆さん理解はされていて、別の方向で検討が進むというふうにも聞いているのですが、それについてはどうでしょうか。
(答)そういう可能性を私はしっかりあると思っております。
 つまり、どういう在り方がいいのかということについて、国民生活センターのほうから問題提起があって、それをどうしていくのかということについて、当然、相談をされるものだと思っております。
(問)国民生活センターの話ではなくて、民主党の話なんですが、予算づくりが大詰めになるところで、小沢一郎議員の政治倫理審査会出席問題をめぐって、事実上、党内抗争の様相を呈しています。今の党内の現況を大臣がどう見ておられるか御意見を伺いたいのですが。
(答)今は国民の生活が第一ということで、経済の情勢が大変厳しい、それぞれの個人の生活が厳しいという情勢がございます。事に、仕事を求めている若い人たちですとか、仕事を失ってしまっている人たちの失業者の問題なども考えますと、雇用ということに重点を置いて、政策をどうしていくのかということについて、私たちは答えを出していかなければならない大変重要なときだと思っておりまして、ニュースでそうしたことについて知ることになりましたけれども、大変心配をいたしております。
 とにかく党が一致結束して、国民の生活にこたえるというような政策を提示して、そして、税の問題にしましても、社会保障の問題につきましても、予算をしっかりと計上されたものができ上がっていく、という時期ではないか、ここに集中してほしいという気持ちでいっぱいでございます。
(問)というのは、今、やっている党内抗争の激化というのは、極めて憂慮されていて、基本的にはやめてほしいというお考えですか。
(答)そうですね。私は、今は国民生活にどうこたえるのかということに、与党も政府も一体として取り組んでいくべきだと、そういう時期だと思っております。
(問)国家公安委員長としての質問なんですが、昨日、例の警視庁外事三課のものと言われているテロ対策情報の流出問題で、個人情報が流れたイスラム教の人たちを中心に6人の方が東京地検に告訴状を提出されました。警察内部の捜査では、やはり非常に問題が多いのではないかということだと思うんですけれども、それと同時に、岡崎大臣に対して、情報流出の責任を認めて、被害者に対して謝罪をしてほしいと、事実確認をきっちりしてほしいという申し入れがあったと思うんですが、それについての大臣の御所見をお伺いしたいのですが。
(答)現在、私は真相究明、事実を究明していくということについて大変大事であるので、繰り返し、繰り返し、そのことについての指摘を行ってまいりまして、そのことに全力を挙げて、今、取り組んでいるものと思っております。
 もちろん警察が持っているものであったかどうかということについても、捜査・調査を行っている最中でございます。大変調査の中身が膨大であるというところから、確かに時間がかかっているという御指摘もございますけれども、一生懸命一つ一つに取り組んでいるという最中でございます。
 ですから、昨日の国家公安委員会において、捜査・調査について全力を挙げていくということや、あるいは、個人情報が掲出された人たちに対する保護ですとか、あるいは、警察がなすべき措置について、しっかりと取り組んでいくということ、それから、情報の保全についても徹底して行っていくようにということについて、昨日、指示を出したところでございますので、この問題について一層強化していくものと考えているところでございます。
(問)それは、一人一人の、個人個人の被害に遭われた方の相談にも乗っていくということだと思うんですけれども、例えば、この件というのは、2004年とか2007年にも、いろいろモスクで尾行されたりとか、自宅周辺とか最寄り駅で尾行された方なんかもいるんですが、今現在もそういう方がまだいるんですね。以前は逮捕された方もいました。今は逮捕された方はいませんけれども、そういうことで警察に尾行されているといったことに対しては、相談に乗っていただけると解釈してよろしいのでしょうか。
(答)個別に相談をされた方々に対して、個別の相談窓口が警察の中では開かれておりますので、そうした提供された問題については、しっかり対処をしていくと思っております。
(問)それは警視庁で一括して対処していくということでしょうか。それとも各県警ですとか、管轄下の警察にということなんでしょうか。
(答)警視庁だけということではありませんで、各県の県警に対しましても、警備の幹部の方がお集まりになったところで長官が、情報の管理の問題については、幹部が直接しっかりとそういうことについて対処するようにと言っております。
 ですから、相談窓口について、もちろん警視庁のほうで開かれた窓口があるわけですから、そこに御相談するだけではなく、全国の警察にぜひ連絡をしていただければいいと思います。その一人一人について保護をしていくということについて、相談に乗るということになっております。
(問)特別枠の配分について、そろそろ大詰めになるのではないかと思っているのですが、実は言うと、消費者委員会がC判定だったということに対して、あれほど民主党が強力進めてきた消費者委員会をC判定ということは、生まれた母親から自分の子ではないと言われたようなものだというような声も実は上がっております。
 これについて大臣のお考えと、何かここであまり事務局の体制を強化する考えがないということは、機能の問題をもう一回見直したほうがいいんじゃないかと私はずっと思っているのです。その辺を踏み込んだ考えがあるから、こういう結論になっているのでしょうか。
 その辺を2つ教えてください。
(答)私たちは、基本的に消費者庁と消費者委員会、車の両輪でやっていく、消費者庁のほうは、全国的な司令塔的な役割を果たしていく、消費者委員会のほうについては、監視機能をしっかりするということで、これは両方とも大事な働きをしていると思っておりました。
 今回、消費者委員会についてCというランクづけをされましたけれども、これを扱った方々の中に、消費者委員会についての理解が十分ではなかったという点、私たちもその点について反省をしなければなりませんので、この点に関しましては、しっかりと訴えて答えを出していくように努力をしているところでございます。

(以上)