馬淵内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月24日

(平成22年12月24日(金) 10:49~10:57  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 閣議後の定例会見を始めさせていただきます。まず冒頭に1点。都市再生機構の賃貸住宅の家賃改定について私の方から御報告申し上げます。先日、都市再生機構の小川理事長から、平成23年4月の家賃改定の実施に向けた検討状況についての報告を受けました。機構の賃貸住宅家賃につきましては、平成11年以前からの入居者に限って家賃を減額する激変緩和措置を講じております。その結果、新規の入居者と従前の入居者の間で家賃格差が生じておりまして、これを解消するために3年ごとに家賃改定を行っているということであります。入居者の間の公平性の確保の観点からも、都市再生機構の健全な経営のためにもルールに従って家賃改定を実施することについては理解をしております。しかしながら、この家賃の改定というものは、国が認可等の関与をするものではなく、都市再生機構が決定すべきものでありますが、家賃改定の実施に当たりましては、低所得の高齢者世帯に対する配慮、これは当然であります。また現下の経済状況も考慮すれば、家賃引き上げによる負担を軽減するための措置を検討するよう、理事長に指示をしたところであります。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日の海上保安庁の処分の件ですが、例えば、今日の閣議や閣僚懇で総理や閣僚から何か発言があったのかというのが1点と、今日の閣議で郵便不正事件の検事総長の交代があったと思うのですが、最近そういった官僚のトップの責任を問う事例もいくつかあると思うのですが、こうした動きについて大臣御自身はどう見ていらっしゃるのでしょうか。
(答)まず、閣僚懇での発言ということですが、一昨日夕刻に処分が発表ということになりましたということを今日の閣僚懇で私の方から報告をいたしましたが、閣僚からの言及はございませんでした。あと、御指摘の他省を含めてということですが、いずれにせよ情報管理の徹底というのは当然図らなければなりませんし、政府全体として情報保全に関しては取り組んでいくという明確な方針と、具体的な施策の実施が今行われているところでありますので、まずその完成、構築を急ぐべきであると私は思っております。
(問)大臣はこの後、高速道路の料金割引に関して民主党と打ち合わせがあると思いますけれども、国土交通省案に加えて民主党は土日祝日の上限1,000円割引の継続を含めた案を提示するということになっておりますけれども、大臣として受け止めはいかがでしょうか。
(答)これも私がずっと申し上げてきた公平性の観点からも、また休暇の分散化ということも観光政策で打ち上げております。いわゆる、交通量の平準化ということについては重要な施策として料金というものも考えなければならないという観点から、私どもとしては土休日に関しても2,000円ということを提案をしてまいりました。今般、すでに麻生政権時に作られたこうした利便増進の割引については一定程度定着をしているという状況の中で、ユーザーの方々の混乱を招かないように、逆に言えばこうした料金設定をしつつ、無料化施策というのは今の財政的な要因の中で制約はございますが、我々としては措置をしっかりと進めていくという前提に立って、今後の料金割引の期間の間にも更なる検討を進めていくべきだということで、私としても、これはこれからの話でありますけれども、しっかりと議論をしていくということで受け止めていかなければならないと思っています。
(問)今の高速の関連ですが、最終的には民主党のこれまでの主張どおり無料化を目指すということで、今回新しい料金というのは、あくまでも暫定的というか、恒久的な料金制度ではないということでよろしいでしょうか。
(答)以前から申し上げているのですが、全てを一瞬にして無料化にするなどということは、私どもは申し上げておりませんし、現実にはできません。順番に社会的な影響を考慮しながら社会実験を行って進めていくということです。となりますと、料金が掛かっている区間については、しかもこの料金の設定が切れてしまうということから、なんとかこの料金体系を整理しなければならないということで進めてきたわけですから、今後もその考え方に基づいて進めるということです。
(問)今行われている交通基本法案検討小委員会ですが、移動権、もしくは移動権の保障を特定することは、現時点で時期尚早という内容でまとめるとしていますが、この内容については、以前社民党と民主党で出した交通基本法案の中身と異なりますし、この内容については、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)小委員会の中で大変活発な議論をいただいておりますので、我々としても国土交通省として、明定された中での仕組みで今回の議論を進めておりますから、しっかりと受け止めていきたいと思います。権利という法案の中での書きぶりについては、大変慎重な姿勢で取り組まざるを得ないという御指摘を頂いているということで私は受け止めています。ただ一方で、移動は当然ながらそれぞれ個人の社会生活の中で極めて重要な要素であることも十分承知しながら、法案を出すという立場に立って現実的な対応ということをしっかり考えていかなければならないと、私はそう思っております。
(問)いつ頃出すという御予定と、つまりこの移動権がもらえないとなると、そもそもの交通基本法の意味合いというものが半減するのではないかと思いますがいかがでしょうか。
(答)法案の提出については、政府全体で決めていくものでありますから、いつ頃ということは、現時点で申し上げるものではありません。それから、この交通基本法の最大の目的は、交通基本計画というものを国が明定をして、まちづくりの観点、あるいは人の移動という観点から、今後の社会の在り方をしっかりと提示するものであり、さらには国土交通省が提示をする社会資本整備重点計画の両輪となる大事な計画を規定する法律であるという、正に上位概念の理念でありますから、今御指摘のような点は当たらないと思っています。
(問)関空・伊丹の統合法案についてですが、1点目は地元自治体や財界は収支見通しが示されていないことに不満を述べているようですが、現状のような状態で法案を出して良いものなのかどうなのかについてお尋ねをいたします。2点目は、関連して地元説明会を12月21日で打ち切るということのようですが、これについても地元の不満があるようで、これについてどのようにお考えかお願いします。
(答)まず、事実の関係で申し上げると、2点目については、打ち切ったわけではありません。したがいまして、今後も十分調整を図っていくということです。そして、1点目の収支の見通しでありますが、少なくとも前回の21日の段階では、収支というものはいわゆるシミュレーション、試算でありますから、収支試算については十分に詰めた形を御提示をしていかなければならないと。その過程で、例えばいったん計算してみたものがこういうものでした、というものをお出ししても一人歩きをしてしまう可能性があると。その場合に、それこそ地域の自治体の皆様方始め、関係者の方々が不利になる、あるいは御迷惑を掛けるような形があってはならないということで、慎重な姿勢を示したというふうに私は理解をしておりますので、今後、御不満があるということについても十分踏まえながら、また進め方については検討してまいりたいと思っています。

(以上)