馬淵内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年9月24日

(平成22年9月24日(金) 11:05~11:31  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 それでは定例の閣議後会見を始めさせていただきます。私からは冒頭2点報告をさせていただきます。まず1点目は、9月22日、23日の2日間にわたり開催されました第6回APEC観光大臣会合について御報告申し上げます。これは我が国がホストとなり、第6回目ということで奈良市において開催をされたものであります。このAPECの観光大臣会合で我が国がホストをすることにつきましては今回が初めてということで、APEC域内21エコノミーの観光担当大臣の皆様方が一堂に会して、域内の観光政策の振興に向けた諸課題の議論を行いました。今会合のテーマは、アジア太平洋地域における新たな成長戦略としての観光ということで、議論の成果として「奈良宣言」を採択いたしました。「奈良宣言」におきましては、アジア太平洋地域における成長にとっての観光の需要性、またそのことについてAPEC首脳に対する横浜での首脳宣言の中に盛り込むことの要請、観光需要の平準化の重要性、スポーツツーリズム、MICE等の新たな観光需要の掘り起こしなどが盛り込まれております。このほか会合の議論の中では、各エコノミーによる観光に係る現況の報告、インバウンド戦略、危機管理対応など事例紹介もございました。なおこれらの会合につきましては昨年、本年9月の奈良開催が正式決定以来、観光庁が準備を進めてまいりましたが、今年の6月からは奈良県、奈良市等の協力もいただきまして、観光庁内及び現地である奈良において合計30名以上の専従職員からなる準備室の設置をいたしまして準備を行ってきたところであります。関係各位の皆様方の御尽力によりまして、会合参加のエコノミーの皆様からは、サクセスフルな会合であるということで御評価いただいたと思います。また会合開催のときには、多数の国々の方々、県、市の職員等も含めまして、また子ども達、小学生のボランティア団体からの大変な歓迎もいただきました。子ども特派員のインタビューもいただきまして、これらの方々の御協力に心から感謝を申し上げたいと思っております。また、本会合に参加いただいたエコノミーの方々にも、日本、更にはこの奈良に初めてという方も多数いっらっしゃいまして、この奈良に対する大変良い印象を持っていただけたことは私も嬉しく思っております。APECにつきましては以上であります。2点目の報告です。本日閣議におきまして、平成22年度の一般会計経済危機対応・地域活性化予備費の使用について決定をいたしました。これはプレスリリースとして皆様方に予備費の使用についてということで、発表させていただいた資料がお手元にあるかと思いますが、これら総額約9,200億円のうち、国土交通省関係は3,429億円であります。その主なものといたしまして、「雇用」の基盤づくりとして、観光業における人材育成等で0.5億円、「消費」の基盤づくりとして住宅エコポイント制度の延長471億円、フラット35Sの大幅な金利引下げの延長2,235億円、耐震化・ゲリラ豪雨対策等の「地域の防災対策」として、治水、道路、港湾等の公共事業705億円、地震、津波等の観測・監視体制の整備費、これは非公共事業でございますが18億円となっております。私の方からは以上の報告とさせていただきます。

2.質疑応答

(問) APEC観光大臣会合ですが、会合を通じた収穫と課題について大臣から改めて総括をお願いしたいのですが。
(答)21エコノミーが集まってということであります。この観光施策の連携という部分につきましては、このAPEC観光担当大臣、それこそ各地域間の協力というところで今日まで進められてきたと思うのですが、今回改めてこの協力ということのみならず、経済発展のための成長戦略の位置付けというものを、21エコノミーが共通認識できたという点であります。連携強化、更には成長させていくための様々な施策を具体的に提供し合って共有していこうということ、そしてもう1つ重要なことは危機管理対応含めて、その成長を支えていくためのベースをしっかりと作っていかなければならないという認識が今回十分に取れたのではないかと思います。様々な事例ということの開示もございました。大変参考になる点も多かったと思います。こういう形でアジア太平洋地域で成長のエンジンとしての観光政策ということについての認識が共有できたことは大変喜ばしいと思っておりますし、また今後も大変厳しい経済状況ではありますが、それこそ人の交流ということを軸にして、経済活性化を図れるということで非常に大きな産業の育成につながると私は評価をさせていただいております。それ以外でありますと、課題という点でございますが、今後はこの情報共有だけでなく具体的なプロジェクトも含めて共有できるものということが問われるのではないかと思います。先ほど申し上げたように、地域それぞれに特色がありますので、自然景観、あるいは世界遺産、文化、スポーツ等々、それぞれの特色を生かしたプロジェクト、一方には無いものを片方が持っている、例えばこれが地勢的に近いものであれば、シナジー効果を持って、1つのプロジェクトとして立ち上げることも可能かと思います。今後は成長戦略の中での連携強化と、単にお互いの情報を共有するだけではなくて、プロジェクトをベースとした連携強化ということが図られるかということが問われるのではないかと思います。
(問)今のお話とも多少関連するかと思いますが、尖閣の漁船の事件に絡めまして、中国政府が訪日観光客の訪日について自粛をするよう、中国国内の旅行関係業者等に要請をしているというような報道もありますが、国交省としてそういった事実関係の確認をされているか、あとは受け止めと今後の対応がもしあればお聞きしたいのですが。
(答)これは報道でございましたね。中国政府の観光当局が訪日旅行の募集、宣伝を自粛するよう要請とありましたが、報道内容については国土交通省としては現時点では正式な情報として確認をしておりません。いずれにしましても、今後ともこの新成長戦略の中の観光立国というのは重要な位置付けでありますので、中国のみならずアジア太平洋地域、あるいは世界、グローバルな展開も含めて、更なる観光交流の拡大というのは重要な政策だという位置付けで、今後とも積極的に取り組んでいくという姿勢を私どもはしっかりと進めてまいりたいと思います。
(問)中国で、フジタの社員とみられる日本人4人が、中国当局をビデオ撮影していたとして拘束されたということが明らかになりましたが、このことについての受け止めと同じように国交省として把握されている事実関係について教えてください。
(答)まず現時点においては、外務省を通じて確認中であります。フジタからも連絡がございまして、正確な情報というものを一刻も早く確認をするということを私どもとしては行っております。一義的には、邦人の保護ということに関しましては外務省が所管でありますが、私どもの所管する建設業ということで、私どもも十分注意を払いながら、情報収集に努めたいというふうに思っております。
(問)ダムの検証に関してなんですが、中間取りまとめがそろそろまとまると思うんですが、前原前大臣はその前に前倒しで八ッ場ダムの検討会を立ち上げて早めに検討をしていきたいと言われていたのですが、それについてはいつぐらいに立ち上げて、どのようなスケジュール感でいらっしゃるのですか。
(答)これは、前原前大臣が八ッ場ダムの検証の検討体制の立ち上げということをお話されていたということであります。早ければ9月中にもということで、1都5県との調整がつけばということで、前大臣が示された目標であります。これについては、関東地方整備局を通じて1都5県と調整を行っておりまして、できるだけ早いタイミングで、調整が整い次第、発表させていただきたいというふうに思っております。具体的にその目標の時期、いつまでにということにつきましては、これは技術的な検討もありますし、また地域の住民の方々の意見聴取なども含めて、多角的に行うということですから、現時点で私どもが時期を区切るということはないというふうに思っております。いずれにしましても、こういう形で進めていこうということを前原前大臣が示されてきたわけですから、しっかりと継続性の中で私も進めていきたいというふうに思っております。
(問)海上保安庁の方で、現在、違法操業などについて今も調査中ですけれども、フジタの関係ですとか、レアメタルの関係とか、取り巻く状況がだいぶ変わってきていますけれども、今後の方針についてお聞かせください。
(答)海上保安庁が領海内におきまして、しっかりと日本の領海内での保全を行うという、本来の任務を粛々と行っていくということでありまして、私どもとしては従来どおり国内法にのっとった対応をしっかりと行っていくと、こういう方針に変わりはありません。
(問)先ほどの質問にありましたが、中国でフジタの社員が拘束された件なんですが、尖閣諸島で海保が漁船の船長を逮捕した影響もあるのではないかという指摘もあるのですが、大臣は、拘束という事態に至った背景や原因についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)今回の事案については、具体的な情報の収集、事実関係の確認というものが最も重要だと思いますので、現時点において憶測も含めて私が所管の中で述べるべきではないと思っております。まず行うべきは事実の確認、そして正確な情報の集約、これが一義的に行われるべきだと思っております。
(問) 2点あるのですが、1つは、本日から開催されている世界旅行博について、中国の方が急遽出展を取りやめるというようなことになっているようですが、これについての受け止めをお願いしたいのと、もう1つは別件ですが、道路公団の民営化からこの10月で5年経ちますけれども、前大臣は完全な民営化になっていないという感想を会見でお話されていましたが、これについての馬淵大臣のお考えと、民主党の無料化施策と絡めて今後どのようにあるべきと考えているかお願いします。
(答)まず、JATAの世界旅行博への中国出展ということについて、本日9月24日から26日まで東京ビッグサイトにて行われます日本旅行業協会の世界旅行博への出展ということでありますが、中国側は今回出展はされておりますが展示はしないということで、この状況の確認をしております。しかしながら一方で、私どもとしてはこうした世界旅行博の開催につきましては、先ほど申し上げているように、観光という政策が極めて我が国において重要な施策であるという位置付けから、今回しっかりとした世界旅行博の展開というものについては、関係者においてしっかりと営んでいただきたいと思っております。また、道路公団民営化から5年を間もなく迎えるということでの道路会社の在り方そのものについて、あるいは今後の道路政策についてということでありますが、前大臣がまだ完全な民営化ではないというふうにお話をされていたということは私も承知をしておりますが、一方で大前提となる今後の道路行政の根幹となる需要推計の部分を私は最も重視して、この1年間取り組んでまいりました。繰り返しになりますが、道路会社が今後償還をしていくという計画そのものの需要推計が前提となります。これをまず抜本的に見直す、そして事業評価そのものを見直す作業を進めておりますので、道路会社の評価そのものということにつきましては、今申し上げたように、今後の将来需要推計の動向によって、また見直しも含めて改めて抜本的な観点からの検討が必要だと考えています。これらを併せて、道路ネットワークの在り方、整備の方法、更には無料化という我々が進めてきたマニフェストの、国民の皆様方に提示していく段階的実施の具体的な姿というものをしっかりと検討していきたいと思っております。
(問)日中関係について、当初は国内法にのっとって粛々と法執行を行うということで始まった一連の問題が、今事実関係を確認しているものも含めて様々な状況で影響を及ぼしていますけれども、こうした状況全体について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)私どもが所管する海上保安庁は、領海内における様々な行為に対して国内法にのっとって、しっかりと適切に進めていくことについては変わりありません。それ以外についての、私どもの省のみならず外務省、併せて関係する各省にかかわることにつきましては、政府全体としての外交的な取組として判断すべきものと考えておりますので、官邸並びに外務省としっかりと連携を取りながら、情報共有をしながら進めていきたいと思っております。
(問)当初、ここまで問題が大きくなるという認識は持っていらっしゃいましたか。
(答)未来については、誰も予見、予測できない部分ということがあると思います。様々なリスクを勘案しながら、しかしながら一方で、私どもとしては法治国家として法にのっとって適切に処理するということが極めて重要だと思っておりますので、毅然とした態度で臨むべきものは臨むと、このように思っております。
(問)先ほどもおっしゃられたように、観光等日中関係は非常に重層的な交流がありますけれども、一方でこういった衝突のようなこともあります。大臣は、現政権として中国とはどういうふうに付き合っていくべきだとお考えでしょうか。
(答)政府全体として考えるべきものだと思います。我々としては、所管の観光担当大臣として、しっかりと観光施策の中心となるアジアのインバウンドは、中国は巨大な市場ですから、変わらず進めていくということでありますが、外交も含めて今後、アジアの中でのかかわり方というものについては政府全体が共通の認識を持って国民の皆様に、あるいは世界に発信すべきものだということですので、私からの発言は控えさせていただきたいと思います。
(問)昨日のAPECの会見後のぶら下がりで、危機管理対応について先駆的な取組をしている国があると。それで、観光庁が危機管理対応できる仕組みを作ることが重要というお話をされていましたが、それについて改めてお伺いしたいのと、観光の危機管理に関しては、正に日中関係に関して危機管理が求められていると思うのですが、その具体的な危機管理対応という面でどういったことを考えていらっしゃいますか。
(答)昨日、観光庁長官が隣に座られておりまして、プレゼンテーションを見ながら相談をしていたということのレベルでお話をしたのですが、まだ具体的にはこれから観光庁にて検討していただくべきだと思いますが、現行では、例えば旅行という様々な方が来られる中で、問題が発生したときに自治体レベルでの対応というのがどうしても中心になりがちです。これらの情報集約を行って、世界に発信をしていく。例えば、災害が起きている、あるいはSARSやH1N1のような新型インフルエンザが発生するというようなことが起きたときに、どこでどういった状況が起きていることについて、自治体ベースでは関係する所管の旅行業者を通じて発信されたり、連絡を取ったりされていますが、それを国ベースですべて包括的に集約をして、かつ関係するような諸外国に発信する仕組みまでは出来上がっていません。これをどのような形で行うかというのは、もちろん地域の特色を生かすというのは重要ですありますが、観光庁としての何らかの施策は取れるのではないかということを昨日も観光庁長官と話をしたところですので、ここは具体の検討としては溝畑長官においてしっかりとやっていただきたいと思っております。
(問)前原前大臣はですね、公開の場で陳情を受けるような取組をされていたと思うのですけども、こういった取組は今後も続けていくお考えはありますでしょうか。
(答)私も公開の場で陳情を、熊本でもお受けいたしました。これは副大臣時代でありますけれども。今後、様々な形での御要望をお受けすることについては、しっかりと考えていきたいと思っております。
(問)先ほどの中国当局による日本向け旅行自粛要請について、先ほどのお答えでは正式な情報として確認していないということでしたが、これについては何らかの照会を行っていて何らかのやり取りは発生しているのか。あるいは照会していないのか。正に向こうの観光当局者もこちらにちょうど来ていただいているところですが、重要な観光ということにおいて情報収集は極めて重要だと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)先ほど申し上げたように正式にはまだ確認ができていないということですが、関係する各機関において情報を収集するようにはお願いをしております。もちろん外務省ということもございますが、私どもで関係する機関においては様々な情報、これは非常に重要ですので、しっかりと収集するようにお願いはしております。
(問)今日発表になりました予備費の活用の件ですけれども、この中で国交省の大きなものとしてフラット35Sの金利の引下げの件だと思うのですけれども、事業仕分けで、まとまった額をどーんと用意をするのではなくて、1年1年に必要な額を請求するようにとの指示があったと思いまして、確か来年の概算要求、先週発表されたものの中でも1年間分として364億円を計上したと思うのですが、今回はこれ10年ものの分になるので額が大きいと思うのですけれども、この対応された理由について教えていただけますでしょうか。
(答)フラット35Sにつきましては好評でありまして、住宅産業ということで裾野の広い分野についての活性化が図られるということから、今回この経済対策の中に盛り込んでいただいているところでございます。当然、概算要求にも今回挙げておりますので、そことの関係においては、私どもとしては、23年度当初予算では、概算要求として挙げたものについては、措置されれば要求はしないというふうに考えております。規模が大きいのではないかということでありますが、私どもとしては、繰り返しになりますけれども、大変経済政策として効果の高い施策として、これは国交省が所管する中での大きな目玉策として挙げさせていただいたということであります。
(問)質問したかったのは、事業仕分けでは1年間に必要な額をということであったと思うのですが、昨年の補正と一緒で10年間分どーんと要求したというのは、行政刷新会議の指示とは違うものになるのではないかと思うのですが。
(答)行政刷新会議では、そういった議論があったことも十分承知しております。ただ一方で、冷え込みが懸念される経済環境の中で、極めて効果の高い施策として国交省として判断をさせていただいたと、そういうことです。
(問)八ッ場についての再確認なのですけど、10月1日に再検証の初会合が行われるという案もあるようですけれども、そうした事実があるのか教えてください。
(答)これは先ほど申し上げたように、地方整備局において1都5県の皆様方と調整中であります。まだ、最終的に調整段階でありますので決定はしておりませんが、鋭意進めながら、調整が整えば早期に皆様方にもお伝えをしたいと思ってます。
(問)尖閣諸島への上陸なのですけれども、その土地を国が地権者と賃貸契約をして借り上げていると認識しているのですが、現状では日本人も上陸できないかと思います。最後に日本人が上陸したのはいつなのか、また今後、国交省の職員や海保の職員ら日本人が上陸する予定があるのかどうか、お聞かせいただければと思います。
(答)詳細についてのデータは持ち合わせておりませんので、その点については後ほど事務方から情報については御提示したいと思います。
(問)上陸の予定などについては。
(答)現時点においては、私は承知をしておりません。
(問)フジタの社員の関連なのですが、いつ身柄が拘束されて、今どういう状況にあるのかと、会社側は携帯電話が通じないと言っているのですけれども、どこまで状況を把握されているのでしょうか。
(答)フジタから情報が入ったと申し上げたのは、4人の方々が拘束されているということについての報道が上がっているというレベルで連絡いただいたということです。詳細については、今後、私どもとしても確認をさせていただこうと思っております。多分、そういう意味では所管する役所に対して、フジタ側から一報を入れていただいたというふうに理解してます。

(以上)

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