松本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月19日

(平成22年10月19日(火) 9:25~9:36  於:参議院別館3階・環境省控室)

1.発言要旨

 おはようございます。まず御報告ですけれども、昨日、愛知県名古屋市において、生物多様性条約第10回締約国会議が開会をいたしました。ずっと様々な人とお会いして、その前の日から名古屋入りして、子どもや若者たちのボランティアがいたり、また、様々なボランティアがいて、例えば、道に迷っている外国人がいたら会場に案内した話であるとか、そういうやはり沢山の皆さんのパワーがあって無事開会できたと。ここに至るまで、地元の皆さんとかに感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 各国に意見の相違はあるものの、生物多様性に支えられた地球を次世代に引き継いでいくため、国際社会で一致した行動を起こしましょうと呼びかけて、開会をしたところであります。それぞれにCOP10の成功についての期待が述べられ、私も同時にその決意を改めて強くしたところであります。新戦略計画の策定、遺伝資源の利用から生じる利益の配分等々については、ティモシー・ホッジスとフェルナンド・カサスという2人の議長から報告があって、まあいろいろあるけれども、しっかりやっていきたいということで、ABSのICGという一つのグループもできて、作業部会は元々二つあったのですけれども、ABSでもそのグループを作って、これは22日の金曜日までに結論を出していきたいという報告がありました。いずれにしても、29日の閉会式、6時ですけれども、ここでインド、ニューデリーに引き継がなければなりませんから、そういう意味ではここを境としたら、もうそれから3日前、4日前にある程度まとめていただきたいということで、26日までにまとめていただきたいということも言いました。いずれにしても、目指すべき基本的な方向は大きな違いは無いと思いますし、更に生物多様性条約のポスト2010年、あるいはABS等々、実施の促進に向けて責務を果たしていきたいというふうに思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問) 先ほど出たCOP10なのですが、ABS、やはり成功への期待というのはもちろんあると思うのですが、かなり鋭い対立点が残ってると思うのですが、初日を終えられて、どのような点がやはり課題だというように現時点で思っているのか。で、議長国の日本として、総体的にまとめていく上で、どのような点に打開点というか、妥結するような点を見いだしていくのか、そのリーダーシップですね、その辺りについてどういうふうに考えてらっしゃるのかお願いします。
(答)大変重要な御指摘だと思います。いろいろな話を聞いておりますけれども、基本的にはどの国も、日本もそうですけれども、提供国になり得るし、利用国になり得るということで、そういう意味でいえば、片方は、利用することによって人類の福利に貢献をしていく、医薬品とか食品ができる。これは、例えば八角からタミフルとかいう状況を考えていけば、これはやっていかなければならないし。片方では、それによって生態系が、生物多様性が失われていくということを避けなければならない。従って、その生態系の保存ということに対して、利益の配分をしていくということがありますから、この根底の共通の利益があるわけですから。それぞれ個々の問題、遡及の問題とか派生物とか伝統的な知識とか、いろいろな個々の問題がありますけれども、伺っていますと、それぞれ、ここはまとまりそうだ、ここはちょっときついとかの話はありますけれども、議長としてリーダーシップを発揮して、それが閣僚級の会議になるのかどうかは分かりませんけれども、それまでにまとめていただいて、あとは多分、26日までにまとまなければ、72時間徹夜でやるかも分からないという状況もあるかもしれない。そのくらい気合いを入れて頑張りたいと思います。
(問)ABSで、半分の条項でまだ合意に至ってないというような状況だと思うのですけれども、あと2週間という期間で、それは合意に、すべてが合意に達することは可能だとお考えでしょうか。
(答)議長国としては、まとめていただきたいと。そして、バイといいますか、様々な各国の人たちとも話していますし。フレンドシップとかパートナーシップとかもずっとつくりつつ、ニューヨークでの一週間の経験もありますし。そこのところをやっていきたいと思いますし。いきなり昨日発言があったのは、G77の議長国のイエメンの大使から話があったのですけれども、「是非、日本の国で行われるこのCOP10、成功に導いてくれるよう期待している」という話がありますから、そこのところをしっかり、個々の人間関係と全体をまとめる作業を、かなり責任重いですけれども、やっていきたいと思います。
(問)今のところまだちょっと気が早いかもしれませんけれども、来週にはいろいろバイ会談とかも予定しているのではないかと思いますけれども、今、分かっているスケジュールって何かございますか。
(答)あります。誰があるかな。その日、その日でちょっと。

(事務方)確定したら御案内申し上げます。

(答)相手があることですからね、時間が。例えば、まだ閣僚級というのは、あまり来られていませんから。そこのところで、例えばインドのラメシュさんでも、早く会いたいけれど、まだお見えでないし。開会式ですから、そこのところは、急遽どなたかに会うとかということもあろうかと思いますけれども。
(問)ちょっと話題変わるのですが、新潟水俣病についてなのですけれども、うちの取材でということなのですが。基本合意ですね、次回の21日の和解協議があるのですけれども、地裁で。そこで基本合意する見通しだということが分かったのですが、今、大臣として、新潟水俣病和解協議を進めている報告をどのような形で受けていらっしゃるかということと、次回への見通しといいますか、基本合意、なるのかどうなのか、その期待感も含めて、それについてお願いしたいのですが。
(答)小林次官始め、いろいろな方々の御報告は受けています。基本合意というのは、期待するというか、もうそれ以外にないというか、それぞれが和解の合意に向けてやっていただきたいなというふうに思っています。そこを願うばかりですね、今。
(問)現時点でそういう報告、いわゆる基本合意できそうかどうか、そういったような報告とかは受けていらっしゃいますか。
(答)あまりそういう確定していない話は避けたいと思いますので。そういうふうに理解してください。
(問)期待感はあるということですか。
(答)はい。
(問) 水俣病なのですけれども、原因企業のチッソが、事業再編計画を、認可申請をする前に事前公表するようなのですけれども、これは環境大臣が関係者の意見を聞くようにという、環境大臣の要請に応えた形ともいえますが、このことについての受け止めと、今後チッソが事業再編計画を策定するに当たって、どのようなことをチッソに対して求めていきたいかがあれば。
(答)9日の日に水俣に入りまして、いろいろな方々の意見を聞いて、やはりチッソの事業再編計画というものが、一番大きな不安、そして質問として取り上げられました。ですからそのことはしっかり重く受けて、関係者の意見を聞いて作成をすることとか、特定事業者の指定に当たって、チッソに指示はしてまいりました。
 ただ、情報公開については重く受け止めておりますけれども、競合会社との関係とか、会社の守秘義務とか、そういう公表すべきでない内容も恐らく含まれている可能性がありますので、何ができるか、更に慎重に考えていきたいというふうに思っております。
(問)弊社の取材で、認可申請の前に、ある程度のアウトラインを事前公表するということが分かっているのですけれども、その件に関しては、大臣は何か情報を得てらっしゃいますか。
(答)私はそこまでは。熊日さんの方が多分取材が早いだろうと。私はそこまでちょっと聞いていません。少しずつそういう状況になっているという話は聞いていますけれども。
(問)事前公表することに対しては、評価をなさいますか。
(答)もしそうであればですね。

(以上)