海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月14日

(平成23年1月14日(金) 9:53~10:08  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 本当に、皆さんにはこの4カ月間お世話になりました。ありがとうございました。先ほど閣議がございまして、そこで辞職願に署名をいたしまして、それを提出したところでございます。
 本当にこの4カ月間振り返りますと、まず経済対策を定めまして、それから補正予算、臨時国会での審議、そして税制改革ということで、限られた時間ではございました。それから、色々な与えられました条件がございました。その中で私なりに一生懸命頑張ってきたつもりでございます。
 前にもお話ししたかもしれませんが、私が就任をしましたときの株価が9,626円ですか、9月17日ということで。今日が、残念ながら1万600円まではいっておりません。1万500円台でございますが、およそ1,000円値上がりすることになりました。
 それから、科学技術では、これは菅総理の指示もありまして、久しぶりに予算が今年度比増額ということになりました。
 それから、宇宙では、「はやぶさ」が7年かけて帰還をいたしまして、そして、特にやはり宇宙開発というのは本当に日本のものづくり、日本の技術の集大成だということで、特にその「はやぶさ」のプロジェクトに参画をしました中小企業、こういう人たちに本当にありがとうございますということで顕彰をさせていただきました。大変喜んでいただけました。
 そういう意味では、本当に限られた時間ではありましたけれども、私なりに精いっぱい頑張ったつもりでございます。
 そういうことで、私からの話は以上でございます。本当に皆さんお世話になりました。ありがとうございました。

2.質疑応答

(問)今、任期の間のお仕事を振り返っていらっしゃったのですけれども、現段階でやり残したなと思われる部分の総括をお願いできますでしょうか。
(答)やり残したことということでは、やはり新しい年度にとにかく消費者物価をプラスにして、そしてそれを安定的に推移させてデフレから脱却するということが、やはりこれは政府の方針でもありますし、私もやはり1日も早いデフレ脱却ということを常に心がけておりましたので、それが道半ばで職を辞するということでございますので、その点は一番大きなやり残したことかなと思っております。
 それから科学技術に関しましては、やはり科学技術政策の司令塔であります総合科学技術会議の改組の問題ということが、これまた道半ばでございますので、これについてもこれから、私はこの後どういう職責を担うか分かりませんが、与えられた職責の範囲でお手伝いをしたいというふうに思っております。
(問)具体的な改造についてですが、ポストはともかくとして無所属の与謝野さんの入閣が極めて有力になっていて、今日、自宅前では経財相を受けたと表明したという報道もあります。
 菅首相は昨日の党大会で、与謝野さんについて、財政や社会保障を念頭に共通性の高い政治家というふうに言及されていますが、その点について大臣はどういうふうにお考えになっているかお聞かせください。
(答)人事につきましては総理の専権事項でありますので、総理が御判断をすることだろうというふうに思っております。
(問)その共通性の高い政治家というのは、共通性の高いという部分は、大臣はどういうふうにお考えですか。
(答)それは、私は今まで選挙で戦ってきたわけでございますから、選挙で戦うということは有権者に選択肢を示して、そしてその有権者の判断をいただくということでございますから、そこは当然のことながら、違いというものはあったというふうに思っております。
(問)人事なのですけれども、各社報道は出そろっているかと思うのですが、新しい内閣に海江田大臣も入閣されて、与謝野さんも入閣されると。長らく与野党で1つの選挙区で戦ってきたお二人が同じ内閣の中にいすを並べられることへの受け止めをお願いします。
(答)今後のことはまだ全く白紙でございますので、どういうことになるか分からないということでございます。
 ただ、一言申し上げれば、人生というのは不条理だなと思っております。
(問)その選挙区の問題については、何の相談も総理からはなかったのでしょうか。与謝野さんを使うことは、何となく報道もしばらく前からあったと思うのですが、そのことについて何らか総理からの御相談はなかったのでしょうか。
(答)これは一部の夕刊紙などの報道で、昨年末に、菅総理、与謝野さん、そして私で、都内で何か3人が会って、そして色々なことを話し合ったというような報道がございましたが、私はそんな事実は全くないわけでありまして、これまでは、その意味ではいちいち論評するに当たらないというふうに思ってきましたから、別に何もコメントは出さなかったわけでありますが、改めてそういった事実は一切ないということは、これは皆様方にも改めて明らかにしておきます。
(問)先ほど、人生は不条理だとおっしゃいましたが、どのあたりに一番不条理をお感じなのでしょうか。
(答)これは、ぜひ御理解をいただきたいのですが、人生は不条理だということでございます。
(問)そういう後任の方がいらっしゃるという報道が出ているのですが、その後任の大臣に対してどういうことを期待するか。先ほどやり残したということを幾つか挙げられていましたが、どういったことを期待されますか。
(答)私は、これまでも何度か皆様方にお話をしてきましたけれども、やはり今、経済が非常に微妙な段階にございます。この1-3月、あるいは10-12月ということも大変心配をしておりましたけれども、一部のデータなどを見ますと若干薄明かりが見えてきたかなと、薄日が若干射し始めているかなということがありますので、そうした経済の状況をやはり好転をさせていただきたいと。そして、デフレの脱却と財政の再建をバランスよく、これはやっていただきたいということでございます。
(問)大臣は先ほど、与謝野さんと当然のことながら違いはあったとおっしゃっていたのですけれども、そういう与謝野さんに今後、経済財政を引き継ぐことへの心配とか懸念というのはどの辺にありますか。具体的にお願いします。
(答)これから本当に一生懸命おやりになるでしょうし、ぜひやっていただきたいということで、懸念とかいうことではございません。
(問)目指す政策上の違いで心配なところというのはないですか。大臣の主張はこうだけれども与謝野さんの主張はこうだから、今後の財政運営にとってこの辺が心配だなというのは何かないのでしょうか。
(答)それは今の段階では、特にどうこうということはございません。
(問)御自身の人事の件なのですけれども、菅総理からこの後について何らか御連絡なりというのはあったのでしょうか。
(答)人事は決まるまでは他言しないということでありますので、差し控えます。
 それから、これは総理がお決めになることでありますから。
(問)科学技術政策については、今回おそらく初めて御担当になったということを、御就任時にもあったと思いますが、やってみてどんなふうな印象を持たれたのかということと、これから科学技術立国あるいはイノベーション立国という方針に当たって、この部分は特に改善しなければいけないなという部分はありますでしょうか。
(答)本当に私は初めての領域で、根っからの文化系人間でございましたから、その意味では本当に色々な事象と申しますか、色々なこの課題と申しますか、そういうことにぶつかっいくに当たって新鮮な喜びもありました。それから何よりもやっぱり、まさに科学技術こそが成長のプラットフォームだということを私は改めて認識をしましたので、この後どんな立場に置かれても、これはやっぱり科学技術をしっかりと前に進めるために後押しをしていかなければいけないというふうに思っております。
 それからあと、私はやっぱり科学技術の面でうれしかったのは、お二人の日本人がノーベル賞を受賞したということも本当に大変、お二人とも会わせていただきましたけれども、やはり日本が世界に誇れる人材だなというふうに思いました。
(問)今回の内閣改造で、大臣とは直接関係ないのですけれども、外交日程を急遽切り上げて帰国したりですとかキャンセルする閣僚が相次いだのですけれども、訪問相手国に対しての非礼はないのかとか、こうした対応というのは外交上影響はないのでしょうか。どのように大臣は受け止めていらっしゃるでしょうか。
(答)これは今日それぞれの大臣から海外出張の報告がございました。その中で、どなたでしたか、総務大臣でしたか、色々な会議があったのだけれども、それを途中で切り上げて帰ってきたけれども、主催国が大変協力的で会議を前倒しするなどして好意的に受け取ってくれたという報告がありましたので、私はそのとおりだろうと思います。
(問)与謝野さんの件なのですけれども、おそらく経済財政、社会保障改革も含めて民主党の重要政策の屋台骨となるところをおそらく仕切ることになると思うのですが、2009年の民主党の衆院選マニフェストを携えて戦った人でない方がそういう改革に取り組むということについて、どのようにとらえられますでしょうか。
(答)総理がお決めになったことでありますので、お決めになることですね、まだなっていません、お決めになることでございますので、私はそれについてとやかく言う立場にはございません。
 本当に皆さん、ありがとうございました。やっとお一人お一人の大体名前と顔も一致して、お人柄も私なりに理解をして、こういう質問が出るのではないかなと考えておりますと、そのような質問が出ましたので、本当にありがとうございました。ちょっと本当に4カ月で御無礼をするのは心苦しいわけでございます。生木を裂かれる思いでございますが、皆さん方とお別れをするのがね。ただまた、ぜひ色々な意味で御厚誼を賜れば幸いでございます。
 本当にいろいろ御指導ありがとうございました。感謝申し上げます。

(以上)