海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月28日

(平成22年12月28日(火) 11:36~11:50  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 大分お待たせをしまして申し訳ありません。地球温暖化問題に関する閣僚委員会が長引きましたので、遅くなりました。
 まず今日の閣議でございますが、一般案件としましては、アクション・プランですね。出先機関の原則廃止に向けてということで、これはもう閣議決定をいたしました。それから、閣議の席上、労働力調査報告、消費者物価指数、家計調査報告などの資料が配布をされました。これはもう皆様、既にお手元にあるところだろうと思います。
 それから、1つは、今夕から私は31日までの日程で、シンガポールへ行ってまいります。シンガポールでは、現地の政府の要人、あるいは科学技術の研究施設なども大変すばらしいものがありますので、そういった施設などを見てまいりたいというふうに思っております。
 それから、たしか先週のこの会見だったと思いますが、来年度の成長率1.5%というお話をしまして、この1.5%の中に法人税の減税分ですね。それからもちろん減税だけではありません。幾つかの租税特別措置の見直しもございますが、そうしたこの法人税の見直しについての分が入っているのかという質問がございまして、もちろん入っているというお答えをいたしましたが、その数字などについては精査をしているところだというお話でございましたが、1週間たちまして、そのあらあらの数字が出ましたので、今日御報告をしておこうと思っております。
 この法人税の実効税率5%を含む法人課税の見直しですね。これにつきましては一定の条件をあてがっておりますが、国内投資による実質GDP成長率の押し上げ効果が0.2%程度、それから雇用創出効果が9万人程度と見込まれています。これは平年度でございますので、23年度につきましては、実質GDPの押し上げ効果は0.1%程度、雇用の創出効果が2万人程度という数字でございます。
 とりあえず私のほうからお伝えをいたしますことは以上でございます。

2.質疑応答

(問)今あったお話の法人課税見直しの効果なのですけれども、平年度でGDP押し上げが0.2%というお話ですが、このうち実効税率5%の部分を切り出した数字というのはあるのでしょうか。
(答)ありますよ。これでいきますと、5%のみで考えればよろしゅうございますね。これはGDPの押し上げ効果は0.3%程度、そして雇用創出効果が18万人程度という数字になっております。ただ、もちろん言うまでもありませんが、これは5%を下げたところだけですので、課税ベースの拡大などもありますから、それを考えて先ほどの数字になったということです。
(問)課税ベース拡大で、その数字が下がっているということですね。
(答)はい、そうです。
(問)あともう一点、閣議後会見は今年はこれが最後になろうかと思いますが、海江田大臣は9月半ばに就任されてから3カ月あまりのうちに、景気判断を足踏みにされたりとか、税制改正、予算編成、いろいろな出来事がありましたけれども、改めて今年を振り返った感想ということを一つお伺いしたいのと、あと来年、先日、月例の会見では成長元年というお話もあったのですけれども、改めてどういう年にしたいかとか、重点的に取り組みたい課題についてお聞かせ願えますか。
(答)先だっての会見で、今年1年振り返ったあらあらのお話をいたしましたが、改めて、特にこの100日あまりの私の経済財政担当、あるいは科学技術政策担当、宇宙開発担当と、この職に当たっての感想を申し上げますと、特に経済財政政策におきましては、やはりこのデフレの重しと申しますか、これがやはり日本の経済に大きくのしかかっているなということが率直な感想でございます。このデフレとどう戦うかということで、やはりまず最初に、景況の認識を正しくしなければいけないということで、9月の月例から足踏み状態という表現を使ったわけでございますが、その中で景気対策をつくりまして、それから税制改革、補正予算と、この国の経済のかじ取りにかかわってきたわけでございますが、やはり大変厳しい100日間だったなというふうに思っております。
 そこで、新しい年を前にして、やはりこのデフレの重しをどうやって跳ね返していくのかということでございますので、与えられた条件のもとでの税制改正、それから予算の編成というものは、何とかやり遂げることができたと思っておりますが、これが実際に本当に景気が持ち直しをもう一回示して、そして自律的な回復に向かっていくためには、やはり本当に、まず予算をしっかり通すこと、それから私自身もそう決めておるわけでございますが、やっぱり本当に多くの国民の皆様の御協力も必要だろうと思います。
 先ほど法人税の実効税率の下げのお話もいたしましたけれども、この実効税率の下げを私どもで持っておりますこのデータをもとに計算をしますと、先ほどのような数字でありますが、経済界がこれに協力をして設備投資をさらに大きく行っていく、あるいは雇用をさらに拡大をしていくということによって、今私がお話をしました数字というのはまだ上がっていく可能性があるわけですから。それから私たちも、やはりこれから新しい年が入ってくるわけでございますから、やはりそういう中で、一人一人が本当に景気回復に向けて何ができるのかということも考えていただいて行動していただきたいというふうに思います。
(問)今のお話にも関連するのですが、今年は円高がかなり進みまして、6年半ぶりの市場介入もあったわけですけれども、今現時点でも82円台ということで高い数字になると思うのですが、この1年を振り返って円高という意味ではどういう1年だったかということと、あとその対策として、来年以降どういったことを考えるべきだとお感じになっているでしょうか。
(答)特に今年の夏以降、急激に円高が進みましたから、やはりこの急激な円高に対しては、政府としても断固とした措置をとらなければいけないということで市場介入をしてきたわけであります。今後もこうした急激な円高というのは、これはやはり避けなければいけないことでありますから、引き続き市場の動きには注視をし続けるということでございます。
(問)来年の見通し的なものでいいますと、対策も含めて。
(答)見通しということではありませんが、この円高に対して、やはり日本銀行との協力関係というのも必要かなと思っておりますので、今年、私が就任をいたしましてから、特にこれは日本銀行との協力関係と申しますか、これも従来にも増して明らかになってきたというふうに思っておりますので、この関係、政府そして日本銀行一丸となって、この円高の問題に対しては取り組んでいきたいというふうに思っております。
(問)政局の話なのですけれども、小沢元代表の国会招致に関して、総理が昨日、政倫審に小沢さんが出席しない場合、党の決めたことに従えないなら本人の出処進退を含めて考えるしかないと、事実上離党を促したような発言をされておりまして、大臣は従来、政治家の出処進退については御本人の判断すること、というふうにおっしゃられていましたが、総理がこのような方針を示されたことについて、どのように受け止められていらっしゃるでしょうか。
(答)先ほど私のコメントを引用していただきましたけれども、そのとおりであります。
(問)ただ総理が、本人が出処進退を考えるしかないと、本人の判断を含めておっしゃられていますけれども、事実促した形になっておるのですが、総理が促したことについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)それは直接聞いた話ではありませんから、何ともお答えのしようがないですね。
(問)あと菅総理が、内閣改造に前向きな発言をされているようなのですけれども、これについてはいかがお考えになられますか。
(答)それについても直接聞いたお話ではありませんで、今日、閣議と閣議後の懇談が終わりまして、その中で菅総理は、1年間お疲れさまでしたということをおっしゃっていましたので、そのことを受け止めたと。言葉でいえばこのチームはいいチームだったと、1年間お疲れさまということでしたので、それをそのまま受け止めております。
(問)今日、鉱工業生産の数字が比較的プラスになって、予測調査も比較的強い数字に転じていますけれども、これについてはどう思われていますか。
(答)新しい年に向けて、やはり輸出も少し回復をしてきたということもございます。それから今お話のありました、生産も少し回復をしてきたということでありますので、足踏みの状態があまり長く続くということは、これは決していいことではありませんので、やはり1日も早い景気回復を期待をするということでございます。

(以上)