海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月22日

(平成22年10月22日(金) 9:43~9:53  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 今日の閣議は取り立てた大きなテーマはございませんで、サイン会に終始したということですが、1つだけ御報告いたしますと、野田財務大臣がG7、それからG20に出席のため、韓国出張でございますので、不肖私がその臨時代理になったということでございます。
 あとは閣議後の懇談の中で、各役所の地方組織、地方出張所ですね、これの廃止などについて、なかなか進んでいないところもあるから、各大臣それぞれ各役所に責任者を決めて、そして出張所の統廃合についてはしっかりと実を上げるようにというお話が、これは総理からありました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)まず、中国経済についてお伺いしたいんですけれども、昨日7-9月期のGDPが9.6%と、鈍化したものの高い成長率ということで、それに先だって利上げも行っています。CPIは3.6%と依然高い状況で、今のこういった中国の現状をどう見ていらっしゃるかということと、中期的に日本経済に与える影響をどう見ていらっしゃるか、まずお伺いします。
(答)中国経済の政府の当事者が一番懸念をしておることは、やはり中国経済がバブル化すること、とりわけ不動産の価格なども上がっております。利上げというのは、主にやはり不動産投資、あるいは投機と言ってもいいかもしれませんが、それを冷え込ませるためのものだろうと思います。
 それから、もう一つは言うまでもございませんが、アメリカが金融緩和をしておりますので、そのだぶついたお金が中国の市場に流れ込むという、このことによって、全体として中国経済がバブル化するということではないだろうかというふうに思っております。
 ちょうど数日前、私は日本に来ておりました、前の全人代の副委員長をやっておられた方で、金融の専門家の方でありますが、お名前を言ってもいいんですが、お名前を差し控えておりますが、金融の専門家の方で、いろいろ意見交換をしましたけれども、やはり中国は日本のバブルの発生と、それからバブルの崩壊の過程を勉強しているというお話がありましたので、その意味ではやはりほうっておけば中国経済がバブル経済になると、それに対して早目に手を打たなければいけないということで、今回のような一連の措置になったのではないだろうかというふうに思います。
 ですから、これによって、中国経済がソフトランディングしていけばいいわけでありますが、これがそうした利上げ、金融引き締め等の効果が生まれず、バブルが崩壊をするというようなことになりますと、これは一番大きな打撃を世界に与える、とりわけ日本に与えると思いますから、私も現在の時点ではとにかく中国経済のバブルがこれ以上大きくならないこと、そしてそれが一気に破裂しないことということを期待をするものであります。
 以上です。
(問)もう1点、TPPに関することなんですが、昨日新成長戦略実現会議でJAの全中の会長が出席されて、ご案内のように打撃が大きいということで反対を表明されまして、菅総理もAPECまでにすべて決めるのは難しい、困難であると。ややトーンダウンした印象があるんですけれども、大臣はこのTPP、あるいはEPAの今後の交渉について、どういうスタンスで臨むのが好ましいとお考えでしょうか。
(答)私は、やはりどこかで日本の国も、あるいは政府も舵を切らなければいけないときだと思っております。その時期はそう遠くはない。やはりこのTPPの会議に、TPPの体制に参加をしていくためには、早い段階で入っていくという意思を示して、そしてお互い協議の中で、その中身をどういったものにするかということを考えていかなければいけないわけでありますから、その意味では判断しなければならない時期がもう差し迫っているという考えであります。
 ただ、一部党内の方々が反対をしたようでありますが、これは党内の議論がまだできていなかったということから来る反対だろうと思います。内容的な反対だけではないと。もちろん内容的に反対だという方もいらっしゃると思いますが、主要なこの反対の方々というのは、やはり党内手続を踏んでないということだろうと思いますので、やはりできるだけ早く党内手続を踏んでいただきたいというふうに思っています。
(問)ちょっと旧聞に属するのですけれども、例のBHPビリトンとリオ・ティントの統合が見送りになったのですけれども、公正取引委員会が影響があったと言われていますが、その辺のご所感というか、公正取引委員会にかかわりますが。
(答)公取は今度独禁法の改正もあるということでありますが、とりやめになったという判断はよかったというふうに思っておりますので、公取がどういうふうに関与したかということは、私は存じ上げませんけれども、とりあえず見送りになったということ自体は、私はよかったかなと思っています。
(問)特に報告等は。
(答)まだ来てません。取りやめになったという事実は聞いております。それは新聞記事と同じものであります。細かな報告を公取から受けたということではありません。
(問)TPPの件なんですけれども、舵を切らなければいけないというお話なんですが、そう遠くはない時期というのは、APECの前になるということ、APECのときということになるんでしょうか。
(答)やはりAPECは一つのきっかけだろうと思います。やはり円高の基調がありますから、そういうときに日本の中で、国の中でものづくりをしていくということになるためには、やはり付加価値の高い製品をつくって、それを海外に出すわけですから、当然付加価値の高いものですから、値段もある程度張るわけで、そのときそこに高い関税がかかっていたのでは、とてもじゃありませんけれども、海外でやはり、まだ特にアジアの市場を考えたとき、もちろん購買力は高くなってますけれども、そこに過剰な関税がかかってきますと、なかなか売れませんから、日本の国内に円高の中で、日本の国の中でものづくりの工場をしっかり残していくという観点から、やはりTPPは避けて通れない、そう考えています。
(問)関連なんですけれども、昨日の会議の総理の発言ですと、ちょっと全部それまでに解決にならないような発言もありましたが、大臣のほうから改めてそういったことを発言されましたか。
(答)昨日の会議では時間もありませんでしたし、それから私の考え方は折に触れてお話ししておりますので、特に発言はしませんでしたけれども、昨日の会議の総理の発言はいろいろな見方がありまして、確かに今おっしゃったように少しトーンダウンという見方もありますし、あるいは一部の新聞などは、もう決まったというような書き方もしております。私は特に変わったとは思っておりませんが、先ほどお話をしたようにやはり党内の議論がありますから、そこに配慮をしなければいけないということだろうと思います。
(問)ちょっとその関連で細かいんですけれども、まず参加を表明はするだけしてから、党内議論に移るのか、党内議論の熟成を待ってから表明するのか、順番的にはどちらになりますでしょうか。
(答)それは当然党内議論を踏まえなければいけないと思いますが、党内議論が本当にどういう形で、まさにAPECまで間に合うかどうかということはありますから、そこはある程度決断しなければいけないときが来ると思いますが、今の段階では、まず党内議論をしっかりとやるということだと思います。

(以上)