海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年9月18日

(平成22年9月18日(土) 0:48~1:26  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 昨日、経済財政政策担当、それから科学技術政策担当、宇宙開発担当大臣に任命されました海江田万里でございます。どうか、これから長いつき合いになるのか短いつき合いになるのかわかりませんけれども、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 先ほど、官邸での御挨拶でも申し述べましたが、菅総理に本日2時ごろでございましたか、官邸に呼ばれまして、そして3枚紙を渡されまして、頑張ってほしいということで、この3枚紙は、それこそ個別府省の視点・所掌を越えて、我が国経済・財政の改革に取り組む。23年度中のデフレ脱却を目指し、雇用をはじめとする経済対策を統括する。2番目として、科学技術政策の基本戦略を策定・評価し、産学官の協力の下、イノベーションの創出を推進する。3番目として、平和主義の理念の下、宇宙の開発・利用を戦略的に推進する。こういう短いものでございましたけれども、とにかく経済の司令塔として頑張って、そして元気な日本を取り戻してほしいというお話がありましたので、私もこれまでの代表選挙では分かれる立場でございましたけれども、今日、菅総理も会見の中でお話がありましたけれども、20代からのつき合いでございます。それこそ、これは代表選の最中に、菅総理がちょうど各部屋を回って挨拶に来たとき、私が部屋にいましたものですから、「そうだよな。江田さんより海江田さんとのほうがつき合いが長いのだな」というような話もありまして、そういうつき合いでございますので、そして何よりも同じ民主党の仲間でございますので、本当に私ができることがあれば協力させていただくということで、それで今日、皇居での親任式、そしてその後での初めての会見というものを終えたところでございます。
 皆さんもお疲れだろうと思いますが、私も今日は朝早くからいろいろありましたものですから、若干疲れておりますので、個別の政策などにつきましては、皆様からのご質問に答える形でお話しさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)現在の景気認識と、第2の経済対策のあり方、方向性をどういうふうにお考えかお聞かせください。
(答)先ほどの官邸での会見でもお話ししましたけれども、月例経済報告の表現とすれば、引き続き持ち直してきているということで、方向性は上向きだというふうに思っておりますが、ただ、まだ自律的回復には遠いものがあると。それから、やはりこの間、環境の厳しさと申しますか、円高の問題、特に最近顕著で、ついこの間も為替市場に対する介入をやったところでございます。
 それから、中国経済も、私はこれまで中国に100回ぐらい行っておりまして、年に4回ぐらいは行っていたわけでありますが、そうしますとかなり肌で中国経済の変化というものを感じることができます。私が最初に中国に行ったのは、1976年ですかね、もう人民服の時代でございましたけれども、改革開放経済で30年、去年ぐらいでどうもピークアウトしたのではないかなという皮膚感覚もございまして、そういう中国経済のこれまでの発展のスピードがやや緩くなってきたかなと、そういう外部の事情もございまして、大変厳しい状況にあるということで、特に私、官邸では、この「依然として厳しい状況にある」というところに力点を置きたいということをお話しさせていただいて、同じ表現をこの場所でも使わせていただきます。
 経済対策につきましては、今日、実は閣議の中では、取り立てて特にこの補正予算について、総理からのお話はございませんでした。一部の新聞報道などもございましたものですから、あるのかなと思っておりましたけれども、今日はございませんでした。
 ただ、9時からの総理の会見の中でも、いつなのかということについては、これは野党の動きも見ながらというお話がございましたが、私はもう一つつけ加えるとすれば、やはりこの経済の動きであります。これが本当にこれから、特に10月、どうなっていくのか、それから、円高に対する市場介入が、今は本当に奏功しておりますが、どういう展開になっていくのか、そういう経済の動きも見ながら、補正予算のタイミングというものをはからなければいけないわけでございますが、やはり補正予算が必要だという認識は、今日は、野田財務大臣もそのようなお話ありましたから、ほぼ閣内の共通した認識になっているのではないだろうかというふうに思います。
(問)経済の司令塔ということですけれども、経済財政政策として、中長期も含めて一番力を入れて取り組まなければいけないと思っていらっしゃるテーマを教えてください。
(答)やはり、私は成長戦略を本当にどう具体化していけばよいのかということだろうと思います。もちろん、雇用も大切でございます。雇用の増大策については、幾つか既に明らかになっているところでありますが、ただ、やはり本当の意味で雇用が安定的に回復していくということは、やはりしっかりと経済が拡大して、そして景気がまさに自律的に回復していくということでございますから、その中で大きなインパクトを与えるのが成長戦略でございますので、その成長戦略の実現に力を入れていきたいと思っております。
(問)今のところで、成長戦略に力を入れていくということだったのですけれども、経済政策を実行していく上で、国家戦略相の玄葉さんとのすみ分けといいますか、役割分担はどのように考えていらっしゃるのか、お願いします。
(答)これは、玄葉大臣ともよく相談しなければいけないと思っておりますが、今日、私の後の官邸での会見で、玄葉さんは、どちらかというと中長期的なフレームワークといいますか、戦略について国家戦略担当でと、どちらかというと短期的なお話、短期的な対策といいますか、これが私の経済財政担当ではないかというようなお話がありました。
 ただ、これは中長期と短期ということだけではありませんで、例えばこれからやはり平成23年度、2011年度の予算をつくっていくということで、もう既に国債の発行枠を、今年度並みの44兆円を上限にしようというようなお話もありました。ただ、そういうときに、ではどうして44兆円なのかと、あるいは44兆円に抑えたときの財政の安定性の問題でありますとか、そういうことについて、やはりしっかりとしたバックアップするデータ資料というものを出していくということも、大事な私どもの役割だろうと思いますので、その意味では、どういうふうに申し上げればいいか、やはりかなり実態的な形になるのではないかなというふうに思っておりますので、もちろん玄葉大臣と力を合わせて、本当にこの日本経済の回復のために頑張りたいと思っておりますので、あまり、何と申しますか、垣根をつくってしまうこともいけませんし、どちらが上だ、下だということも、あまり私は考えておりません。
(問)日銀の金融政策決定会合に出席が可能な立場になるのですけれども、日銀との連携をどう果たしていくのかというところで、選挙戦中は、いわゆる日銀券ルールの見直しなどもおっしゃっていましたけれども、そういう点を踏まえて、これから日銀に対してどのような政策を望むのか、どう望まれていくのか教えてください。
(答)私は、これまで党の側にいましたから、党の側ではデフレ脱却議連という大変人数の多い議員の集まりもございまして、私は直接そのデフレ脱却議連のメンバーではございませんでしたが、時々、幹部の方たちと意見交換などもしながら、やはりこのデフレを克服するために日銀ができる範囲で力を尽くしてもらいたいということは、何度か私もお話をしてきました。
 その結果、やはりかなり日銀と政府の、平仄と言えばよいのでしょうか、息が合ってきたというのが現状ではないだろうかというふうに思います。そんな中で、さらに踏み込んで日銀法の改正に行くのか、あるいは、その少し手前でありますけれども、国債の買い取りの限度を日銀券の発行の範囲の中におさめるのかということも、当然、検討されてよいのではないだろうか。まだ若干余裕があるようでありますが、そういう議論もしてよいのではないだろうかということを、私は日銀などにも、そういう気持ちがあるということは伝えてきたところであります。
(問)話が変わるのですけれども、大臣は御就任なさって早速、IAEAのほうに行かれることになると思うのですけれども、そこではどのようなことを訴えかけて、演説などもされるそうなのですが、その辺をお伺いします。
(答)これから、実はその中身について事務方と打ち合わせをするところでありますが、やはり日本は本当に唯一の被爆国でありますので、改めてその点を世界にアピールしていきたいということが1つでございます。それから、やはりもう1つは、どうしてもイランの問題が出てこようかと思います。このイランの問題につきましては、せんだっても経済制裁に踏み切ったわけでありますが、やはり日本とイランの結びつきというのは、大変古くて長いものがある。主に石油の面でというとらえ方もありますが、それだけではありませんで、日本の車なども随分行っています。だから、そういうものを犠牲にしてといいますか、やはりそれは、当然いろいろな形で影響も出てくるかと思いますが、しかし、やはり核の平和利用と申しますか、これは日本が本当に世界に冠たる技術を持っているわけでありますから、やはりそういうことも訴えていきたいというふうに思っております。
(問)代表選のときに大臣は、無利子国債の発行とか、それから政府資産の証券化によって資金調達を政府がしたらよいのではないかというようなことをおっしゃっていました。今でもその持論は変わっていらっしゃらないと思うのですが、今、もしかしたらそういうことが実現できる立場になるかもしれないのですけれども、今後、どういうふうにそのお考えを実現していくようにされるのか。
(答)私が言いました無利子国債と小沢さんが言った無利子国債は、ちょっと違いますから。私が言った無利子国債というのは、御案内のように相続税との絡みで、ただ、これも相続税を何も非課税にしなくても、例えば半分にするとか、いろいろな選択肢があります。それから、やはり基本的には、恐らくこれは税制改正の議論になろうかと思いますが、やはり相続税は基本的にやはり増税の方向にいくのではないかなと、これまでの流れも。もちろん、増税のやり方にはいろいろな増税のやり方がありますが、そういう中で無利子国債という形で、やはり国債の個人保有、国債を直接個人が買うということが少なくなってきておりますから、そういうこともあってもよいのではないかというふうに思っております。
 これ税制改正の問題も絡む話ですし、それから私が資産の証券化ということを言いましたのは、証券化ないしは、本当は永久国債ということなわけですが、この永久国債というお話をしましたら、それは小沢さんが、証券と同じだなということを言いましたので、そういうふうにわかりやすく言ってもよいですがということを言いましたが、今の国債管理政策の中で、60年で償還するという原則があるわけでございますが、実際に借換債、借換債でつないでいって、結局減っていないわけですから、そうしたら、永久国債でもあまり変わらないのではないかなというふうに思ったりもしておりますので、ただ、先ほどもお話ししましたけれども、税制の話とも絡む話でありますし、あるいは、これはこれから蓮舫行政刷新担当大臣が特別会計の中に切り込みをするというお話がありますので、これがどういう中身になるか。やはり私は、特別会計の中に、それこそ現物として売ることはできないと、しかし、それを証券化して売ることによって、つまり、どうしても収益を上げなければいけないという必然性が出てくると。私の選挙区は、御案内のように東京第1区でありますが、もう前から本当に何とかならないのかなと思っていましたのは、高輪に議員宿舎がありまして、一等地ですよ、プリンスホテルのわきで。7年間ももうほったらかしでありますので、もちろんすぐに何兆円という規模にはなりませんけれども、ああいうものこそやはり証券化して売りに出せば、それなりのお金が入ってくるのではないだろうかと。どうしてもそれまでの議論が、財源が足りない、財源が足りないなら増税だと、あるいは、財源が足りないなら従来の形での国債だという話があったので、それに代わる新しいいろいろな知恵を出してみるのもよいのではないだろうかということですから、多角的な面から議論すると。閣議などでもいろいろな議論ができるように思っておりますので、そういうところで議論させていただきたいと思っております。
(問)今の、財源が足りないときには増税というお話があったということが出ておりましたけれども、消費税について海江田さん御自身は、今、議論を始めたり、実際に引き上げたりするということについてはどういうお考えなのか。経済への影響を含めてお聞かせください。
(答)基本的には、やはりデフレというのは需要が不足しているわけでありますから、やはり経済の常識としまして、今、私どもは、先ほどもお話ししましたように平成23年度中にデフレ脱却しようということでありますから、やはりこれはデフレをまだ脱却できていないというところで需要を冷え込ませるような増税というのは、本来とるべきではないというふうに思っております。これはもう基本的な考え方であります。
 議論してもいかぬかというと、そうではありませんで、実は消費税の議論というのは、私も民主党の税調に随分関わっておりましたけれども、本当に随分、それこそ民主党ができた当初から議論しておりまして、菅総理が戻し税のことなどもお話ししましたが、あれは、ちょうど私はそのとき、最初は行くつもりでおりましたけれども、どうしてもいけなくなって、もうかれこれ10年ぐらい前になりますが、カナダに調査団を派遣したのです。初めてそこで、カナダでこういう戻し税があるよということで――まだ今でも財務副大臣ですか。お辞めになったかもしれませんが、峰崎さんがそのとき行きまして、私はこっちへ残ったのですが、細かく話を聞きましたら、まさに今、菅さんが言っておられるような話で、あれは実は本当に10年ぐらい前からずっとやってきた話でありまして、そういう意味では議論はずっとやっていたわけでありますから、その議論と、それからやはり片一方で、では、そうやって集めた税金を何に使うのと。やはり、私は社会保障の制度、しっかりとした青写真をつくるということは必要だろうと思いますから、その社会保障の青写真との議論に並行させてやっていけばよいのではないかなと。消費税についての議論は、民主党には本当に蓄積があります。
(問)関連で、財政運営戦略で決めた財政健全化の目標というのは、消費税を増税しなくても、別のやり方で達成することは可能なのでしょうか。
(答)それは、目標の一つの目安が2015年であったり、あるいは2020年であったりということで、はっきり申し上げまして、常識的に考えれば、2020年というときに消費税が今の税率のままかどうかというと、これはそうではないのではないかなというふうに思いますから、2020年のところでは、当然、やはり消費税の増税が入っていると思います。
 ただ、2015年というのは非常に微妙なところですが、消費税の増税なしにできるのかということになると、それはなかなか厳しいなというのが実際のところです、2015年でも。
(問)無利子国債の話に戻ってしまって大変恐縮なのですが、先ほど発言の中で、相続税の増税の方向ではないかということだったのですが、相続税の増税と今言われた無利子国債について、今年度の税制改正で議論していくべきだというふうに理解してよろしいのでしょうか、先ほどのご発言について。
(答)そこのところは、よく全体で議論しなければいけないと思いますが、私が申し上げたかったのは、無利子国債の発行だということと、いわゆる金持ち優遇ではないかという話がありますから、それに対して、やはり消費税の増税、もちろんいろいろなやり方がありますが、一つのやり方は、やはり累進性の復活ということになろうかと思いますから、そうすると、必ずしも優遇ということにはならないと。もちろん、全く優遇ではないといえば、これは事実と違うかもしれませんが、そういうことを言いたかったわけでありまして、時期がいつになるのかということは、本当にしっかり議論しなければいけないのですが、ただ、これも民主党の中でかなり蓄積された議論でありますが、やはり特に年金の財源ということになりますと、今、年金の財政が非常に厳しいというのは、まさに少子化・高齢化の一つの帰結でありますから、少子化・高齢化の中でどういう事態が起きてきているかというと、やはり高齢者の一部のところにかなりの資産がたまってしまっている。私の父親の世代など、私は兄弟3人でございますが、やはり父母の世代は3人の子どもを育てる、あるいはもっと数が多い子育てをやった方もたくさんいらっしゃいますので、3人というのは少ないほうだったかもしれませんが、やはりそうすると3人育てれば、最後はほとんど、もうお金がなくなってしまうのです。
 ところが、私は子どもが1人ですが、1人ですと、いろいろな形でお金をかけても、やはり残るのです、これは。そうすると、やはりそういうところにたまった、特に金融資産などを、私はまさに少子化・高齢化の帰結として年金の財政が厳しくなっているわけですから、これは私の本当に個人的な意見でありますが、例えば消費税の前にといいますか、相続税だという考え方は、私は一つの考え方として持っていますので。私だけではなくて、そういう考え方をお持ちの方もたくさんいらっしゃいますので、そういう意味では、特に今年からかと、今年の税調でやって来年からかということには、ちょっと今すぐにはお答えできませんが、順番的にいうと、やはりかなり早い段階になるのかなという気はしています。
(問)対策をしっかりやってほしい、司令塔になってほしいということを総理が言われたということですが、大臣のお考えとして、対策を組むときに、赤字国債、建設国債等を増発してでも、必要であれば対策を組むべきだとお考えになっているのか否か、これについてどうですか。
(答)だから、まずどのぐらいの規模が必要かということがあるでしょう。その規模を策定することのほうが先でありまして、そこから、では、それだけの規模をどういう形で財源を確保するのかという話でありますから、その財源の中には、先ほどもお話ししましたけれども、いろいろなアイデアを考えてみる必要もあるだろうし、あるいは本当に、それこそ小沢さんが随分お話ししていました一括交付金の問題でありますとか、あるいは無駄遣いの問題でありますとか、そういうことを考えればよい話でありまして、それからもちろん建設か赤字かということでいえば、これは本当にちゃんと建設に耐えられるだけのところにお金を使うのか、あるいは建設以外のところで、建設国債を発行できないようなところにお金を使っていくのかということは、まさにその中身によって違ってくるわけですから、どういうやり方がよいのかということでは、まずその規模から考えて、しかもも、規模と同時に中身から考えて、それで財源の問題が出てくるということでございます。
(問)総理も、補正予算について少し述べられていたのですが、大臣の個人的なお考えとして、経済対策としての補正予算の規模のお考えと、その中でどういった分野に大臣として重点的に使うべきか。それから総理は、補正についてはかなり野党と話していくということをおっしゃっていて、かなりそれは甘いかなと思うのですが、大臣としては、野党と話し合っていくべきなのか、それなりに与党としてリーダーシップというか、与党の考えを全面に押し出すべきなのか、お考えをお願いします。
(答)これは、野党と話をするということは、結局、どこかで野党と話をしなければ、できる状況にないのです。要するに、衆議院ではやはり私どもは多数をとっているから、衆議院の意思として、しっかり民主党の考え方を出していく、そして、参議院に送れば参議院では当然それが通りませんから、そこで修正というやり方と、それから、そういうことが分かっているのなら、衆議院で意思を示さずとも、それこそ最初から相談しようではないかという考え方で、恐らく菅総理は今お話しした後者のほうかというふうに思っていますが、ただ、ちょっと聞きようによっては前者ととられなくもないような発言かなと私は思っておりますので、その辺をよく聞いてから、私も考えたいなというふうに思っています。
 規模は、本当にまだもう少し様子を見てみませんとわかりませんが、ただ、もちろん今回が9,150億円、事業規模が10兆円ぐらいですか。そこまではいっていませんけれども、やはり今、本当に、例えば住宅のエコポイントの延長だとか、幾つかありますけれども、これも後で詳しく事務方からも聞いてみなければいけませんが、こういう先行き不透明なとき、あるいは非常に投資マインドが減退しているときというのは、やはりなかなか真水に民間の資金がついてくるかというと、厳しいところがあるのではないかというふうに思っております。そうなると、やはり真水の部分を少し膨らませる必要があるのかなというふうに思っています。
(問)新成長戦略の中でも、科学技術というのはエンジンと位置づけられていますけれども、一方で、日本の政府の研究開発費に対する投資額というのは、GDP費0.67、0.68。これをせめて1%ぐらいにしないと、欧米に比べて大きく見劣りするということを、前任の川端担当大臣も強くずっと主張されてきていましたけれども、海江田大臣はどのように、これについてお考え、あるいはこれからどうやっていこうというおつもりなのかということと、特に、出口志向が強い中で、一方で科学技術の底固めをするためにも、基礎科学の分野を手抜かりしてはいけないのではないかというような主張が結構ありますけれども、それも併せてお聞きできればと。
(答)実は、私はものづくりの基礎になる人づくりの、特に科学技術の研究開発に力を入れようという議連の会長もやっておりまして、第1回は東大や京大の学長をお招きしてお話を伺ったことがあるのですが、やはり本当に日本のものづくりを支える科学的な基盤、これがやはり非常に危うくなっているという思いはございますので、恐らく文科省の予算になろうと思いますが、しっかりとこれからつけるところはつけていかなければいけないかなというふうに思っておりますので、新しい文科大臣とも相談しながら、やはり本当にここのところはしっかりと予算をつける。
 ただ、もちろん予算の中にも、これはある方が言っていましたけれども、やはりそれこそ本当に小分けして、それが90ぐらいあって、1つが300億円とか、そんな大規模な研究開発費があって、では、その300億円が本当にどう使われているのかというと、だいぶそこに無駄もあるので、そういう無駄をしっかりと精査した上で、必要なところにはお金を使っていかなければいけない。確かに、1回蓮舫さんがやったような無駄をきちんと洗い出しするということは必要だろうと思いますが、ただ、そこは明らかに無駄と思われるような無駄と、それから本当に、あのときにノーベル賞のどなたかが言っていたのでしょうか、歴史の裁判というのですか、歴史に照らして本当にあなたがやったことが正しいのかどうか、歴史の舞台で無罪だということが言えるのかと。ちょっと直接的な表現は、また別な表現だったと思いますが、そういうものに耐えられるかどうなのかということは、いろいろ疑問に思う方もいらっしゃるのでしょうけれども、基本的にはやはりそういう科学技術の、特に基盤的な技術と申しますか、やはりそういうところに私は力を注いでいきたいなというふうに思っています。
(問)政府の投資目標を1%とか、そういう数値目標についてはどんなお考えですか。
(答)これは、教育費全体の中の一つの目標がありますから、大体その中で初等・中等教育だとか高等教育ということで、やはり高等教育にもしっかりとお金をつかっていかなければいけないと思います。私は根っからの文科系なのですが、今回、科学技術と、それから宇宙開発というのが担当に入りましたので、JAXAなど、ぜひ見に行きたいと思っております。宇宙は、やはり日本の未来、フロンティアですから、あと、私は海洋の開発ということも、しっかりやらなければいけないなと思っています。

(以上)