荒井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月27日

(平成22年8月27日(金) 12:35~12:51  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 私からは、今日の閣議後の閣僚懇談会で、私から現下の経済・金融情勢に対応した経済対策のあり方について、私案という形で御説明いたしました。また、玄葉大臣からも、党でまとめた経済対策について御説明がありました。それらをもとに議論を行いました。
 私の私案は、景気は着実に持ち直してきているものの、円高や海外経済の減速という我が国の景気下押しリスクが強まっていることを踏まえてどういった対応が考えられるかという観点からまとめたものであります。
 近いうちに、多分今日でも、総理のほうから具体的な経済対策の基本方針のスケジュール感というものを、総理御自身が発表されるのではないかというふうに考えてございます。今後は、これらの議論、あるいは総理の御指示に基づいて、具体的な経済政策の作業が行われるものだというふうに承知しておりますけれども、それらについては今日以降の具体的な指示から始まるものだと思いますが、それらも踏まえて、今回、土曜日と日曜日にハイレベルの日中経済閣僚会議があるのですけれども、私は出張を取りやめて、代わりに平岡さんに行ってもらうことにいたしました。
 この間、いろいろな方からヒアリングをさせてもらいました。証券会社の人、あるいは銀行関係者、マーケットの関係者、あるいは総理官邸で行われました経団連を初めとする経済三団体との意見交換会、あるいは連合との意見交換会などでございます。引き続き、地域経済の情勢についてもしっかり把握する必要があるだろうということで、今日と30日、地方の方々にもぜひ来ていただいて、お話を聞くことにしてございます。
 あとは、皆さんからの御質問にお答えする形で。

2.質疑応答

(問)来週9月1日をもって、消費者庁発足1年ということになります。荒井大臣は、後半の3カ月を対応されていたと思うのですが、とりあえずこの1年間の、大くくりでも構わないのですが、どういうふうに総括されているかというのと、2年目に当たっての抱負というのをお聞かせいただければ。
(答)全く新しい役所が、そして、寄り集まりと言っては悪いのですけれども、いろいろな出身の違う人たちが集まってきて、そして一つの方向に向かって仕事をしていくというのはなかなか難しいものです。私も何度かそういう経験をしたことがありますけれども、これが一体感を持って一つの目標に対応していくということの体制をつくるのには数年かかるのが普通だと思いますけれども、ただ、この消費者庁というのは、多くの国民の皆さんの期待に応えてでき上がっていったということ、それからスタッフの皆さんが、大変優秀な人たちが集まってきたということで、私は、1年にしてはよくここまで機能的な役所となったなという思いを持っております。これは、やはり消費者の立場に立つ新しい行政スタイルが必要だという国民のニーズに応えていくということから、そういう結果につながったのだろうなというふうに思っています。
 現在、概算要求の準備をして、来週、概算要求を出すのですけれども、私としてはこの概算要求を非常に重視しておりました。「全省庁の政策経費は全部1割削れ」という御指示なのですけれども、それではこれから充実させていく消費者行政に対応できないということで、内閣府や消費者庁のスタッフに、予算と人員、定数については最大限努力するようにということを指示いたしました。そういうことを踏まえた体制強化の糸口もできるかなと、そういう仕事ができつつあるなという私なりの感想を持っております。
 まだまだ消費者庁は数多くの課題を抱えておりますから、これからも2年目に向けて、多くの仕事をしなければならない、課題をこなしていかなければならない。そのために、中の機能も一層充実させていかなければならないだろうというふうには思っています。
(問)昨日の副大臣会見でもそうだったのですけれども、消費者庁のこの1年の総括というところで、よくやった、頑張っているという話が全面に出ているのです。もちろん、消費者庁ができたからこそされた対策というのはあって、一定の評価はしておりますが、一方で、いろいろな製品事故とか安全対策の面で対応が後手に回ったり、あるいは我々プレスや他の機関から働きかけがあってやっと消費者庁が動いたという案件もかなりあって、そのあたりはやはり反省もあって、教訓を活かして次に進むべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
(答)もちろんそうです。完全な役所というものは、そんな一朝一夕につくれるものではありませんし、また完全というのは無理なのだろうと思います。
 その意味では、スタッフの教育、あるいは仕事になれていくというか、鍛練ということも必要ですし、さらに消費者庁全体が地方に対してもっと、影響力と言ったらおかしいのですが、地方との連携のあり方などについても、まだまだ工夫しなければならないところがたくさんあるだろうというふうに思っています。事故の調査というか、事故の報告が上がってきているにもかかわらず、それがうまく活用されていないというような話も時々聞かれるのですけれども、それなどは確かに中の機能性のところにまだまだ十分ではないところがあるという意味では、反省しなければならないところも多々あると思います。
 ただ、私も役所出身ですから、私は概して皆さんよくやっていただいているなというふうに思います。
(問)民主党の代表選についてお伺いしたいのですけれども、昨日、小沢前幹事長が出馬されて、正直「仁義なき戦い」のような様相を呈しているのですけれども、荒井大臣はかねてから挙党体制ということを訴えてこられて、党内グループにはなお「激突回避をすべきだ」という声が、今、上がっていますけれども、1日の代表選告示までに激突回避の余地が残されているというふうにお考えでしょうか。あるいは、そういう努力をすべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)それぞれの候補者の方々が、それぞれの自分の信念で政治的な決断をされる、した、あるいは周りの方々との相談の上に、そういう決断をしたのでしょうから、私は、それはそれで尊重されるべきではないだろうかというふうに思います。特に、民主党が今抱えている課題というのはたくさんございます。そういう意味では、その政策課題について真剣な議論が行われる場がつくられたというのは、ある意味では歓迎すべきことではないでしょうか。
(問)小沢一郎前幹事長が出馬表明しましたが、小沢さんは3カ月前に、当時の鳩山総理が政治と金の問題から決別するということで民主党の幹事長をやめられて、わずか3カ月で、特に政治と金の問題がクリアになったわけでもない状態で、今度は代表選に出馬するということで、この代表選出馬についての受けとめをお願いします。それと、改めてですが、菅総理も再出馬されると思いますが、どちらを支持するか改めてお願いします。
(答)支持は、言わずもがなですけれども、私は菅総理を支持いたします。
 それから、前者の話ですけれども、すべての党員あるいは国会議員には、代表選に出る資格があるわけですから、そのときの自分の信念とか、あるいは経歴とか、そういうものを自ら判断して自ら決めるというのが政治家ではないでしょうか。
(問)今朝の閣僚懇に大臣御自身が示された私案について、可能な範囲で教えていただけるとありがたいのですが。また、官房長官の会見の中では、閣議か閣僚懇の中で日銀との連携について、非常に多くの方々が同意されたというような趣旨の発言があったのですけれども、大臣御自身、その私案の中で、日銀との連携についてはどのように言及されているのか。また、最近の円高について、為替介入への期待もあるのですが、その辺の考え方も教えていただけるとありがたいのですけれども。
(答)閣僚懇談会の中での中身について具体的に言及することは、禁じられているというわけではないのですけれども、しゃべらないことというような約束があるみたいですので、そこのところはコメントを遠慮させていただきたいのですけれども、ただ、全体としては、雇用が重要だということについては強く言わせてもらいましたし、雇用をつくっていくような緊急経済対策でなければならないということは、私は強く言いましたし、さらには数少ない資金を有効に使うためには、新成長戦略というこれから日本が向かっていく方向を先取りするような、あるいはそれを早めるような政策でなければいけないだろうということは強く言いました。
 それから、今おっしゃった今回の円高による緊急対策というのは、著しく金融問題から発しているという認識をされる方が多くの閣僚の中におられまして、その意味では、円高対策についての具体的な意見交換というものがなされるべきだというような話がございましたけれども、これは政府のほうがあまり言及するべきではないのかなというような意見もございますので、この程度にいたします。
(問)経済対策の件でちょっとお伺いしたいのですけれども、昨日、民主党の政調でエコポイントの延長について、特に家電エコポイントの延長の提言みたいなものが入っていたのですけれども、住宅のエコポイントに比べると、内需拡大というよりは需要の先食いというような指摘がこれまでも出ていまして、経産省も含めて政府内は消極的だなという印象はあるのですけれども、その点について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)エコポイント全体についての党側のほうからのさまざまな意見も、昨日、聞かせていただきました。ここはまだ政府側としてはまとめ切っていないので、コメントは控えさせてください。
(問)経済対策は、段取りを政調のほうから示されて、いわゆる2段階論というものとか、今回は9,000億円、その後に国会審議で補正を組むようなものになるのか、どのぐらいの規模になるのかというのは、おっしゃれないかもしれないのですけれども、そういう段取りになるのだということ自体は、今回の閣僚懇で合意はあったのですか。総理は?
(答)党の政調のほうからは2段階論とか、そういうような御提案もございましたけれども、今議論するのはそういうことではなくて、どのぐらい緊急性が高いのか、そして、今の円高不況みたいなものを下支えしていくためには何が必要なのかということに則って、財源規模とか、そういうものは決まるのだろうというふうに思っています。
 今、私たちは、極めて緊急性が高いのではないか、タイミングを失するとまずいのではないか、そういう思いでまとめようとしているところです。

(以上)